落第騎士に転生した話 【完結】   作:VISP

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冠位暗殺者について独自解釈あり〼。


落第騎士(偽)が逝くFGO

 人類史が焼却したってさ → へー。

 アニメ会社や出版社にテレビ局も全て壊滅! → うん?

 だからオタ生活もできないって! → は?(威圧)

 

 これが落第騎士世界で天寿を全うし、他所の世界でてきとーに転生してまたオタ&剣客生活してた一輝(偽)が滅亡した人類史を救済し、原因となった人類悪達を討伐するに至った動機である。

 彼が斬り殺すだろう人類悪達が聞いたら遺憾の意を表明する事間違いなしであるが、事実である。

 

 

 ……………

 

 

 一輝(偽)は政治が分からない。

 何せ知識は無駄にあるが、勉強や試験となるとギリギリ高校生レベル程度だ。

 加えて、本人が自分に才能あるのは剣だけと諦めているからだ。

 故に、彼は自身の身に火の粉が降り掛からない限り、安易にその刀を抜く事はない。

 明確な一線、それが彼と他の多くの実力者を分けるものだった。

 故にその日、人里からちょっと離れた山の庵(違法建築)にて相変わらずのオタク生活を満喫していた彼を、否、彼がいた時代そのものを焼き払う熱波が吹き荒れた時、彼はあっさりとそれを斬り裂き、生き延びた。

 とは言え、唯では済まなかった。

 彼の住んでいた庵は焼け、中にあったオタグッズの類は全て焼却されてしまった。

 この様な暴虐、許してはおけない。

 そう決意した彼だが、しかし悪意や殺気を辿れても、遠すぎて行くのがちょっと面倒だなーと思わせる程度に距離と時間が離れているのはすぐに分かってしまった。

 また、場所が宇宙空間っぽいのも問題だった。

 必要とあれば物理法則すら斬り変えられるが、それは結構な手間であり、更に言えば元に戻せるように斬らないといけないので、余計に神経を使うのだ。

 はっきり言うと面倒臭い。

 自分に仕掛けてきた下手人には腹が立つが、しかし最悪この世界から別の世界へ引っ越しすれば良いと考えている一輝(偽)としては今現在、面倒だが報復ルートと見逃して引っ越すルートで悩んでいた。

 それに目を付けた者がいた。

 

 「やぁ一輝!ボクと契約して人理を救ってよ!」

 

 というブラック詐欺系似非マスコットではなく、

 

 『我と契約し、人類の守護者となれ。』

 

 皆ご存じ社畜生産機構ことアラヤーンだった。

 

 「お宅と契約すれば、永遠にオタク生活できる?」

 『可能。代価としてその死後を貰い受ける。』

 「おk。」

 

 こうして、あっさりと契約は締結された。

 が、その程度の繋がりなどその気になれば斬れる一輝(偽)にとって、この契約はものっそい軽いものだったりする。

 即ち、もしもアラヤが契約を反故しようものなら、即座に切断して返す刀でアラヤそのものを斬りかねないのだ。

 しかし、人類存続のための概念存在たるアラヤはそれに気づいても、目の前の超級の暗殺者を逃す事は出来ない。

 既にアラヤにそんな余裕など無いのだから。

 

 『該当クラスを検索…アサシンが該当………出身世界にて冠位級の条件を達成、冠位霊基での召喚を許可。』

 「よく分からんけどありがとう?」

 『任務内容を通達。人類史消滅を目論む全勢力の殲滅。終了までバックアップを継続。』

 「ほうほう、結構な魔力で。では行ってきまーす。」

 

 こうして、極NN系グランドアサシンが解き放たれてしまった。

 

 

 ……………

 

 

 第一特異点フランス

 第二特異点ローマ

 第三特異点オケアノス

 第四特異点ロンドン

 第五特異点アメリカ

 第六特異点キャメロット

 第七特異点ウルク

 

 それら全ての特異点は、誰も気付かないままに修復された。

 

 数少ない例外は、特級の千里眼を持ったグランドキャスター達だ。

 彼らはこの異常事態に気づき、しかし特に行動しなかった。

 賢王は自分のするべき事をするだけだし、花の魔法使いは興味無い内容となった時点で興味を失う。

 堕ちた魔術王は必死に手駒を動かすが、それは余りに遅すぎた。

 そも、相手は彼らの目すら掻い潜る暗殺者の極致たる存在。

 如何に彼らでもあの暗殺者を後から止める事は出来ない。

 最適解は「相手に行動させない事」だが、魔術王にはそれが出来ない。

 人類史最高峰の暗殺者たる資格を持つ者達の条件として、最上位の千里眼から逃れる事が可能というものがある。

 この暗殺者もまた、その例に漏れず、千里眼から逃れ切った。

 だが、ただ逃れ、特異点に存在する脅威を排除するだけでは意味がない。

 魔術王の持つ七つの聖杯、それらを集め、最後の一つに登録された魔術王の玉座へと辿り着き、魔術王を弑する事によって、この人理焼却は覆される。

 だが、そうやって魔術王の玉座の座標を観測する事は即ち、魔術王からも観測される事に他ならない。

 

