薄暗い部屋の中、私は必要最低限の設備がある部屋で大きな窓に映る自分の影と向き合っている
この部屋には私が1人、ただ1人 私しかいない筈なのだが、窓ガラスに映る私の影は私では無い
銀の髪をしている私が窓ガラスに映る筈なのだ、決して黒髪の少年が映る筈がない
そして彼は囁く『お前は俺だ、俺は お前だ』と、分かっている彼は私だと
彼には実体は無いが、確かに存在している。私の中に居る
いつから彼が存在したかは覚えていない、気付いたら存在していた。最初は辛く厳しい訓練と教育が原因とも考えたが、彼は身体の自由を奪おうとしなかったし、勝手に身体を使う事もなかった
ただソコに存在して私へ語りかけ、元気づけてくれた『必ず幸せになれる、してくれる人が現れる』と
私は彼を受け入れていた、だが分からない事が有った。それは彼が私の知らない事を、私が知り得ない事を知っている事だ
彼が私の内かは生まれた存在なら私が知らない事を知っている筈は無い、だが彼は知っていた だが私は直ぐに考えを改める、どうでも良くなったからだ、私にとって彼は大切な存在なのだから
そして彼の言葉通り私は稀代の大天才の手によって実験施設から救い出され、
私を救ってくれた彼女は私の話を信じ、彼の事も受け入れてくれ彼にも名を与えた。
名を与えられて数年、私は
私な二つ返事で了承し準備をしてきた、私の身体は生体融合型ISによって常人より遥かに身体能力が高い、それに加え対人用の軽火器を始め対IS重火器もバススロットにインストールしている、ISの基本機能を生身の状態で使用も出来る
その上で お母様は私の・・・私達の専用機を用意してくれた、もう恐る事はない
『時間だクロエ』
「行きましょうか月白、お母様の御心のままに」
長い長い回想を終え朝日が部屋に差し込む、それを合図に私は椅子から立ち上がって小振りなトランクケースを持って部屋を出る
此処には私以外居ない、既にお母様は放棄を決定した拠点だからだ
拠点を出て数分、自壊プログラムにより拠点は跡形も無く消え去っている
「もう そろそろ貴方の正体を教えてくれませんか?月白」
『俺の正体?正体、かぁ・・・』
IS学園へ向かう道中、暇なので なんとなく彼へ尋ねてみると、なんか訳ありそうな言い方をし始めた
「私には言えませんか?」
『そう言う訳じゃない、正体ってのは証明が難しいんだよ。特に俺はな?無理矢理定義するなら、お前に取り憑いた幽霊・・・?いや第2の人格って方が近いかも知れない。正直自分でよく分からないんだよ、だから説明のしようがない」
彼の言葉に納得する、それならば仕方ない事だ
「そうですか、なら仕方ないですね?」
『あぁ仕方ない・・・よいよだ』
彼は時々意味深な事を言う事がある、あと何故か料理に詳しく私の料理スキルの向上を手助けしてくれた
私は貴方、貴方は私
私達は2人で1人、きっと死ぬまで このままだろう
見切り発車してしまった