『凶拳』と歩むヒーローアカデミア   作:こうが

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入学、そして波乱

「忘れ物ない!?全部持った?」

「大丈夫だって!もうこん中に全部入ってるから!」

 

母さんの言葉に反応しつつ慌てながら靴を履き、ドアノブへと手を掛ける。

 

「拳人!」

「今度はなんでしょうか!?」

「頑張ってきな。あんたの夢なんでしょ?ヒーロー」

「え……」

 

ニカッと快活な笑みを浮かべた母さんから、突然掛けられた言葉に一瞬反応が遅れる。それに対し、笑顔で応じる。

 

「うん、ありがとう。そんじゃ行ってきます!」

 

母さんの笑顔に釣られるように笑いながら、扉を開け……足を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通学路にある桜が咲き乱れる木が立ち並んだ道を進んでいく中で、試験から一週間後に雄英から届いた合格通知の内容とある言葉を思い返す。

 

『来いよ、赤龍少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!』

 

No.1ヒーロー、オールマイトから言われたこの言葉。多分、僕は生涯忘れないだろう。

 

「絶対なるんだ……ヒーローに」

 

決意を固めている僕に書文先生は優しく語り掛ける。

 

『ほう、良い顔をしているではないか。拳人』

「そ、そうですか?いつも通りだと思いますけど……」

『呵々、自分では分からぬものよ。他人であり側におった儂だからこそ言えるのだ』

「そういうもんですか?」

『そういうものだ。ほれ、早めに到着したいのであろう?急ぐといい』

「あ、は、はい!」

 

先生に急かされて、駅へと向かう。予定していた時間通りに乗り、電車の中で書文先生と脳内で会話をしながら時間を潰していると、目的地に到着した。そのまま、学園へと足を向ける。

 

「改めて見てもでっかいなぁ……校舎も門も、でかすぎません?」

『何、あれほどの者がにゅうしに来ていたのだ。これくらい普通であろう』

 

僕の呟きに対して書文先生は冷静に返す。ホントにこの人は大体のことには驚かないな。ぼけーっと考え事をしていると、誰かに肩を叩かれる。

 

「よっ!また会ったな、拳人!」

「っ……えっ?け、拳藤さん!?」

『む、あの時の小娘か。ここにいるということはこやつも受かったのだな』

 

声を掛けられた方向に顔を向けると、拳藤さんがいた。こちらに向けられている笑顔が真夏の太陽のように輝いている。

 

「お互い受かってよかったな、これからよろしく!」

「あ、うう、うん。こ、こちらこそよろしく」

「それとぉ……ありがとう」

「へっ?何が?」

「ほら、あんた私のこと二回も助けてくれただろ?それについてお礼言ってなかったなって」

 

少し恥ずかしそうに頬を掻きながら、そんな事を言う彼女にドキッとする。慣れない!女の子と話すのまじで慣れない!

 

とりあえず教室までは一緒に向かう事になった。二人で雑談混じりに歩いていると、いつの間にかヒーロー科一年の教室にたどり着いていた。

 

「拳人はクラスどっち?」

「A組……かな」

「そっかぁ〜別々かぁ。私はB組」

「ま、まぁ隣のクラスだし。用があったりしたらいつでも声掛けてよ(震え声)」

「オッケー、それじゃまた後で」

「えっ、あ、うん、また」

 

手を振りながらB組の教室に入っていった拳藤さんと別れて…A組の教室へと向かう。

 

『ふむ、中々可憐な娘ではないか。なぁ、拳人よ?』

「頑張ったぁぁぁ、僕頑張ったぁぁぁ……ね?頑張りましたよね?書文先生!」

『はぁ、未熟者めが』

「なんで!?」

 

何故か書文先生に呆れらながらも、教室の扉を開き足を踏み入れる。まだそんなに人が集まっていないのか……手の指で数えられる位の人しかいなかった。

 

(そんなに人いなさそうだなぁ……)

『ほう?』

(ん?どしたんです?書文先生)

『何、気にするな。お主もいずれ気づく』

 

脳内でそんな会話を繰り広げていると、赤い髪の毛が逆立った少年と黒目でピンク肌の女の子が僕の方に寄ってきた。

 

「おお、お前は確か!入試の時の!」

「君が噂の!?」

「え、えっと〜知り合いだったっけ?」

「おっと悪ぃ、俺は切島鋭二郎!見てたんだよ、お前が0ポイント敵を拳でぶっ倒したとこ!漢らしかったぜ!」

「私は芦戸三奈!切島から聞いたよぉ〜!あのでかいの倒すなんてすごいね!!」

 

どうやら切島くんは僕と同じ試験場にいたらしい。にしても、なんというか、元気な子達だなぁ。

 

「僕は赤龍拳人、よろしくね。え、と……切島くんに芦戸さん」

「おう、よろしくな!赤龍!」

「よろしくね〜!」

 

二人と握手を交わす。まさかこんなにも早くクラスメイトと打ち解けることができるなんて、嬉しさで涙が込み上げてくる。

 

二人と親睦を深めるために様々な話をした。そんな小さな幸せを僕が噛み締めていると……。

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

「あぁ?思わねーよクソが!端役が!!」

 

人が集まり始めた頃、いつの間に来ていたのか。そして、なぜ言い合いしてるんだ。あの眼鏡の子と茶髪で目付きの悪い子は。

 

「すごいなぁ〜あの人。爆弾みたいだ」

「頭も爆発してるしな」

「聞こえてんぞ!モブ共ぉ!!!」

「君、酷いなっ!?本当にヒーロー志望か!?それと!ぼ……俺は端役ではない!飯田天哉だ!!」

 

爆発頭の子の発言に驚きつつも飯田くんは、それでも怯まずに注意を促している。教室の扉が開き、ボサボサ頭の少年が入ってくる。一瞬、その少年と目が合う。

 

向こうがペコッと一礼してきたので僕も勢いで頭を下げた。すると脳内で書文先生の驚嘆するような声が響き渡った。

 

『呵々ッ!!面白い!実に良いぞ!!』

(ちょっ!きゅ、急にどうしたんですか、書文先生)

『拳人よ、あの小僧のことは気にかけておくと良い!あやつは……化けるぞ』

(彼が?でも、なんだろう……あの子、『気』の流れがなんとなく)

 

扉の前でほんわかした女の子と飯田くんと共に仲良く話をしている緑色の髪をした少年に目を向ける。三人で仲良く談笑していたと思ったら扉の方へと目を向け、固まっていた。

 

急にどうしたのかと思い僕も目を向けると、そこには寝袋の中に入った小汚ない男の人がいた。その光景にさっきまでざわついていた教室が静まり返る。

 

「はい、君達が静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」

 

それだけ告げると、寝袋の中から男がゆっくりと出てくる。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

(((先生!?)))

 

今この場にいる全員が同じように思ったんだろう。すると、相澤と名乗ったその男が青色の体育着のようなものを取りだして、僕らに指示を仰いだ。

 

「早速で悪いが。君らには、今から個性把握テストを受けてもらう」

 

突然の事態の連続に、クラス中が静まり返っていた。

 

(……初日から色々とすごいな、雄英)

『面白いではないか、拳人よ。所で……把握テストとはなんだ?』

 

僕の身に宿る武人さんだけはこの状況を楽しんでいるようだった。




日常パートの書文先生難しいですなぁ…。うまく表現出来てたらいいなぁ…。
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