天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第92話『お前………姉ちゃんが居るんだってな?』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第92話『お前………姉ちゃんが居るんだってな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街中で強引なナンパに遭っていたのほほんを助けた男、キタン・バチカ。

 

彼は、3人の妹、キヨウ・キノン・キヤルを引き連れ、辺りをシメている札付きの不良だった。

 

そんなキタンに、のほほんは一目惚れ。

 

其れを知った神谷は、のほほんを焚き付け、キタンとのデートを強行させようとする。

 

果たして、のほほんの恋の行方や如何に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・学生寮………

 

シャルとラウラの部屋………

 

「………と言うワケなんだけど」

 

電話を片手に、ベッドに腰掛けているシャルがそう言う。

 

[へえ~~、あの子が兄ちゃんをね~………変わった趣味してるわね]

 

受話器の先からは、キヨウの声が聞こえて来る。

 

何故、シャルが彼女と電話をしているのか?

 

実は神谷とキタンが喧嘩をしていた時、シャルとのほほんは、ちゃっかりキヤル達と連絡先の交換を行っていたのだ。

 

其れならば、のほほんが彼女達に連絡を取るのが()だろうが………

 

肝心な時になって緊張してしまい、結局シャルに代行して貰っている。

 

「そう言わないでよ。其れで、お兄さんを何とか引っ張り出して貰えないかな?」

 

[OK。やってみるわ。“人の恋路は応援する”のが女の生き様よ]

 

「ありがとう、キヤル」

 

[どう致しまして………其れじゃ、またね]

 

「うん、またね」

 

そう会話を交わすと、シャルは通話を切る。

 

「ふう~………コレで良しっと………でも、大丈夫かな?………“グレン団の皆で本音(のほほん)のデートを応援する”だなんて………」

 

シャルは天井を仰ぎ見ると、そう漏らす。

 

あの時、のほほんが決意を表明すると、グレン団の一同………主に女性陣が、のほほんの応援に回ると言い出した。

 

しかし、面子が面子だけに、かなり不安である。

 

だが同時に、止めたところで聞く様な面子でもない。

 

(まあ、なる様にしかならないか………)

 

若干投げ遣りになりつつ、そんなシャルの不安等知る由も無く、早々に寝息を立てていたラウラを一瞬見遣ると、シャルはベッドに入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時はアッと言う間に流れ、のほほんとキタンのデートの日がやって来た。

 

待ち合わせの場所は、先日キタンとのほほんが出会った場所である。

 

「…………」

 

グレン団女性メンバーによって、精一杯めかし込まれたのほほんが、珍しく緊張した様子で、ドキドキしながらキタンを待っている。

 

「あの本音が彼処まで緊張するなんて………」

 

「ホント………珍しいモノが見れた………」

 

「ま、恋にドキドキするのは“乙女の特権”だからね」

 

その様子を物陰から見ているグレン団メンバーの内、虚・簪・楯無がそんな言葉を漏らす。

 

「頑張れよ~、のほほん」

 

「ねえ、神谷………」

 

「アニキ………」

 

神谷ものほほんに向かって声援を送るが、其処でシャルと一夏が声を掛けて来る。

 

「ん? んだよ、シャル、一夏」

 

「さっきから僕等………」

 

「スッゲー目立ってんだけど………」

 

首を傾げる神谷に、シャルと一夏はそう言う。

 

そう。現在、()()()のほほんの様子を窺っているグレン団一同だが………

 

人数が人数だけに、その様子はかなり目立っていた。

 

オマケに、素性が知れて騒ぎにならない様にと、全員私服姿でサングラスやマスク等を着用したりしているので、怪しい事この上無い。

 

「ねえ~、ママ~。あのお兄ちゃんとお姉ちゃん達、何してるの~?」

 

「シッ! 見ちゃいけません!!」

 

通り掛かった通行人の母子が、そんな事を言って通り過ぎて行く。

 

((やっぱり如何見ても怪しい集団だな(だよ)))

 

其れを聞いた一夏とシャルは内心でそう思う。

 

「あ! 来たわよ!!」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

と其処で鈴が声を挙げ、一同の視線が再びのほほんの方へと注がれる。

 

其処には、のほほんの方に向かって歩いて来るキタンの姿が在った。

 

「よう。随分とはええな」

 

「う、ううん! い、今来たとこだよ!!」

 

キタンに声を掛けられると、若干吃りながら返事を返すのほほん。

 

「? 何慌ててんだ?」

 

「な、何でも無いです! ハイ!!」

 

