天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

94 / 137
第94話『………島が見えるぞ』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第94話『………島が見えるぞ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

「漸く完成か………長かったなぁ」

 

「資材を手に入れるにも一苦労でしたからね………」

 

何処かの研究室らしき場所で、束とくーちゃんがそう言い合う。

 

2人の目の前に展開しているモニターには、何か“巨大な物体”が映し出されている。

 

「今や、世界の戦況はロージェノム軍側が完全に有利だからね………」

 

「コレまでにも多くのダミー研究所が破壊されています。此処が発見されるのも時間の問題かと思われます」

 

「うん。急いでかみやん達に………」

 

と、束がそう言い掛けた瞬間!!

 

突如研究室内に、けたたましい警報音が鳴り響いた!!

 

「!? 如何したの!?」

 

「ちょっと待って下さい」

 

束が慌てると、くーちゃんは冷静に目の前に投影ディスプレイを出現させて、状況を調べる。

 

「! 近くの洋上に巨大なエネルギー反応! ロージェノム軍のダイガンです!!」

 

「洋上………って事は、流麗のアディーネのダイガンカイ!!」

 

くーちゃんの報告に、束がそう声を挙げた瞬間!!

 

爆発音と共に、研究室に振動が走る!!

 

「キャアッ!?」

 

「ミサイル攻撃です! クウッ! とうとうこの場所も感付かれた様です!!」

 

「くーちゃん、急いで!! 『インフィニット・ノア』のドックまで避難するよ!!」

 

「ハイ!!」

 

束とくーちゃんはそう言い合うと、研究室を飛び出して通路を走り出す。

 

直後に研究室に直撃弾が有ったのか、天井が崩れ、炎に包まれる。

 

尚も爆発音と振動が襲い来る中、束とくーちゃんは、必死になって何処かを目指して走っている。

 

しかし、徐々に爆音と震動は激しくなり、遂に束とくーちゃんの頭上の天井が崩れる!!

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーっ!?」

 

「束様ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

2人の声が響き渡る中、その姿は瓦礫に埋もれて行った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日………

 

IS学園の地下・リーロンの研究室にて………

 

「ふあああああ~~~~~んだよ、ブラコンアネキ。こんな朝早くから呼び出してよぉ」

 

早朝から千冬に呼び出されたグレン団メンバーの中で、神谷が眠そうに大欠伸をしながら、千冬にそう問い質す。

 

「………篠ノ之。良いか?」

 

もう注意する事にも疲れたのか、千冬は神谷の態度をスルーすると、箒へ呼び掛ける。

 

「………ハイ」

 

箒は、神妙な面持ちで返事を返す。

 

「うむ………」

 

千冬が頷くと、グレン団の一同からも見える様に、空中投影ディスプレイを展開させる。

 

『SOS、緊急事態発生! グレン団の一同に至急救援を請う! 場所はポイントN1! 篠ノ之 束』

 

そして、メールとして打たれたらしき物らしき電文が表示される。

 

「!? 束さん!?」

 

「オイ! こりゃ()()()()束の奴からか!?」

 

その電文を見た一夏が驚きの声を挙げ、神谷も一気に目を覚ます。

 

他の一同も、多かれ少なかれ驚きを露わにしている。

 

「間違い無い………()()だ。今朝方、篠ノ之の携帯電話に直接送られて来たそうだ」

 

「………コッチからの連絡には応じても、“自分からは()()()連絡を寄越さない”姉さんが送って来たメールだ。信頼性は高い、と思う」

 

其れに対し千冬が返答すると、箒もそう声を挙げる。

 

「オイ、箒」

 

すると、神谷が箒へ声を掛ける。

 

「? 何だ?」

 

「何だじゃねえよ。“姉貴からのメール”なんだろ? 信頼性とか何だとかよりも………()()()()()は、そのメッセージを如何思ってんだ?」

 

箒を見据えながら、神谷はそう問う。

 

「わ、私は………」

 

一瞬、逡巡するかの様な様子を見せたが………

 

「私は………あの人を………姉さんを信じたい!!」

 

やがて“迷い無き瞳”でそう答える。

 

「そうか………良し、お前等ぁっ!! 束の奴を助けに行くぞぉ!!」

 

其れを聞いた神谷は、ニヤリと笑うと一同に向かってそう言い放つ。

 

「「「「「「「「「「おおーっ!!」」」」」」」」」」

 

