読み飛ばしてくれても、まあ多少はね?
〜24-25番道路〜
ハナダジムにてカスミとの激闘を終えたマイは、レッドと共にハナダシティを北上していた。否、無理矢理連れてこられていた。
なんでも、ジム戦を見ていたレッドは、マイのカニミソと自身のピカチュウのトレーナーとの関係に思い被さるところがあるらしい。
レッドはマイに、自身がピカチュウとの距離を縮められたきっかけ、ニビジムでのタケシとの勝負の話をしていた。
「だ〜か〜ら!仲良くなるためには一緒にピンチを乗り越えるんだって!」
「無理。こいつが感じるほどのピンチが来たら私に命の保証はない。だから無理。」
「無理無理無理ってそればっかだな〜。そのキングラーと仲良くなりたいんだろ?」
「キングラーじゃなくてカニミソ。別に仲良くはならなくていい。こいつは言うことを聞いてくれればそれでいいの。」
「...他のポケモンとは仲良いくせに」
レッドのその一言で、話が切られる2人。
話をまた繋ぐようにマイが口を開く。
「...戦ってみる?」
「へ?」
いきなり何を言い出すんだ、と言う様な目でレッドはマイを見つめる。マイは、目的も無く戦おうというわけではなさそうで、まっすぐとした意志を持った目をしていた。
「...何したいか分かんないけど、いいぜ、やってやる!」
レッドは闘争心を燃やし、自身のボールに手をかける。マイも同じく自身のボールに手をかけた。
「いくよ、カニミソ。」
「行けっ、フシギダネ!」
互いにポケモンを出す。出てきた2匹は睨み合い、どちらが先に動くかと見ている。先に動いた、指示を出したのはレッドだった。
「"はっぱカッター"!」
フシギダネの"はっぱカッター"の群れは一目散にカニミソへと飛んでいく。距離はあるため、回避は可能なのだがカニミソは特に避ける素振りはなかった。
「"かたくなる"」
「防御!?」
ここでマイはカニミソに指示を出す。しかし、指示はあくまで防御の体勢だった。
レッドはその指示に驚き、怯んだ。回避出来る距離で回避ではなく、防御なのだから。それは無駄だ。ダメージを無駄に負ってしまうだけなのだ。
"はっぱカッター"は直撃、しかしカニミソは怯まずにズカズカとフシギダネの方へと進んでいく。
「"やどりぎのたね"で動きを止めちゃえ!」
至近距離での"はかいこうせん"は脅威の威力だ。しかし、距離が空いていれば回避することも可能なはずだという考えのもと、レッドは"やどりぎのたね"を指示する。
その攻撃に対して、カニミソは"あわ"攻撃で対処した。
「なっ、指示なしかよ!?」
そう、マイの指示を受けずにカニミソは行動したのである。それに対して、マイは動揺もせず、ただカニミソの行動をじっと見つめるだけである。
「レッド、私はね━━━━━━━━」
マイは戦闘中にも関わらず、レッドと話を、一方的に始める。
「コイツにはコイツの方向性があると思ってるの。だから、私はコイツのやり方に合わせてやる。」
「じゃあなんで仲良くしないんだよ!」
「コイツが心を開くまでは、この距離でいく。そっちのが互いに楽だ。」
と、ここでマイはカニミソをボールへと戻す。カニミソが"はかいこうせん"の構えを取ったからだ。
「悪いね。今回はもうおやすみ。」
カニミソに声をかけ、腰のボールショルダーへと戻すマイ。レッドもフシギダネをボールに戻し、マイの元へ駆け寄る。
「世界は広いんだよ。分かった?」
「...よくわかんねェ。なんで避けさせなかったんだよ。」
「それがコイツの性格だから。自分の信念を曲げたくないんだよ。」
「よくわかんねぇな、」
「そ。分からないならそれはそれでいいと、思、う...」
急に言葉が詰まり始めたマイをみて、不思議に思うレッド。マイの見る視線の先を追うとコラッタがいた。しかし、通常のラッタとは違うようだった。
「ふぃ〜、まったく火起こすのも一苦労や。」
「しゃ、喋った!?」
「お、人、人や!こんなとこに来るなんて助かったわほんま。兄ちゃん姉ちゃんちょっと助けてくれや。」
喋るポケモンに戸惑うレッドだったが、マイは顎に手を当て怪訝そうに質問する。
「...何をすれば?」
「話が早くて助かるわ。ワイな、実はポケモン評論家なんやけど、訳あってポケモンと合体してしもーてな。家まで来て欲しいんやけど━━━━━━━━」
瞬間、そのコラッタは宙へと舞った。否、掴まれたのだ。オニドリルに。そしてそのまま空高く上空へと連れ去られていく。
「オニドリル!?え、えっとコラッタがオニドリルに...」
「人間でしょ。」
「え、オニドリルが?」
「コラッタが。」
「た、助けてくれぇ!!!」