Illegal academic story1   作:ライトネーム

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種族同士での対立がある学園の中で、ギースと友人となったリノアス。 そして、物語は、静かに動き始めていた。 一応、続編を上げてみました。 続けて読んで頂ければ、嬉しいですww



パートナー結成

リノアスが転校してきてから1週間が経ったが、クラスは、落ち着かない雰囲気に包まれていた。

その原因は・・・・。

「昨日の戦略の授業は、難しかったぁ~!」

「そう?僕は、そうでもなかったよ?」

このように会話しているリノアスとギースが原因だった。

あの一件以来、2人は、一緒に行動するようになっていたが、その事がクラスメートにとって違和感があるようだった。

しかし、当の2人は、気にも止めず楽しそうに話し続けていた。

そこにビウールズがやって来て教壇に上がった。

「えー。君達の中にも知っている者もいるだろうが、武術科の生徒は、これから3年間演習のパートナーを決めてもらう事になっている。もちろん、種族は関係無しにだ。」

その言葉にクラスの空気が殺気立った空気に変わった。

「それでは、既に組んでいる者がいたら返事をしてくれ。」

まぁ、いないだろうがな。

ビウールズは、クラスの雰囲気でそう諦め気味に呟いた。

しかし

『はい!』

なんと返事が返ってきたのだ!!

一斉に声のした方へ視線が動いた。そこには、決意した様子の

リノアスらの姿があった。

「本当か!?」

思わず聞き返すビウールズ。

「はい!俺達、パートナーを組みます!」

リノアスは、まるでクラス中に宣言するかのように言った。

その時、ビウールズは、〈彼らならこの状況を打開できるかもしれない!〉と可能性を見出していた。

「では、2人は、道具を全部持って付いて来なさい。今日は、戻ってこないからな。」

『はい。』

2人は、返事をすると道具をまとめて先に廊下に出ていたビウールズの所に向かった。

そして、歩くこと約五分後、巨大なドーム状の建物に連れて来られていた。

「うわー!」

その大きさに感嘆の声を上げるリノアス。

「ここは演習用に作られた屋内グラウンドだ。ここで、ちょっとしたテストを受けてもらう。」

そう言われながら中に入って来る。

そして、屋内グラウンドに足を踏み入れていた。

そこは、スポットライトに照らし出された巨大な正方形のリングがあり、周囲には、見下ろすかのように客席があった。

「それでは、2人とも自分の武器を出してくれ。」

そう言われた2人は、持ってきたケースと布を開いた。そこから現れた物にビウールズは、戦慄を覚えた。

リノアスが取り出した武器は、彼自身の身長とほぼ同じ長さの大剣であり、鍔は竜を模した様に角翼と見事な彫刻で彩られていた。

そしてギースの取り出した武器は、一振りの刀であった。

黒檀の鞘には、白銀と蒼で装飾が施されていた。

しかし、ビウールズが戦慄を覚えたのは、それでは無かった。

大剣と刀から滲み出るような・・・威圧するかのような強大な力があり、まるでソレを押えるかのように鞘と鍔が鎖で縛られていた。

「(まさか・・・これがアレなのか?本当に・・・・?)」

ビウールズの脳裏にある単語が浮かんだが、有り得ないと頭の外に追いやった。

「では、名前があったら教えてくれ。まず、リノアスから。」

「〈リフェルリオン〉です。見ての通り大剣ですが、創作者は不明で触る事ができたのは、俺だけらしいです。」

リノアスは、淡々と答えた。

「〈リフェルリオン〉・・・・伝説の蒼竜と同じ名前とは、よほど製作者の方は、思いを込めたらしいな。」

ビウールズが、そう言った瞬間、まるで、返事を返すかのように鎖がチャラリと鳴った。

「なに?」

「あ・・ああ!気にしないで下さい!ちょっと、動かしただけですから!」

リノアスは、慌てて弁解すると、ギースへと話を逸らした。

「それでは、ギース。名前を教えてくれ。」

「この刀の名前は〈銀嶺〉です。一族に代々伝わってきた物らしいのですが、抜けたのは僕だけらしいです。」

ギースもリノアスと同じ様な説明をビウールズにした。

「〈銀嶺〉・・今度も伝説の中に登場する銀狼と同じ名前か。まるで、運命みたいだな。」

ビウールズは、可笑しそうに笑った。すると、今度もまた鎖が

独りでに音をたてた。

「あ!・・・い、今のは、手が当たってしまって。」

そんな言い訳をするギース。

明らかにこの2人は、何かを隠そうとしているのは、バレバレであった。

その様子に確信にも似た違和感を覚えつつも手元の書類に書き込んでいくビウールズ、すると、急にその表情が厳しいものに変わった。

「いいか、2人とも単刀直入に言うぞ。これから2人に100人切りをしてもらう。」

『え!?』

「その結果しだいでお前達のパートナー評価を決める。では、始め!!」

その宣言と同時にリノアスらの周りに黒いシミのようなモノが広がり、人型をした何かが大量に出現した。

「アンチ!?」

リノアスは、思わずソレの名前を呼んだ。

アンチ――闇属性の最弱モンスターで一匹なら大した戦闘力は無いが、常に群れで行動し集団で襲ってくるのでたちが悪く鬱陶しい!