一夏達もノリ良く、勇ましい返事を返す。

 

「素晴らしい団結力ね」

 

「…………」

 

そんなグレン団の団結力を褒めるリーロンと、何と無く“疎外感”を感じる千冬。

 

「ただ、ちょっと“気になる事”が有るんです」

 

と其処で、今まで事の成り行きを見守っていた真耶がそう声を挙げる。

 

「? 山田先生。何ですか? 気になる事って?」

 

其れを聞いたシャルがそう尋ねる。

 

「ハイ。篠ノ之博士が言う『ポイントN1』と言うのは………この辺りの事なんですが………」

 

真耶はそう言うとコンパネを操作して、空中投影ディスプレイに世界地図を映し出す。

 

すると、その世界地図の“太平洋上のと或る地点”が発光する。

 

「其処は………」

 

「そうなんです。地図上では、この地点には()()()()()なんです」

 

セシリアが何かに気付いた様に声を挙げると、真耶がそう説明する。

 

「如何言う事だ?」

 

「まさか、ロージェノム軍の罠じゃ?」

 

「その可能性も十分に考えられるね」

 

ラウラ、鈴、楯無は考え込む様子を見せる。

 

「んなもん行ってみりゃ分かるだろ。今まで“世界中の連中から逃げ回ってた”束だぜ。コッソリ無人島でも造ってたのかもしんねえぞ」

 

「いや、アニキ。流石に“無人島を造る”ってのは無理が無いッスか?」

 

神谷がそう言い放つが、弾にツッコミを入れられる。

 

「いや、弾。束さんの場合、()()()()から困るんだ………」

 

「ええっ!? 本当ですか!?」

 

すると一夏がそんな事を言い、蘭が驚きの声を挙げる。

 

「「…………」」

 

そんな声に、千冬と箒は無言で視線を逸らしている。

 

「マジかよ………?」

 

その態度に、弾は一夏が言った事が真実であると悟る。

 

「兎に角………神谷の言う通り………行ってみるしか無いわね」

 

「虎穴に入らずんば虎子を得ず~」

 

簪がメガネのレンズを光らせながらそう言い、のほほんもノリノリな様子でそう言う。

 

「アラ、本音、良く知ってたわね?」

 

「? 如何言う意味?」

 

そんなのほほんの姿に軽く驚く虚と、のほほんの言った言葉の意味が分からず、虚に尋ねるティトリー。

 

「簡単に言えば、“危険を冒さなければ大きな成功は摑めない”って事よ」

 

「おお! 正にグレン団の為に有る様な言葉じゃねえか!!」

 

虚が説明すると、その言葉が気に入ったのか、神谷が飛び付く。

 

「取り敢えず、今日はお前達は公欠扱いだ。私と共にこの地点の調査に向かう」

 

「えっ!? 千冬ね………織斑先生も来るんですか?」

 

千冬がそう言うと、一夏が驚きを示す。

 

「私も、束には色々と“訊きたい事”が有る。こう言うのも何だが、“()()学園に居る生徒の数”なら、残っている教員だけで対処出来る」

 

「私も同行します。今回ばかりは事が事ですから」

 

千冬がそう説明すると、真耶もそう言い放つ。

 

「よっしゃ! そうとなりゃ善は急げだ!! 直ぐ出発するぞ!!」

 

最後に、神谷がその場を纏める様にそう言い放ち、グレン団と千冬に真耶は、束の指定したポイントN1へと出発する準備に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小1時間後………

 

リーロンが密かに用意して置いたジェットエンジン式の飛行艇に乗り込み、一同はIS学園からポイントN1へと飛び立った。

 

 

 

飛行艇内………

 

「この辺りの筈だよなぁ?」

 

飛行艇の窓から、外の景色を覗き見る一夏。

 

しかし、広がっているのは何処までも続く大海原だけで、他には何も無い。

 

「見渡す限り海ばかりで、他には何も無いッスけどねぇ………」

 

隣の窓から、同じ様に外を見ていた弾もそう言う。

 

「落ち着け、馬鹿者共。未だ捜索を始めたばかりだろうが」

 

「ポイントN1と行っても、かなり広い範囲の事を示しますからねぇ」

 

そんな2人に、飛行艇の操縦席で操縦を担当している千冬と真耶がそう言う。

 

「んん?」

 