「そうか? しっかし、キヤル達の奴………一体何の積りで俺にお前に1日付き合ってやれなんて言ったんだ? お前何か聞いてるか?」

 

「そ、其れは………?」

 

キタンからの質問に、のほほんは視線を逸らす。

 

「ま、いっか! 男は(こまっ)けぇ事は気にしねえモンだ! 取り敢えず行くぜ!」

 

そう言うと、キタンはのほほんの手を取って歩き出す。

 

「!?!?」

 

のほほんは真っ赤になった状態で、キタンに手を引かれるがままに連れて行かれるのだった。

 

「アイツ………一夏とは()()()()()朴念仁だな」

 

「そうですわね………」

 

そんなキタンの様子を見たラウラとセシリアが、愚痴る様にそう言い合う。

 

「えっ? 何だよ? 俺が如何かしたか?」

 

其れを聞いた一夏は、相変わらずの()(とぼ)けた反応を返す。

 

((((((((………コイツ(この人)は、“自分に都合の悪い事”は聞こえない耳をしてるのか?))))))))

 

其れを聞いた箒達は、内心でそんな事を思うのだった。

 

と、其処へ………

 

「ハア~イ。また会ったわね」

 

「こんなに早く会えるとは思っていませんでしたけど」

 

「よう、お前等ぁ!」

 

キタンの妹達、キヨウ・キノン・キヤルが現れる。

 

「あ、キヨウ、キノン、キヤル」

 

「貴女達が、あのキタンさんって人の妹さん達?」

 

シャルがそう言うと、蘭がキヤル達に向かってそう尋ねる。

 

「そう、長女のキヨウよ」

 

「次女のキノンです」

 

「キヤルだぜ!」

 

「へえ~、とてもあのキタンって奴が兄貴だとは思えないな~」

 

キヨウ・キノン・キヤルが簡単に自己紹介をすると、弾がそんな感想を漏らす。

 

「アラ? そういう君も結構イケてるわよ。うっふ」

 

するとキヨウがそんな事を言いながら、弾の傍に寄る。

 

「ちょちょちょちょっ!? だ、駄目っすよ! 俺には虚さんが!!」

 

「弾くん!!」

 

途端に弾は大慌てし、虚も慌てて駆け寄って来て、弾をキヨウから引き離す。

 

「アハハハ、冗談よ。其れに“イケてる”って言っても、ウチのダーリンのダヤッカには及ばないけど」

 

「ムッ! 何ですかその言い方は! 弾くんはカッコイイ“だけじゃない”んですからね!!」

 

キヨウが笑いながらそう言うと、虚がそう反論する。

 

「アラアラ? お熱い事ねぇ」

 

「ま~た、惚気てる………」

 

其れを聞いたキヨウが笑いながらそう言い、ティトリーも呆れた様に呟く。

 

「「…………」」

 

全員に注目され、弾と虚は真っ赤になって縮こまる。

 

「姉さんったら、また………」

 

「そう言やぁ、キノン姉ちゃんは最近ロシウとは如何なんだ?」

 

その姉のキヨウの様子にキノンが呆れていると、キヤルがそんな事を尋ねる。

 

「!? ど、如何って………べ、別に………」

 

キノンは顔を赤くして小声になる。

 

(3人の内、2人が恋人持ちか………お兄さん、苦労してそうだなぁ)

 

そんなキヨウ達を見て、シャルは内心でそんな事を考える。

 

「オイ、何やってんだ? アイツ等、行っちまうぞ」

 

「追跡開始だよ」

 

しかし其処で、神谷と楯無が一同にそう呼び掛ける。

 

一同は其々に色々とありながらも、キタンとのほほんのデートを覗き………

 

もとい、()()()始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キタンとのほほんのデートは、驚く程に“普通に”進んで行く………

 

商店街でウインドウショッピングを楽しみ………

 

オープンカフェで昼食を摂ったり………

 

公園の中をブラブラと2人で散策したりと………

 

そして現在………

 

2人はその公園内にあるベンチで休憩を取っている………

 

 

 

 

 

「ホラよ」

 

「あ、ありがとう………」

 

キタンが買って来た缶ジュースを受け取るのほほん。

 

デートが始まって大分立つが、未だ緊張の色が抜けていない様子である。

 

「大丈夫か? 何か今日は始終赤くなってたみてぇだが………風邪か?」

 

「う、ううん!? そんな事無いよ~! 元気元気~~!!」

 

キタンにそう問われ、のほほんはワザとらしく元気そうな様子を見せる。

 

「そうか?」

 

