冬木のクリア特典が星5だった件について   作:和尚我津

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赤色ゲットだぜ!

「いやー、参ったよホント。何故かクルタ召喚の時、システム・フェイトに通常時の二倍リソースが取られていたんだよ。何故だろねー?」

「それだけクルタが大食漢だったってことでは?」

「うーん、やっぱりそれかな?」

 

 

 

 訓練を開始してからしばらく経った後、ダ・ヴィンチからの緊急指令が三人に掛かった。、

 指令に従い、シミュレーター室に居た三人は、召喚ルームに場所を移していた。

 

 そこには呼び立てた張本人であるダ・ヴィンチとロマニ、そしてクルタを召喚した時に居合わせたスタッフたちが勢ぞろいしていた。

 

 そう、指令の内容とは、新たなサーヴァントの召喚であった。

 

「それが今まで追加召喚できなかった理由と、何か関係があるのでしょうか?ダ・ヴィンチちゃん」

「実は大ありなんだよ。当初の想定通り、連続でサーヴァントを召喚する場合、システムに掛かる負担はあくまで一体分に留まる。だけどクルタの場合、一度で二体分の負担が掛かってしまったんだ」

「なるほど、キャパオーバーしてイカレちゃったんだね」

 

 納得したように、うんうんと唸る立香。

 地獄のランニングを止めることが出来て、今の彼は非常に気分がいい。

 フォウくんも彼の肩の上に乗ってそのまま着いてきている。

 疲れたのかランニング中もたびたび乗ってこられるのは、心底勘弁してもらいたいとは思っているのはおくびに出していない。

 

「でもこうやって召喚ルームに集めている以上、問題は解決したってことだね。さすが万能。さす万」

「はっはっは。いや褒められるのはいつになっても嬉しいものだね。だが少し残念なお知らせがある」

「と、いいますと?」

 

 疑問の答えを返したのはロマニ。

 

「ぶっちゃけ根本的解決には至ってないんだ。直したには直したけど、使い捨てというか、元の木阿弥というか……」

「一回召喚すると、またエラーを起こしちゃうんだな、これが」

「「え」」

 

 立香とマシュの声がハモる。

 割り箸みたいなものさ、というロマニの声がいやに響いた。

 

「現状の資材では、これを根本から直すのは難しい。応急処置的な対処に留まるだろう。今後も召喚しては直しての繰り返しになることを理解しておいてくれ」

「じゃあ、今回も召喚は……」

「一回こっきり、というわけだね」

 

 ハハハ、と誰ともなく笑いが漏れていた。大分乾いていたが。

 

「なるほど。あと何回喚べるか分からないこの状況で、残ったレッド、ブルー、ピンク。そしてグリーンを召喚しなくちゃいけないわけか。これは大変だ」

「違う!それはちょっと違うよ立香くん!」

「おや?戦隊的に、そこはイエローを入れるべきじゃないのかい?」

「いや、カレーを絡めると、どこぞのシスターが招かれるから良しなさいって、夢で告げられて」

「ドクター!夢見が悪いようなので、先輩に良い睡眠薬の処方をお願いします」

「う~ん、メディカルチェックではぐっすり眠ってるんだけどなぁ。メンタルヘルスも問題なかったし」

「さっさと召喚しやがれ、抉り取るぞ」

 

 心底興味のなさそうな顔で、クルタが皆を促すのだった。

 

「おっと。これ以上は本当に彼を怒らせちゃいそうだ。その前に召喚を済ませちゃおうぜ♪」 

「よーし、待ってろよ次なる戦隊カラーズ!必ず召喚してやるからな!」

「ドクター、先輩のメンタルケアを改めてお願いします!」

「あ、わかった。ランニングから解放されてハイになってるんだな!」

「……はあ」

「……ふぉ~う」

 

 どうにもしまらない一行であった。

 

 召喚の準備はほぼ完了している。

 後は召喚サークルとして、マシュの盾を設置するのみ。

 

「マシュ、部屋の中央に盾を設置してくれ」

「はい、了解しました」

 

 指示に従い盾が置かれた。

 

 下がる彼女と入れ替わるように進み出た立香が、先ほどまでの様子を潜めて、息を吸い込んだ。

「頼む!俺に、力を貸してくれ!」

 

 立香が叫ぶと共に、盾が光を放ち始める。

 発光し、収束し、人の姿を結び始めた。

 

 その姿を視界に納めた立香は、高く腕を突き上げた。

「よしっ!赤色ゲットだぜ!」

「サーヴァント・ア……なんだこのマスターは?」

 

 新たなサーヴァントの第一声が、それだった。

 

 

 

 

「クー・フーリン、か……。やれやれ。あの大英雄と肩を並べることになるとは。まったく畏れ多いな」

 語った内容とは裏腹に、その口調は皮肉に満ちたものだった。ともすれば嫌悪すら含んでいるようにも感じられる。

 浅黒い肌に、白い髪を持つその人物は、先ほど召喚されたサーヴァント。その名は……。

 

「エミヤさんは、クルタさんとお知り合いなのですか?」

「テメェみたいなツラは見たことがねぇがな。身内でも俺に殺されたのか?」

 

 エミヤ。

 敵側にもサーヴァントが居る以上、クラス名だとダブるかもしれないから、名前を教えてくれ。

 立香にその主張をゴリ押され、黙秘しようとした彼が明かした真名がそれだ。

 

 マシュは男の正体について頭を巡らせる。

 彼女の記憶の中には、エミヤと呼ばれるような英雄の名は存在していない。

 

「さて、どうだったかな」

 

 自らの名すら明かそうとしなかった男だ。

 ぺらぺらと過去を語るような真似はしなかった。

 

 現状、何を言っても無駄だと彼女は悟る。

 ダ・ヴィンチがカルデアのデータベースで検索を掛けているから、そちらに期待するしかなさそうだ。

 

「……」

「……」

 

 マシュが黙った途端、場の空気は完全に凍りついた。

 クルタもエミヤも、率先して話すタイプではない以上、こうなるのは必然である。

 

「そ、それでは!親交を深めるという意味も込めて、早速模擬戦と行きましょう!」

 居た堪れなくなったマシュが、エミヤに向けて盾を構える。

 詳細不明な人物の戦力を知るため、シミュレーター室に移動していたのだ。

 

「了解した」

 簡潔に答えたエミヤはマシュから距離を取る。

 

「ただ一つ断っておく」

 彼は、赤色のフードを被り(・・・・・・・・・)、腰からナイフと銃(・・・・・)を取り出し構えた。

 

()は正面から戦うのは、得意じゃないんだ」

 

 高ランクの気配遮断(・・・・)を使用した上で、森の中に姿を隠す。

 

「サーヴァント・アサシン(・・・・)。任務を遂行する」

 

 その言葉と共に、アサシンのサーヴァント・エミヤは、マシュに襲い掛かったのだった。

 

 

 

 

 

 

「なんで、俺、また、走って、るの?」

 

 クルタが施したトレーニングを聞いたエミヤが一言。

『体力のない兵士が一番使えない』

 彼の地獄の継続が決まった瞬間であった。

 

 

「フォ~ウ」

「フォウくん、降りて、マジでん、お願い」

 

 自らの肩に乗る小動物に、必死に懇願している立香であった。

 




というわけで、アサミヤ加入です。
クー・フーリンには、やはりエミヤが必要だと思うので。
中身がちょっと違いますが。
現状、凄い殺伐としたカルデアになってます。

よくよくイラスト見ると、アサミヤあんまり赤要素ないですけど、そこは見逃してください。

次回更新は未定です。
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