『凶拳』と歩むヒーローアカデミア   作:こうが

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すごいなぁ。お気に入り登録の伸びが……嬉しくて枕に二の打ち要らずしちゃったよ(意味不明)


把握テストにはサプライズがつきもの

「にゅ、入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるのなら…そんな悠長な行事出る時間はないよ」

 

全員が体育着に着替え…外に出て早々のほほんとした女の子が担任と名乗った相澤という男に質問を投げ掛けたが一蹴されていた。

 

「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

「……67m」

「じゃあ個性使ってやってみな。円から出なければ何してもいい。早よ……それと……思いっきり、な」

 

そう言った相澤…先生からボールを渡される爆豪くん。円の中に入り…思いっきり振りかぶった。

 

「んじゃまぁ………死ねぇ!!!」

 

物騒な台詞を吐きながらボールを飛ばした彼を見て…僕はポツリと呟く。

 

(し、死ね?)

『ほう、良い殺気だ。あの小僧気に入ったぞ』

(ま、まぁ確かに。いい気迫だとは思うけど……ヒーロー志望が殺気とか出しちゃ駄目じゃないですか?)

 

書文先生の発言にツッコミをいれていると、相澤先生がスマホのようなものをこちらにむけてきた。映し出されているのは先ほどの爆豪くんのボール投げの記録。

 

「まず、自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段……」

 

その言葉が告げれると共に、周りから面白そうだとか、個性目一杯使えるんだ、などのわくわくを隠しきれないといった声が多く上がった。その姿を見て、相澤先生が目を光らせる。

 

「面白そう……か。ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

「ええええええええ!?」

『ほう、この男とは気が合いそうだ』

 

衝撃的な発言にクラス中が驚愕を隠しきれずに叫んでいる。しかし…相澤先生は聞く耳をもたず、僕らを挑発するように、言い切った。

 

「放課後、マックで談笑したかったならお生憎様、これから三年間雄英は君たちに全力で苦難を与え続ける。さらに向こうへ、Plus Ultraさ。全力で乗り越えてこい」

 

その言葉を聞いた瞬間、周りの雰囲気が一変する。確かに除籍処分はやりすぎかもしれないが…この場にいた全員が腹をくくっていた。

 

そんな中横にいた切島くんと芦戸さんの緊張するような声が聞こえてくる。

 

「マジかよ……やっぱすげえなぁ、雄英は」

「うう~緊張してきたぁ」

「大丈夫だよ、二人とも。要するに今の自分にできる全力を出してこいってことでしょ?だったらそれを相澤先生に見せればいいのさ」

「赤龍……お前、やっぱ漢らしいぜ!」

「そう、かな……思ったことを言っただけだけど」

「なんか緊張解れたかも!ありがとね!赤龍!」

「お役に立てたならよかった。それじゃお互い頑張ろうね」

「うん!」「おう!」

 

二人と互いの健闘を祈った。体の柔軟体操をしていると書文先生が語りかけてくる。

 

『儂の拳が役に立つことはなさそうだ、存分に肉体の力を使うが良い。それとしっかり体に「気」を巡らせておくのだぞ?』

「はい……すぅ」

 

書文先生の言葉に頷きながら体に『気(エネルギー)』を巡らせていく。これは個性の能力ではなく書文先生から教わった八極拳の一種である。

 

これが先生くらいの達人の領域になってくると「圏境」なんていう反則技も出来るようになるらしいが、生憎と僕にはそんな芸当はできない。精々全身に『気』を巡らせて強化するのが関の山で……あと他人の『気』を読み取れるくらい。

 

ある程度、クラス全員の準備が終わったところで……ついに把握テストが始まった。

 

 

 

 

 

それにしてもと僕は思う。さすがはヒーロー科に入学を決めた人達といったところだろう。皆が皆何かしらの競技でずば抜けた記録を叩き出している。

 

僕ももちろん負けてはいない。書文先生の肉体の力と『気』を心身に巡らせる方法を行使して…様々競技で、ずば抜けてはいないものの良い記録を出し続けていた。

 

『……テストとやらに組み手があればいいのだがな…』

(…いや…あったとしても…殺しはなしですからね?)

『…そうか…残念だ…』

 

脳内で残念そうに書文先生が呟く中…現在行われているボール投げで僕の前に測定していたのほほん少女が無限という恐ろしい記録を出していた。

 

(…僕も負けてられない!)

 

「せぇぇぇぇぇぇい!!!!!!」

 

個性で書文先生の肉体を借り+『気』で右手に力を込めボールをぶん投げる。記録は690mと爆豪くんとほんわか少女には勝てなかったものの良い記録を出せた。

 

(そんで…次は…)

 

僕の視線の先には…モサモサ頭の少年がいる。書文先生に言われたとおりテスト中の彼の動きを見ていたが…これといって目立った記録もなく…ましてや個性も使っていないように見えた。なので彼と親しくしていた飯田くんに話を掛けてみる。

 

「飯田くん、ちょっといいかな?」

「ん…君は…」

「えっと僕、赤龍拳人。よろしく」

「赤龍君だな、ああ、こちらこそよろしく」

「所で彼のこと知ってるみたいだけど…個性とかも知ってたりする?」

「ああ、緑谷くんのことか。ふむ…彼の個性は、俺の見た限りでは増強型のように見えたが…一つおかしな点がある」

「おかしな点?」

 

話によると…彼…緑谷くんの個性は使ったあとに手や足がボロボロになったりするなど…デメリットのデカイ不可解な個性だという。

 

(そんな個性…あるものなのか…?)

