『凶拳』と歩むヒーローアカデミア   作:こうが

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ヒロインが決まったっちゃったかもしれない。

てか文才なくて、すいません(泣)


入試試験なんて拳一つで事足りる

『面白いものだな、にゅうしというのは。木偶を潰すだけで合否が決まるとは』

「それだけじゃ決まんないと思うけど……まぁ、内心助ってます。学科があまり得意じゃないから、ここで挽回できる!」

 

市街地を模したフィールドを駆け抜けながら、個性によって強化された拳でロボットを粉砕する。

 

プロヒーロー、プレゼント・マイクの掛け声と共に始まったヒーロー科の入試試験。

 

ルールは至極単純なポイント制でフィールド内にいる仮想ヴィランを破壊していき稼いでいくというもの。四種のロボットがあり一つが0ポイントの邪魔物が混じっているらしい。

 

「ふっ!!」

『ほう、悪くない』

 

調子は良好。さっきまで緊張でガチガチだった体が嘘のようだ。書文先生にあんなこと言ったけど、僕も大概らしい。

 

順調にロボを倒していきながら進んでいく。すると……

 

「くそっ!数が多い!」

「あれは?」

 

目線の先には、大量の仮想敵に囲まれて身動きがとれなくなっているオレンジ髪の少女がいた。

 

『ふむ……別に助けなくともよい場面ではあるが。さて、どうする?』

「聞かなくても分かってるくせに。行きますよ、先生」

『呵々ッ!愚問であったな!行くがよい、己の目指すもののためにな』

 

先生の言葉に頷き、少女の元へと駆けていく。勢いを殺さずに周りを囲っていた仮想敵の一体を拳で潰す。

 

「とっ!?た、助かるよ!あんたは?」

「それよりも。こいつら倒すのが先だよね」

「あんたの言う通りだ。それじゃいくよ!」

 

背中合わせの状態から二人で逆方向へと足を踏み出す。少女は手を巨大させ、敵を破壊していく。僕は拳を使って湧き出てくる敵達を蹴散す。

 

「百の奥義ではなく一の技を持って……せぇやっ!!」

 

即座に敵の前へと移動する。手前で止まり、足を踏み込む。地面が揺れると敵の態勢が崩れ胴体の部分ががら空きになった。無防備になった腹目掛けて豪速球で拳を飛ばす。

 

「すぅ〜……シッ!」

「やるじゃん、アンタ」

「まぁ、そこそこ鍛えてるから」

「そこそこねぇ。そこそこ鍛えてできる動きじゃないと思うけど」

 

他愛もない会話をしつつ敵を屠る。やがて、互いに敵を倒し終わると、少女が声を掛けてきた。

 

「助かったよ、ありがとうな!」

「当然のことをしたまでだよ。……もう行くね」

「あ、ちょいまち」

 

後ろからの声に足を止め、首だけを少女のほうに向ける。

 

「私は拳藤一佳!あんたは?」

「赤龍……赤龍、拳人」

「拳人か。おっけ、そんじゃお互い受かるように頑張ろうな!」

「あ、う、うん。が、頑張ろう」

 

彼女の笑顔を直視出来ずに、目を背けてしまうものの何とか返事を返しその場を後にした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

『あの小娘、荒削りではあるが中々に良い功夫であったな』

「同感です。多分あの子、体術の経験があるんじゃないんでしょうか?個性も格闘向けっぽかったですし」

 

珍しく書文先生が他人に対してどうこう言っているので思い当たったことを言ってみた。

 

『言われてみればそうかもしれぬ。所で拳人よ、何故さっきから顔を赤くしておる?』

「い、いや。ほら、女子とそんなに話したことないから、その」

『そういう部分はまだ未熟なのだな』

「しょうがないでしょ、こればっかりは」

 

苦笑しつつも、手を止めない。仮想敵を狩っていく。こんな所で立ち止まってはいられないのだ。僕の夢を実現するために。

 

(後は……頑張ろうって言っちゃったしね)

 

突然、地面が揺れると共に地鳴りが響く。何事か音がした方を見ると、数十メートルにも及ぶ仮想敵がビルの間から顔を出していた。それを見た瞬間に周りにいた受験生達が踵を返して逃げ出していく。

 

「さすが雄英、こんなの出してくるのか……」

『ほう、壊しがいがありそうではないか?勿論、潰しにいくのであろう?』

「うーん、あれを倒してもメリットはないし。放っておきま」

 

言葉が途切れる。大型仮想敵の足元には……先ほど別れた少女の姿があった。

 

「まったく、もう……」

『拳人よ、お主の巻き込まれ体質とやらは天性のものだな』

 

少し愉快そうに書文先生はそう言う。僕からしたら、たまったものではないのだが?

 

「笑ってる場合じゃないですよ。彼女、身動きが取れなくなってる!」

『ならば、代われ。お主やあの小娘の功夫を見ていたら儂も血が滾ってきたわ。拳人、あれを潰しても構わないであろう?』

「いいですけど、拳藤さんの救助も忘れないでくださいよ?先生」

『おうさ。任せておくがよい!』

 

瞬間、僕の纏っていた雰囲気が一気に変化する。これこそ僕の個性の真骨頂である『武人憑依』。さっきまでのはあくまで肉体の力を借りていただけ。でも、今の状態は……

 

「呵々ッ!!久方ぶりの感覚だ、滾ってきたぞ!」

 

意識を丸ごと書文先生に譲っているのだ。今、この体の主導権は彼にある。

 

『お願いしますよ、書文先生!』

「無論、武の極致。ここで見せるとしよう」

 

逃げ出していく受験生達の間を音速ともとれる速度ですり抜けながら、拳藤さんの元へと向かう。

 

「拳人!?な、なんで……」

「ふむ、無事ではあるようだな。一佳とやら、そこから動くでないぞ?でなければ、巻き添えを食らいかねん」

「な、名前呼び!?って……そうじゃなくて!私の事はいいから!早く逃げ……」

 

拳藤さんが叫び声が途中で途切れる。目の前には仮想敵の巨大な手が僕の視界を遮っていた。

 

『正面、来てます!』

「応ッ!!…むん!!」

 

それを一瞬の内に、拳で破壊する。更に巨大仮想敵の後頭部へと跳躍する。地面から足が離れた時、「すご……」と拳藤さんから感嘆の声が上がった。内心でその言葉を肯定する。

 

(そりゃ、そうさ。だってこの人は)

 

かつて最強の拳法家と謳われ、魔拳士とも言われた伝説的な八極拳士。それが『李書文』というこの身に宿りし武人なのだから。

 

書文先生はある言葉と共に、拳を放つ。

 

「我が八極に二の打ち要らず――ふん!はぁッ!!!」

 

その拳は仮想敵の後頭部を殴り砕いた。瞬間、仮想敵は首が潰されたことにより、爆発を繰り返して残骸へと変わっていく。先ほどまでの姿が嘘のように木っ端微塵にされていた。

 

地面へと着地すると同時に試験終了のブザーが鳴り響く。

 

他の受験生達がそんな彼の姿を口をあんぐりさせながら見つめている。そんな周りの事を気にせず、赤い髪を揺らしながら書文先生が一言ポツリと呟いた。

 

「ふむ、ちと、やり過ぎたかのう?」

『わかってたけど、相変わらず凄いですよね……』

「呵々ッ!!そう褒めるな!なにも出んぞ?」

 

僕の顔で快活に笑っている李書文先生。彼はかつて人々からこう呼ばれていたという。

 

 

 

 

           『二の打ち要らず』と




エクステラリンクの書文先生……宝具カッコいいですよね!?ねっ!?
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