L・s(リリカル・ストラトス)   作:ハッピー野郎

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少女は力を手にした。
しかしそれは少年が望んでいたことではない。
歪み出す物語。


第7話『繰り返されるあやまち』

〜〜ユーノ視点〜〜

 

 【ユーノ・スクライア】は、自分の目の前の少女が《ジュエルシード》の思念体と対峙する姿を見て、彼を巻き込んだことと全く同じことを自分は繰り返してしまったと、後悔の念に苛まれていた。

 

なのは

「え……えええええええっ⁉︎」

 

 彼女に渡してしまったデバイス(RH)をいとも簡単に起動させることに成功させ、僕が無意識に発してしまった念話を聞いてやって来てしまった少女。念話が聞こえた次点で彼女に少なくとも魔力があることがわかる。その時に、彼女に協力を仰ごうと一瞬でも思ってしまった自分を激しく責めたい。事実、彼女自身が自分の身に起こったことを受け入れきれずにいる。

それもそうだ。あくまで彼女はただ魔力を持っているだけなのだから。

 

ユーノ

「そんな……僕は……また……」

 

 そんな理由で赤の他人に協力を仰いだ結果が、彼をあんな目に合わせてしまったのに。その誤ちを、僕は繰り返してしまったのだ。

 

 そんな【ユーノ】の後悔を他所に、《ジュエルシード》の塊は【なのは】へと狙いを変え、そのまま空中戦を繰り広げる。

そんな2人の戦いを、ファー付きの青いマントに金ラインの入った派手な鎧を纏った奇抜な格好をした【王士】はニヤニヤと眺めていた。

 

ユーノ

「っ!どうして?どうして彼女を巻き込む⁉︎そもそもきみは何者だ⁉︎なぜきみが《RH》の起動呪文を知っている⁉︎」

 

王士

「ん?……ふんっ⁉︎」

 

ユーノ

「ウワァ⁉︎」

 

 【ユーノ】が【王士】を責め立てた瞬間、【王士】は【ユーノ】を片手で払う。

瞬間、激しい風が吹き荒れ、【ユーノ】を吹き飛ばす。同時に地面が激しく切られたように一筋の線が入っていた。

 

ユーノ

「な、なにが起きたんだ?まさか、今のは魔法?きみは魔導師なのか?」

 

王士

「ふっ、その通り!僕こそ王であり騎士として、そして主人公として君臨し、全てを征する最強の魔導師だ!」

 

ユーノ

「きみはなにを言って……」

 

王士

「そして、手始めに貴様の役割を全て奪い、僕が蹂躙してやろう!」

 

ユーノ

「グワァァァ!」

 

 【王士】がもう片方の手から幅が広めの剣が現れ、そこから雷を落とし【ユーノ】を襲う。

 

ユーノ

「グッ…グウゥ……ま、まさか、風と雷の魔力変換……だと?」

 

王士

「ほぉ、一撃で僕の能力に気づくとは、淫獣のくせにやるではないか」

 

 【王士】は得意げに右手に風を巻き起こす不可視の剣と思わしき物を。左手に雷を纏った幅広の剣を見せつける。

 

ユーノ

「そんな力を持っているなら、なぜ彼女を巻き込むようなまねをする!彼女は関係ないはずだ⁉︎」

 

王士

「関係ない?なにを言っている。それでは《リリカルなのは》の物語が始まらないじゃないか?そもそも、貴様がさっさと【なのは】にデバイスを渡せばいいだけだったのに。自分の役割すら満足にできないのか、この淫獣は……」

 

 《リリカルなのは》、僕が【なのは】という子に《RH》を渡すのが役目?彼はなにを言ってるのか、僕には意味がわからない。

 

王士

「まぁいい。【なのは】も無事に魔法少女になったことだ。これから彼女に魔法を教えていくのはお前の代わりに僕が変わってやる。だからお前はここで消えろっ!

