見切り発車だよ。
駄文だよ。
上記の二つが大丈夫な人はゆっくりしていってね!
そこはかつて魔王城だった場所。今は見る影もなく、かつて魔王城だった名残があるのみである。
そんな場所で倒れている男女が二人。
男は腹に穴が空き、そこからとめどなく血が流れている。女は上半身と下半身が離れており、上半身の片腕は無い。どちらも見るからに致命傷を負っており、未だに息がある事の方が不思議なほどであった。
しかしそんな二人は互いに笑みを浮かべていた。
「は、はは。どうだ?殺してやったぞ、
血を吐きながらもそう言った男の言葉に、魔王と呼ばれた女は何も答えない。
「……なんだもう死んだのか?存外呆気ないもんだなぁ」
「……」
「……おい。マジで死んだのか?死んでんだったら返事しろやクソ女」
しかし、女からの返事はなかった。
そこで男は最終手段に出た。それに反応しなければ本当に死んだのだと諦めることにしたのだ。
「……邪気眼龍」
「……ヴッ!?」
……女から何かうめき声のようなものが聞こえた気がするが、まぁ気のせいだろう。
「……神魔をも滅する聖なる白き獄炎をもって、あらゆる不浄を消し去らn」
「うがぁー!やめい!やめるのじゃあー!」
そこでとうとう我慢の限界がきたのか女からの制止の声が上がる。
気持ち的には今すぐ転げ回りたいのだろうが悲しいかな下半身は無く、片腕もない不自由なその身ではその場で悶えることしか出来ない。
「貴様ー!人の忘れたい過去を掘り返しおって!血も涙もないのか!?」
「ハッ!てめぇが死んだふりなんてすんのが悪いんだよ!
……つうか、聖なる獄炎てなに?聖なるものなのに神を滅するの?獄炎なのに魔を滅するってなんで?」
「うるさいうるさいうるさーい!そもそも、こっちは死に体なんじゃぞ!もう少し労ろうとかそういう優しさはないのか!?このエセ
「俺はその称号に全く思い入れはないからな。それを言われても全く傷つかん」
「ぐぬぬぬぬ……」
恨めしそうな声を出し男を睨みつけようとするが、何度も言うようにその体は死に体である。最早その顔を動かす事も叶わない。
……と、言うよりもこの二人こんな言い合いを元気にしているが、この間も互いに血を吐き顔色はどんどん悪くなっていっている。正直ただの阿呆であった。
「……なぁ」
と、そこで男が真剣な声で女に語りかける。
「お前はさ、これで良かったのか?」
「……」
男のその問いに女は答えない。
「もっと他に道はあったんじゃないか?」
「ないよ」
次に放たれた男の問いに女は間髪入れずに答える。
「私が魔王になった時点でもう他に道などなかった。それは貴様の方がよくわかっておるだろうに」
「……」
今度は男の方が答える事が出来ずに黙ってしまう。
「それよりも、貴様の方こそ良かったのか?」
「……何がだよ」
「こんな場所で、こんな最後で、貴様は良かったのか?もっといい道があった筈じゃ。お主なら」
女のその問いに男は笑う。それはもう盛大に。本当に死に体なのか疑うほどに。
「……何故そこで笑う?私はなにか面白い事を聞いたかのう?」
「いや、悪い。……そうだよな。普通そう思うよな」
男が何を考えているのかはわからない。しかし、その声は明るかった。
「俺はこれで良かったよ。確かに他に道もあったさ。でもその道を選んだらこんな楽しい事にはならなかったし、それに……」
「ん?それに、なんじゃ?」
「……いや、なんでもねぇよ」
それを最後に男は口を噤む。その対応に女はそれ以上聞くことを諦めた。
暫く辺りを静寂が包み込む。しかし、彼らにとって
しかし、そんな時間もすぐに終わりを迎える。
「……そろそろか」
「……そうか」
「あぁ」
そう言う男はもう喋ることすら苦しくなっていた。いや、むしろそれが普通なのだ。男は勇者などと呼ばれようと、所詮人間なのだから。
「なぁ、最後に聞いてもいいか?」
「なんじゃ?」
男は最後の力を振り絞り、言葉を紡ぐ。
「……また、会えるか?」
その言葉を聞き女は少しだけ無言になる。しかしすぐに口を開き、その問いの答えを言う。
「……うむ。きっと、またすぐに会えるよ」
「……そうか」
その答えを聞き、男は安心したように顔を綻ばせる。
「……じゃあ、また会おう。我が友よ」
「……ああ。また会おうぞ。我が友よ」
そうして、とある二人の人物の一生は幕を閉じたのだった。
やべぇ。超見切り発車だ。
……大丈夫かな?