落第騎士と鬼の英雄譚   作:難波01

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新年開けましておめでとうございます。

新年一発目、どうぞ!


友が齎す修羅場

何であんなことを言ったのかエルフェルトに問い詰めた所、「バカにされた」ことが我慢ならなかったらしい。

 

うん、其処は非情に有り難いがエルフェルトが思っているほど自分は“他が為”に剣を震える人間ではないと思っている和真である。

 

「成る程、選抜予選の相手・・・辰巳かい」

 

「知り合い?」

 

電子生徒手帳に通知が来たので見てみると現在三年の友人の名前が表示されていた。

 

岡倉辰巳、黒髪をリーゼントにした一昔前の番長みたいなキャラだ。

 

彼の固有霊装(デバイス)も些か特殊で槍と鎧のセット。

 

間合いの読み合いだけなら辰巳が有利、ぶっちゃけ刀の間合いに持っていくまでに突かれて終いだ。

 

「でも、まぁ勝てないわけじゃないんだよなぁ・・・・・」

 

「おう、和真!お前の好きそうな本手に入った・・・ぜ・・?」

 

対戦相手が、紙袋片手に飛び込んできたときってどんな対処法があるだろうか?そこはほら、十八歳男子同士極秘データのやり取りはあるわけですよ。でもね!?選抜戦の対戦相手に決まった以上、気軽に来るのはどうかと思うんだ。

 

「何ですか!いきなり・・・・何ですコレ?」

 

「和真ァ!何でお前の部屋に女子が居るんだァァ!!?」

 

「待てエルフェルト!ソレは見ちゃならん!!と言うか血涙流す前にチャイムならせぇぇ!!!」

 

和真の胸倉を掴んで血涙を流す辰巳が手にしていた紙袋は放り投げられて、エルフェルトの手に納まった。

 

ガサガサとあけるエルフェルトを制止するが、彼女は止まらない。

 

うん、エルフェルトって変なところで強情と言うか頑固と言うか・・・・そうじゃなくて!

 

「好きそうな本って言ってたよね?どんな・・・・」

 

袋から出したエルフェルトが凍りつく。そして震える。

 

分かるとも、経験則で。

 

「きゃぁぁぁっ!!」

 

「バカガード!」

 

「なにぅいをぅ!?」

 

岡倉辰巳、男としてリタイア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んふふ~♪」

 

エルフェルトはご機嫌だった。と言うのも事故だったが和真の好みのタイプを知ることが出来たからである。

 

対して和真は、

 

「・・・・・あ?選抜予選、岡倉が相手だよ」

 

死んでいた。詳しく言うならお通夜の会場に流れる静けさを全身からかもし出していた。

 

「ねぇ、一輝」

 

「何?ステラ」

 

「昨日の悲鳴ってエルだと思うんだけど和真に聞いても語ろうとしないのよ」

 

「あ~・・・・それは触れないで置いてあげた方がいいんじゃないかな?」

 

首を傾げるステラに、何かを悟った一輝。

 

以前は刀華がその現場に出くわし、雷斬りで見事に切り払った後に和真は酷いお灸をすえられていたような・・・・。一輝も開いていた玄関から見ただけなので詳しく知る物ではないが持ち込んだ本人、件の三年も酷い目にあったようだ。

 

「岡倉・・・ああ、熱血槍使いの岡倉辰巳先輩ですか!?」

 

日下部加々美が、メモ帳を捲って驚いた。

 

「強敵なの?」

 

加々美に興味本位からステラが尋ねる。

 

「学園序列五位でBランク、鎧が誇る防御力と卓越した槍術は現七星剣王に並ぶとも言われている伐刀者(ブレイザー)ですよ!明智先輩も破格ですが強敵に当たりましたね!?」

 

興奮収まらぬと言う感じで解説してくれた加々美にステラは相槌を打って四つ目の購買弁当を開ける。

 

