俺は悪魔の国に所属している大悪魔、ソルトルだ。
俺は魔王様によりこの冥門の守護を任されている誇り高き至高にして究極の門番。
魔王様の命により門に近づく者には最大の苦痛と苦悩を与え追放、あるいは誘拐するのが俺の業務、
それはたとえ自分の命と引き換えにしても守らなければならない、『絶対命令』
とは言え俺の担当は無人の最下層の地獄へと続く道、この職務を続けているが、今までに蟻一匹にも出会った事がない。
若干自分の存在に疑問を抱く日々を過ごしている俺だか今日は信じられない事に“あの”最悪の地獄から人間の形をした何かが出てきた。
どう考えても唯者ではないが、俺の仕事は何が起ころうと変わらない、早速人間?らしき三人組に声を掛ける。
「――――――――――」
「」
「」
「」
こちらの言葉に対して無視、徹底的な無視‥‥‥成程流石に“あの”地獄から這いずり出て来ただけの事はある、
精神力は中々に高そうだ、初めての仕事でこの様な上玉に出会えるとは、長き生は実に不可解で予測のつかぬものだ。
人間との距離はまだ十分にある、ここは気を練り、俺自身の魂の格を底上げするべきだな。
もしかするとあの人間は俺より強いかもしれんしな、何せ“あの”地獄から抜け出したのだ、実力は折り紙付きだろう。
兎を狩るのにも獅子は全力を出すものだ、手加減などはしない、正々堂々正面から打ち破り魔王様に献上しよう。
ここの人間は刑期が終了するまで絶対に死なないからな‥‥‥絶対に死なない、ぶっ飛んだ概念を持った相手と戦うのは初めてだ、相手は死なない、相手は死なない。
心に刻みこんで置かないと油断して逆に殺されかねんからな、思い込みは精神体の悪魔にとって非常に重要な事だしな、唱えて損はあるまい。
魔王様より預かった我が武具『
いつの間にか自分の真下、門のすぐそばに来ていた人間達を凝視する、観察は大事だからな。
「――――――――――」
「」
「」
何やら話込んでいる様だな、さしずめ想像以上に門が立派で対処に困っているのだろう。
俺ですら傷一つ付ける事が適わない門だと言うのに‥‥‥哀れな。
ふむ、力を出すだけ出させてから抜け殻の様な奴らを攻撃する方が理に適っているか。
ならばせめて愚か者の所業を見届けるとしよう。
‥‥‥男が結界を張り、一番小柄な少女が拳を振るうか、見た目に惑わされてはいけないと言うことか、アタッカーとしての少女の能力に注意が必要だな。
後ろの女は何もしないのか‥‥‥一番強いボス、あるいは唯の箱入り娘か、どちらにしても司令塔としての能力がありそうだな。
結界を張った男は術式が得意なタイプか‥‥‥だが腕力が弱いと決まった訳ではない、様子見が必要だな。
とりあえずの戦法としては、魔法の弾幕で少女を牽制しながら、力を消費している筈の男に接近戦を挑み、女の出方を探る事が最善そうだな。
魔王様、俺にご加護を‥‥‥!