「面倒くさいな・・・。」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」

ギースのツッコミに現実に戻るリノアス。そして、リフェルリオンを握った。

「目覚めろ。」

その言葉と共に鎖が弾け飛び、鞘から刃を抜き放った。そして、そのままの勢いでアンチの群れに飛び込んでいく。

「消えろ!」

横一文字に振り抜かれた刀身は、一気に6体の胴体を紙のように両断した。

しかし、振りぬいた状態のリノアスは、無防備な背を晒している。

これを見過ごす奴はいない。

そう思ったアンチが一斉に飛び掛ってきた!

だが、リノアスは・・・笑っていた。

次の瞬間、右手に握られていたリフェルリオンを左手に投げ渡して、片腕で振りぬいた!

意表を衝かれたアンチ達は、さらに10体が屠られた。

「(あの長さを片手で!?)」

リングの外から様子を見ているビウールズは声にこそ出さなかったが、驚いていた。しかし、その驚きは、さらに増すことになる。

「行くよ、銀嶺。」

ギースが刀に手を添えて走る。

そして、いくつもの閃光を空中に走らせながらリノアスの背に背を合わせた。

「背後のは、ありがとう。」

リノアスは、視線を向けずに言った。

「どういたしまして。」

同じく視線を向けずに礼を返す。すると、ギースの背後にいた

アンチが一斉に切断されたのだ。

「すごいなぁ!」

リノアスは、目を丸くしながら驚いたように言った。

「それほどでも。」

照れたように、はにかむギース。何故か仕草が妙に似合っている。

「じゃ、片づけようか!」

 

その数分後。 

 

グラウンドの上には、リノアスとギースの二人しか立っていなかった。2人は、静かに刃を鞘に納めた。

と、急に拍手が聞こえた。

「素晴らしい!2人とも最高だ!」

そう賞賛の声をかけながら近づいてくるビウールズ。

「そうでしたか?」

「まさか、ここまでやるとは思わなかったぞ。」

「それで結果の方は?」

リノアスは、気になっていた結果の事を尋ねる。

「文句無しの合格だ。パートナー評価は、Sランクにしておく。」

「よ、よかったぁー。」

心底安心したようにギースは、溜息をついた。

「それでは、2人共、案内したい場所があるから付いて来てくれ。」

そう言ってビウールズは、先に出て行った。しかし、2人は、気付いていなかった。

 

ビウールズの手が微かに震えていたことに・・・・・。

 

先程の屋内グラウンドから歩いて移動する。その間に2人は、

互いの剣を剣帯に付けていく。

そして、気付くと校舎からだいぶ離れた場所に来ていた。

「え、ここは?」

リノアスは、キョロキョロと辺りを見回す。

「先生、いったい何処に行くんですか?」

ギースもここの事は知らないらしい。

「まぁ、もう少し待ちなさい。おっと、見えてきたぞ。」

そう言って指さされた方向に目を向けた二人は、思わず固まってしまった。

「え~っと、先生?」

リノアスは、一呼吸分ほどたっぷり間をあけてから・・・

「あれは、なんですか?」

リノアスは、目の前にそびえる高級感たっぷりの建物を指さした!

「何って、正真正銘のアクアエリアス学園 戦闘技能科の学生寮だが?」

なにを今更と言わんばかりに溜息まじりに答えるビウールズ。

 

「「え・・・?」」

 

二人は、自分の耳を疑った。

イヤイヤイヤ、こんなテレビでしか見た事がない高級ホテルのような建物が、たかだか学生の寮だって?

「有り得ないですよ!」

大人しく黙っていたギースもさすがに声をあげてしまった。

「ちなみに言い忘れていたが、パートナーを組んだら自動的に相部屋になる。つまりはクラスメートであり、戦闘パートナーであり、ルームメイトでもあるわけだな。」

ハハハと笑いながらビウールズは、当たり前のように話を進めていく。

2人は、もはや事の成り行きに任せるほか無くなってしまっていた。

そうこうしていると、寮(今だに信じられないが・・)の方から誰かが、近づいてきた。

それは、かなり美人な人間の女性であった。その出で立ちは、

エプロンとバンダナを巻いた、なかなか活発そうな雰囲気をしていた。

「あら、あなた。今日のお仕事は終わったの?」

 

・・・・えぇ? 