因みに購買と食堂が破軍学園には存在し、寮に戻れば簡単な調理くらいは出来る台所がある。流石にスーパーのように生野菜は購買においてないので外に買いに出るしかないのだが。

 

「私はエントリーしなかったけどステラはしたんだよね?相手は誰なの」

 

「無名の先輩よ。と言うかエル、昨日何があったの?」

 

「だぁぁ!一輝、そういやお前の相手は」

 

「うん、桐原くんだよ」

 

ステラが「どうしたのよいきなり!?」と抗議する中、一輝は静かに答えた。

 

「桐原かぁ・・・アイツは自分を不可視化(インビジブル)させる伐刀絶技持ちだ。

近接戦主体の俺や一輝とは相性が悪い。捕捉する術を持っているなら何とでもなるだろうが開幕速攻はセオリーだな」

 

「おお!分析能力も高いんですね?」

 

「普通だろ?」

 

「イチャくんじゃねぇ!!」

 

砲弾が飛んできた。リーゼントヘッドと言う砲弾が。

 

中庭の一角を陣取って昼食を取っていた一年一組メンバーは、三年では知らぬものは居ない“リーゼント砲”を目の当たりにして唖然とする。

 

特に加々美にいたっては何処から一丸レンズカメラなんて取り出したのか分からない。

 

「煩いっ!いきなり頭突きとか止めろっ猪かお前は!?」

 

「東堂生徒会長だけじゃ飽き足らず同学年女子にも手を出すのかお前は!?」

 

「飽き足らず?」

 

一瞬でエルフェルトの目からハイライトが消えた。加々美は嬉々としてメモ帳を取り出してメモを始めている。いかん、このままでは俺の人間性が疑われる!

 

「しかも全員ソコソコ胸がありですと!?どう言う事だ!!答えろっ!!!」

 

また血涙を流す辰巳。一輝はその光景を見て「あ、騒動の原因ってこの先輩か」と納得する。ステラは女性差別的な発現に表情が厳しい物だ。

 

「黙れ!お前の性癖に付き合うほど今の俺は暇じゃない!!」

 

「ほう!?ならばヴァレンタインだっけ?相部屋女子にお前のせいへっ!?」

 

「和君、少し話そう?」

 

目が怖い、本当に。

 

ステラと一輝、加々美も一瞬身を震わせると言葉を失った。何せ固有霊装(デバイス)で辰巳の顎を一撃、意識を刈り取ったのだ。ピタリと首に添えられた『血塗られた贈物(ブラッティギフト)』が本気であることを示す。

 

加々美は「アレ?ヴァレンタインさんも選抜戦出れば良いセン行ったんじゃ?」と首を

捻るほどの鋭さを持っていた。

 

「あ、連絡ありがとうございます。エルフェルトさん」

 

「ちょっと待て!何で刀華さんがいらっしゃるの!?」

 

「それはエルフェルトさんから連絡を頂いたからですよ。何でも変な先輩に絡まれて貴方の刺激的な私物が見つかったとか?」

 

「・・・・実は仲良いだろキミら!?」

 

その日、そのやり取りを見たのが和真を見た最後となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選抜戦当日、一輝の試合の後に和真の試合は控えている。

 

単純に言おう、原作と大差なく一輝が勝利した。否、大きな差は幻魔界を経験した一輝が初動のミスから受けた傷こそアレ、原作ほど痛めつけられず桐原を下したのだ。

 

ステラの激昂もあってだが、一輝は左肩と右太股に一矢ずつ貰っただけで勝利した。

 

うん、可笑しい。

 

原作より一輝が強くなってる。

 

「うし、行くか。」

 

選手控え室で、和真は一人呟いて立ち上がった。

 




原作キャラ、ちまちま強化していく予定です。

王馬くん?破格になる予定ですよ、ゲームラスボスによくいる信長くらいにはなります。

分かりにくいなことこの上ないな!
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