疑問に思いつつも、其れ以上の追及はしないキタン。

 

「あ~、もう、何やってるの本音! もっとこう、押して押して押し捲るのよ!」

 

「何時もの、本音の“のんびりさ”が無くなってる………」

 

「其れだけ………彼に対して()()って事なんでしょう………」

 

その光景を見て、楯無・ティトリー・簪がそんな言葉を漏らす。

 

「本音………」

 

姉である虚も、心配そうな目でのほほんを見ている。

 

「…………」

 

そして、そんな虚の肩をナチュラルに抱いている弾。

 

爆発しろ。

 

「なあ、いい加減止めないか? 順調に行ってるみたいだし………コレ以上深入りして邪魔しちゃ悪いだろう?」

 

「何言ってんのよ?一夏!」

 

「そうですわ! ココからが良い所じゃないですか!?」

 

正論を吐く一夏に、鈴とセシリアが言い返す。

 

まあ、この面子で正論が通る方が珍しいが………

 

「はあ~~」

 

そんな一同の様子に、一夏は深い溜息を吐く。

 

「其れにしても、兄ちゃんのあんな楽しそうな顔、久し振りに見るわね」

 

「ホントですね………」

 

「俺もあの姉ちゃん好きだぜ! 何か一緒に居ると和みそうだし!」

 

と、キタンとのほほんの様子を見ながら、キヨウ・キノン・キヤルがそう言い合う。

 

「其れは………あの男にも脈が有ると言う事か?」

 

「ええ、そうね。そもそも気が無かったら、私達の頼みと言えど、兄ちゃんは動かないわ」

 

箒が尋ねると、キヨウはそう答える。

 

「おっ!? 何か動いたよ!!」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

ティトリーがそう言うと、全員の視線が再びキタンとのほほんへと向けられる。

 

(あ~、如何しよう~! さっきから全然会話出来てないよ~!!)

 

心の中で、頭を抱えてブンブンと振っているのほほん。

 

実際は、其れ程会話が出来ていなかったワケでは無いが、のほほん本人は“そう思っている”らしい。

 

「そういや、お前………姉ちゃんが居るんだってな?」

 

と其処で不意に、キタンがそんな事を尋ねて来る。

 

「えっ!? あ、ハイ………」

 

「その、姉ちゃんはよぉ………お前が俺に会いに行くって言って、何か言わなかったのか?」

 

「えっ?」

 

「俺だって馬鹿じゃねえ。自分が周りから如何思われてっかくらい分かる。其れ自体は別に構わねえさ。俺が“自分で決めてやってる事”だ。でもよぉ………お前の姉ちゃんは如何なんだ? 心配したりして無えのか?」

 

「あ、うん、大丈夫だよ~。ウチの学校にも、貴方と良く似た人が居るから」

 

「神谷か………」

 

其れを聞いたキタンは苦笑する。

 

「俺も“兄貴”だからよぉ………上の奴の不安とかは何となく分かるって言うかよぉ。俺も、キヨウやキノンが男と付き合い出したって聞いた日にゃあ………」

 

と、其処で急に黙り込んだかと思うと、ブルブルと小刻みに震え始めるキタン。

 

「? キタンさん?」

 

「許さあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーんっ!! お兄ちゃんは許さんぞおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

すると突然ベンチから立ち上がり、大声で喚き始めた。

 

「ふえええっ!?」

 

のほほんは驚き、公園内の通行人達も何事か?と注目する。

 

「な、何だぁ!?」

 

「あっちゃ~~、また兄ちゃんの()()()()が発動しちゃったわねぇ」

 

コッソリ覗き見ていたグレン団の方でも、一夏がそう驚きの声を挙げると、キヨウが呆れた様にそう呟く。

 

「トラウマ?」

 

「ええ。ああ見えて、兄ちゃんてば“シスコン”なの。私とキノンが()()()()()()男と付き合っていた、って言うのがショックだったみたいで」

 

シャルが尋ねると、キヨウはあっけらかんとそう説明する。

 

「ハア、そうなのか………」

 

同じ兄の身として、弾はキタンに同情するのだった。

 

「キヨウオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ! キノンーーーーーーーーーーっ! お兄ちゃんは許しませんよおおおおぉぉぉぉーーーーーーっ!!」

 

キタンは尚も叫び声を挙げる。

 

「ちょっ!? キタンさん!! 落ち着いて!!」

 

流石にコレ以上はマズイと思ったのほほんが、キタンを止めに掛かる。

 

「ハッ!? す、すまねえ………つい取り乱しちまって」

 

