お気に入り94件ありがとうございます( _ _)
これにて一章編はおしまいです。しかし、これはまだ終わりではありません。その他諸々含めて今回のサブタイトルはこうなりました(裏話)
今回、今までとは少し書き方を変えて、地の文のポケモンの書き方をニックネーム→種族名という風にしてみました。
どちらが見易いか等の意見があればお聞きしたいです。なければこのまま変更…だと思います。
次回は主人公のプロフィールになります
前置きが長くなりましたが、一章最終話どうぞ( _ _)
Dリーグ予選の2回戦が一通り終了した。次は3回戦、マイはグリーンと戦闘することとなっている。
伸びをしながら舞台へと上がると、既にグリーンが舞台に立っていた。グリーンはボールを手にしており、いつでもバトル可能と言っているようだった。
『Dリーグ予選三回戦一試合目。始め!』
「先生、GO!」
「"きりさけ"ストライク!」
特に言葉を交わすこともなく戦闘が始まった。マイの先発はベトベトン。対してグリーンはストライクだ。ストライクは"きりさく"攻撃でベトベトンに攻撃するが、マイはソレに対しての処理はしなかった。なぜなら、マイのベトベトンの体はヘドロの性質が強く、並の攻撃は効かないからだ。
「"だいもんじ"溜めて」
マイは"だいもんじ"を指示、ベトベトンは口を大きく広げ攻撃の体勢をとった。攻撃を受け止めてから確実に攻撃を当てて相手を倒すという作戦だった。
しかし、その作戦は簡単に壊れてしまう。ストライクの"きりさく"攻撃は、ベトベトンの体を横一閃に文字通り切り裂いたのだ。
「「なっ」」
切り裂かれたベトベトンの体は、上半身は動いたが下半身はびちゃっと嫌な音をたて舞台を濡らした。上半身部分は指示通り"だいもんじ"を発射、しかし元いた位置からズレたことにより、軌道がずれ攻撃を外してしまった。
「ヘドロで体を大きく見せていたのか...」
━━━━━━━━知らなかった...
ここで初めて明かされた事実に、マイは驚きを隠せなかったが、スグにベトベトンをボールへと戻した。その体の特性が売りのポケモンが、その種を明かしてしまったのならしょうがないことだ。
「ネギ、"つるぎのまい"」
ここでマイはカモネギを投入する。カモネギはフィールドに出るとスグに飛び上がり、不規則な円を描き始めた。
「"かまいたち"か」
マイのカモネギのよく使う戦法、"つるぎのまい"を積みつつ"かまいたち"の準備をするというものだったが、グリーンにあっさり見破られてしまった。
「両腕の"きりさく"で止めさせろ!」
「中断、こっちも"きりさく"!」
ストライクは上空へと飛び上がって"きりさく"攻撃、カモネギは"かまいたち"の溜めを止めて自慢の葱を構えて"きりさく"攻撃の体勢に入った。
両者の"きりさく"が空中でぶつかり合う。この時、カモネギはストライクの右鎌の峰に当たる部分に攻撃を当てていた。そのため、ストライクの右腕の攻撃は軌道を下げられ、それと共に体は前のめりになる。
「"きりさけ"!」
体が前のめりになったことより、カモネギはストライクの後ろを取った。背後からの攻撃を躱すことの出来なかったストライクはそのまま地面へと落とされる。
「戻れストライク。行けっ、キュウコン!」
地面へと叩きつけられる寸前に、グリーンはストライクを戻しキュウコンを投げた。白熱した試合に、グリーンは冷や汗を掻く。
━━━━━━━━地面に叩きつけられていたら...!
「ネギ、交代。カニミソGO!」
マイもそれに合わせるようにしてキングラーを出す。キュウコンの炎ならカモネギのクキを燃やしかねないと考えての行動だった。
「"どくどく"攻撃!」
「"なみのり"で迎え撃て!」
キュウコンは"どくどく"攻撃、対してキングラーは"なみのり"で近づいてくるキュウコンを仕留めようとする。範囲攻撃である"なみのり"はキュウコンに迫るが、キュウコンはそれを跳んで躱して攻撃を命中させた。
━━━━━━━━水のない場所だと範囲が減る...!