2人は、今の言葉に違和感を覚えた。

 

「いや、今日は、新しい入寮生を連れて来た。」

「あら、珍しいわね。違う種族同士のパートナーなんて彼等以来じゃないかしら?」

ガンガンまた話が進んでいっているが、ここは、少し待っていただこう。

「あの!」

リノアスは、2人に気づいてもらうために少し大きめに声を出した。

「はい、そこの青髪君。なにかしら?」

女の人は、まるで、何かの番組司会者のようにリノアスを指名した。

「えっと、聞きにくいのですが、もしかして、お二人は、結婚なさってますか?」

「ええ、そうよ?それが、なにか?」

聞いた瞬間に、まさかの即答で、答えがかえってきた!しかも、当たり前の事を聞くなと言いたげな顔までしてだ・・・・。

「ビウールズは、私が心から愛してるダーリンよ?そう見えなかったかしら?」

「お、おいおい!ベアトリーゼ。」

幸せそうな顔をしてビウールズの胸に抱きつくベアトリーゼと顔を真っ赤にするビウールズの2人を見て、リノアス達は、思った。

 

なんてバカップル・・・いや・・・

 

バカ夫婦キタ―――!!!

 

「では、ベアトリーゼ。2人を部屋まで案内してくれ。頼んだぞ。」

そう言って、ビウールズは、校舎の方に歩いて行ってしまった。

しばし、ハイスピードで動き続けている状況に着いていけていない二人は、何とか状況を整理しようとしていた。

「はい、じゃあ、まずは自己紹介からね。」

そう言ってベアトリーゼは、きちんと2人の方を見て

「私の名前は、ベアトリーゼ・プラウドロア。貴方達の寮の管理・監督する寮長よ。宜しくね!あ、愛称は、ベルでいいからね。」

そう元気に自己紹介をベルはしてくれた。

「俺の名前はリノアス・ディータスです。所属学科は戦闘技能科です。よろしくお願いします。」

「同じく、ギース・ストライフです。よろしくお願いします。」

2人もきちんと自己紹介を済ませた。

「リノアス君とギース君ね。それじゃあ、2人ともさっそく貴方達の部屋に案内するわね。」

ベルに着いて行きながら寮の中に入ると2人は、驚きに目を見開いた。

豪奢なつくりの家具や内装そして、ホテルのカウンターのような中には、タキシードを着た従業員が、立っていた。

すると、リノアスの目に人だかりが、飛び込んできた。

何やら立体液晶スクリーンモニターを見つめ、ワイワイと騒いでいる。

リノアスは思わず、ギースに訊ねてみた。

「ねぇ、ギース。あのモニターみたいな物は何なの?」

「ああ、あれはね、チームランキングパネル(略してT・R・P)だよ。」

「チームランキングパネル?」

いきなり聞き慣れない単語が出てきた。

「あ、リノアス君は、入学式の時は、まだいなかったのよね。」

先頭を歩いていたベルが思い出したようにリノアスの方に振り返った。

「あのねリノアス君。この学校では半年に1度、パートナー同士が6人1チームを作って、チーム形式の武闘大会が開催されるの。」

「それに参加すると何かあるんですか?」

「各大会ごとに優勝チームに特典が与えられるの。」

「へぇ、例えば?」

リノアスは、思わず、聞いてしまった。人だかりを見る限りでは、かなりの人数が参加しているらしく、それだけの人数が参加しているのだから、とんでもない物に違いない。

「例えば・・・・確か1年間全科目単位合格だったかしら?」

「・・・・・・え?」

 

今、何と仰いましたか?

 

「それとも、学費免除だったかしら?」

「ええ!!?」

そんなランクの高い特典が叶えられていいのか!?

というより、やっていいのか!?

「まぁ、強制じゃないから気が向いたら参加してみるといいわ。」

そう言いながらベルは、カウンターの中から2枚のプラスチック製のカードキーを取り出した。

「それが、部屋の鍵になるから。無くしても安心してね。ちゃんとカウンターに戻ってくる仕組みになってるから。」

「分かりました。それで、部屋は?」

リノアス達は、カードキーを受け取りながら、ベルに訊ねた。

「えっと、613号室ね。エレベーターで6階まで上がって部屋に細かい事を書いた紙があるからソレを読んどいてね。それじゃ、私、仕事があるから。」

じゃね~。とベルは、何処かに消えてしまった。

意外と大雑把な人だなと2人は、思った。

またしても呆然と立ち尽くすハメになった2人だが、なんとか次の行動に移る事にした。

「ま、まぁ、行ってみよっか。」

そう切り出したリノアスに、ギースは頷いただけだった。恐らく軽く放心状態だったのではないだろうか。

そして、2人がエレベーターまで歩いて行くと、丁度タイミングを合わせたようにドアが開いた。

ラッキーと2人が思いながら中に入り6階のボタンを押すと、

ドアが閉まり始めた。

そして、閉じようとした瞬間だった、いきなり、ドアの隙間から指が入り込んできた!

