Illegal academic story1   作:ライトネーム

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ギースとともに寮に入ることとなったリノアス。そこで、新しい仲間と出会うことになって・・・・。 さてさて、第三話になったI・A・S(略して)。引き続き見て頂ける主が喜びます。



癖が強い2年生

その後は、案外律儀な2人は、誰が運んだかは、知らない荷物を整理していた。

「必要最低限の物しか置いてなかったのに、多いなぁ。」

荷物整理開始から約1時間が、経過した時にギースが、呟く。

「そうだね。」

リノアスも若干、苦笑いしながら机に写真立てを置いた。

「あれ?それって・・・。」

「ああ、この写真?」

リノアスは、ギースが、興味を示した写真立てを手に取った。

そこには、若い恐らく、20代後半程の男女が、仲良さそうに映っていた。

「仲良さそうだね。もしかして、兄妹の写真なの?。」

ギースが、受け取った写真を見て、そう言った。

「いや、両親だよ。」

「へぇ・・・・・・え?」

思わず、納得しかけていたが、ギースは、写真とリノアスを見比べた。

「・・・・リノアス、今、何歳?」

「ん? 20だけど?」

何を今更と言わんばかりにリノアスは、言った。

「いやいや、どう見てもこの写真の人が、リノアスの両親なら若すぎるでしょ!」

確かにギースの感想は、当たり前の反応である。

「・・・・・・まぁ、いろいろあるのさ。」

そうリノアスは、短く打ち切った。その反応に少し驚いたのは、ギース本人である。その時のリノアスの顔は、初めて悲しそうな色を浮かべていたから・・・。

なんとなく、気まずい雰囲気になりそうになってきていた時だ。

玄関のインターホンが鳴った。

「誰だろ?」

リノアスが、いち早く玄関に向いドアを開けた。

そこには、ユキト達が立っていた。

「あれ、ユキト先輩どうしました?」

リノアスは、訊ねた。

「まだ、時間も早いからさ。一緒に街に行ってみないかなと思ってさ。」

「お前らも明日休みなんだろ?」

ユキト達の誘いは、今の二人には、好都合だった。

実は、この学園が置かれた街は、所謂、学園都市と呼ばれる街であり、この地方では、都会の部類に入る場所だった。しかし、リノアス達は、ここ最近、手続き申請やら講義やらで、街に行く暇がなかったのである。しかも幸いな事に明日は、学園創立記念日で三連休になっていたのだ。