 

考えこんでいると…緑谷くんがボールを投げていた。しかし記録は40mという…悲惨な記録。

 

「な……今…確かに使おうって…」

「…個性を消した…」

 

緑谷くんの呆然とした呟きに答えたのは相澤先生だった。そのまま忌々しめに彼は喋りだす。

 

「つくづくあの入試は…合理性に欠くよ。お前のような奴でも入学出来てしまう…」

「消した!?そのゴーグル…まさか…抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!!!」

 

相澤先生の目とゴーグルを見て緑谷くんが叫ぶ。その名を聞いても…正直皆ピンときていないらしく…数人がざわついていた。とりあえず相澤先生が個性を消す個性を持っていることだけは伝わった。

 

そうして相澤先生から指導を受けた緑谷くんはブツブツと何かを呟きながら…円の中へと入っていく。

 

『…よく見ておけ…拳人よ』

「…書文先生…?」

『あ奴の「気」が変わった…』

「…『気』が…?」

 

書文先生の言葉に耳を傾けながら…緑谷くんの方へと目を向ける。すると彼が投げたボールは飛距離をどんどん伸ばしていき…結果は705mという爆豪くんと並ぶ記録になっていたのだ。その記録に誰もが驚いてた。

 

だが…僕が驚愕したのはそこではない。

 

(なんだ…今のは!?)

 

一瞬だけ…緑谷くんの指の部分の『気』が一変した。さっきまで…なんら変化のなかったはずなのに…突然何かが宿ったかの如く…。そして…飯田くんから聞いていた通り…緑谷くんの指は腫れ上がっていた。

 

(…これが…書文先生が言ったことの意味ですか?)

『…まぁ、そんな所だ…』

 

その後…突然の爆豪くんの暴走やそれを止める相澤先生など、トラブルがあったりしたものの…残りの種目は何事もなく行われたのだった。

 

「…んじゃ…面倒なんでさっさと結果発表いくぞ…」

 

発表された順位を見て驚く…結果は一位だった。理由は皆のように一つぶっ飛んだ記録があるのではなく…どれも良い記録を取ったから総合的な面で皆に勝っていたんだろう。

 

その結果を見た切島くんと芦戸さんからは祝福されたが…爆豪くんからは何故かめっちゃ睨まれた。結果に対して様々な反応を見せている生徒達に…相澤先生が一言呟いた。

 

「…ま、除籍は嘘なんだけどな…」

「………………」

 

瞬間…静寂がその空間を支配する…相澤先生は笑みを浮かべながら続ける。

 

「君らに個性の最大限と全力を出させるための合理的虚偽…まぁ…サプライズってやつだな…」

「はーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?」

「あんなの嘘に決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ」

 

叫びだした面子の方を向いて…ポニーテールの女の子が呆れた様子で言った。僕は顔を手で覆いながら…呆然と呟く。

 

「…なんて性格の悪いことを……」

『…やはり、この男とは気が合いそうだな…』

 

僕も内心マジだと思っていたので…一気に脱力する。まぁ…除籍される気はまったくなかったけども…。

 

「とりあえず…これにて終了だ…教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけよ。あと緑谷…そのけが…婆さんのとこいって治してもらえ…」

 

相澤先生からの一言によって突然行われた個性把握テストは幕を閉じたのだった。皆が教室に戻っていく中…僕は保健室へと向かった彼のことについてずっと考え込んでいた。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ…切島くん、芦戸さんまた明日ね」

「おう!また明日な!赤龍!」

「明日もかんばろうねぇー!」

 

二人と別れて教室を出ていく。なんだかんだで友達としての関係を作れたことに安堵していた。

 

「あ、拳人!」

「…拳藤さん…?」

 

ちょうどB組から出てきた拳藤さんと目が合う。すると彼女は何故か嬉しそうに…こちらに寄ってきて…

 

「せっかくなんだし、途中まで一緒に帰らない?」

 

なんて言ってくる。断る理由もないので、僕はそれを了承した。

 

「…いいよ。でも…僕電車でここまで来たんだけど…」

「あ、なら駅まで一緒だね!聞きたいこととかもあったし色々話しながら行こっか?」

 

そう言って笑顔を見せてきた拳藤さんにドキッとする。そして…やはり僕も一端の男の子…女の子と一緒に帰るというシチュエーションに少しにや…

 

『どうした…顔がにやけておるぞ…拳人よ?』

「わ、わかってますよ!?」

「うわっ!?きゅ、急に、どうしたんだ?拳人?」

「あ、な、なんでもないです…」

 

そんなこんなで…二人で駅に着くまでお互いのクラスの話をしたりしながら帰路を歩いた。

 

気になることは多いが……こうして僕の雄英での生活が本格的に始動したのだった。




皆さんはランサー李書文育てましたか?僕は聖杯あげてしまった!(本編とあんまり関係ない)

『気』の扱い方はちょっと独自解釈も混ぜてみました。てか普通に恋愛入ってる気が…
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