ソードアート・オンライン〜空と大地〜   作:クラッカーV

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攻略会議

ダイチside

 

俺達がここ、《トールバーナ》に来てはやくも三週間と一日、この三週間で俺達はキリトに色々な知識を教わった。そのおかげで俺達のレベルはタカと俺が揃って10シリカちゃんが9とこの層では結構高い方なのではないだろうか?まあ安全マージンというものはとれていないが……

 

そして今日、十二月二日金曜日の夕方、どうやらこの第一層の攻略会議があるらしい。俺達は最近ではレベルも大分上がり、連携だけじゃなく一人の時の場合も想定して各個人で動いている

 

もちろんリスクは高いがタカもシリカちゃんも引き際を間違えるような奴じゃない

 

俺だって引き際はわきまえている

 

それに俺達の武器も強くなった

 

武器自体は変わらないがタカはキリトと一緒に強化してアニールブレード+6、俺のウッドブロウは+5、シリカちゃんのアイアンダガーも+5になった

 

ちなみにこのSAOというゲームには武器を強化する際に強化パラメータを選ぶんだそうだ。

《鋭さ》《速さ》《正確さ》《重さ》《丈夫さ》とこの五つに分かれるらしい。タカはキリトと同じで鋭さと丈夫さに3ずつ、俺は重さと丈夫さを3:2、シリカちゃんは速さと正確さを3:2といったところだ

 

まあこれも全てキリトに教えてもらったことなんだが

 

…………話が逸れたな、先程も言った通り今日は攻略会議が近場の広場であるんだが…………

 

「遅い!!」

 

何故タカは来ないんだ!

 

「ま、まあ落ち着いてくださいダイチさん。タカさんからきっと来ますよ」

 

本当にできた子だこの子は

 

「でもあと残り3分で会議が始まるんだぞ?ったく、何してんだあいつ「おーい!待たせてごめん!」……来たか。こらタカ!遅いぞ!」

 

「ごめんごめん、アイテム整理してたからさ」

 

全く、30分前行動というものを知らないのかこいつは

 

「ほら、会議が始まる。行こう」

 

そして俺達は広場へ向かった

 

ダイチside out

 

 

 

 

ーーートールバーナの噴水広場

 

「ヘぇ〜、結構人集まってんじゃん」

 

「一、二……見た感じ四十人はいそうですね」

 

「一レイド作れるくらいはいるな」

 

トールバーナの噴水広場に集まったプレイヤーは四十七人、レイドパーティーを作るにはあと一人必要だ

 

三人が噴水広場にある階段に腰掛ける。それと同時に場がざわついた

 

「はーい!それじゃ始めさせてもらいます!みんなもうちょっと前に!後三歩くらい来て!」

 

前の方で立っているプレイヤー達は言われるように前へ進む

 

指示を出したこの男、青いウェーブのかかった長髪のイケメンは爽やかな笑みを浮かべながら言った

 

「今日は、オレの呼び掛けに応じてくれてありがとう!知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな!オレは《ディアベル》、職業は気持ち的に《ナイト》やってます!」

 

それと同時に場が沸く、口笛や拍手をしている

 

「おぉ〜(パチパチ」

 

「お前はしなくていいの」

 

タカもしていた

 

「今日皆に集まってもらった理由は言わずもがなだと思うけど……、今日の午後にオレたちのパーティーがあの塔の最上階へ続く階段を発見した。つまり、明日か遅くとも明後日にはついに辿り着くってことだ。第一層の……ボス部屋に!」

 

「なに?もう見つけたのか?」

 

「なかなかやるなぁ……」

 

どよどよ、どよどよ

 

「…………なあダイチ?塔の最上階って事は二十階に登ったってことだよな?」

 

「ああ、そうなるな。どうした?」

 

「いや……俺も十九階まで登ったんだけどよ、惜しかったなぁ〜って」

 

「まあそんな時もあるさ」

 

タカとダイチが二人で何やら話していた、するとシリカが何かに気付き二人に声をかけた

 

「…………あれ?タカさん、ダイチさん、あれってキリトさんじゃないですか?」

 

「ん?どれどれ…………ホントだ。キリトがいるぜダイチ」

 

「ホントだ、あともう一人側に誰かいるな」

 

三人はキリトを見つけたようだ。三人の視線の先にはキリトとあと一人、シリカと同じローブを被った人がいた

 

しばらく見ていると視線に気付いたようでキリトがこちらを見る

 

タカが手を振るとあちらも苦笑いしながら小さくではあるが返してくれた

 

「ちょお待ってんか、ナイトはん」

 

タカがキリトと手を振りあっているところにそんな声が聞こえる

 

「なんだ?おいタカ、一旦止めろ」

 

そう言われ止めるタカ、そして声のする方を三人は見る

 

そこには革の上に分厚い金属片を縫い付けたスケイルメイルを着たサボテンがいた

 

決して比喩表現ではない。まさにサボテンだ、見た目はサボテンである

…………嘘である。サボテン頭である

 

「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」

 

とサボテン頭は言った。それにディアベルは顔を少しも変えず、余裕の笑みのままに言う

 

「こいつっていうのは何かな?まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するならいちおう名乗ってもいたいな」

 

その言葉を聞いてサボテン頭は鼻を鳴らし噴水の前まで歩いて行って振り向き言う

 

「わいはキバオウってもんや」

 

キバオウ、サボテン頭はそう名乗った

 

