ソードアート・オンライン〜空と大地〜   作:クラッカーV

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ボス攻略(決してデレさせるわけではありません)

今、第一層攻略レイドパーティは迷宮区タワーを大人数で進んでいる

 

皆それぞれお喋りをして爆笑したり、出てきたモンスターを倒したりしながら進んでいる

 

隊列の最後尾を歩いているキリト達、アスナはある疑問をキリトに聞いた

 

「ねえ、移動の時っていつもこんな感じなの?こんな遠足みたいな…………確かあなた、ここに来る前にも他のえ……M、MMORPG?をやってたのよね」

 

キリトはそれに肩をすくめて答えた

 

「残念ながら、他のタイトルじゃこうはいかないな。フルダイブ型じゃないゲームは移動するのにキーボードなりマウスなりコントローラーなり操作しなきゃならないからさ。チャットしてる余裕はなかなかないな」

 

「…ああ、成る程……」

 

「まあ、ボイスチャット搭載のゲームはその限りじゃないだろうけど、俺はそういうのやってなかったからな」

 

「ふぅん」

 

「でもまあ………ボイスチャットでもあんなのはないだろうな」

 

キリトは前方を見る、アスナもそれにならって同じ方向を見た

 

そこにはいくつかのパーティが立ち止まっていた

 

そしてその向こうにタカが立っている、ダイチとシリカはその後ろに立っていた

 

「てめえらぁぁ!!ボスに勝ちたいかぁぁぁ!!」

 

『応っ!!』

 

「二層の空を拝みたいかぁぁぁ!!」

 

『応っ!!』

 

「ボスを這いつくばらせたのち泣き叫ぶ姿を拝みながらドSな笑顔を浮かべたいかぁぁぁぁ!!」

 

『お…………おう?』

 

「そうか!俺はそこまでしたくないぞぉぉ!!」

 

『じゃあなんで言ったんだ!?』

 

「今こそ!!俺達の力を示す時!奴をねじ伏せろ!掲げろ!!勝利という名の旗を!」

 

『無視して続けたぁ!?しかも無駄にかっけぇ!!』

 

「誓え!!今ここに!俺達はぁ!!」

 

『完全無欠に絶対勝利!唯一人として欠けることなく第二層の空をみなで拝まんことを!!』

 

「よろしい!では進撃を開始せよ!!奴の攻撃、それら全てをいなし!奴を倒さん!!」

 

『了解(ヤーーーー)!!!』

 

タカの声に応え、その場にいた者の殆どが唸り声をあげる

 

「な、なによ…………これ」

 

「…………あれだ、気合いいれてんだろ」

 

「ホント……大丈夫かしら」

 

キリトは苦笑いし、アスナは頭を抑えた

 

 

 

 

 

 

 

そして、ボス部屋の前

 

ディアベルはパーティ全てを並ばせる

 

そしてボス部屋の扉をゆっくりと開けた

 

「いよいよだな」

 

「ああ………最後に確認だ。まず俺とタカ、もしくはダイチが敵の武器を跳ね上げるから「私とシリカちゃんは喉元一点だけ、でしょ」…………そう、シリカは短剣だけどいけるな?」

 

「大丈夫です、頑張ります!」

 

「俺達も張り切らないとなぁ?しくるなよ?ダイチ」

 

「当たり前だ。お前こそしくるなよ」

 

五人は最終確認をすませる

 

その時ボス部屋の扉が完全に開いた

 

それと同時に暗かった部屋を松明の火がポツポツとついていき明るく染める

 

それと同時にみなが武器を構えた

 

ディアベルは剣を掲げ、そして

 

「行くぞ!」

 

短く叫び、剣を振り下ろした

 

 

 

 

 

 

 

『グルラァァァァァァァ!!!』

 

雄叫びをあげながら手に持つ斧を振り回す第一層のボス《イルファング・ザ・コボルドロード》

 

既に戦いが始まって十数分が経っている

 

タカ達五人のパーティはキリトとアスナ、タカとダイチとシリカの二組に別れ二体の《ルインコボルド・センチネル》を相手にしている

 

「「スイッチ!」」

 

キリトとタカが敵の長斧を弾き返し声を揃えて叫ぶ

 

すかさず二人と入れ替わりトドメを指すアスナとシリカ

 

そして次に湧いてきたコボルドにキリトとダイチが向かっていく

 

「二本目!」

 

その時、どうやらコボルドロードの最初のHPゲージが消えたようだ、ディアベルがそう叫んだ

 

「ほらスイッチ!」

 

「いよっしゃあ!」

 

次のコボルドの武器を跳ね返したダイチがタカへとスイッチする

 

タカがコボルドの首を剣で断ち切った。コボルドのHPを削り切ったタカが一息つく

 

「ふぅ……なかなかいい感じなんじゃねえの?」

 

「ああ、シリカちゃんは大丈夫か?」

 

「はい、私はトドメだけですから」

 