 「という訳なんだけど、彼には意味なんて無いよねぇ。」

 「であろうな。アレはその程度ではどうにも出来ん。」

 

 ウルクにて、未だ現界を保っていたマーリンが賢王たるギルガメッシュと会話していた。

 

 「あれの本質は確かに暗殺者だろうさ。生前、誰にも悟られずに殺し続けたあの男にとり、ウルクを除いた特異点等生温い程だったろうよ。」

 「だが、彼はそれだけの存在じゃない。」

 

 二人は魔術王と同じくグランド・キャスターだ。

 故に、一度目の彼は兎も角、二度目の暗殺者ではない彼の姿を観測する事は可能だった。

 それがたとえ異世界の出来事でも、この世界の存在として適応された彼相手なら可能だった。

 

 「剣技においても最上級。如何なる戦士も、如何なる不死も、彼の前には意味がない。」

 「文字通り、世界の理そのものを斬る者を相手に如何なる契約も、魔術式も意味がない。」

 

 彼が辿り着いた時点で、魔術王は詰んでいた。

 圧倒的格上に喧嘩を売った結果、当然の様に憐憫の獣となった魔術王は破滅する。

 

 「ま、その後に関してはまた別の話だけどね。」

 「仕方あるまい。が、それは未来に生きる雑種共の仕事だ。」

 

 

 ……………

 

 

 「何故だ。」

 

 魔術王の玉座、終局特異点ソロモン

 自身の宝具たる玉座においてソロモンは、否、その遺体を乗っ取った72の魔術式、憐憫の獣、七つの人類悪の一つ、魔神王ゲーティアは呟いた。

 

 「何故、」

 

 その声には、激しい感情が込められていた。

 

 「何故、我らが玉座にて追い詰められている!?」

 

 どうしようもない現実に対する憤り。

 72の魔神から成る集合知は、分からないと叫びを上げた。

 

 「何故だ、何故だ、何故だ!!」

 

 無数の光線を、無数の魔弾を、無双の拳撃を放ちながら喚き続ける。

 だが、それらはただ一つとして当たらない。

 掠る事すらなく、往なされ、流され、切り払われる。

 ただただ無為になっていく。

 

 「………。」

 

 それを成すのは人類最高峰の暗殺者にして、最高峰の剣士だ。

 彼の剣技は一方的に魔神王の不死性を、特権を、異能を斬り裂いていく。

 本来なら如何なる攻撃を受けても即時再生し、無尽蔵の魔力を操り、あらゆる脅威を事前にその千里眼で観測して対処可能な魔神王。

 しかし、機能を果たせずに魔術式として壊れる事で主観を、人格を入手して劣化した事で、彼らには自身の脅威をあるわけがないと思い込んでしまい、結果として窮地を招いていた。

 彼らが何も考えずに、眼前に立つ脅威への対処をしていれば、何とか間に合った筈だった。

 だが、もう遅すぎる。

 既に彼らの死神は目の前に立っていた。

 

 斬、と

 

 彼らの結束の核となっていた、ソロモン王の肉体が遂に斬り殺された。

 

 「何故だ…」

 

 ボロボロと、バラバラと崩れていく中、それでも残った魔神達は問いを口にした。

 

 「何故、貴様は我らを討つ?人類は、救済されねばならんと言うのに…。」

 

 斬、と。

 止めを刺す最後の一太刀が放たれた。

 

 「死ね。」

 

 簡潔にして、混じり気一筋も無い純然たる殺意。

 最早人とは思えない程の純粋な感情の発露。

 そんな外敵に対する極々当たり前の対応に、魔神王は漸く納得した。

 

 「成程。敵を殺す事は、当たり前か…。」

 

 まるで機械、まるで本能。

 命ある者が命を脅かすものへ行う、当たり前の反応。

 この剣士は、それを実行したに過ぎない。

 ただ、それだけの事だった。

 

 (こんな愚かしくも純粋なモノ、我らの手に余る。)

 

 それを最後の思考として、魔神達は消滅した。

 

 

 ……………

 

 

 「ふんふんふーん。」

 

 後日、一輝(偽)は鼻歌交じりに最近発売されたラノベを読んでいた。

 彼の経験からすればスリルなんて無いだろうに、それでも彼はそれを最高の娯楽の一つとして愛していた。

 先日までは随分面倒な仕事が続いて趣味の時間が取れなかったが、それらを片付けた今はただのんびりと平穏を謳歌していた。

 だがしかし、彼の平穏が長く続く事は無かった。

 

 『契約者よ、仕事だ』

 

 不意に、彼の脳裏にそんな言葉が走った。

 

 「どしたの?」

 『異星よりの侵略者だ。目的は地球全土の漂白、然る後に選び抜いた文明による地球人類史の再構築。』

 「それ、どんな文明?」

 『神代のギリシャ、それが21世紀まで続く形となる。』

 「よし殺そう。」

 

 こうして、一輝(偽)はまた出陣する事となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Q 末期の言葉位聞いてやれよ!
A 話し合い選ばず一方的に殴ってきた敵の戯言なんて聞く必要無いだろJK

こんな思考回路(善悪でも秩序でも混沌でもない中立中庸)で、第一部も第二部も容赦なく斬り捨てていく一輝(偽)の話でした。
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