とその時、一夏や弾と同じ様に窓から外を眺めていた神谷が“何か”を発見する。

 

「神谷? 如何したの?」

 

「………島が見えるぞ」

 

シャルが尋ねると、神谷はそう返す。

 

「えっ!? ちょっと見せて!!」

 

其れを聞いたシャルは、神谷に退いて貰って、彼が覗いていた窓から外を見遣る。

 

しかし、広がっているのは何処までも青い海原だけだった。

 

「アレ? 神谷、島なんて見えないけど………」

 

怪訝な顔をしながら神谷にそう言おうとしたシャルだったが………

 

「オイ、ブラコンアネキ! 進路変更だ!」

 

既に神谷は操縦席へ行き、千冬に進路の変更を提案していた。

 

「何を言っている?馬鹿者。お前の意見だけでそう簡単に………」

 

「ああ、もう! 退きやがれ!!」

 

千冬が何を馬鹿な事をと言うと、神谷は千冬を無理矢理操縦席から押し退ける!!

 

「うわっ!? 貴様!?」

 

「其れぇ行くぜぇーっ!!」

 

そして、思いっ切り操縦桿を倒して機体を旋回させる。

 

「「「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」」」」」」

 

急激な旋回に、中に乗っている一夏達は振り回される形となる。

 

「ちょっ! 神谷ぁっ!!」

 

「アンタ! 免許持ってんの!?」

 

シャルと鈴が神谷にそう言い放つ。

 

「心配すんな! ○の豚とトッ○ガンは死ぬ程観たぜ!!」

 

「其れは映画だろうっ!?」

 

「其れぇ、急降下ぁっ!!」

 

箒のツッコミをスルーし、神谷は調子に乗ってアクロバット飛行を繰り出す。

 

「「「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」」」」」」

 

またも振り回される一夏達。

 

「シ、シートベルトを!!」

 

「神谷さんの馬鹿ーっ!!」

 

ティトリーと蘭の悲鳴が挙がる中、神谷による地獄のフライトは暫く続いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小1時間後………

 

グレン団の一同を乗せた飛行艇は、神谷が見たと言った島に辿り着く。

 

「見えたぜ、あの島だ」

 

「「「「「「「「「「はらほろひれはれ~~~」」」」」」」」」」

 

神谷はそう言うが、他のメンツはアクロバット飛行の影響ですっかり伸びていた。

 

「何だ、お前等。だらし無えなぁ」

 

「か、神谷………貴様は………うっぷっ!?」

 

文句を言いたい千冬だったが、喋ると吐いてしまいそうになる為、黙り込む。

 

「そ、其れにしても………“こんな所”に島が在るだなんて………」

 

今だアクロバット飛行のダメージを引き摺りながらも、真耶が窓の外に見える“地図に載っていない島”を見てそう言う。

 

「? ちょっと待って。あの島………何だか変よ?」

 

すると其処で、窓から島の様子を見ていた楯無がそう声を挙げる。

 

「お嬢様?」

 

「変って、何処が~?」

 

虚とのほほんは、楯無にそう尋ねる。

 

「神谷くん。もっと高度を落としてくれない?」

 

「よし来た!」

 

楯無に言われて、神谷は飛行艇の高度を下げる。

 

………って言うか、ナチュラルに操縦しとる!

 

飛行艇が高度を下げて、島の周りを旋回飛行し始めると、島の概要が見えてくる。

 

島はかなり広大な面積を有しており、まるでギアナ高地の様な豊かな自然が広がっている。

 

しかし………

 

その所々に、“爆撃を受けた”かの様な跡が見受けられる。

 

「コレは………」

 

「酷いですわ………」

 

爆撃の跡を見たラウラとセシリアが、表情を険しくする。

 

「ロージェノム軍の仕業か?」

 

「だとしても………何故こんな“何も()()島”を攻撃したのかしら………?」

 

一夏の言葉に、簪がそう疑問を呈する。

 

確かに彼女の言う通り、この島には人工的な建造物は無く、人影も見当たらない。

 

“戦略上の意味”は何も無いように見える。

 

「兎に角、調べてみるしか有るまい」

 

千冬は、島の様子を見てそう判断する。

 

「よっしゃっ! 着水するぜ!!」

 

「だからお前は、操縦席から離れろ!!」

 

そして、未だ操縦席で操縦桿を握っていた神谷を如何にか退かし、着水の態勢に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名も無き無人島の砂浜………

