これは………
女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………
それに付き従う女達の物語である………
天元突破インフィニット・ストラトス
第95話『何が足りないって言うんだ!?』
突如舞い込んで来た、束からのSOS………
其れを信じたグレン団は、SOSの電文に記されていたポイントN1へと向かった。
そして、“海しか無い”筈のその場所に、名も無き無人島を発見する。
その無人島に、爆撃を受けた様な跡を発見したグレン団は、直ちに島の探索を始める。
しかし、そんな中………
一夏を見据える謎の不気味な瞳がある事を………
この時、一夏本人さえも気付いていなかった………
ポイントN1の無人島………
日が暮れるまで捜索を続けていたグレン団だったが、広大な面積を誇る島を1日で全て調査する事は出来ず………
結局、束への手掛かりは特に見付けられず、夜を迎えようとしていた。
海岸のベースキャンプ………
焚火の周りに集まったグレン団の面々は、其々の捜索の結果を報告し合っている。
「そうか………特に手掛かりは無しか………」
「だが、この島に居るのは間違い無え。“こんなモン”造るのはアイツぐらいのもんだ」
神谷が、例の“巨大蛇ロボット”の残骸を見せながらそう言う。
「実は、私達も………」
「“似た様なモノ”に襲われたわ」
「うむ………」
更に、セシリア・鈴・ラウラがそう言い、其々に熊ロボット・虎ロボット・大鷲ロボットの残骸を見せながらそう言う。
「全く束め………“侵入者避け”とは言え、こんな物を造りおって………」
そのロボットの残骸を見下ろしながら、千冬は愚痴る様にそう呟く。
「でも、若しこの島に“居る”として、篠ノ之博士は何処に居るのかしら?」
「今日の捜索では………発見出来なかった」
楯無がそう言い、アーマーマグナムを手入れしている簪もそう呟く。
「意外に広い島ですからね。1日の探索で全てを見るのは難しいでしょう」
「取り敢えず残りは明日にして、今日はもう休んで下さい。ハイ、晩御飯です」
真耶がそう言うと、虚がそう言いながら、一同にカレーライスを配って行く。
「おおっ! カレーじゃねえか!!」
「いっぱい有るから、ドンドン食べてね~」
神谷がそう声を挙げると、カレーのルーが入った鍋の前にいたのほほんがそう言う。
「ハイ、弾くん。お腹空いたでしょう? いっぱい食べてね」
「ああ。ありがとうございます、虚さん」
カレーの器を、弾に直接手渡しする虚。
リア充、爆発しろ。
「御代わり!」
「はやっ!!」
直ぐ様1杯目のカレーを平らげた神谷に、驚きの声を挙げるシャル。
「は~い、どうぞ~」
「あんがとよ………ガツガツガツガツ………御代わり!」
「だから、早いってば!!」
2杯目も瞬く間に平らげた神谷に、またもシャルのツッコミが入るのだった。
そのまま、楽しい夕食タイムは過ぎて行く………
数時間後………
すっかり夜も更け、空には満天の星空が輝く中………
グレン団の一同は、ベースキャンプのテントの中で休息に入っていた。
無論、男女別々である。
「「ZZZZZZZZzzzzzzzzzーーーーーーーーーー」」
男子用のテントの中で、凄まじいイビキを掻いて寝ている神谷と弾。
知らない人が聞いたら、熊か何かと思われそうなイビキである。
「………ええい、寝てても煩い連中だ」
やや離れた、女子用のテントにまでそのイビキが聞こえて来て、目が覚めてしまった箒が抗議しに行こうと、テントの入り口を開ける。
「? 一夏?」
しかし其処で、一夏が男子用テントから出て行こうとしているのを目撃して、思わず隠れる。
「…………」
一夏は、そんな箒には気付かなかった様子で、シュバルツから渡された錆びた刀を持つと、ジャングルの奥へと向かって行った。
「アイツ………未だ“あの修行”をしていたのか」
最近、すっかり見掛けていなかったので、てっきり“完成”させていたと思われる修行を未だしていた事に、箒は驚く。
(そんな事も察してやれなかったとは………何をしているんだ、私は)
そして、其れに気付けなかった自分に自己嫌悪する。
「…………」
少しの間、思い悩む様子を見せていた箒だったが、やがて一夏を追う様に自分もジャングルに入って行った。
一方、先にジャングルへと入って行った一夏は………
「………この辺で良いか」
適当な場所へと辿り着くと、刀を背に背負う様にし、鞘から抜き放つ。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そして、正眼に構えると目を閉じて集中し、気合を高めて行く。
すると、錆びてボロボロの刀の刀身が、銀色に輝き出す。
「! とりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
クワッ!と目を見開いたかと思うと、目の前に在ったヤシの木の幹へ、刀を袈裟掛けに振るう!!