「いいですよ。一緒に行きましょう!」

リノアスは、その誘いにのる事にした。

そして、数分後、2人は、私服に着替えて外に出た。

「じゃ、行こうか。」

ユキトの声と共に三人も歩き出した。

エレベーターで、エントランスまで降りて、ドアが開いた瞬間。

「いい加減にしろ!!」

そんな怒鳴り声が、飛び込んできた。

『「!?」』

慌ててエントランスに出るリノアス達。

その目に飛び込んできたのは、大勢の人だかりに囲まれた人だった。

「っ! やっぱり、第一生徒会と第三生徒会か。」

苦虫を噛み潰したような顔をしてユキトが、呟く。

「なんです、その組織みたいな・・・。」

よく分からない組織名が、また出てきてうんざりしつつあるリノアスは、またも訊ねる。

「第一生徒会は、人間だけで統一された学園でも折り紙つきの実力者で、人間至上主義集団なんだよ。第三生徒会は、その獣人版だと考えてくれていいよ。」

相変わらず、視線は逸らさないで、ユキトは、教えてくれた。

「よく俺とユキトについても噛みついてくんだよ。」

グラットも僅かに牙を見せながら、唸った。

「そんな組織が・・・理念に反している。」

リノアスは、またも見せつけられた事実に失望感を抱いた。

「今度は、誰に・・!?」

グラットの声が、少し上擦ったもの変わった。

ユキトは、既に、気付いていたらしく目を見開いている。

リノアスもその人だかりの向こうを見た。恐らく、第一生徒会の

ユニホームなのか、白いコートを着た集団の向こうにいたのは、

深みのある紅蓮の髪を肩先まで伸ばして、着崩した制服から見える胸元には、タトゥーが見える完璧に不良な人間の男子生徒が、煙草を咥えて、ソファーに座っていた。

「貴様、いつまで、我々をコケにするつもりだ。」

そう吼えているのは、真面目だけが、取り柄そうな男子生徒だ。

しかし、その本人は、完全に無視して悠々と煙草を吸いながら雑誌を読んでいた。

「貴様、聞いてるのか!!」

その態度に堪忍袋の緒が切れたのか、その生徒は、拳銃を向けた。

流石に反応を見せるかと思ったが、向けられた本人は、チラリと見ただけで、また、読んでいたらしい雑誌に視線を戻した。完全に無視を決め込んでいるらしい。

「貴様ぁああ!!」

銃声が、響いた。その瞬間、その場の空気が凍りついた。

しかし、異変が起きたのは、生徒会の生徒の方だった。

ズルリと糸が切れた人形のように崩れ落ち、動かなくなった。

その先にいたのは、いつの間に抜いたのか、拳銃を向けた不良生徒がいた。

「黙れよ。」

銃を懐のホルスターに戻しながら生徒は、吐き捨てる。

「グレン、まさか殺したのか・・・?」

別の生徒が、恐々と訊ねる。

「殺す価値なんてあんのかよ、お前らに?」

不良生徒―グレンが、酷く冷たい目で聞き返した。

まるで本当に本心から聞き返したように・・。

そして、そこにいる生徒会の集団に対して向き直った。

「何度も何度も言わせんな。俺は、俺自身とアイツしか信じねぇ。

お前らみたいなカス共と誰がつるむかよ。いいか今度、くだらねぇ干渉やこんな押し掛けしてみろ。次は、麻酔弾ぐらいじゃ、済まねぇからな。そう奴らにも伝えな。」

グレンは、もう一度、銃を向けながら脅した。

いや、それは、間違いだ・・・それは、本当なのだ。

その目は、あまりに冷たかったのだ。

その目にギースは、一人、見覚えがあった。

それは、リノアスが、屋上で見せた目と同じだったから・・。

「グレン、そんな奴らになんて構うな。」

また、別の声が、その場に生まれた。一斉に視線が集まる。

そこにいたのは、焔のような紅の体毛と黒縞の毛が入った虎人が、立っていた。

それも犬人の生徒の首筋にナイフを添えて拘束したままの状態でだ。

「・・・・ああ、そうだな、バルト。」

そう呟くようにグレンは、再び銃を仕舞った。

「さっさと行くぞ。言葉を交わすだけ無駄だ。」

虎人の男子生徒―バルトが、そう言ってエレベーターの方に歩き出した。

すると、ユキト達の存在に気付いたのか、その足を止めた。

「・・・・今日は、何も言ってこないんだな。」

グレンが、挑発するように口を開く。恐らく、このような事態は、

これが、初めてではないのだろう。ユキト達の性格を考えれば、

今までに何度も衝突を繰り返してきたのは、あまりに分かり切っていた。

「何も言わないと思ってるのか?」

ユキトは、口調を変えてグレンの挑発に乗った。

「お前らまで俺達に文句か?」

「文句じゃない。君達のやり方が、暴力的過ぎると言ってるだけだ。」

「邪魔する奴は排除する、それだけだ。」

グレンは、冷たくユキトに告げた。

「君達は、お互いしか信じないのか?」

ユキトは、訊ねるように聞いた。その声にも感情はない。

「俺達は、このままでいい。これ以上、干渉するな。」

今まで黙っていたバルトが、睨みあったままユキトに告げた。

「それでいいのか!お前らは、2人だけのままで、生きてくのかよ!