次のコボルドが湧くまで時間があるから三人は余裕だ

 

そこにふとタカがキリトの方を見る。…………近くにキバオウがいる、何やら話しているようだ

 

「(何してんだあいつら?)おい、ダイ『うぐルゥオオオオオオオァァァ!!!』!?なんだ!?」

 

「タカ、次が来たぞ!どうやらボスのHPがラスト一本になったらしい!」

 

「え?あ、ああ了解!」

 

タカはキリトの方を一瞥する、だがキリト達はもうすでにコボルドの相手をしていた

 

「(なんだ……?)…………ダイチ!何時でも動けるようにしとけ!」

 

「ああ、わかってるが……どうした?」

 

「嫌な予感が……するだけだ!スイッチ!」

 

「はいっ!……………嫌な予感ってなんですか?」

 

タカとスイッチしてシリカがトドメを指す、シリカはさっきのタカの言葉について聞いた

 

「いや…………「おいタカ!あれ見ろ!!」

 

ダイチがコボルドロードを指差す

 

コボルドロードは手に持っている骨斧と盾を投げ捨て腰に携える湾刀を引き抜いた

 

だが何か違和感がある。コボルドロードが引き抜いたその武器は、湾刀にしては細くそして長いものだった

 

「おいダイチ…………湾刀ってあんなんだったか?」

 

「違う…………キリトからあるとは話は聞いたことあるが、あれは刀だ!」

 

ダイチは武器の特徴から刀だと推測する。ダイチはある意味そういう類の人間(つまり厨二病)のようなものだったのでそういうのには詳しかった

 

「おいおい……マズイんじゃねえのかぁ!?」

 

タカの顔には焦りが見える。情報が違っていたのだ

 

元々攻略本に書いてあったのはβ当時の情報、その時と違って変わっている所があるのは当たり前のようなものだ

 

コボルドロードの持つ刀が赤く輝く

 

カタナ専用ソードスキル、重範囲攻撃《旋車》

 

「駄目だぁ!皆全力で後ろに飛べぇ!!」

 

キリトの声が聞こえた

 

水平に、そして竜巻のように放たれた斬撃がコボルドロードの回りを囲んでいた六人のプレイヤーに赤いライトエフェクトが迸った

 

その中にディアベルも混ざっていた

 

「っ!ダイチ!!手伝え!」

 

「あ、おいタカ!っ……シリカちゃん、下がっててくれ!」

 

「え……お二人とも!どこへ!?」

 

タカとダイチはコボルドロードへ向かって全力で走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

騎士、ディアベルは後悔していた

 

自分がLA、ラストアタックボーナスを手に入れるために欲を出したことを

 

「(まさか、第一層から武器が変わってるなんて……)」

 

ボスのスキルをくらってしまったディアベルとその他五人は一時行動不能状態、いわゆるスタン状態になっていた

 

スタンしているディアベルは動けないながらもなんとか追撃だけは逃れたいと必死の願望をもちボスを見る

 

「(………………っ!!)」

 

だがその願いは叶えられなかった

 

コボルドロードはディアベルに追撃をくらわす。ディアベルの体が浮いた

 

ソードスキル《浮舟》

 

『ウグルォッ!!』

 

吼えると同時にコボルドロードは刀を床すれすれからディアベルを斬り上げる、コボルドロードはニヤリと獰猛に笑う

 

すると刀が再び赤いラストエフェクトに包まれた

 

ソードスキル《浮舟》はスキルコンボの開始技である。ディアベルはさらなる追撃に対応するために剣を振りかぶりソードスキルで相殺しようとした

 

……………だがスキルは発動しない

 

「(くっ………!システムが読み取らなかったのか!!)」

 

コボルドロードが目にも止まらぬ速さで上下の斬撃をくらわせる

 

ディアベルのHPはどんどん減っていき残り一割になっていた。だがこれで終わりじゃない

 

まだ刀はライトエフェクトを纏っている

 

コボルドロードの持つ刀が突き出される

 

ディアベルは死を覚悟した……………だが

 

「「てめぇが/あんたがサボテンになって、どうするんだこの野郎ぉぉぉ!!」」

 

ズガァァァァァン!!

