野生のポケモンが現れた。マイは指示を出そうとするが、その前にカモネギが攻撃を受けてしまった。幸い、ダメージは少ないようだ。
「急接近!」
カモネギが接近している間に、ポケモン図鑑を取り出して技を確認する。
カモネギの技は
つつく
みだれづき
つるぎのまい
かまいたち
の4つだった。すかさずマイは技を選択、もとい命令する。
「みだれづき!」
カモネギが思い切り野生ポケモンへと体全体を使ってぶつかる。ここでマイは野生ポケモンの正体に気づく。
「ナゾノクサ」
そう、野生ポケモンはナゾノクサだった。
こんなことすら気づけない程余裕が無いとは、とマイは少し悔やんだが、すぐに気持ちを切り替えて指示を出す。
「つつく攻撃!」
カモネギは指示通りにつつく攻撃をしようとするが、ここでナゾノクサの"痺れる粉"。カモネギは麻痺になってしまい動きが鈍くなったため、その攻撃を避けられてしまった。
そしてそのナゾノクサはマイ目掛けて突撃しようとする。だがしかし、ナゾノクサは標的をマイに変えた瞬間、マイの方を振り向いた瞬間、勝負が決したと瞬間的に本能的に理解した。
マイはモンスターボールを握りしめ、その綺麗な投球フォームで思い切り足を地に振り下ろし、力強くボールを投げた。空のボールはナゾノクサに命中し、1、2、3でナゾノクサは捕獲された。
「捕獲、完了」
少し誇らしげに言ってみるマイだったが、誰も反応してくれないことに少し寂しさを感じた。カモネギに目をやると、コクコクと頷きながらこちらへ歩いてきた。
「...麻痺なおしはないし、一旦トキワシティまで戻るかなぁ〜」
そう呟くとカモネギは脛を軽く叩いてきた。痛みに悶絶するマイの横で、落ちた自分のボールに自ら入るカモネギ。なぜ自分が攻撃されたのか分からないマイは、そのよく分からないままトキワシティへと戻るのだった。
「お預かりしたポケモンは皆元気になりました。またのご利用をお待ちしております。」
ぺこり、とジョーイさんが礼をするのに応えてマイも礼をしてポケットモンスターを後にした。
「やっぱり一瞬で回復じゃないか」
人気のない場所で呟く。コレはゲームではない、現実である。ということをマイは再度感じ取った。さっきのナゾノクサとの勝負も、カモネギがいなければどうなっていただろうか...
ふと、捕まえたナゾノクサのボールに目をやると、キラキラとした目を輝かせてこちらを見ていた。コレはゲームではないのだ、と彼女は再三思い返して、ナゾノクサ、そしてカモネギをボールから出す。
ボールから出たナゾノクサは真っ先にマイの胸元へと飛び込んできた。
「...これが目的?」
その問いにナゾノクサは首を縦に振って答える。なるほど、此奴ロリコンか。
「...いいや。放置で。」
抱きつかれたまま、マイは話を続ける。
「ニックネームを付けます。カモネギ、君はネギ。ナゾノクサ、君はラフだ。」
余りにも軽すぎるニックネームの付け方だが、本人達は喜んでいるようだった。それを確認したマイは次の街、ニビシティへと歩を進めるのだった。