このまま生徒会の奴らとやり合い続ける気か!」

グラットは、堪りかねたかのように2人に叫んだ。

「・・・・・これ以上、貴様らと話す意味がない。」

それだけ言葉を残したままグレン達は、行ってしまった。

そこに残されたのは、大勢の怪我人と空虚感だけだった。

悔しげに俯くユキトは、それからに何も言葉を発しないまま街へと続く道を歩いていた。

そして、歩くこと約十分、四人は、賑やかな街の中に来ていた。

「へぇ~!すごい街ですね!」

リノアスは、目を輝かせた。まだ、新しい雰囲気のある店が立ち並び大勢の人で賑わっていた。

「そうだね、ここは、学園都市だし、結構、若者向けの店が多いからね。」

若者の憧れの街だよ。とユキトは、説明してくれた。やっと、笑顔に戻ってくれていた。

「それで、どこ行きます?」

リノアスが、訊ねてみる。わざわざ誘ってくれたと言うことは、何かあると思ったのだ。

「う~んと、やっぱり、武器に関した店を紹介するね。リノアス君は、大剣でギース君は、刀だよね?」

「ええ。」

「だったら、もしもの為に販売店と手入れをする為の店を紹介するよ。」

そう言ってユキト達は、案内するために歩きだした。

「あー。そろそろ、新しいインセントを買うかな。」

グラットが、何気なし呟いた。

「インセントって、グラット先輩は、鎖使いなんですか?」

ギースが、少し意外そうに聞いた。

「あん?鎖使いだが、なんだ、似合わないってか?」

「い、いえ、てっきりパワー系の武器を使ってるのかと思いまして・・」

そう言いながら、最後の方は、フェードアウトしていった。

ちなみにインセントとは、鎖のように相手に対して叩きつけたり、

鎖を相手の拘束や移動にも使うのだが、如何せん決定打に欠ける武器であった。そのため、近年では、インセントと呼ばれる交換可能なパーツを使うようになった。しかし、悲しい事に需要がない武器は、総じて値段が高い上に能力がピーキーなものが多かったのだ。

 

 

「よく言われるんだが、逆に今の先入観が、俺の武器だな。

熊人は、斧とか大剣なんかの武器を使いたがるっていうのを逆にとるんだよ。」

「なるほどぉ~。」

ギースは、関心したように尊敬の眼差しでグラットを見つめる。

「ま、俺から見たらお前の方が、刀なんて高度な技術が必要な武器を使いこなしてるから、そっちの方が凄いぜ?」

ワシワシとギースの頭を撫でるグラットと褒められて嬉しそうな

ギース。だが、どうしても身長差うえに先輩後輩というよりも兄弟のように見えてしまった。

「・・・・・。」

何故か、その様子に苛立ちを覚えるリノアスとユキト。

その視線を感じて慌てて離れる2人だった。

そんな事が、続いているうちに目的の店に到着した。

「えっと、M・A・S(マリアアームズショップ)?」

「うん、ここは、武器に関して手に入らない物がないと言い切れる店だよ。」

「そうなんですか。」

そう答えて四人は、入店した。

え・・・っと、店内の様子を簡潔に表わすと、武器の大展覧会だ。

全三階建で、その全てにもう置場が無い程、多種多様な武器や用品果ては、防具まで置いてあった。

「うわー。すごいな。」

これ以上の言葉が見つからない。

「去年の俺らもそんな感じだったぜ。」

「そうだったね。」

ユキト達は、可笑しそう笑って店の奥にあるカウンターに向かった。

 

 

そこにいたのは、新聞を広げて椅子に腰掛け、堂々とカウンターに足を組んで乗せた銀髪の女性がいた。どうやら、雑誌に夢中で気付かないらしい。商売で、その態度は、如何だろうか。

「マリアさん。」

ユキトが、声をかけた。すると、

「今日は、なんの用だ?」

素気ない声で、雑誌から目を逸らさないまま答えた。

「いや、今日は、後輩を紹介しに来ました。マリアさんは、一見さんお断りですからね。」

「後輩だと・・・?」

後輩という言葉に反応を示したのか、マリアは、雑誌をカウンターに置いて、顔を上げた。

「その後ろの坊や達か?」

「ええ。」

そう確認をとってからカウンターを飛び越えてきた。

その出で立ちは、ジャラジャラと音を発てるシルバーアクセが装飾された黒コートに深紅のインナーとダメージジーンズそして、

西部劇のガンマンが、履いていそうな鋲つきのブーツという女性らしさの欠片もなかった。

「ふ~ん。なかなか面白そうな奴らを連れて来たね。」

マリアは、ジロジロとリノアス達を眺めながらユキトに言った。

「それに・・魔剣に妖刀か。」

その一言に、2人は、心臓を鷲掴みにされたような衝撃を受けた。

「ど・・・どうして。」

 

