ポケットモンスターMINOR   作:とある世界のハンター

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vsスターミー 『パワーファイターは止まらない』

 

 

 

 

 

〜ハナダジム〜

 

「ごめんくださ〜い...」

 

反応がないようだ。

マイは紹介状を持ってハナダジムへとやって来たのだが、いくらドアを叩いても反応がない。情報が正しければ、このジム内にいるはずなのだが...

戻るにしても、それは納得いかない。犯罪行為のように思うが、扉を開けてジム内へと入っていく。

ジムの中は誰もおらず、ずんずんと奥へと進んでいく。奥へ奥へと進むごとに、何やら音が聞こえてくる。その音は声となり破壊音となっていく。

 

「...たのもー。」

 

一番奥の部屋の扉を恐る恐る開けるマイ。

部屋の中には少女と少年、そしてポケモンが数匹いたのだった。少年はマイの顔を見るやいなや、その名を呼び叫んだのだ。

 

「マイ!!!」

 

「レッド。」

 

その少年は、マイが初めて出会ったトレーナー、レッドだった。

 

「何しに来たんだ?こんなとこに。」

 

「ジム戦。」

 

レッドの問いに、紹介状を取り出して答えるマイ。その紹介状はその場にいたもう1人の少女の目に入った。

その少女はマイからその紹介状を受け取り、中身を確認した後、出していたヒトデマンをボールに戻したのだった。

 

「はじめまして、私がここのジムリーダー、カスミよ。よろしく。」

 

「...マイです、よろしくお願いします。早速バトルしたいんですけど、いいですか?」

 

マイの目はギラギラと輝きやる気満々の表情だった。それに対してカスミは、勿論、と答える。

 

「レッドは審判をお願いね。」

 

「おう!任せとけ!」

 

━━━━━━━━トントン拍子で進むなぁ

 

しかし、そこがいい。

マイは腰のボールの一つを取り出してバトルの構えをとる。カスミも同じくボールを取り出す。

 

「どちらかのポケモンが一体でも戦闘不能になったら終了よ!」

 

「うし、じゃあ...バトル開始!」

 

その合図と同時に投げられたモンスターボールからポケモンが現れる。

カスミの出したポケモンはスターミー、マイの出したポケモンはラフだ。

 

「"ねむりごな"!」

 

まずはマイ側の攻撃。手始めに眠らせ、そこから総攻撃するという計略だ。ジム戦前に予め考えていたのだ。

しかし、流石はジムリーダーといったところ、その作戦は通じないようだ。

 

「スタちゃん"サイコウェーブ"!」

 

"サイコウェーブ"による念の波が、"ねむりごな"の軌道を捻じ曲げた。それだけではなく、ラフにも攻撃の余波が当たる。毒タイプを持っているラフには効果が抜群のため、余波とはいえかなりのダメージを負ってしまった。

 

「ラフ戻れ!次、ネギ!」

 

すかさずラフをボールに戻し、次はネギを出す。

 

━━━━━━━━この素早さでゴリ押す

 

そう考えた選出だった。

しかし、この考えは甘かった。

 

 

「上空で"つるぎのまい"、なるべく離れて!」

 

マイはいつも通りの指示をネギにする。ネギもそんな指示がとんでくるだろうと予想していたようで、ボールから出された瞬間に上へと飛び上がった。

それを聞いたカスミは次の指示をスターミーへと出す。

 

「"テレポート"!」

 

"テレポート"…ゲームではトレーナー戦以外での戦闘において戦闘離脱として使われたり、フィールドで使用したりする技である。

 

しかし、ここはゲームではない。

その名の通り、テレポートできるのである。

 

「なっ、逃げろ!」

 

「遅い!"みずでっぽう"!」

 

マイの指示を受ける直前に、ネギはスターミーが自身の背後へと瞬間移動したことに気付いていた。そして、攻撃を避けるためにすぐさま加速しようとしたが、無意味に終わった。

"みずでっぽう"が至近距離で直撃する。しかしここでネギはボールへと戻される。

 

