ソードアート・オンライン〜空と大地〜   作:クラッカーV

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青い竜の物語

タカside

 

「ハァ………ハァ………」

 

六体ものドラゴンナイトをやっとの事で退けた俺は安全地帯の部屋が直ぐにあったのでそこで休んでいた。安全地帯と言ってもドラゴンナイトを倒した後にブルーが勝手に移動し始めてここに来たんだけどな

 

ここはゲームの中で、疲れることはない筈なのに精神的疲労からか体が怠く感じる

 

『zzzzz…………』

 

ブルーはというと俺の足の上で寝ている

 

…………さっきの敵、ドラゴンナイトは六体とも、全てがブルーを狙っていなかった

 

「こりゃもう確定だな」

 

やはり、ブルーはモンスターに敵だと認識されていない

 

「何の理由があるのか知らねえけど、まあブルー自体は強いから俺が油断さえしなけりゃ大丈夫かな」

 

ブルーの鼻を突ついてみる。ブルーはくすぐったいのか少し身をよじった

 

「本当にリアルだな」

 

ここがゲームの世界だなんて思わねえくらいにリアルだ

 

「……………ふぁ」

 

眠くなってきた。少し寝るとするか

 

「おやすみ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『キュウ!キュ、キュウ!』

 

ブルーの鳴き声が俺の耳に届く

 

「ん………?ふぁ、よく寝たぜ(キリッ」

 

『キュウ!』

 

ブルーは俺の頭の上で何やら騒いでいる

 

「どうしたんだ?ブルー」

 

頭の上にいるブルーを持ち上げ目の前まで持ってくる

 

ブルーは上を向いて鳴いてたようだ

 

『キュイ!キュイ!』

 

仕切りに鳴きたてるブルー、俺も上を見てみることにした

 

「どれ……………何だ、あれ……」

 

俺達が見上げる遥か上、天井があるんだが………そこには、ブルーによく似た傷だらけの赤いドラゴンが鎖で貼り付けられていた

 

『キュイ!……………グルォォォォ!』

 

ブルーが大きくなる。そして天井へ向けて飛び立った

 

「ブルー!」

 

『グルァァァァァァァ!!』

 

勢いよく天井へと向かい、鎖を爪で薙ぎ払う

 

鎖は簡単に取れ、貼り付けられていた赤いドラゴンを抱えブルーはゆっくりと降りてくる

 

『グル…………』

 

赤いドラゴンを横にして、悲しそうな声をあげるブルー

 

「友達、なのか?」

 

『…………クォォォォン』

 

俺の質問に答えるように鳴いた。その目からは涙が流れている

 

「……ブルー?」

 

そしてブルーは羽を羽ばたかせ何処かへと飛んで行く。それを呆然と見ていると、ブルーは赤い木の実と花を持って帰ってきた

 

それを赤いドラゴンの側に置く。そしてまた取りに行った

 

「……………」

 

俺はそんなブルーをただ見ているだけだった

 

……………なんだろう、この感じは

 

この世界はゲームのなのに………その筈なのに、まるで……

 

「本当に、生きてるみたいじゃないか」

 

………ここはまるで、もう一つの世界のようじゃないか

 

 

 

 

 

 

ブルーが持ってきた木の実と花は山を作っていく

 

何回繰り返したんだろう?気付くと俺も手伝っている

 

「なあ、お前は…………なんで、こんな風になっちまったんだ?」

 

俺は赤いドラゴンの頭にそっと触れた。額には赤い宝石がある

 

ピキィン!