「キ、キバオウwwサボテンwキバオウww」

 

「や、やめろタカ……わ、笑うなw」

 

「お前もにやけてるぜw」

 

「失礼ですよ二人とも」

 

全くもって失礼な二人である……………ぶはっwごめん我慢できなかった

 

「こん中に、五人か十人、ワビぃいれなあかん奴がおるはずや」

 

「詫び?誰にだい?」

 

「はっ、決まっとるやろ。今までに死んでった二千人に、や。奴らが何もかんも独り占めにしよったからこの一ヶ月、二千人にも人が死んだんや!せやろが!!」

 

シーンとその場は静まりかえる

 

「……キバオウさん。君の言う《奴ら》とはつまり……元βテスターの人達のことかな?」

 

「決まっとるやろ。…………β上がりどもはこんクソゲームが始まったその日に右も左もわからん九千何百人ものビギナーを置いてダッシュではじまりの街から消えよった。自分らだけでウマい狩場やボロいクエスト独り占めして、自分らだけポンポン強ぉなって。その後もずーっと知らんぷりや。……こん中にもおるはずやで、β上がりっちゅうことを隠してボス攻略の仲間に入れてもらお考えてる小狡い奴らが。そいつらに土下座さして、貯め込んだ金やアイテムやらを全部吐き出して「おいサボtキバオウ!!」……誰や!今サボテン言おうしたやろ!」

 

キバオウの言葉を遮った者が立ち上がる

 

「俺だ!俺はタカ!お前に物申す!!」

 

なんとキバオウの言葉を遮ったのはタカだった

 

「はぁ……全くお前は……。俺はダイチ!俺も物申すぜ、キバオウさん!!」

 

続いてダイチも立ち上がる

 

「なんや自分ら、わしの言い分に文句でもあるんか?」

 

その言葉にタカは言った

 

「ありあり大有りだぜキバオウ!てめぇさっき元テスターどもが全部悪いみたいな言い草だったなぁ、それは違うぜ!」

 

「なんやと?」

 

続いてダイチが口を開く

 

「そうだ。まずは一つ目、元テスター達はずっとビギナー達を放っておいたわけじゃない。あんたも持ってるんじゃないのか?この《第一層・エリア別攻略本》を。

 

「貰たけど、それがなんや」

 

「これは道具屋などで無料配布してたものだ、これにはこの層のモンスターの情報やマップデータが細かく記してある。ここまで調べるのにどれだけの時間がかかると思う?一ヶ月なんかじゃ到底出来ない、つまりこれは元テスター達が残した物だと言うことだ」

 

次はタカが口を開く

 

「情報はちゃんとあったんだぜ。なのに何故大勢の人が死んだか、それはこのゲームを他のゲームと同じに見て、そして引くべき所を間違えたからだ。今までに死んでいった人達の殆どがその筈だ。このゲームを自分の物差しなんかで測っちゃいけないんだよ……、俺はここ一ヶ月でそれを学んだ」

 

「っ……………!」

 

キバオウは何も言えなかった

 

その時、静まりかえっている場に一つ手が挙がる

 

そして一人の男が立ち上がった。その男は身長が百九十はあるだろう。スキンヘッドの頭に肌はチョコレート色。彫りの深い顔立ちの男だった

 

「俺の名はエギルだ。俺もその二人の言う通りだと思う。それに今はその責任を追及している場合じゃない。オレたちがこの先死ぬか死なないかは……この会議で左右されると俺は思っている」

 

「……………あんた。いいこと言うなぁ!」

 

「あんたらもな」

 

二人は褒めあっている。キバオウはそんな二人を見て歯噛みすることしかできなかった

 

そこにディアベルが割って入る

 

「キバオウさん、君の言うことは理解できるよ。俺もここまで何度も死にそうになった。だけどあの三人の言うとおり、今は前を見るべきだろう?元テスター達だって……いや元テスターだからこそ、その戦力はボス戦の為に必要なものなんだ。彼らを排除して、その結果攻略が失敗したらなんの意味もないじゃないか」

 

「くっ………」

 

キバオウはディアベルの言葉を聞いて後ろへ下がった

 

そして第一回攻略会議はまともな議論はできなかったが全体の士気を上げることに成功し、そして解散した

 

 

攻略会議の帰り道、三人は何時ものようにワイワイと話しながら帰っている

 

「攻略会議終わったなー。よし帰ろうダイチ、シリカ」

 

「ああ。しかしあそこでお前が立ち上がってあのキバオウって人に物申すなんてな。まあお前ならやると思ったけど」

 

「二人ともカッコ良かったですよ」

 

「ありがとよ〜シリカ」

 

「はい♪」

 

タカはシリカの頭を撫でてやる

 

最近になってタカとシリカは兄と妹のような関係になってきていた。それを当の本人達は気付いているのやらないのやら

 

「ありがとな、シリカちゃん。……あっ!最近キリトと会ってなかったから挨拶しとけばよかったかな」

 

「まあ今日来てたんだから明日の会議にも来るでしょ」

 

「でもあの隣にいた人は誰なんでしょうね?」

 

「男か女かわかんなかったな。…………もしかしてキリトってコレだったり「しねぇよ、多分」デスヨネ〜」

 

「明日聞いてみましょうか」

 

「そうだな。今日は帰ったらすぐに寝よう」

 

そして三人は宿に付き次第すぐに寝入ってしまったという

 




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