しかし刀の刃は、後少しでヤシの木の幹を切断すると思われたところで止まる。
「クウッ!………駄目だぁっ!!」
刀をヤシの木の幹に刺したまま、一夏は両膝を着いた。
「何故だ! 何故俺は怒りを感じなくてもスーパーモードを出せた!? 簪を守った時! ダイガンテンと対決した時! そして、其れは土石流さえも跳ね除けた! 一体俺の
悔しさを滲ませた声で、一夏は地面を何度も殴り付ける。
「一夏………」
その様子をコッソリ覗き見ていた箒は、そんな一夏の様子に居た堪れなくなる。
「い………」
思わず一夏に声を掛けようとした箒だったが、寸前で止まる。
例え声を掛けたとしても、何を言って良いか分からなかったからだ。
更に神谷に以前、“男は1人で
「うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
と其処で、一夏は刀をヤシの木の幹から抜くと、別のヤシの木の幹に向かって振るう。
しかし、やはり切断する寸前で刃は止まってしまう。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
一夏は再びヤシの木の幹から刀を抜くと、また別のヤシの木の幹を切ろうとする。
その行為を繰り返す一夏。
「…………」
そんな一夏の姿を、箒は只黙って見ている事しか出来なかった。
一方………
そんな一夏を見守っている者がもう1人居た………
「一夏が此処まで修行に行き詰まっていたとは………」
シュバルツ・シュベスターである。
修行を課した本人だけに、やはり成果が気になる様である。
「ならば仕方有るまい!」
しかし、行き詰まっている一夏の姿を見て、シュバルツは“何か”を決意したかの様な表情となるのだった。
数時間後………
「ハア………ハア………ハア………ハア………」
すっかりバテた一夏は、刀を支えに膝を着いている。
周りのヤシの木々は、どれも幹が切断寸前まで斬られている。
「クソォッ!………一体………何が足りないって言うんだ!?」
「一夏! 織斑 一夏!!」
「!? 千冬姉!?」
と其処で、千冬の声が聞こえた様な気がして周りを見廻す一夏。
「来い! 掛かって来い! 掛かって来んかぁ! 織斑 一夏!!」
「いや、違う! 千冬姉じゃない! 何者だぁ!? 何処にいるぅ!?」
しかし、直ぐに違うと気付き、声の主に向かってそう言う。
すると………
一夏の眼前の地面に、青い鬼火の様な炎が、円を描く様に走った。
「!?」
一夏が身構えた瞬間!!
「フハハハハハハハッ!!」
お馴染みの高笑いと共に、その炎の円の中にシュバルツが姿を現した。
「お前はっ!? シュバルツ・シュヴェスター!?」
「織斑 一夏! 見事、受けてみろ! ISファイトだああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
すると、シュバルツはシュピーゲルを装着した状態となり、一夏へと襲い掛かる!!
「レデイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ! ゴオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」
「!? うわっ!?」
一夏が転がる様に逃げた瞬間、彼の背後に在ったヤシの木が、シュピーゲルブレードによって切断された!
