元勇者と元魔王の気ままな旅路   作:鬱ケロ

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話が進まない、どうしよう。


戦闘開始

 隠し通路を進み始めて暫く。

 始めは大理石で作られていたような綺麗だった壁や道だったが、今では広くなった代わりにゴツゴツとした岩になっていた。大方元々あった自然の洞窟に後付けで通路を作ったのだろう。その通路をシナナが先導し、俺と白はその後ろを歩いていた。

 

「しっかし暇だな。もう結構歩いたけど一人も兵士と会ってないんだが」

「本来この道は王族とそれに近しい者達にしか知られていないからな。一般兵達はこんな道がある事すら知らないだろう」

「……そんな道をなんでお前は知ってんだよ」

「この城について調べている時にたまたま見つけたんだ。その時についでにこの通路の地図もな」

 

 そう言ってその手に持つ地図を掲げて見せてくる。

 

「なるほど。それで?後どのくらいで出られそうなんだ?」

「あぁ、あとはこの道をまっすぐ行けばすぐ……!!待て。誰かいる」

 

 そう言って足を止めるシナナの後ろから前を見てみると少し先に出口らしき場所があり、その前に三つの人影があった。

 そして、その中にはよく知る人物もいた。

 向こうも俺たちに気づいたのだろう。一人は敵意を、一人は迷いを、もう一人は悲しみをその瞳に宿して俺たちを見ていた。

 俺はその中の一人、迷いをその瞳に宿す家族に向かって声をかけた。

 

「よぉ、桃花。さっきぶりだな」

「ッ!……にい、さん」

「あぁ、お前のよく知る兄貴だよ。それとも、さっきのあのクソ狸……じゃなくて王さまが言ってた事を真に受けてんのか?」

「……」

 

 俺の問いに桃花は答えを返さず、俯く。まだ頭の中で整理がついていないのだろう。

 ……無理もないか。今までずっと一緒にいた俺が兄弟じゃないかもしれないとか言われて、もしかしたら自分が倒さないといけない存在かもしれない。しかも【村人】である筈の俺がシナナを組み伏せる所まで見てしまっているしな。

 だけど、俺たちは本当に家族だ。その事に嘘偽りはない。

 俺がそう言おうと口を開こうとした時、桃花を隠すように桃花の前に出てくる者がいた。その瞳は敵意を持って俺を睨みつけている。

 

「また彼女を言葉巧みに惑わすつもりか!そんな事俺がさせないぞ!」

 

 俺に剣を向けてくるそいつ、(確か冬馬だったか?)は既に俺が魔王の手下だと決まっているかのようにそう言ってきた。

 

「おいおい。ちょっと待てよ。なんで俺が言葉巧みに桃花を惑わした事になってんだよ。てか、それだと俺が敵みたいじゃねぇか」

「何を今更!あの場で見たことがお前たちが敵である証拠だろうが!」

 

 その言葉に俺は本気で首を傾げる。……え?あの場で俺たちがはっきり敵だってわかる場面あった?

 

「……なぁ。俺の行動の何処が敵っぽかった?」

「いや、私にもわからん。え?お前なにかしたのか?」

「いや、身に覚えが……」

 

 結局白と一緒に考えてみてもわからなかったので仕方ないのでそいつに聞いてみる。

 

「なぁ、俺あの場でお前らの敵だとお前に確定させるようなことしたか?」

「なにを言っている!突然現れたそこの彼をいきなり組み伏せたじゃないか!!」

 

 冬馬がそう言う彼とはシナナの事だろう。でも、あれって先に手を出してきたのシナナだし。

 

「……はぁ?お前、なに言って……、いや、待て。まさか」

 

 そこで、俺はある事に気付き恐る恐る冬馬に聞いた。

 

「な、なぁ。一つ聞くんだけどさ、お前、あの時何が見えてた?」

「なに?だから突然現れた彼を……」

「……その前は俺が何してた。シナナ……こいつは何してた?」

「何を言っている?ずっと白さんの隣にいただろう!彼はそもそもいなかっただろう!?」

「……うわぁ、まじかー」

 