「ハン!私は、あんたらより武器を見て来たんだ。魔剣や妖刀なんて私にとって珍しくなんてないね。まぁ、あんたらのヤツは特別らしいがな。」

マリアは、そう言ってまたカウンターに戻った。

「どうやら、特殊な武器ってのは、互いに呼び合うらしいな ユキト。」

「っ!?なんで、それを。」

ユキトも動揺した。どうやら何か隠していたらしい。

「私は、武器の専門家であり、トレジャーハンターだぞ?隠しても匂いで分かるのさ。」

フフンと自慢そうに鼻で笑いながらマリアは、カウンターの向こうに消えた。

その後には、いとも簡単に隠していた事を見抜かれたリノアス達は、しばし、固まっていた。

その理由は、今は、まだ語る事はできない。

なんとかマリアの店で、買い物(?)を済ませて店を出る頃には、日は、すっかり暮れてしまっていた。

「いや、なんか大変な一日だったな。」

リノアスは、ポリポリと頭を掻きながら呟いた。その言葉にギースも苦笑い顔である。

「ま、まぁ、マリアさんの店に行けば、魔銃の弾丸とかまで手に入るから定期的に顔出してみるといいよ。」

ユキトもまた、やはり苦笑いである。その理由は、彼の横にあった。

「ううぅ・・。高すぎだ・・。金が・・・。どうしよう・・・。」

呻きと単語単語しか聞こえない言葉を話すのは、グラットだ。

なぜなら、店に行く前に装備を買いたいと言っていたので、マリアに相談したところマリアが見つけて来た新製品を売ってもらったのだ。

・・・・半ば強引に。

その結果、グラット君の財布からかなりの紙幣が、飛び立って行ってしまったのだ。そのショックで、先程から廃人一歩手前まで陥ってしまったのだ。

「しばらくは、サポートするからね? 元気だして・・・ね?」

なんとか元気付けようとユキトが、必死に励ましている光景は、

なかなかコミカルだった。

「今夜、お礼に料理作りましょうか?」

何となしにリノアスが、提案してみた。

その途端、グラットが、リノアスの手を握り涙目で頷き続けていた。

その時、四人は、何かを感じ取った。匂いがしたのだ。

 

・・・・・血の匂いだ。

 

「こっちか!」

グラットは、素早く匂いの出処を確認して走り出した。

そこは、路地裏の一角であった。そこには、大型のネズミーラージマウスの

死骸が無数に転がっていた。

「一体、誰が・・。」

ギースが、油断無く刀の柄に手を添えて抜刀できる体勢で呟く。

 

「でりゃああ!」

 