『「うわ!!」』

異口同音な悲鳴をあげた2人が、驚いている間にドアがゆっくりと開き始めた。

そこには、黒毛の熊人と白色の髪をした人間が立っていた

「ふぅー。危なかったぜ!」

そう言ってズカズカと中に入ってくるのは、熊人の青年だった。

「そんなに無理しなくても・・・。」

困ったような笑顔で、答えるのは、人間の青年だった。

『・・・・・・』

沈黙の2人になってしまうリノアスとギース。

すると、やっとその2人組もリノアス達に気がついたらしく。

「あれ、君達、この寮じゃ見ない顔だけど、もしかして、新寮生かい?」

人間の青年が訊ねてくる。

『はい』

2人は、同時に返事を返した。

「へへぇ、俺達みたいな組み合わせもいるんだな、ユキト!」

熊人の青年が、面白そうに豪快に笑いながら言った。

「そうだね、グラット。ところで、君達の名前は?」

ユキトと呼ばれた人間の青年は、

リノアス達の名前を聞いてきた。

「戦闘技能科1年のリノアス・ディータスです。」

「同じく、ギース・ストライフです。」

2人は、もはや何度目かの自己紹介をした。

すると、2人は、少し驚いたような表情をした。

「あの、どうしましたか?」

ギースが、訊ねた。

「いや、まさか、後輩だとは思わなかったから・・・。」

ユキトが、頭を掻きながら戸惑ったように呟いた。

「え!それじゃ、俺達の先輩なんですか!?」

今度は、リノアス達が驚いた!

「一応、自己紹介しておくね。

僕は、戦闘技能科2年のユキト・ヴァレンタインです。」

 

「俺は、ユキトと同じ2年のグラット・バッカスだ。ユキトとは、

パートナーだぜ。」

なんとも太陽と月のような正反対の雰囲気をしている先輩達だとリノアス達は、思った。

「ねぇ、リノアス君。一つ聞いてもいいかな?」

急にユキトの声が、今までのモノと変わったようにリノアスは、感じながらユキトの方を見た。

「君も種族差別反対派の人間なのかな?」

「はい、大っ嫌いですよ。差別なんて。」

リノアスは、迷いなく即答した。

「そっか、良かった。」

ユキトは、仲間を見つけたかのように安心した顔をしていた。

「よかったな、ユキト!やっと理解者が現れたじゃねぇか!」

グラットは、心底嬉しそうにユキトの肩を叩いた。

そんなこんなで、4人を乗せたエレベーターは、6階に到着した。

「それじゃ、先輩方、俺達は、ここで。」

そう言ってユキト達の方を見たが、2人は、既に6階に下りていた。

「あれ?もしかして、リノアス君達も6階なの?」

「はい、613号室らしいです。」

そうギースが、例のカードキーを2人に見せた。

すると再び、2人は、驚いたように目を見開いた。

「ど、どうしました?」

ギースが、不思議に思って2人に訊ねた。

「いや、俺らの部屋がな・・・・。」

グラットが、チラリとユキトの方を見た。つられて2人もユキトを見ると・・・。

「僕達の部屋は、612号室なんだ。」

つまり・・・・・・。

「お隣さんって、ことですか?」

「と、いう事ですね。」

なんと言う偶然なのか!

そして、リノアスとギースは、2人と別れてからこれから4年間お世話になる部屋の入口に来ていた。

見た目は、普通の外開きドアであり、カードキーを読み込むための端末があった。

「じゃあ、いくよ。」

リノアスは、自分のカードキーを端末に挿入した。

電子音が鳴り、ドアのロックが解除された。そして2人は、ドアを開けた。

 

「ここって、本当に寮なのか?」

思わず、そう呟かずにはいられなかった。

部屋は間取りを見る限り、1LDKなのだが、広さが半端じゃなく、家具家電は、最新の物が揃えられていた。

「ここまでくると、もはや、高級マンションじゃない?」

ギースが、目を丸くして呆れたように呟いた。

外見は、高級ホテルで、中身は、高級マンション?

一体この学園は、どうなっているんだ?

 

 

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