『
この能力は物体、人物、事象を解析する能力。ただ解析し、結果をただ出す能力ではなく、状態、弱点、応用方法などの大量の詳細情報を細かく
だが、この能力は常時自動発動。僕の意思に関係なく、知りたくないものまで解析する。
だが僕はこの能力を持ったことが幸せだと思ったことは一度もなかった。
どんなものすら解析する能力、聞こえはいいがその実態は地獄など生温く感じる程の虚無。
この能力のことを理解したのは物心着いた三歳のときだった。
初めて『自動解析』が発現した時は何より嬉しかった。好奇心の塊だったあの時は本当にはしゃいだものだ。両親も凄い凄いと手を叩いて褒めていた事を子供ながらも覚えていた。友達もスゲェスゲェと興奮していた。まるで特撮のヒーローを見ているかのような、憧れの視線を向けていた。僕自身も悪い気はしなかった。まるで漫画の主人公になったかのような、なんとも言えない満足感に浸っていた。調子に乗っていたと捉えるのもいい。事実において他ならないから。
後に地獄を見るとも知らずに。僕という名の
5歳になった時の秋の事だった。ある時から突然、両親が僕に冷たくなった。友達も、幼稚園の先生も僕から距離が離れていくのを感じた。
僕は分からなかった。何故皆がこんな事しているのか。
『自動解析』のお陰で知識も増えた、子供ながらも出来ることはいっぱい覚えた。皆のために役に立つことは率先してやった。笑顔が絶えないようにしていたつもりだった。なのに皆は離れていく。
「はぁ…はぁ…。」
抑えきれない不安のせいで夢から覚めてしまった。汗も酷く、喉は水分を求めて乾ききっている。
水が欲しい僕は、リビングへと歩いた。階段を降りて、リビングにたどり着く。
「ん?」
リビングの照明が付いていた。時刻は深夜0時をこえている。どうしてついてるか気になった僕はドアの隙間からリビングの中を覗く。
「……し…ない。」
誰かの話し声が聞こえる。両親だ。何を話しているのか、聞き耳をたてる。
「やっぱり…芸夢を学園都市に。」
「あぁ…。あそこなら受け入れてくれるだろう。あいつは…たったの五歳で私達の常識を超えている。自分の子供なのに…あいつの事をバケモノとしか思えないんだ!!」
バケモノ…。そうか、そういう事だったんだ。皆が離れていったのは。自分で思わず納得してしまった。
異常すぎる存在。人というのは、自分には持ちえない何かを持ったものを
不思議と涙は出なかった。悲しいはずなのに、泣きたくてしょうがないはずなのに。
この時からだ、僕が周りの世界を見捨てたのは。
それから数日後。
白衣きた研究者が家に来た。どうやら学園都市に入れる話は本当らしい。
両親は僕に別れを告げ、僕は研究者共に車に乗った。
内心喜んでいるのだろう。両親は僕というバケモノを手放せたんだ。
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
この時、自分の中にある何かがプツッと切れ、壊れた人形のように高笑いしてしまう。自分に対する慰めか、それとも両親に対する怨みなのか…。自分の事なのに、何もわからない。もう…どうでもよくなってきた。
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『10年後』
この学園都市に来てから10年の歳月がたった。背も伸び、高校生の平均よりも少し背が高い。精神の方は、達観したというか、この世の全てがどうでもいいと思うほどの虚無感に包まれていた。
この
10年前の時から中身は何一つ成長なんてしていない。あの
何かを見いだせることもなく、強く欲する何かもない。だから潰したつまらない計画とやらを。
それ以来、彼とは関わっていない。それどころか関係を絶つ前に人が一生をかけても使い切れない金額を渡された。計画を殆ど潰してやったのに。
それほどに気に入られたのか、それともなにか裏があっての行動か。どちらにせよ、関係なかった。
堕落し怠惰的な毎日を過ごす日々に、何も感じるものなどなかった。感情というものが停止し、人間の意志を持ったロボット等と大差がない。
何をしてもつまらない。学校に行っても学ぶことなど何も無く、自動解析がすぐに問いに答えを出すし、誰かと何かをすることにも興味はなかった。何か興味を持つようなものを探しても、この学園都市にそんなものなどなかった。
ああ、やっぱりだ。僕にはなれないんだ。
『僕は主人公にはなれない。』
十年の歳月を経て出した結論だ。
では、何を持って主人公とするのか。
周りの誰かに認められる?違う。強力な力を持ったものがなる?違う。
自分がどうなろうと誰かを救うために命をかけれる人物だと僕は思う。自己犠牲が強いだけじゃない、諦めない意思という名の強さが主人公が主人公としてたらしめるもの。
そんな主人公に、僕は憧れていた。僕はなれないと分かっている。
とある誰かが言っていた。
無限の能力を持ったところで、究極の一には対抗できない。
僕の能力は正しく前者だろう。そう、僕が主人公になれないのは、究極の一というものを持ちえていないからだ。