「良くぞ躱した!!」
「ま、待て! 俺はアンタと戦う理由が無い!!」
「問答無用ッ!!」
シュバルツとは戦えないと訴える一夏だったが、シュバルツは容赦無くシュピーゲルブレードを振るって来る。
「うわっ!? アイツ、何を考えているんだ!?」
「そらそらそらそらそらそらぁっ!!」
木々が密集しているジャングルの中にも関わらず、シュバルツは木々など存在しないかの様な動きで、次々に一夏目掛けて斬撃を見舞う。
「ぐぅ! 何故だ! 何故奴はこんな中で、自由に動ける!?」
シュバルツの息をも吐かせぬ波状攻撃に、一夏はISを展開する事さえ出来ない。
「!? うわっ!?」
と其処で、一夏は木の根に足を取られ転倒してしまう。
「ふっはっはっはっはっ! はっはっはっはっはっ! 観念しろ一夏! 心静かに………死ねぇっ!!」
倒れた一夏目掛けて、容赦無くシュピーゲルブレードを振り下ろすシュバルツ。
「やられる! 死ぬ………俺が死ぬ…………な、何だ、この気分は………!?」
死を目前にした一夏に、“不思議な感覚”が生まれる。
「千冬姉………セシリア………鈴………シャルロット………ラウラ………楯無さん………簪………のほほんさん………弾………蘭………虚さん………山田先生………ティトリー………リーロン先生………束さん………」
脳裏に、次々と家族や親友達の姿が浮かんで来る。
「一切が過ぎ去って行く………もう怒りも憎しみも如何でも良い………在るのは“目の前”の死………」
と、最後に神谷………
そして箒の姿が浮かんだ。
「! アニキ! 箒!!」
その瞬間!!
「見えるっ!!」
錆びていた刀の刀身が緑色の光を放ち始め、シュピーゲルブレードを受け止めた!!
「おおっ!?」
その様に、シュバルツも思わず声を挙げる。
「な、何だこの光は!?」
だが、当の一夏はその光の正体が分からず困惑する。
「ううっ!? 眩しい………」
様子を覗いていた箒も、その光に目が眩む。
「こ、これは一体………!?」
「其れが貴様の
「ええっ!?」
困惑している一夏に向かって、シュバルツがそう言い放つ。
「貴様に課した修行は、明鏡止水を身に付けさせるものだった」
「明鏡止水?」
「
「其れが俺のスーパーモード………けど! 何でアンタは、俺に其れを教えてくれるんだ!?」
「そんな事は如何でも良い! 今は技を完成させる事に集中しろ! その力で私のISを押し返してみろ! 其れが出来てこそ! お前はスーパーモードを完成させる事が………」
と、シュバルツがそう言い掛けた瞬間!!
突如、2人の周囲に次々と爆発が起こった!!
「!? ぬうっ!?」
「コレは!?」
シュバルツと一夏がたじろいだ瞬間………
2人の周囲に、ゴーレムⅠとゴーレムⅢの混成部隊が現れる。
ゴーレム部隊は、一夏とシュバルツを確認すると、一斉にカメラアイを不気味に発光させる。
「! 無人IS!!」
「ええい! 後1歩で修行が完成したものを………」
一夏が驚き、シュバルツがそう呟いた瞬間………
「オリムラ………イチカ………」
合成音声の様な声が聞こえて来たかと思うと、ゴーレム部隊の一部が割れ、其処から1人の“ISを装着した
「!? お前は、オータム!!………なのか?」
その姿を見て、思わずそう問い掛けてしまう一夏。
何故なら、一夏がオータムと呼んだその人影の姿は………
肥大化した巨大な機械の左腕を持ち、IS・アラクネが、“身体にくっ付いているかの様な状態”になっており………
中でも、頭部から顔の左半分が完全な
その他にも多くの部分が機械化しており、最早“生身の部分”を探す方が難しかった。
「またサイボーグ化を………」
「オリムラ………イチカ………コロス………コロス………」
やや唖然とする一夏に向かって、オータムは壊れた機械の様にそう繰り返す。
「サイボーグ化を進めてISと融合したのか………哀れな………無茶な改造で、最早真面な理性等残ってはいまい」
そんなオータムの姿を見たシュバルツが、憐れむ様にそう言い放つ。
「オリムラ イチカ! コロシテヤルゥッ!!」
その次の瞬間、オータムは一夏へと飛び掛かる。
シュバルツの言う通り、オータムには最早真面な思考をする“理性”は残って居なかった………
有るのは只、一夏を憎み、殺そうとする
「!?」
慌てて白式を展開させようとする一夏だったが、ワンテンポ間に合わない。
「シネエエエエエエェェェェェェェーーーーーーーーッ!!」
肥大化した左腕を、一夏目掛けて振り下ろすオータム。
その瞬間!!