「"ふぶき"、そして"クラブハンマー"!」
初めて行った作戦、想定より範囲が狭まったことに対して内心舌打ちするが、マイは"ふぶき"を指示した。大量の水を凍らせ、氷のフィールドを完成させる。さらにその上を滑り、慣れないフィールドに踊らされているキュウコンに"クラブハンマー"が撃ち込まれる。
「"だいもんじ"だ!」
しかし、撃ち込まれる直前に"だいもんじ"が炸裂。キングラーは怯まず攻撃を撃ち込むが、熱によって氷が一部溶け、キングラーの足が止まってしまった。それによってキングラーの攻撃位置が遠のいてしまい、キュウコンには攻撃が届かなかった。
「"ほのおのうず"で氷を溶かせ!」
さらにその隙に"ほのおのうず"がフィールドを覆うようにして展開される。キングラーはその熱渦に閉じ込められ、身動きが取れないようだ。そしてあっという間に氷のフィールドは溶かされ、キングラーの舞台は幕を閉じる。
「戻れカニミソ!リッパーGO!」
炎に対抗するための«水»だったが、キングラーでは速さとリーチが足りなかった。それを理解したマイはスリーパーをフィールドへと送り込む。
「浮いて、"どくガス"!」
マイはスリーパーの肩に乗りスリーパーは念力で体を空中へと浮かした。そして"どくガス"を舞台上へと噴出、空気より重いこのガスはふわふわと舞台上を漂い、キュウコンを'どく'状態にした。この"どくガス"は範囲を意識したもので、薄まって早々に消えてしまった。
━━━━━━━━ここでくるなら恐らく飛行ポケモンの
「翔べ、"でんこうせっか"!」
「キャッチして"サイコキネシス"」
グリーンの次の行動はポケモン交代、出したのはピジョットだ。ピジョットは目にも留まらぬ速さでスリーパーへと突っ込む。マイはスリーパーの肩を蹴って飛び降り、的を僅かにズラした。それにより、腹部を狙った"でんこうせっか"は掠れる形で命中。スリーパーはそれを掴もうとするが、電光石火の速さに追いつけず、掴み損ねてしまった。
「"サイコキネシス"」
「"つばさでうつ"」
受身をとって着地したマイは、スリーパーがミスを感じないような素早い指示を再度飛ばす。しかし、やはりスリーパーはミスを気にしているのか反応が遅れてしまった。対してピジョットは切り返して"つばさでうつ"攻撃。スリーパーが攻撃するよりも先に攻撃を命中させた。
攻撃を喰らったスリーパーは受け止めきれずに地上へと落ちる。
「戻れリッパー、おつかれ。ゲンムGO!」
スリーパーの体が地面に触れる寸前でボールに戻したマイ。続いて出したのはゲンガーだった。ゲンガーはフィールドへ出ると、フワフワと浮いて舞台上を埃が舞ってるかのように漂い始めた。
「"つばさでうつ"だ!」
ピジョットはゲンガーに狙いを定め、急降下。対してゲンガーはフワフワと笑みを浮かべながらピジョットを迎え撃つ。
「"さいみんじゅつ"」
と、マイが指示を出し終える前に既に"さいみんじゅつ"を放つゲンガー。ピジョットが眠ってしまうとスグに"ゆめくい"をして、ピジョットにダメージを与える。
「あー、"10万ボルト"!」
勝手に行動するゲンガーだが、指示を出されると指示通りに動いた。効果抜群の"10万ボルト"を放とうとするが、ピジョットはボールへと戻される。
「ゴルダック、"ねんりき"だ!」
ピジョットの次に出されたのはゴルダック。ゴルダックはスグに"ねんりき"の構えを取って、ゲンガーの頭を締め付けた。フワフワ浮かんでいたゲンガーも、弱点であるエスパータイプの技を受けては大ダメージを免れず、地面に片足をついてしまった。
「戻れゲンム!ネギ、もっかいGO!」
体力が少なくなったゲンガーを戻し、カモネギを繰り出すマイ。カモネギはフィールドへと降り立つと"つるぎのまい"を積み始めた。
「"そらをとん"で"きりさけ"!」
舞が終わると、カモネギは勢いよく飛び立って急上昇、ある程度飛び上がったらクキを構え直して急降下、"きりさく"攻撃の構えだ。
「"れいとうビーム"で迎え撃て」
グリーンは確実に攻撃を当てて仕留める為、迎え撃つという選択肢を選んだ。しかし、マイはそれを読んでいた。だからこそこの攻撃だった。
━━━━━━━━撃たれるより速く...!