 

広く白い砂浜の海に、グレン団を乗せた飛行艇は着水。

 

そのままその砂浜へと係留し、グレン団の一同は次々に島へと上陸する。

 

砂浜から少し行った場所には、鬱蒼としたジャングルが広がっている。

 

「まるで魔境だな………」

 

そんなジャングルの様子を見た一夏が、そんな言葉を漏らす。

 

「この島に姉さんが………」

 

箒はそう呟き、落ち着かない様子を見せる。

 

「落ち着け、篠ノ之。未だ“そう”と決まったワケでは無い」

 

と其処で、探検家の様な恰好をした千冬がそう言い、一同の前に出る。

 

「さて、お前達。取り敢えず我々はこの島を捜索する。この砂浜にベースキャンプを設置するので、此処を中心に捜索を開始する」

 

そして、当面の行動方針を話し始める。

 

「何が有るか分からん。単独では行動するな。必ず2人以上で行動しろ。良いな?」

 

「「「「「「「「「「ハイッ!!」」」」」」」」」」

 

千冬の言葉に、ハッキリと返事を返す一夏達。

 

「お~い、束~! 居るのか~? 居たら返事しろ~!」

 

だが只1人、神谷だけはまたも“ナチュラルに”束を探して、ジャングルの中へと入って行った。

 

「っ! 人が話している傍から貴様はぁっ!!」

 

「あ、あの、織斑先生! 僕神谷に従いて行きます!! 待ってよ、神谷~っ!!」

 

そんな神谷に怒りを爆発させる千冬を見ながら、シャルは逃げる様にそそくさと神谷を追う。

 

「お、俺達も行くぞ!!」

 

更に、残ったメンバーもとばっちりを恐れて、一夏を中心に逃げる様に捜索に出て行った。

 

「全くアイツ等は………アツツツツッ!」

 

「ああ、織斑先生! ハイ、薬です!!」

 

またも神経性胃炎が再発した千冬に、同じ様な探検家姿の真耶が薬を渡す。

 

「お姉ちゃ~ん! 晩御飯はカレーが良いかな? 其れともバーベキュー?」

 

「う~ん、どっちにしようかしら?」

 

そして一連の喧騒を他所に、ベースキャンプとなるテントの設営と食事の支度を行っているのほほんと虚だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探索組………

 

神谷&シャル………

 

「全く。ブラコンアネキは、煩くて仕方無えぜ」

 

「神谷ぐらいだよね。織斑先生にあんな態度取れるのは………」

 

千冬の様子を思い出し、気怠そうにしている神谷に、シャルがそうツッコミを入れる。

 

「其れにしても、神谷。よくこの島を見付けられたよね。僕が見た時は“何も見えなかった”のに」

 

「フッフッフッ! 神谷様の目に掛かりゃ、これぐらい朝飯前よ!」

 

(ホントに最近、()()()()して来てるよね。神谷………)

 

自慢気に語る神谷に、シャルは今度は“心の中で”ツッコミを入れる。

 

「束~~っ! 何処に居んだぁ~っ!! 出て来~いっ!!」

 

其処で神谷は、束への呼び掛けを再開する。

 

「って、言うか………ホントにこの島に篠ノ之博士が居るのかな?」

 

「束~!!」

 

シャルがそう言うのにも関係無く、神谷は束の事を呼び続ける。

 

と、その時………

 

シャルの近くの茂みがガサガサと音を立てた。

 

「!? まさか………篠ノ之博士!?」

 

若しやと思い、シャルは音がしている茂みへと近付くが………

 

シャアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

出て来たのは、まるで映画にでも出て来そうな、10メートルは在ろうかと言う巨大な蛇だった。

 

「へっ?」

 

“思わぬモノ”の登場に、思わずシャルは呆然となってしまう。

 

シャアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

巨大蛇は、そんなシャルに容赦無く襲い掛かる!!

 

「! シャルッ!!」

 

其処で漸く気付いた神谷は、慌ててシャルを突き飛ばす。

 

「キャッ!?」

 

「うおわっ!?」

 

シャルが地面に倒れると、神谷が彼女の身代わりになる様に巨大蛇に巻き付かれる。

 

「! 神谷!!」

 

シャアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!

