数年前に見たことある名前だと思った方は、記憶をリセットしてお願いします。
まぁ、処女作が方向音痴なのはよくあるこった気にすんな。ってノリです。はい。
いつでも処女作を書いてるつもりの人間ですが、もしよろしければどうぞ((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
vsカモネギ 『初めまして、こちらの世界』
「...あ、ありのまま今起こったことを話すぜ。俺は歩き孵化作業をしていたと思ったらいつの間にかツルペタ幼女になっていた。な...何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何が起こったのか分からなかった...頭がどうにかなりそうだった...夢落ちだとか、神様の手違いなんてそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ...」
全くなぜ━━━━━━と、頭を抱えている男、もとい少女はふと周りを見渡す。辺りは木々が生い茂っており、薄暗く、少し不気味に感じられた。
「とりあえず、どっか人のいそうな場所へ行ってみるか。口調と一人称に気ぃつけねぇとな。」
よっのらしょとその歳に似合わぬ掛け声で腰を上げて、西と思われる方角へ歩みを進めた。
「もう夕方だよなー。ん?夕方ですわね?夕方っぽい?なのです?アル?」
寂しさを紛らわすためか、独り言を言いつつ、自分のキャラを定めようと努力する。が、
「普通が一番だよなコレ...」
と、結論づけてしまった。
そうこうしていると、開けた場所へと出た。少し先には町が見える。案外近かったが...しめた、と彼女は町へ向けて走り始めた。
と、頭ではしていたのだが体は違った。走り始めた瞬間、正面から何か飛んできた。否、文字通り飛んできたのだ。鳥が。
彼女はそれを見たことがあった。鳥の種類なんてカラスとペンギンしか分からないような人間でも、彼女は分かった。この鳥の種類を。
「カモネギ!!??」
急な大声に驚いて、元来た方向へと飛んでいこうとするカモネギ。しかし、そうは問屋が卸さない。
「いた!!カモネギ!」
町から帽子を被った少年と老人が走ってきた。どうやらカモネギを追っているようで、少年は空のモンスターボールを握っている。
ある程度彼らとカモネギの距離が縮まったところで少年が思い切りボールを投げた。しかし、そのボールを簡単に避けるカモネギ。
「まだ攻撃しないとダメか!」
と、悔しそうに少年が言ってる反対側では、その空振りしたボールを取った。彼女は、そのボールを右手でしっかりと持ち、左足を高らかに上げて、プロ野球並の綺麗なフォームで空に居座っている鳥目掛けて投げた。
少年と老人を敵として見ていたカモネギは、背後からのモンスターボールに気づかなかった。体を貫かんとする勢いでぶつかったボールは、開閉スイッチが開きカモネギを収めた。
「やれやれだぜ...こんなんでもあんな強く投げれるのか。」
「すっげー!」
カモネギの入ったモンスターボールを拾い上げると、さっきの少年が声をかけてきた。彼女はモンスターボールを彼へ投げ渡した。
「キミのポケモン?」
「まっさかー、この人の。」
と、少年が指差す老人。これも彼女は見たことがある。かの有名なオーキド博士だ。
「オーキド博士...ですか?」
「おぉ!ワシを知っておるとは流石じゃな。学会以外じゃワシの名前は有名ではなくなったからの...」
なんだか話が長くなりそうだな。と彼女は思った。とりあえず事情を説明...いや、記憶喪失ってことにしてオーキド研究所に転がり込むか、と考えていると、質問が飛んできた。
「君、名前は?」
━━━━━━━━しまったぁぁあ!!!すぐ答えろ、すぐ答えろオレ!いや私!
と、パニックになりながら名前を考える。そこで、過去に自分がやったシリーズのモブトレーナーの名前が浮かんできた。
「...マイ。」
「ほぉー、マイか。トキワシティに住んどるのかの?」
━━━━━もしかして、すぐそこの町はトキワシティか。カモネギ追いかけてわざわざ隣町まで来たのか。大変だな...いや待て、やばい。その前になんて答えるべきだコレ。
「...分からない」
多少の間は開いたが、恐らく誤魔化せたはずだ。と自分に言い聞かせて、表情に出さないようにするマイ。
「ふむ...断定は出来んが記憶喪失かもしれんの。とりあえず、今は私たちに着いて来なさい。」
━━━━マイは オーキドの 仲間に なった !
なんてくだらないことを考えていると、オーキド博士はカモネギの入ったモンスターボールを渡した。あくまで護身用じゃ、とだけ付け足して。
帽子を被った少年がポケモンを探している間。マイは博士から今の状況について説明を受けた。なんでも、少年が博士の研究所のモンスターボールのスイッチを全て開けてしまい、逃げたポケモン達を追っているのだと言う。
「やれやれだぜ...」
なんてクソガキなのだろう、彼は...
「ねー、手伝ってくれてもいいんじゃないのー?」
「自分で蒔いた種は自分で刈り取るべき。違う?」
頬を膨らませている少年を横目に、ボールに入っているカモネギに目をやった。カモネギはとても行儀よく、大人しくしている。
(知らない世界に出たら誰でも焦るよなぁ...)