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」
紅椿を装着した箒が、オータムに体当たりを喰らわせる!!
「ガアッ!?」
不意打ち気味の1撃にオータムはブッ飛ばされ、ゴーレム部隊の中へと突っ込む。
衝撃でゴーレム部隊の数機が爆散し、オータムは爆発に巻き込まれる。
「一夏! 大丈夫か!?」
「箒!? 如何して此処に!?」
「そ、其れは………」
助けに入ったは良いが、何故此処に居たのかを尋ねられて、箒は言葉に詰まる。
「ウガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」
獣染みた咆哮と共に、オータムが爆発の中から飛び出して来た!!
そして右手に握ったカタールを、箒目掛けて振り下ろす。
「!? クウッ!!」
雨月と空裂を交差させる様に構えてカタールを受け止める箒。
「シノノノ ホウキ………コロシテヤル!!」
またも合成音声染みた声で、オータムはそう言い放つ。
先程ゴーレム部隊の中に突っ込んだ時に、爆発で多少損傷しているのだが、何と!!
その損傷が、小さな粒子の様な光と共に修復されて行っている。
「!? 何だと!?」
「ナノマシンか!? 奴め、自分の身体に大量のナノマシンを投与しているな!!」
ゴーレムⅠとゴーレムⅢを纏めて斬り裂きながら、シュバルツがそう言う。
「ウガアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」
と、オータムから再び獣染みた咆哮が挙がると、肥大化した左腕が箒を殴り付ける。
「!? ガハッ!!」
衝撃が絶対防御を突き抜けたのか、吐血しながらブッ飛ばされる箒。
「! 箒!! この野郎おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
其れを見た瞬間、一夏は激しい怒りと共に白式を纏う。
「イカン、一夏! お前の修行は未だ完成していない! 怒りの心に取り憑かれるな!!」
「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
シュバルツの叫びも虚しく、一夏はエネルギーの刃を展開させた雪片弐型で、オータムへと斬り掛かった。
一方、その頃………
ベースキャンプの神谷達は………
「何だ何だ!?」
「爆発音!? 何が起こっている!?」
一夏達と、オータム率いるゴーレム部隊の戦闘が開始された際の爆発音で全員が飛び起き、テントの外へと飛び出す。
「アレッ!? 一夏の奴、何処行った!?」
「箒の奴も居ないわよ!!」
其処で弾と鈴が、一夏と箒の姿が無い事に気付く。
その合間にも、再び爆発音が響いて来る。
「! まさか!?」
「あの爆発音は………一夏さんと箒さん!?」
蘭とセシリアは、そう思い至る。
「クウッ! あの馬鹿共! 勝手な行動を取りおって!!」
「織斑先生! 今は2人を助けに行きましょう!!」
千冬がそう怒りの声を挙げるが、真耶がそう言って押さえる。
「よしっ! 待ってて、一夏! 箒! 直ぐに行く………」
「待って………!」
直ぐに爆発音が聞こえて来る方へと向かおうとしたティトリーだったが、其れを簪が止める。
「簪!? 何故止める!!」
「………何か居る」
ラウラがそう言い、簪がそう答えた瞬間!!
繋留してあった飛行艇が爆発した!!
「!? キャアッ!?」
「飛行艇が!?」
突然爆発した飛行艇に、のほほんが悲鳴を挙げ、虚が驚愕する。
すると………
燃え上がっている飛行艇の残骸の上に、ゴーレム達が現れる。
更に、海中からもまるで特殊部隊の様に、ゴーレム達が次々に現れて来る。
「! 無人IS!!」
「って事は、例のオータムって女が!?」
ゴーレム達の姿を見たシャルと楯無がそう言う。
と、その次の瞬間!!
破壊された飛行艇の上に居たゴーレム達が、グレン団目掛けて熱線を放つ!!
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
思わず硬直してしまうグレン団だったが………
「ドリルシールドッ!!」
一瞬にしてグレンラガンの姿となった神谷が、傘の様に開いたドリルで、ゴーレム達の熱線を受け止める!!