其処でキタンは、漸く落ち着きを取り戻す。

 

「はあ~~、ビックリした~。急に大声出すんだもん………」

 

「だってよぉ~………ちっちゃい頃から可愛がってた妹がよ~。イキナリ『彼氏出来た』って報告して来たんだぜ~。其れまで散々隠しといてよ~。泣けるだろぉ~!?」

 

若干涙声で、愚痴る様にそう呟きながら、キタンは再びベンチに力無く座り込む。

 

「ア、アハハハハ………」

 

苦笑いするしかないのほほん。

 

「だからよぉ………オメェも姉ちゃんの事は大切にするんだぞ。姉妹同士で隠し事なんかすんなよ」

 

「キタンさん………」

 

其処でのほほんは思った………

 

キタンは()()()妹達の事を思っているのだ、と。

 

人や当人である妹達からシスコンだ何だと言われても、其れは妹達への“彼なりの愛の形”なのだ。

 

彼もまた………

 

“不器用な()”である。

 

「あの、キタンさん~………今日、私と居て~………その~………た、楽しかったですか?」

 

と、そうキタンの事を理解して緊張が解れたのか、のほほんはそんな事を尋ねる。

 

「んん? あ、ああ、そりゃあ………」

 

するとキタンは言葉に詰まった………と言うよりも、照れ臭そうにガシガシと頭を掻く。

 

「…………」

 

のほほんは、期待するかの様な目でキタンを見据える。

 

「や、止めろ! そんな目で見るんじゃねえ!」

 

「如何だったんですか~?」

 

狼狽するキタンに、のほほんは更に問い質す。

 

「ああ~~~~っ!!」

 

と、キタンは大声を挙げながら、再びベンチから跳ぶ様にして立ち上がる。

 

「当たり前田のクラッカーだろうが! こんなカワイコちゃんとデートして、楽しか無えワケ無えだろが!!」

 

自棄(ヤケ)になったかの様にそう叫ぶキタン。

 

「ありゃ~、兄ちゃん自棄になってるよ~」

 

「もう~、肝心な時になると何時も()()なんだから………」

 

「お兄ちゃん………」

 

そんなキタンの姿を見て、キヤル・キヨウ・キノンがそう呟く。

 

他のメンバーもキタンの()()()()()()姿()に、笑いを堪えている。

 

「…………」

 

一瞬、呆気に取られた様な表情をしていたのほほんだが………

 

「………プッ! アハハハハハ!!」

 

やがて、我慢出来なくなったかの様に笑い出した。

 

「な、何で笑うんだよ!?」

 

「だ、だって~………キタンさん~………必死過ぎ~! アハハハハハ!!」

 

「わ、笑うなよ!!」

 

キタンが怒りながらそう言った瞬間………

 

「「「「「「「「「「ブアッハッハッハッハッハッ!!」」」」」」」」」」

 

近くの茂みの中から、大人数を思わせる笑い声が響いて来る。

 

「!? な、何だぁ!?」

 

キタンは、驚きながらも茂みの中を覗き込む。

 

「ダハハハハハハハッ! ヒーヒッヒッヒッヒッ!!」

 

「は、腹がぁ!! 腹が(よじ)れる~~~~~~~っ!!」

 

「アハハハハハッ! い、息が! 息がぁ~っ!!」

 

其処には、一斉に腹を抱えて笑っているグレン団メンバーと妹達の姿が在った。

 

「お、お前等ぁ!!」

 

その様を見て、今までずっと“見張られていた”事に気付き、憤慨し始める。

 

「! やっべっ!? 逃げろーっ!!」

 

「待ちやがれえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

一夏の号令で一斉に逃げ出し始めるグレン団とキタンの妹達に、其れを追い掛け始めるキタン。

 

突如、公園内にて集団鬼ごっこが開始される。

 

「キタンさんたら~」

 

グレン団と妹達を追い掛け回すキタンの姿を、のほほんは楽しそうな表情で眺めている。

 

その為、彼女は気付かなかった………

 

自分の背後から近付いて来る()()に………

 

その人影が、のほほんの真後ろに立ったと思われた瞬間!

 

のほほんは背後から抑え付けられ、更には口までも塞がれてしまう!!