と、先程の自分とカモネギを照らし合わせて感傷に浸っていると、少年がポケモンを捕まえた。
「おし、あとはフシギダネ一匹!」
「あそこいる。」
「え!マジ!?」
最後の一匹となったフシギダネがすぐ側までやって来ている。指された方向にすかさず帽子の少年はボールを構えるが、大きな声が耳に入ったからか、フシギダネは傍の建物へと入り込んだ。追いかけるように建物内へ入る少年と博士に続いて、マイも建物へと入った。
「暗...」
建物内は照明等なく、クモの巣が張っているほど長い間使われていないようだった。
「さ、大人しくこっちへ...」
オーキド博士がフシギダネを誘導しようとする。だが、フシギダネはオーキド博士目掛けて体当たりを仕掛ける。それはクリーンヒットしたが、その老体は何とか踏みとどまった。
「すご...」
と、関心している傍ら、少年はフシギダネに優しく声を掛けていた。
それは自分の役目ではない、と、マイはそちら側には行かず、目新しい物はないかと物色し始めた。
「あ」
そして早速見つけた。見つけてしまった。目新しいモノ、者を。
「━━━━━━━ッ」
咄嗟にボールを構えてそのモノの前へと投げ、ボールから出す。
使う技なんて知らないけど、と前置きしてカモネギへ指示を出した。
「接近」
その言葉に少し離れた2人は反応し、そして仰天した。
目の前にいるのは 格闘ポケモン ゴーリキー 。
近づいたカモネギに向けて大きなパンチを構えたゴーリキーだが、フシギダネが自身のムチでその腕を拘束したことによって攻撃は不発に終わった。そしてその隙にカモネギが攻撃する。クチバシで攻撃しているから"つつく攻撃"だろうか。しかし、大したダメージでは無いようで、フシギダネのムチを振りほどいた後、カモネギを捕らえようと構えた。
「上昇。」
それから逃れるために、マイは上へ飛ぶよう指示。カモネギはそれに従うと、ゴーリキーはマイを次の標的として見定め、マイへと走り始める。命の危険を察知したマイは後ろへと退こうとするが、その心配はないようだ。
「ええい!!」
帽子の少年が窓を開けたことによって、フシギダネのソーラービームが発射可能になり、それを撃つことによってゴーリキーが倒れた。
「助かった。ありがと」
少年に軽く礼をして、腰を抜かして立てないオーキド博士に肩を貸すマイ。
オーキド博士は立ちながら、2人のトレーナーに賞賛の言葉を贈った。そして、帽子の少年にフシギダネを、マイにこのカモネギを託した。なんでも、もう既にこの2匹は懐いてるらしい。
そして、帽子の少年━━━━レッドはこの件の言い訳、もとい経緯を話した。昨日、森で幻のポケモンと呼ばれるポケモンに出会ったこと。そのポケモンに全く歯が立たなかったこと。だから強くなるために研究所へ行ったこと。
それを聞いたオーキド博士はレッドに質問した。強くなることはどういうことかと。
レッドは答えられなかった。そして同じ質問がマイに回ってきた。彼女は、前世の記憶を呼び起こして必死に頭を回転させ、彼女なりの答えを導いた。
「...成長すること。」
「...具体的にはどういうことじゃ?」
「旅したり、ポケモンと仲良くしたり、勉強したり。そうすればどんなポケモンも強くなる。」
全て前世のゲーム知識から導いた答えだけどな、と彼女は心の中で呟いた。
オーキド博士は、そこから更に深い場所にある。と始めた。
「大切なのは心じゃよ。ポケモンと通わせた心が誰にも負けないポケモントレーナーへの道となるのじゃ。」
「絆?」
「そうとも言うな。」
絆って言った方が分かりやすい気がするのだけど━━━━━━━━
「さて、これをお主らに渡そう。」
と言って、赤い箱もといポケモン図鑑を貰った。この図鑑を全て埋めてほしいとの趣旨を聞いたレッドは、博士に勧められたトキワの森へと進むようだ。
「またなー!!」
大声で叫ぶレッドに軽く手を振り返し、マイは博士との話に戻る。話というのは、これからの生活費についてだった。マイはそれに対して
「トレーナーとして生きれば金は入る」
と答えた。それもそうだと笑って返すオーキド博士は、彼女にモンスターボールやタウンマップ、キズぐすり等の道具を渡して見送った。
22番道路━━━━━━━━
「で、これからどうするべきか...」
少女、マイは、カモネギのボールを片手に22番道路を放浪していた。この道の先には進めないことは知っていたのだが、この情報量の多さに耐えられなかったのだ。
木に体を寄せて、倒れるように座り込んだ。心配そうにカモネギが顔を覗くが、そんなことには目もくれず、カントー地方とジョウト地方の間にあるシロガネ山を見上げた。
「高っけぇなぁー。」
感嘆していると、ボールがガタガタと揺れる。開閉スイッチを押すとカモネギが出てきた。スイッチを押してポケモンが出てくることにマイは少し驚きの表情を見せるが、対してカモネギは余裕綽々とした様子でマイを見詰める。
「何」
無頓着に質問を問いかけるマイ。
しかし、カモネギは何も返さない。
「そりゃ何も言えないよなぁ...」
と、呟くとカモネギは クワ と短く鳴いた。
「何言ってるか分かんねぇよ...」
苦笑いすると、カモネギが葱を逆手に持ってマイの前で戦闘態勢に入る。なんだなんだとマイが立ち上がると草むらから野生のポケモンが飛び出してきた。