暴風雷光王鉄槌(ストライク・ライトニングストーム)!」

 

ユーノ

「ッ……!」

 

 【王士】は2つの剣を同時に振るうと、砲弾のような雷を纏った突風の塊を【ユーノ】に向かって放つ。

 

ダメだ!避けられない……

 

 光速で向かってくる攻撃に避けられないと【ユーノ】が思った瞬間、彼の目の前になにかが落下してきた。

それに【王士】の攻撃が当たった瞬間、

 

王士

「なっ⁉︎俺の攻撃が……!」

 

 弾かれるようにそのまま【王士】へと跳ね返っていく。

そのまま【王士】は自分の攻撃で吹っ飛ばされた。

 

ユーノ

「これは…彼の……」

 

 地面に刺さったそれを見て、【ユーノ】はすぐに彼のことを思い浮かべる。地面に刺さっていた1本の太刀を。

 

 

〜〜なのは視点〜〜

 

 わたしはなんとか《RH》の指示で魔法の使い方を教えてもらいながら、生き物のような、《ジュエルシード》の思念体と戦うことができていた。

 

なのは

「すごい…これなら……」

 

 【征騎】くんに言われるままにしていたが、わたしが《RH》を起動して、わたしに力があると教えられた時、正直胸が高鳴った。

なにも取り柄がなくて、やりたいことも見つからなかったわたしに、こんな力があるんだって。

 

RH

《利き手を前に出して、撃ってください》

 

なのは

「はい…ッ!」

 

 左手を思念体に向け、そこから魔力が集まると、1発の光の弾丸となり発射。そのまま思念体を貫く。

 

なのは

「はぁはぁ……やったの?」

 

RH

《いえ、まだです》

 

 無事に思念体を倒したかと思ったけど、《RH》からそう言われた。見ると思念体は散った身体が元に戻っていき、何体かに分裂したのだ。

しかし、そのまま向かってくるかと思ったが、分裂した思念体たちは【なのは】に背を向けそのまま逃亡を図る。

 

なのは

「だめ…ッ!逃げる…ッ!」

 

 このままじゃ、人のいるところに出て行かれたらまずい。

しかし必死に追いかけているが分裂したことにより先ほどよりも小さくなり、動きが素早くなかなか追いつけなかった。

そこでわたしはあることを思いつく。

 

なのは

「ねぇ《RH》?さっきの光をもっと遠くまで飛ばせない?」

 

RH

《問題ありません。あなたが望むままに応えましょう》

 

 すると《RH》はその形を変え、さっきの杖のような姿から、杖の先が砲身のようになり、持ち手にトリガーが現れる。

 

RH

《直射砲形態……発射準備完了……対象をロックオン》

 

なのは

「シューート…ッ!」

 

 先ほどの弾丸とは比べ物にならない巨大な砲撃が撃たれ、そのまま思念体を全て飲み込み、一撃で思念体を消し去った。

後に残されていたのは、思念体の核となっていた《ジュエルシード》が空中に漂っているだけだ。

 

RH

《そのまま《ジュエルシード》を私で触れてください》

 

なのは

「こう?」

 

 そして、《RH》の先で《ジュエルシード》に触れるとそのまま吸収した。

 

なのは

「お、終わったの……」

 

RH

《大丈夫ですか?》

 

なのは

「う、うん…大丈夫…だと思う……」

 

 無事に終わったことに安堵したのか、【なのは】は変身を解きその場にへたり込む。

しかし、安心したのも束の間、

 

なのは

「キャッ!なに……?」

 

 突然吹き荒れた突風と地面を走る雷光に目を見張る。

 

なのは

「え…⁉︎どうして【征騎】くんがフェレットを襲ってるの⁉︎」

 

 なぜか【征騎】くんがフェレットに剣を向けているのだ。すぐに止めに入ろうとしたけど、【征騎】くんは剣を振り下ろそうとしていて、ここからじゃ間に合いそうにない。

 

なのは

「どうしたの《RH》?」

 

RH

《いえ、これは私じゃありません。私に中に収められているものが……》

 

 《RH》が震えたかと思ったら何かが飛び出し、フェレットに向かって飛んでいったかと思ったら、そこには倒れた【征騎】くんがいた。

 

なのは

「改めて自己紹介、わたし【なのは】、【高町 なのは】!」

 

ユーノ

「えっと、【ユーノ】です……【ユーノ・スクライア】……」

 

なのは

「うん、わたしのことは名前で呼んでいいからね、【ユーノ】くん」

 