 

「っ!?」

 

触れると同時に、時間が止まった

 

…………いや、現実の時間が止まったわけじゃない。この空間限定で、全てが止まったんだ

 

ブルーも空中で止まっている

 

『…………王子よ。我らが王子』

 

「なんだ!?」

 

突然声が響き渡った

 

そして、額の宝石が光り出す

 

「ま、眩しっ!」

 

俺はその光に堪らず目を瞑った

 

「…………………っ!………?」

 

目を開いた時、俺は赤い空間にいた

 

目の前には大きなスクリーンがある

 

「どこだよ……ここ」

 

『王子が産まれたぞ!』

 

スクリーンに映像が映し出される

 

「ドラゴンナイト……!?」

 

映っているのはドラゴンナイトだった。だが武器は持たず、手の中には一匹の小さいドラゴン

 

…………ブルーだった

 

そこからスクリーンには物語が流れていく

 

タカside out

 

 

 

 

これは、とある竜の国の物語

 

とある竜の国に、青い王子がいた

 

王子は一国の王子である。故に近付く者などいなく、王子はいつも独りだった

 

使用人と遊ぼうと考えた

 

『怪我でもしたらどうなさるのですか』

 

と言われ拒否される

 

両親と遊ぼうと考えた

 

『私達は忙しいのだ』

 

と言われ拒否される

 

故に遊び相手など買い与えられた人形でしかない

 

王子は二つの夢を見るようになった

 

自分が広い草原で、赤い竜と遊んでいる夢

 

そして広い草原で、一人の人間と遊んでいる夢

 

そんな夢を、何回も何回も繰り返し見ていた

 

『この夢が現実になればいいな!』

 

王子は願った

 

 

 

ある日、王子が部屋の窓から空を眺めていると、一匹の竜が飛んでいるのを見つけた

 

『あれは………!』

 

その竜は赤い竜だった。まるで夢に出てきたような

 

王子は窓を開け、精一杯大声で叫ぶ

 

『ねえ君、僕と遊んでよ!』

 

赤い竜は急な事に少し放心するが、直ぐに笑顔を作り

 

『いいよ!』

 

と元気よく返事をした

 

王子は窓から飛び立ち、赤い竜と共に草原に降り立つ

 

そして目一杯遊んだ

 

『ねえ、僕の友達になってくれる?』

 

『もちろん!』

 

王子の夢が一つ叶った

 

 

 

 

 

そして月日が流れる

 

王子とその友達の赤い竜は大きく成長していた

 

赤い竜は王子の側近になっていた

 

…………だがある日、王子の住む国で戦争が起きる

 

『王子!お逃げください!!』

 

『お前を置いて逃げるわけにはいかない!僕も戦う!!』

 

戦闘に赴こうとする王子を必死に止める赤い竜

 

『…………すまない』

 

赤い竜は一つの短剣を取り出し、王子に突き刺す

 

『な…………!?』

 

その短剣は王子を岩へ閉じ込め、丸く形勢してゆく

 

赤い竜はそれを持ち、飛び立った

 

『(なんだこれは!?おい、おい!!出せ、ここから出せぇぇぇぇぇ!!)』

 

王子の叫びは岩の中で虚しく響いた

 

 

 

 

『…………ここに隠せば、安全な筈だ』

 

とある洞窟へと岩を隠す赤い竜

 

『すまない、王子。この方法しかなかったんだ』

 

涙を流して謝る

 

『…………いつか、選ばれし何者かが岩の封印を解いてくれる。王子、君はその者と一緒に歩むんだ。復讐なんて考えるな…………私達の分まで、生きてくれ』

 

『(やめろ……そんなこと言うな!やめてくれ!!)』

 

『おい!この洞窟が怪しいぞ!!』

 

『っ!………もう追っ手がここまで。………君と過ごした時間は楽しかった』

 

それだけ言い残しその場を去る赤い竜

 

『(ホムラァァァァァァァァァ!!!)』

 

 

 

 

 

 

それからまた、どれくらいの月日が流れたのだろう

 

王子は夢を見ていた

 

昔夢に見た、人間が自分をここから救い出してくれることを

 

その時は、人間と目一杯遊ぼう

 

…………ホムラが残してくれたこの命、幸せの為に使おう

 

 

 




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