 

コボルドロードの刀が下へと叩き落とされた

 

何が起こったかディアベルはわからなかった、ただ気付いたら目の前の刀が叩き落とされていた…………片手剣とメイスによって

 

刀を叩き落としたのは二人、一人は噴水広場でみんなに笑いをくれた少年、そしてその少年と一緒にいた、少年の抑制係りのような少年

 

タカとダイチだった

 

「何してんだ!はやく後ろに下がって回復しろ!!死にてぇのか!」

 

「あ、ああ!すまない……」

 

タカに怒鳴られ我に返ったディアベルはすぐさま後ろに下がった

 

タカとダイチも一緒に下がる

 

「タカ!ダイチ!ボスの硬直が解けるぞ!!」

 

キリトが叫びながら走りよってきた。キリトは二人に言う

 

「二人とも大丈夫か!大丈夫なら手伝ってほしい」

 

「何をだ?」

 

ダイチがキリトに聞く

 

「それはもちろん……………ボスのLAを取りに行くんだよ」

 

それを聞いたタカとダイチは顔を見合わせ

 

「「……………おう!」」

 

元気良く返事をした

 

 

 

 

 

 

 

三人はボスに向かって疾走する。その三人の横に同じくボスへと向かう二人の影

 

「アスナ、シリカ!?お前らは下がってろよ!」

 

「いやよ私も行くわ、だってパーティだもの」

 

「そうです。私達はパーティですから!」

 

そう言いながら二人は着ているローブを脱ぎ捨てた

 

「…………………よし!全員、出口方向へ十歩下がれ!ボスを囲まなければ範囲攻撃は来ない!!アスナ、手順はセンチネルと同じだ!三人は隙を見て攻撃をッ!………行くぞ!!」

 

「「「「おう!/はい!/わかった!」」」」

 

まずキリトがコボルドロードのタゲをとる

 

コボルドロードはキリトに向かいソードスキルを放つためモーションを開始した

 

「…………ッ!!」

 

キリトもそれを見抜き相殺するべくモーションに入った

 

カタナ直線遠距離技 《辻風》

 

片手剣基本突進技 《レイジスパイク》

 

その二つのスキルがぶつかり合い相殺した

 

スキルの硬直の隙に他の四人が攻撃する

 

人数が少ないだけに減るHP量は微々たるものだがこのまま行けば必ず倒せる

 

「次、来るぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五人とコボルドロードの戦闘が始まり数分

 

コボルドロードの攻撃を防ぎ続けていたキリトの集中力がついに切れてしまった

 

「しまっ………!!」

 

キリトに向かってソードスキルが放たれる

 

上下ランダムに発動する技、《幻月》

 

キリトは下からの斬撃をくらい吹き飛ばされる

 

「キリトォ!」

 

そのスキルは硬直が短かった、すぐに硬直が解け今度はアスナをターゲットする

 

ディアベルに繰り出した三連撃技、《緋扇》

 

だがその斬撃はアスナに届かなかった

 

「ぬ、おおおおぉぉ!!」

 

両手斧系ソードスキル、《ワールウインド》

 

刀と斧がぶつかり合う。その斧の持ち主、それは褐色の肌をした巨漢、エギルだった。その後ろには彼のパーティメンバーがいる

 

「エ、エギルさん!!」

 

ダイチがエギルの名前を叫んだ

 

エギルはキリトに向かって言う

 

「あんたがPOT飲み終えるまで、俺達が支えるぜ。ダメージディーラーに壁役やられちゃ、立場ないからな」

 

「……………すまん、頼む」

 

「エギル、あんたって人ぁ本当にいい奴だぜ!ダイチ、俺達も負けてられねえぞ!!」

 

「当たり前だ!」

 

「俺が指示を出す!ボスを後ろまで囲むと全方位攻撃がくるぞ!軌道は俺が言うから正面の奴が受けてくれ!無理に相殺しなくても盾や武器できっちり守ればダメージはくわない!」

 

 

 

 

 

エギル達が加勢に来てくれてから相手のHPの減りがはやくなった

 

ボスのHPが残り三割を下回る。それに気が緩んだのか一人が脚をもつれさせボスの後ろに立ってしまった

 

「早く動け!!」

 

キリトが叫ぶが間に合わない

 

ボスは《旋車》を放つモーションに入った

 

「シリカ、アスナ、下がれ!ダイチ、相殺するぞ!!」

 

「ああ!行くぞぉぉぉぉ!!」

 

ボスがスキルを放つ

 

その始まりに合わせて二人はソードスキル、《スラント》と《アングリフ》を打ち付けた

 

「「うおおおおおおぉぉぉぉ!!!」」

 

二人の攻撃は思わぬ効果を生んだ

 

全力で放った二人の攻撃はボスの刀を押し返し大きく仰け反らせる

 

「お、おおぉぉ!!」

 

そこにキリトの《レイジスパイク》がボスの左腰を捉えた

 

そのおかげでボスは態勢を崩し転ぶ、転倒状態だ

 

「全員、全力攻撃!!囲んでいい!!」

 

「うらああぁぁぁぁっしゃぁぁぁ!!」

 

タカの雄叫びとともに全員が一気にソードスキルを叩き込む

 

「うおお、おぉぉぉ!!」

 

そして最後、キリトがスキルを発動する

 

片手剣二連撃技、《バーチカルアーク》

 

V字型を描きボスに叩き込まれたそれはボスの残りHPを削り取った

 

ボスの体にヒビが入り、そしてボスは破砕音と共に散って行った

 

こうして第一層のボスは討伐された

 




やっとここまで来た…………

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