マイは祈った。相手より先に攻撃をすることに。しかし、グリーンは違った。
「"ねんりき"で動きを制限しろ!」
ゴルダックは右手で念を発動し、カモネギの動きを少し鈍らせた。そして空いた左手で"れいとうビーム"を発射、カモネギは呆気なく氷漬けにされてしまった。
「なっ...」
『カモネギ戦闘不能。ゴルダックの勝利!』
アナウンスと共に外野がワァッと声を挙げる。予選だと言うのに、気が付けば様々な人間に観戦されていた。しかし、マイはそれに気付かず、カモネギをボールへと戻した後、舞台を後にするのだった。
しかし、舞台を降りた後、すぐに呼び止められた。そして一言だけ告げられ、彼はマイから離れた。
━━━━━━━━
聴いたことのある声、以前にも聞いた言葉。マイは彼に何か返そうと思ったが、言葉が出てこなかった。そして、マイもその場を後にした。
ポケモンの回復を終えたマイは、建物の外へと出ていた。中では決勝戦、レッドとグリーンが戦っている。マサキに頼んでビデオを貰うことにしてあるから、観なくても大丈夫だろうと思って、外に来ていた。
「成長、できた?」
その問いに、マイの隣に座っているカモネギは首を横に振って答えた。ラフならそうは答えないかもな、なんてことを思いながらマイはカモネギの頭を撫でる。
目の前を見ると、カイリキーとキングラーは勝手に戦闘を始めていた。今の手持ちでは一番疲労は溜まっていないのだから、そんな体力があるのも頷ける。
「...そろそろどかない?リッパー」
体力が回復してから、マイにずっと抱きついているスリーパーは首を横に振る。ミスを引きずっているのだろう、落ち着いたら思い切り投げ飛ばすか、なんてことを思いながらゲンガーの頭を撫でた。
「...フサフサ」
ゲンガーの毛はとてもフサフサしており、とても撫で心地が良かった。撫でられているゲンガーは、すやすやと眠っている。疲れたから、という訳ではなく、いつもこんな感じなのだ。
「先生、そんなもんじゃない?」
顔を上げると、ベトベトンが必死に土を毒を使ってヘドロにして、体を大きくしていた。普段なら何を考えているか分かりずらいベトベトンだが、今の彼は落ち着いていないようだった。
━━━━━━━━ま、これで戦術の幅が広がったんだけど...
「さて、こっからどうしようかな。」
スリーパーを振り払って立ち上がるマイ、同じくカモネギも立ち上がった。体が元のサイズになったベトベトンをボールへと戻し、寝ているゲンガーも、取っ組み合いになっているカイリキーとキングラーもボールへと戻した。
「一足先に帰るか、それともまた旅に出るか...」
━━━━━━━━図鑑埋めでもするか
何かがマイのそんな衝動を駆り立てた。マイはスリーパーの肩に掴まり、カモネギを片手に"テレポート"を指示。テレポートする際、マイは咄嗟に目を瞑ってしまった。
マイは、新たな一歩を踏み出したのだった。