 

巨大蛇はそのまま、神谷を絞め殺そうとする。

 

「ぐぐぐぐぐ………」

 

額に脂汗を滲ませる神谷だったが………

 

「舐めんじゃ………ねえぞおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

気合の叫びを挙げたかと思うと、両腕を広げて巨大蛇をバラバラに引き千切った!!

 

「うわっ!?」

 

自分の傍にも巨大蛇の死骸の一部が落ちて来て、思わず声を挙げるシャル。

 

「大丈夫だったか、シャル?」

 

「か、神谷こそ! 大丈夫だったの!?」

 

助け起こしに来た神谷に、シャルは手を借りながらもそう問い質す。

 

「ハハハハハッ! “あんなモン”で俺がやられるかよ!?」

 

神谷は、笑いながらそう言ってのける。

 

「流石神谷………」

 

シャルは、感心するしか無かった。

 

「よっし! 取り敢えず、()()()()()が手に入ったな」

 

すると神谷が、バラバラに引き千切った巨大蛇の死骸を持ち上げようとする。

 

「!? ちょっ!? ちょっと待って!! 神谷! 其れ食べる気!?」

 

其れを聞いたシャルが、慌てて神谷を止めながらそう問い質す。

 

「? 当たり前だろうが。蛇はウメェんだぞ」

 

「いや、でも! 流石に其れは………」

 

うら若き乙女としては、蛇を食べる等と言う“何処かのダンボール好きの伝説の傭兵”みたいな事は、出来れば遠慮したかった。

 

()()()()()はいけねえぞ、シャル」

 

そう言いながら、神谷はバラバラに引き千切った巨大蛇の死骸の一部を持ち上げる。

 

「そう言う問題じゃなくて~!」

 

「………ん?」

 

と其処で、神谷は何かに気付いた様に声を挙げる。

 

「? 如何したの?」

 

「オイ、シャル。コイツを見てみろ」

 

そう言うと、神谷は持ち上げた巨大蛇の死骸の一部をシャルに見せる。

 

「!? コレは!?」

 

其れを見て、シャルは驚愕する。

 

何故なら、引き千切られた“巨大蛇の切断部分”が、()()()()()だったからだ。

 

「ロボット………」

 

「こんなモン作るのは、アイツしか居ねえぜ」

 

そう言って、神谷は脳裏に束の姿を過らせる。

 

「多分、侵入者排除用のマシンってとこだろう。アイツを狙ってる連中は多いからな」

 

「篠ノ之博士………一体何処に………?」

 

神谷とシャルはそう言い合うと、ジャングルの木々の隙間から覗いている空を見上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

探索組………

 

一夏&箒は………

 

「束さ~~ん! 居るんですか~? 返事して下さ~い!」

 

神谷と同じ様に束の事を呼びながら、箒の前を行って道を切り開き、捜索を行っている一夏。

 

「…………」

 

箒は、その後ろを無言で従いて行っている。

 

(千冬さんから逃げる為に、そそくさと探索に出て来てしまったが………まさか一夏と一緒になれるとは………)

 

千冬から逃げる為にさっさと探索に出た箒だったが、偶然にも一夏と一緒になり、内心ドギマギしている。

 

他のメンバーは今頃、恐らくぎぎぎぎぎぎぎぎっ!な状態であろうが………

 

「なあ、箒」

 

「!? な、何だ!?」

 

と、不意に一夏から声を掛けられ、箒は若干吃りながら返事を返す。

 

「? いや、お前も束さんに呼び掛けろよ。“身内”なんだからさ」

 

怪訝に思う一夏だったが、深くは追及しなかった。

 

「そ、そうだな………(今は一夏と2人っきりだと言うのは忘れよう………先ずは姉さんだ)」

 

そう言われて、箒はそう考えを改め、束の捜索を開始する。

 

と………

 

そんな2人………と言うよりも、“一夏を見据えている瞳”が在った………

 

「オリムラ………イチカ………」

 

合成音声の様な声で、目を赤く発光させながら一夏を見据えている影………

 

果たして、その正体は?

 

そして束は、本当にこの島に居るのか?

 

インフィニット・ノアの謎とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

謎の『インフィニット・ノア』なる物を作り上げた束。
しかし、ロージェノム軍の襲撃を受けてしまう。

束のメッセージを受け取ったグレン団はポイントN1へと向かい、未発見の無人島を見つける。
果たして束はこの島に居るのか?
そして、一夏を狙う者の正体は?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。