急に奥から誰かの声が響いてきた。

「今の声・・・まさか!」

「行くぞ、ユキト!!」

ユキト達は、今の声に聞き覚えがあったのか、奥に向かって走り出していた。遅れてリノアス達も後を追った。

路地を抜け、広場のように開けた場所に出た。そこには、マウス達の大群の中で、闘っている2人の人影が見えた。

一人は、闇に溶け込めそうな漆黒の鱗と相反するような銀色の髪をした竜人と闇の中で目立つ純白の羽毛に覆われた鳥人が、背中合わせで闘っていた。

しかし、2人ともかなり体力を消耗しているらしく、肩で息をしている。

「ち! いくよ、グラット!!」

ユキトは、軽く舌打ちをしてからグラットに呼びかける。

「任せろ、相棒!」

グラットも呼びかけに答える。

2人に続いて戦闘に参加しようとリノアス達も武器に手を伸ばす。

「2人は、下がってて。」

ユキトが、前を見ながら言って2人を静止させる。

「え!?」

思わず、足が止まってしまうリノアス達に

「先輩らしいことさせてよ。」

そう悪戯っぽく笑いながらマウスの群れに2人は飛び込んでいった。

「くそったれ!なんで、こんなにいやがんだよ!」

黒竜人の青年は、重斧を飛びかかってきたマウス達に叩きつけながら

悪態をついた。

「そんな事言ってる場合じゃないでしょ。」

こちらは、落ち着いた口調で大鎌を振るうのは、白い鳥人である。

見渡せば、まだまだマウス達は、残っている。いずれは体力が尽きる。

正に万事休すの状態だ・・・。

しかし、いきなり後方に控えていたマウスが、吹き飛んだ。

「何!?」

2人は、驚き、その方向を見た。そこに立っていたのは・・。

「大丈夫かい?ヘルド、ルース?」

手に上下に大きな刃が装着された薙刀を握り立っているのは、ユキトである。

「ったく、世話が焼けるな お前らはよ!」

そう言いつつ鎖が、まるで意志を持っているかのように操り、マウスを締め上げ、投げ飛ばしているのは、グラットだ。

「は! 俺達だけで充分だってのに、美味しい所は持って行きやがって。」

言葉とは、裏腹に安心した様子の黒竜人―ヘルドは、軽口で返す。

「助かります!ナイスタイミングですよ!」

ヘルドと逆に感謝しているのは、白い鳥人ールースである。

「さてと、とっとと片付けますか。」

ユキトは、そう呟くと薙刀で空中を薙ぐ。見た目は、空振りだ。

しかし、次の瞬間、大量のマウス達が、バラバラにされていく。

「やるねぇ、ユキト!」

グラットは、賞賛しながらも指揮者のように鎖を操り、マウスを絡めとり、絞め殺していく。見た目に反して倒し方がエグい2人であった。

その数分後、マウスの大群は、全滅していた。

「ふぅ~。やっと片付いたか。」

ユキトは、槍についた血を軽く払い飛ばしながら言った。

「マリアさんのエンチャント使うの忘れてたぜ・・。」

そう呟きながらグラットは、鎖を袖の中にしまっていた。

「いや、助かりましたよ ユキトさん。」

ルースは、ユキト達にお礼を言っている。

死神の鎌を連想させる大鎌を振るうには、意外に細身な体つきだった。

すると、ルースの目が、立ち尽くしているリノアス達を捉えた。

「あれ、ユキトさん。あちらの方達は?」

「ああ、今年、入ってきた僕達の後輩だよ。」

そうルースに言ってから、リノアス達の方に手招きをする。

俺達は、猫か犬ですか・・・。 そう内心、思いながら従う。

「へぇ、珍しい・・・。ユキトさん達と同じような人達がいたんですね。」

ルースが、面白そうに眼を細め、掛けている銀縁フレームの眼鏡を持ち上げる。

「彼等も種族差別反対主義の人間だよ。 それに見た限り、かなり実力があると僕は、思ってる。」

ユキトが紹介してくれるが、買い被り過ぎである。

「だったら、本当の自己紹介してもいいかな。」

 

え・・・? 本当のって?

 

意味が分からないと思った2人だったが、その疑問は、一撃とともに消え去っていく。

「戦闘技能科2年 ルース・ブレイダルです。種族は、鴉人です。」

 

え・・・なに?

 

「じゃあ、俺も言うかな。俺も学科は同じで学年もユキト達と同じだ。

名前は、ヘルド・チェイスだ。種族は、白竜人だ。」

 

・・・・なんだって?

 

「まさか、御二人共、突然変異者ですか?」

リノアスの言葉にルース達の表情が曇る。

突然変異者―全種族で見られる稀にカテゴリー種の遺伝的特徴(例えば、鴉なら羽毛が黒のような)と反対の特徴を持って生まれてきた者達の事を総称してそう呼んでいる。彼等は、その常識離れした身体的特徴を持っている事が多く、そのために忌避される事が多かった。

「さすがに怖いで・・・」

「凄―い!!」

リノアス達は、ルースの言葉を遮る様に叫んだ。

「え?」

「だって、だって、突然変異者の方と2人も会えるなんて感激です。」

リノアスは、恐怖どころか感動で目を輝かせていた。

一方のルース達は、今までに無かった反応されて目を丸くしている。

そして、ユキト達に目を向けるが、2人は「ほらね」というような

顔をしている。その後は、リノアス達もルース達に自己紹介をしてその日は、

分かれた。

そのリノアスの背中をユキトは、密かに心の中で呟く。

 

君は、一体、何者なんだ・・・・?

何故、簡単に心を開くことが出来るんだ?

 

その答えを知っている者は、誰もいない。

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