 俺はその言葉に頭を抱えてそう口にする。

 つまり、だ。こいつはあの場で殺意を持って白を殺そうとした所を見ていない。いや、()()()()()()

 ……いや、こんな事ってある?仮にも勇者だとか言われてて、【剣聖】の職業(クラス)である筈の奴があの程度の速さを目で追えない?うわぁ。

 白の方を見ると白も気づいたのか、信じられないものを見るかのような顔で冬馬を見ていた。

 

「……ちなみに聞くけど、桃花もそうか?」

「……」

 

 桃花は黙ってはいるが、驚いた顔で冬馬を見ているから多分見えていた筈。そう信じたい。……てか、これで魔王討伐とか無理じゃね?あれが白より強くなるビジョンが見えないんだが。

 そう思い、この世界の未来を不安に思っていると、最後の一人。その瞳に悲しみを持った彼女、王女さまが前に出てくる。

 

「……空さん」

「どうも王女さま。さっきぶりですね」

「なぜ、なぜこのような事を?貴方は、貴方たちは本当に魔王の配下なのですか?」

「……」

 

 そう言って俺たちを見てくる王女さまは、まるで俺たちに否定してほしいと懇願するような表情で俺たちを見てくる。

 その問いに違う、と答えようとした俺よりも先に白が口を開く。

 

「仮に。仮に私たちが魔王の配下だったらどうするんです?」

「そ、それは」

「捕まえますか?拷問しますか?殺しますか?」

「……捕まえて、事情を聞きます。けっして、拷問などの類は行いませんし、殺すなどもってのほかです」

「ですが、少なくともあの狸……じゃなくて王さまは私たちを殺すつもりですよ?実際貴女は見えていたのかは知りませんが、シナナを使って私を殺そうとしてますし」

「……」

 

 そこで黙ってしまう王女さま。恐らくだけど王女さまもシナナが白を殺そうとした所を見る事が出来たのだろう。だからこそ、何も言い返す事が出来ない。

 

「少なくとも、そんな危険な場所に私たちは戻りたくありません。ですから、どうか道を開けてください」

「……それでも、私は王女として、貴女たちを逃す事は出来ません」

「……そうですか。残念です」

 

 悲しそうにそう言う王女さまを白も悲しそうな顔をする。白もなんだかんだ言って王女さまと仲よさそうに話していたからな。

 

「はぁ。仕方ないか」

「すまぬ。駄目じゃった」

「別にいいさ。仕方ねぇって言ったろ?」

「ふむ。では、私も助太刀しよう」

「……良いのか?」

「別に問題ない。それに、私もそろそろここから出たかったしな」

 

 そう言うシナナに視線をやった後、前方にいる三人に視線を向ける。

 

「ふん!とうとう本性を出してきたな!魔王の手先め!ここで俺が倒してやる!」

「……兄さん」

「……ごめんなさい」

 

 そう言って向こうの三人も各々の武器を構える。

 

「シナナはあの男を頼む」

「了解」

「……私は王女さまとやらせてもらおう」

「わかった。……しっかり話せよ?」

「あぁ。……わかっておる」

「じゃあ、俺の相手は……」

 

 残りの一人。まだ迷いを持った目で俺を見る桃花を見る。

 

「お主もしっかりと話しておけ。もう、会えぬやもしれんからな」

「……あぁ、そうするよ」

 

 こうして、俺と白の体感では十数年ぶりの戦闘は始まった。

 




注)ここから先は作品を書いていて作者が思った事です。読まなくても良いよ!

話が進まない!最初何も深く考えずに出したからこんな進まないとは思わなかった。正直二週間で終わるかなぁと思っていたんですが。
……それと、これノリと勢いで書いてるから作者も細かいところは忘れてる。ちょっと今度軽くまとめるかなぁ。

以上!……いかん。書溜めろくにできてない。
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