無限とは言い換えれば、応用が利く、その場によって対応出来る。だが悪く言えば、中途半端だろう。
その点、たった一つのもので戦う者は、無限とは真逆だろう。だが、その一というのは何より強い。意思の強さと言うべきか。どんな剣でも折れない限り何度も使えるのと同じように、その者が諦めない限りその一は折れない。
これが主人公足るものに必要なものだ。
こんなに昔を振り返ったのはいつぶりだろうか。何処まで歩いてたか忘れている。
不意に周りを見ると、何か慌ただしかった。
「テメェら、近寄るんじゃねぇ、この女をぶっ殺すぞ!!」
強盗か。恐らく強盗には成功したが、
学園都市でもこういった犯罪は珍しくない。能力者の街ともなれば、能力を悪用した犯罪は後を絶たない。
「はぁ…。」
思わず溜息をつく。真面目に能力開発に勤しんでいればいいものを、わざわざ自分から堕落するなんて。人のことを言える程の身分ではないが、些か憐れんでしまう。
「来るんじゃねぇぞ!!」
到着した警備員を牽制するかのように、辺りにあるゴミ箱や車が浮遊し、警備員らに降り注ぐ。
「ちょっとそこの貴方。」
後ろから誰か声をかけられる。後ろを振り返る。
僕はその時、思わず目を見開いた。そう、そこに居たのは、僕が憧れた主人公の光を持った人だった。
幼いながらも凛とした顔立ちに、茶髪のツインテールが特徴に、常盤台の制服を着た少女がそこにいた。
左腕に盾を模したマークの腕章を付けている。風紀委員か。
「僕になにか用があるのかな?」
「風紀委員の白井黒子といいますの。一般人である貴方はここから避難してくださいですの。」
「どうして避難をする必要があるんだい?」
僕の答えは普通の人間からすれば異なる解答だろう。能力者とはいえ、一般人であれば普通は避難するだろう。だが、たかが強能力者程度の力で避難するほど弱くはない。
「何故って危険だからに決まっているじゃないですか!!ここに居ると危ないですのよ!!」
はぁ。主人公の光ってやつは何かと眩しすぎる。説教をくらっているのに全然気にならない。しかしだ、永遠に説教など聞く気などはない。
「はぁ、一撃で終わらせてくる。」
「え?ちょっと!!」
僕は彼女にそう言い、強盗の前に瞬間移動する。気づかれることもなく、その場の空気に溶け込むが如く、気配を遮断する。
先程彼女に告げたように僕は一撃しか攻撃しない。失敗しようが成功しようとも宣言通りに一回だけだ。だが今から使う技は少し危険だ。能力者とは中身は人間なのだから、まともに喰らえば、文字道理一撃で死ぬ。流石に手加減するが、それでも死なないと言う保証はない。
僕は右腕を構え、拳を握る。これはとある武術家の技を自動解析により解析し、僕なりの
『无二打!!!』
強盗へと放たれた剛打。その一撃に無駄な破壊はなく、ただ一点に手中された衝撃は強盗の腹を的確に捉え、命中する。
「うぼぉぉぉぉぉぉあ!!」
強盗は強い衝撃に激しい勢いで飛ばされる。その勢いのまま、壁へと激突する。強盗は衝撃により気絶し、その場に倒れた。
人質になった女性にはなんの影響もなく、犯人から解放されたせいか、腰を抜かしその場にへたれこんだ。
さて正義の味方気取りの行動はここまでだ。僕はその場から瞬間移動で近くのビルの屋上に移動する。
警備員が犯人を確保し、ひとまず一件落着。
しかし一つだけ気になることがあった。自分でも分からないが、不思議と高揚感に包まれていた。何故であろうか。
だが今日は少し疲れたので、このことはまた後日考えるとしよう。
「少しお待ちください。」
帰路につこうと瞬間移動を使用としたときであった。
「また君か。」
先程の風紀委員、白井黒子と言ったか。再び彼女に呼び止められた。強盗犯のことについて注意しにでも来たのだろうか。
「強盗犯は先程、警備員によって逮捕されましたわ。これも全てあなたの迅速な行動のおかげですわ。ありがとうございます。」
これは意外だった。てっきり一般人が手を出して怒られるのではないかと思わず身構えていた。
ましてや感謝までされると思っていなかった。
「最後に貴方のお名前をお聞かせください。」
「ふっ。僕は神野芸夢。とある一般人Aだよ。それじゃあね、主人公さん。」
僕は瞬間移動でその場を離れた。
この日僕は、僕にとって特別な
ちょっとやりすぎてしまったところもあったと少し後悔しています。
ご意見、ご感想をお待ちしております。
衛仕長の実装を楽しみですね。
とある世界にいても問題ないキャラ
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浅上藤乃
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平和島静雄
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司波達也
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両儀式