原初の大妖ルーミアの旅   作:小鳥

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地獄編Ⅶ

青白い極光が地獄の天を焼く、地質を捲り上げる程の激しい神風が地獄の大地をむしり取る。

 

前者はタカミムスビが、後者はカミムスビがそれぞれ練り上げた術式によるものだ。

 

地獄の大国、悪魔の国を荒らすのは、この世を作り上げた面面達。

 

信者が見れば聖戦だ!と声を荒げ、心を奮い立たせるだろうが、当の本人達にそんなつもりは毛頭なく・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「派手にやっているわね、ストレス溜まってるのかしら?」

 

至高天から降り注ぐ、絶望的に白い光線が私の髪を掠めて、横の悪魔を貫く。

 

上空に現れた立体型魔方陣が徐々に身を帯びて地に降り注ぐ。

 

前者がカミムスビ、後者がタカミムスビの術式によるものだ。

 

「本当に派手にやってるわね・・・よし!私も混ざりましょう」

 

言うが速いか、突如上空に尋常ではない数の小規模魔方陣が現れる。

 

一つ一つの魔方陣が持つ機能は唯の初級火炎魔法、だがその数がおかしい、億、兆と重なった魔方陣が全天を埋め尽くす。

 

ジリジリと回転する魔方陣群は、一瞥するだけで常人には発狂を、悪魔には絶望を与えるであろう。

 

その光り輝く光景を少女は満面の笑みで見つめながら――――一言。

 

「一斉射出」

 

ただ一言、それだけで焦らされた忠犬の様な魔法陣群は激しく発光し、燃え上がる。

 

人の頭程の火球が重力に従いゆっくりと、しかし確実に加速しながら地へ降り注ぐ。

 

降り注ぐ火球はお互いに重なりあい、徐々に速度と威力を増しながら空を飛ぶ悪魔を焼き始めた。

 

対する悪魔は空列隊を組み氷結魔法を連射、しかし圧倒的物量差に押し潰され、羽を焼かれ墜落。

 

そして地獄の大地は滝の如き炎の濁流に晒され、いとも簡単に融け流れていく。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――!!!」

 

「お゛お゛お゛お゛――――!!!」

 

無数の悪魔の断末魔も流石に轟音と爆音の前では到底敵わず、少女に届かぬ掠れた声を張り上げながら悪魔は朽ちてゆく。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!絶対に許さんッ!!貴様等など魔王様が必ずや――――」

 

「ちょっとうるさいわ、『多元封印』」

 

憎き大敵まで僅かにあと一歩というところで虹色の光が悪魔の体を包み込み、そのまま結晶化してしまった。

 

「やっぱり虐殺、弱い者虐めの類は心が躍るわね」

 

「使い魔は一匹も居ませんから、心が全く痛まないのが良いですね」

 

「まぁ、悪魔は世界の老廃物みたいなモノだからな、滅ぼしても痛くも痒くも無いな」

 

「じゃあどうして処分していないのよ?」

 

「労働力だけを見れば下手な神より有能だからな、勿体無いだろ?別に居なくても良いがな」

 

まぁ地獄で働きたい神なんぞ殆どいないでしょうし、それを考えると結構良い労働力かもしれないわね。

 

「ふーん、そういうものなのね・・・・・・さて、見た感じ、あれが最後の一匹だったみたいよ」

 

見渡す限り、無限に続く溶岩は、悪魔の街を空目する事すら適わない。

 

だが、よ~く目を凝らして見てみると、不自然に透明な円形の結界がある事に気が付くだろう。

 

この不審物こそが、地獄を恐怖と絶望で染め上げる、絶対王者、悪魔の王が住まう城である。

 

「さて、どうしようかな?」

 

法司の神は一人首を傾ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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