「さ、次は誰で来るのかしら?」

 

「っ...」

 

ネギが大ダメージを負ってしまった。ボールの中を見る限り、少し休ませたからといってどうこうできる程体力は戻らなさそうだ。ラフは弱点を突かれる。アズマさんはこのコンクリート尽くめのフィールドではただの的にしかなり得ない。

ならば、と未だ新しいボールに手をかける。

 

力量(レベル)は充分、初陣。カニミソ!」

 

手持ちに入りたての新人、キングラーことカニミソを思い切り、ボールを投げてフィールドへと出す。

フィールドへと現れたカニミソはその巨大な左腕のハサミを持ち上げ振り下げる。そのハサミは地面へとめり込み、そのコンクリートにヒビを入れた。

 

「すっげぇ!」

 

「なんて破壊力なの...」

 

2人が感嘆している中、マイはカニミソへと指示を出す。

 

「カニミソ"かたくなる"からの"クラブハンマー"!」

 

マイの指示。しかし、カニミソは"あわ"攻撃を出す。カニミソはマイの指示を聞いていない。いや、聞いてはいるが、指示通りに動いていないのだ。

 

「捕まえたてでいうこと聞かないのかしら?」

 

「...最っ悪だ」

 

カスミの発言は図星だった。即ちチャンス、カスミはスターミーへ指示を出す。

 

「スタちゃん"10万ボルト"!」

 

「避けろカニミソ!」

 

しかし、カニミソはマイの指示を聞かない。それどころかマイを睨み付ける。そのため"10万ボルト"が直撃してしまった。

その攻撃が引き金となったのだろうか、カニミソはハサミを思い切り地面へと叩きつけ、ズカズカとスターミーへと歩み寄っていく。スターミーは"10万ボルト"を再度撃つ。

しかし、その攻撃に対してカニミソは"クラブハンマー"でそのコンクリート床を叩き上げ、飛び散った破片を"あわ"攻撃で誘導。"10万ボルト"を防ぐように宙に浮かせた。

"10万ボルト"はコンクリート片により防がれた。

 

「嘘...!?」

 

カスミがこれに動揺して指示が遅れた隙にカニミソはスターミーの元へと移動する。しかし、キングラーの弱点はハサミの重さ故の遅さ。スターミーの素早さにはついていけないようだった。

 

「防がれるのなら近距離で撃ち込むまで!スタちゃん、"テレポート"からの"10万ボルト"!」

 

「カニミソ後ろ!!」

 

指示は聞かないのは理解している。しかし、それでも指示を出さなければいけないという思いがマイにはあった。

それに応えるように、気まぐれだろうか、主として認めたのだろうか、カニミソは自身の背後へとその左腕の巨大なハサミを向ける。

マイの予想通り、スターミーはカニミソの背後へと"テレポート"してきた。そのスターミーへと向けられたハサミは、"はかいこうせん"を撃ち出す。撃ち込まれた"はかいこうせん"はスターミーをジム内の端まで吹き飛ばし、さらに壁へとめり込ませたのだった。

 

「なっ...」

 

なんて破壊力なのだろう。スターミーは既に目を回している。戦闘不能だ。

 

「スターミー戦闘不能、マイの勝ちだ!」

 

レッドはすごくテンションが上がっている。自分の事ではないのにも関わらず、だ。

それをみて呆れた顔をしているカスミだったが、すぐにマイの元へと駆け寄った。

 

「はい、ブルーバッジよ。おめでとう!」

 

「ありがと...」

 

バッジを受け取ったマイは、すぐさまカニミソの元へと駆け寄る。バッジを手に入れた影響が出ているか確認するためだ。

 

「カニミソ、お疲れ様。」

 

しかし、カニミソはそっぽをむいて無視する。

 

━━━━━━━━睨まれるよりかはマシになったか

 

なんて思いつつも、どこか寂しい様子のマイ。カニミソをボールに戻した後、ジムを後にしてポケモンセンターへと足を運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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