ユーノ

「うん……【なのは】……」

 

 あの戦闘が終わり、場所を変えお互いの自己紹介をする2人。

そして、【ユーノ】から散らばった《ジュエルシード》のこと、それを集めるために地球とは別の世界から来たことを【なのは】に話す。

 

ユーノ

「今回の件に関しては、巻き込んでしまって本当に申し訳ない。だけど【なのは】が戦うのは今回限りだけにして欲しい。ボクの魔力が戻るのはまだ時間がかかるけど、あとはボク1人でやらせてもらう……」

 

なのは

「え…⁉︎そんな……あんな危険なことを【ユーノ】くん1人でするなんて……」

 

ユーノ

「【なのは】……これは本当に危険なんだ……これ以上巻き込むことはできない……」

 

なのは

「でも、わたしは【ユーノ】くんを助けることができるんだよね?魔法の力で……」

 

 《ジュエルシード》を1人で集めるという【ユーノ】だが、【なのは】はまだ食い下がる。

 

ユーノ

「【なのは】、キミはあくまで魔力を持っているだけだ。それに、キミにはちゃんと言っておきたい……ボクはこの件でキミの前に1人、同じように巻き込んでしまっているんだ……」

 

なのは

「え…?じゃあその人って今は……?」

 

ユーノ

「・・・・・・」

 

 【なのは】の問いかけに【ユーノ】は目を伏せながら、傍らに置いていた太刀を一瞥。その様子に【なのは】はこれ以上聞くようなことはしなかった。

【なのは】はしばし考え、

 

なのは

「【ユーノ】くん…確かにわたしは魔力があって、《RH》が使えるだけかもしれない。危険なのは十分わかってるよ。でも、わたし自身のココロが【ユーノ】くんを助けたいって思うんだ。わたしのココロがそう命じたから、キミに協力したいんだ……」

 

ユーノ

「【なのは】……わかった……なら改めて、キミに協力を仰ぎたい……」

 

なのは

「うん…!よろしくね【ユーノ】くん!」

 

 2人は改めて協力関係を結ぶ。

 

ユーノ

「あ……でも、ちゃんとキミの家族には説明しないとね……」

 

なのは

「ありゃ……!うん…そうだね……」

 

 その後、【なのは】の家に戻り家族を交えて《ジュエルシード》集めについて説明をする。

最初こそ家族は反対していたが、【なのは】自身の口から協力したいという強い希望と【ユーノ】の説得に家族は渋々ながらも了承するのだった。

 

なのは

「でも【ユーノ】くん、その協力してた人も【ユーノ】くんと同じフェレットなんだよね?その割に、そんな刀を使ってたの?」

 

ユーノ

「なに言ってんの……彼は人間だし、この姿は魔力を回復させ易くするためで、僕も本当は普通の人間だよ……」

 

なのは

「エエェェェ!【ユーノ】くん人間だったの⁉︎」

 

ユーノ

「なんでそこまで驚くのさ……」

 

 【ユーノ】が人間の男の子ということに、【なのは】は今日一番の驚きの声を上げる。

 

???

「第97管理外世界《地球》……ここに母さんの探し物…《ジュエルシード》がある……」

 

 高層ビルの屋上。夜風に金髪を揺らし、街を見下ろしながら少女が呟く。

 

???

「ああ……あの人の話だとそうらしい……」

 

 その背後から、目元をバイザーで隠した少年が現れ、金髪の少女の隣に立つ。

 

 《ジュエルシード》を集めるもう一つの勢力もまた動き出すのだった。

 

To be continude




母親のためにその身を粉にして働く少女。
手放したはずのもの。
手元に戻ったそれは以前と変わりないものか……

次回
リリカル・ストラトス第8話
『かつて手放したもの』

※原作との相違点。
・【なのは】の両親が序盤ですでに魔法のことを知っています。
・【ユーノ】の本当の姿が人間だということを明かしている。

【征騎 王士】

○転生者
○風と雷の魔力変換資質
○容姿は FGOのアレキサンダーに金髪のメッシュ
○バリアジャケットは同シリーズの騎士王と征服王の第三再臨を足した姿
○2次小説の定番能力でごめんなさい。
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