 

「!? うっ!? う、ううう~~~~~っ!?」

 

口を塞がれている為、大声を出す事も叶わず、のほほんはそのまま何処かへと連れて行かれてしまうのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数10分後………

 

「「「「「「「「「「ゼエ………ゼエ………ゼエ………ゼエ………」」」」」」」」」」

 

グレン団メンバーとキタンに彼の妹達は、全員が息切れした状態で、呼吸を荒くしている。

 

のほほんの事にも気付かず、ずっと追い駆けっこを続けていた様だ。

 

「お、お前等………ゼエ………ゼエ………逃げ回り過ぎだ…………ゼエ………ゼエ………」

 

息を切らせたまま、キタンがそう言う。

 

「ハア………ハア………ハア………ハア………兄ちゃんが………追い回すからでしょう………」

 

其れにキヨウがそう返す。

 

「そ、其れより………ゼエ………ゼエ………そろそろ………ゼエ………ゼエ………デートの続きに行ってあげてくれない?………ゼエ………ゼエ………」

 

其処で楯無が、他のメンツと同じ様に息を切らせながらそう言う。

 

「お、おう………そうだな………テメェー等の相手をしてる場合じゃ無かったぜ」

 

キタンはそう言うと、のほほんが居る()のベンチの方を振り向く。

 

しかし、其処にのほほんの姿は無かった………

 

「アレ? 本音? 何処行った?」

 

「便所か?」

 

「神谷………頼むから、もっとデリカシー持ってよ」

 

キタンがキョロキョロとし出すと、神谷がそう言い、シャルがそうツッコミを入れる。

 

と其処で突然、島○輔の男の○章が流れ出す。

 

「あん? んだよ、誰だ?」

 

そう言いながら、キタンが携帯を取り出し通話ボタンを押す。

 

((((((((((着信音似合い過ぎ………))))))))))

 

グレン団メンバーは、キタンの着信音設定に心の中でそうツッコミを入れる。

 

[よお~、キタンちゃ~ん、ひっさしぶり~~]

 

通話先からは、妙に馴れ馴れしい声が聞こえて来る。

 

「ああ? んだテメェは? お前なんざ知らねえぞ!」

 

全く知らない人物からの電話に、キタンはそう怒鳴り返す。

 

[知らない~? オイオイ、連れないね~、キタンちゃ~ん。俺だよ、俺。この前にお前にブッ潰された、暴走連合・臥威王(ガイオウ)総長の田代だよ~]

 

「知るか! 一々ブッ潰した相手の事なんて覚えてられっか!!」

 

[お~お~、良いのかい? そんな態度取ってぇ? コッチはお前の(スケ)を預かってるんだぜ?]

 

「ああ? 俺の女!? 何馬鹿な事言って………!?」

 

其処でキタンはハッとする。

 

「テメェ………ソイツはまさか!?」

 

[まさかキタンちゃんの彼女が、あのIS学園の生徒だとはね~。御丁寧に学生証まで持っててよぉ。何て読むんだこりゃあ? 布仏………本音かぁ?]

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

その言葉を聞いたキタンとグレン団の一同が驚愕する。

 

「テメェ! ソイツは関係無えっ!!」

 

[ウルセェ! 此奴を助けたかったら、今から言う場所に()()()来い! 妙な真似したら、女の命は無いと思えっ!!]

 

慌てるキタンに、電話先の相手は怒鳴りながら指定の場所を言うと、さっさと電話を切ってしまう。

 

「オイコラ! 待てぇっ!!」

 

怒鳴るキタンだが、電話は既に切れている。

 

「クソッ!」

 

「ほ、本音が………そんな………あああ………」

 

「うわっ!? 虚さん!?」

 

のほほんが拉致されたと聞いて、気を失い掛けて倒れる虚を、慌てて弾が支える。

 

「…………」

 

キタンは携帯を握り締め、怒りに身体を震わせる。

 

「コリャマズイよ! 直ぐに助けに行かないと!!」

 

「オイ、キタン! 指定の場所ってのは何処なんだ!?」

 

一夏がそう言うと、神谷がキタンにそう尋ねるが………

 

「………!!」

 

キタンはその問いには答えず、その場から走り出した。

 

「あ!? オイ!?」

 

「マズイ! 兄ちゃん、頭に血が昇っちゃってるよ!!」

 

「1人で助けに行く気です!!」

 

「兄ちゃん! ヤバいってば!!」

 

慌てて、キヨウ・キノン・キヤルが後を追う。

 

「クソッ! 行くぞお前等!!」

 

「「「「「「「「「「おうっ!!」」」」」」」」」」

 

其れに続く様に、グレン団の一同もキタンと3人の妹達の後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

キタンとのほほんのデート。
そしてそれを覗くグレン団と言うお約束の構図(笑)
しかし、ただデートするだけで終わらないのがこの作品。
誘拐されてしまったのほほんの運命は?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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