タカside
カランカラン♪
「エッギル〜」
俺は今日、エギルの店へやって来た。エギルは数ヶ月前から商売をし始めたようで、ここに来ると偶に阿漕な商売をしているのを発見する
「タカか。今日はなんのようだ?」
俺はよくエギルの店に来る。理由としてはシリカの試作品から逃げる為だったり沢山あるが………
ここは最前線から五層離れている。俺達が泊まっている宿屋は最前線にあるからわざわざ下りてこないといけないのが面倒だ
あ、でも最近は段々上達してきてるかな、シリカは。いつだったか、シリカのタルト食ったら目の前真っ暗で何も見えなくなった時があったからな………
「わかってるんだろ?」
「それ以外のことだ」
「飲み物飲みに来たぐらいかな」
「帰れ、商売の邪魔だ。お前の欲しい情報は無いぞ」
…………ったく、つれねえなぁ。それに客なんていねえじゃねえか
「しかし、今日も情報は無しかぁ………」
「…………なあタカ、もう辞めたらどうだ。お前の欲しがってる情報は今の時点で手に入るとは到底思えねえ。あの鼠でさえ知らないだろうぜ」
「………………」
俺の欲しい情報
それは簡単に言えば蘇生アイテムだ。蘇生と言ってもプレイヤー用じゃなくてペット用のだが。それにこのゲーム内にはプレイヤー用の蘇生アイテムなんぞ存在していないだろう
「嫌だね、俺は辞めない」
俺は、ブルーを生き返らせる為に蘇生アイテムを探している
「………そうか。お前がそう言うならそれで良いんだろうな」
「ああ。……………エギル〜、なんか飲み物無い〜?」
「はぁ………少し待ってろ」
さっすがエギル。帰れと言いながらもきちんと飲み物出してくれるとは
「…………しっかし、このデスゲームが始まってから7ヶ月。そう言えば最近キリトやアスナに会ってねえなぁ〜、何か知らない?」
クライン達とは偶に狩りに行くし、アスナとはボス攻略の時会うけど………それ以外は全然だしな
てかアスナがあの《血盟騎士団》に入ってることに気付いた時はホント驚いたなぁ。まあ実力的には申し分無いし、当たり前か
「さあな。確かにキリトは最近、攻略に出てないが………何処か下層のギルドにでも入ったんじゃないのか?………ほら」
「お、サンキュー。って、キリトがギルドォ?そりゃねえだろ」
ソロを愛する?…………うん、ソロを愛するキリトがギルドに入るなんて考えられない。てかギルドに入るようならすぐにうちに誘ってギルド作る為にクエスト受けるっての
「案外そうでも無いかもしれないぞ?」
うーん………無いと思うけどなぁ
「ん、美味しいなこれ。これなんだ?エギル」
「ハーブをブレンドした紅茶みたいなもんだ」
「へぇ〜」
エギルの言葉を聞いて俺は紅茶をぐいっ、と飲み干す
「いよっし!それじゃ行きますか!」
「………随分と早いな。何か買って行けよ」
えぇー?うーん…………
「んじゃ、適当なもん見繕ってくれよ」
案外金はあるんだよね、俺
「そうだな…………それじゃ、縄でも持ってけ」
「うわ、いらねー」
「まあそう言うな。あっても場所とるだけなんだ」
むう………まあ受け取っておくか
「それじゃな、エギル。また」
縄を受け取った俺は扉に手をかけてエギルに手を振る
「おう、今度はダイチとお前んとこのお嬢様も連れてこいよ」
「お嬢様?…………シリカのことか?」
「ああ。知らないのか?巷じゃあの子は騎士に守られるお嬢様、って言われてるぜ」
へぇ、てことは俺とダイチが騎士ってわけね
「そりゃ面白い。お姫様じゃない、ってところもな」
「なんでお姫様じゃないかは知らないがな」
「ははっ。…………んじゃ、エギル。もし情報が入ったらよろしく頼むぜ、じゃあな」
「ああ、またな」
俺はエギルに別れを告げて店を出る
「……………久振りにキリトに会ってみるか」
なんとなくさっきのエギルの言葉が気になる
フレンド一覧からキリトを選択して場所を探す。………お、なんだ。同じ層にいるじゃねえか
「移動してるな、結構速いぞ………この先は、街外れか?あそこには何も無いはずだけど…………」
どれ、ちょっくら行ってみるか
俺はキリトに会う為、フレンド追跡でキリトの向かうだろう先へと走った
「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ…………到着」
俺はキリトが来るだろう場所に着いた。ここは特に何もなく、あるとしたら落ちたら最後のアインクラッド外周部。こんなとこにキリトは何の用だろうか
キリトがいないか周りを見渡す
「……………いた!」
右斜め50m程にキリトを見つけた
「……あれ、誰だ?」
キリトの前には見知らぬ男の人。その男の人は無限の虚空を背にキリトを見ている
「………!」
そして次の瞬間、男は外周部に足をかけ始めた
「マジかよ!」
俺は全力で走り出す
「間に合わねえ………!」
キリトが手を伸ばす
「くそっ………そうだ!」
俺は走りながらメニュー画面を開く
取り出したのはさっきエギルから買った縄。先の方に輪っかが着いている
後残り10m程だ!
「!?タカ!?」
キリトが俺の存在に気付く
「馬鹿野郎!驚いてる場合かぁ!!」
俺はキリトに向かって縄を投げつけた。キリトはそれを驚きながらも右手で掴む
「………………僕も、今から行くよ。みんな……」
そんなことを呟いて男は飛び降りた
「しっかり持ってろよ、キリトォォ!!」
「っ!………ああ!」
キリトの返事を聞いて俺も飛び降りる。右手にしっかりと縄を巻き付けて
「間に合え……………!!」
そして、ギリギリの所で男の手を掴んだ
「な、なんだ!?」
男はいきなりのことで驚いている
「は、離してくれ!僕は、もう「うるせえぇぇぇ!!!」!?」
「てめぇの御託なんざどぉでもいいんだよ!!俺はただてめぇが馬鹿な真似してんのを止めてるだけだ!!だからてめぇに拒否権なんざねぇんだよ!わかったら大人しくしとけこの自殺未遂野郎がぁ!!」
俺が怒鳴ると男は大人しくなった
「キリト!ダイチを呼べ!!お前一人じゃキツイだろ!」
「今エギルを呼んだ!ダイチにも連絡するように言ったからすぐ来るはずだ!」
流石、行動が早いぜ!
「おいキリト!後できちんとどういうことか聞くからな!!」
「…………ああ」
キリトの顔に影が指す
………こいつ、一体何があったってんだ
ダイチ達が来るまでの時間俺と男は縄にぶらざかり、キリトはそれを支えていた
「大丈夫か!?」
エギルが来たみたいだ。チョコレート色の巨漢の姿が見えた
エギルはキリトと一緒に縄を引っ張る。徐々に上へと引き戻されていく
「待たせた!」
「手伝います!」
ダイチとシリカも来たみたいだ。引っ張るスピードが速くなる
「………………つあぁぁぁぁ……、死ぬかと思ったー」
なんとか無事に生還出来た。考えもなしに行動したけど、キリト居て良かったぁぁ
「ったく、なんて無茶してるんだ!」
「だってよぉ、こいつが飛び降りるもんだからよぉ」
俺は男を見てダイチにわけを話す
「なに?……………取り敢えず、ここじゃ何だから何処かへ移動しよう」
そして俺達はキリトが泊まっていたという宿に移動するのだった
タカside out
またまた跳んで前回から言ったら3ヶ月後