「超・ドリラッシュッ!!」
そして熱線が止むと、全身の至る所に出現させたドリルを、ミサイルとして射出!
射出されたドリルは、ゴーレム達に命中すると、次々に爆発する!!
「お前等! 今の内だ!!」
「「「「「「! おう(ハイ)っ!!」」」」」」
グレンラガンがそう言うと、グレン団の面々は次々にIS・グラパール・ダンクーガを装着した!
「お前達、コッチだ!!」
「私達に従いて来て下さい!」
「ハ、ハイッ!!」
「かみや~ん! 皆~! 頑張って~!!」
非戦闘要員である千冬・真耶・虚・のほほんは、安全な場所まで下がる。
そんな中、破壊されたゴーレム達に代わる様に、新たなゴーレム部隊が上陸して来る。
「クッ! 此奴等を倒さねば、一夏達の所へは行けんか!!」
「上等だぁっ! 速攻で片付けてやるぜぇっ!!」
ラウラが苦々し気にそう言うと、グレンラガンが先陣を切る様にゴーレム部隊の中へと突っ込んで行く。
「行くよ、皆!」
「「「「「おうっ!!」」」」」
其れに続く様にシャル達も武器や得物を構え、ゴーレム部隊との戦闘を開始するのだった。
再びジャングルの中………
サイボーグ・オータムと戦う一夏は………
「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
箒がやられた事が相当頭に来ているのか、怒りのままに零落白夜状態の雪片弐型を振り回している。
しかし、零落白夜は自機のエネルギーを使用する“諸刃の剣”。
そんなに連続で使用して、平気で居られるワケが無かった。
「よくも! よくも箒をぉ!!」
しかし怒りに囚われている一夏は、見る見る減って行く白式のエネルギーに気付かない。
「止めろ、一夏! 私は大丈夫だ!!」
「一夏! 怒りの心に囚われてはイカン!!」
箒とシュバルツがそう叫ぶが、一夏の耳には届かない。
「ヒヒヒヒヒヒヒ………ハハハハハハハ………ヒャーハッハッハッハッハッ!!」
すると其処で、オータムが狂った様な笑い声を挙げ始める。
「! 何が可笑しい!………何が………可笑しいんだああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
其れは、一夏の心に更なる怒りを生み、遂に!!
「うおああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」
一夏は怒りのままにスーパーモードを発動させた!!
「! スーパーモード!!」
「イカン!!」
「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」
箒とシュバルツが叫ぶ中、一夏はシャイニングフィンガーソードでオータムに斬り掛かろうとする。
しかし………
只でさえエネルギーを食う零落白夜を連続して使っておいて、この上更にエネルギー消費の激しいスーパーモードを発動させて、白式のエネルギーが保つワケが無かった………
シャイニングフィンガーソードの刃は、オータムに当たる寸前で雲散し、白式もガクリと動かなくなる。
「!?」
「シネェッ!! オリムラ イチカァッ!!」
眼前で隙を晒した一夏に、オータムは右手に握ったカタールで突きを繰り出す!!
そして、その瞬間………
カタールの刃が、
………“
「………えっ!?」
一瞬、何が起こったのか分からず混乱する一夏。
そう、カタールが一夏に突き刺さるかと思われたその瞬間………
箒が、オータムと一夏の間に割って入り、自らの身体を盾にしてカタールを防いだのだ!!
「ガハッ!!」
箒の口から、盛大な吐血が溢れる。
「箒………?」
「い、一………夏………」
呆然となっている一夏の方を振り返り、箒は弱々しく微笑んだかと思うと………
そのままドサリと地面に倒れ、ISが解除されて動かなくなった………
「!! 箒いいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーっ!!」
一夏の悲痛な叫びが、ジャングルの中に木霊する………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
謎の無人島で束を探すグレン団。
一方、一夏は修行に行き詰っていた。
最後の仕上げと襲い掛かって来たシュバルツを相手にしていた時、遂に『明鏡止水』を掴みかけた一夏だが、そこへ遂に理性を失ったオータムが強襲。
怒りに囚われた一夏を庇い、箒が………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は
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天元突破ISと同時
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土曜午前7時
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別の日時(後日再アンケート)