原初の大妖ルーミアの旅   作:小鳥

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龍宮城Ⅴ

(光の障壁を突破するのは私では闇の力抜きでは不可能、かと言ってこれ以上奴に造化の力を与える訳にもいかないから闇の行使は封じられている)

 

少女は圧倒的に不利な状況を打開する為に策を練る。

 

(だが、奴の保持するカミムスビとタカミムスビの力はそう多くない筈)

 

――――ならば、話は早い。奴の力が枯渇するまで私自身の腕力で光の障壁をひたすら殴り倒せば良いのだ。

 

「カミムスビ?タカミムスビ?アメノミナカヌシだろうが何だろうがやってやるわよォ!!!!!!」

 

少女は光の様に飛翔し、老人が展開している光の障壁に向かってその勢いを一切殺さぬまま剣で滅茶苦茶に斬りつける。

 

光の障壁と剣が織り成す猛烈な衝突音が水を失った海底に響き渡る。

 

対する老人も負けじと魔法で応戦するが圧倒的な速度を誇る少女の肌を掠める事すら出来ずに全てが空振りに終わる。

 

「ドラァ!!!!いい加減壊れなさいよ!!!!」

 

「ふぅ、ハエの様にすばしっこい」

 

ポキッ――――――――

 

少女の剣閃も益々勢いに乗り、更に強烈な力と速度を伴って光の障壁に叩きつけられたその時、耳が痛なる様な轟音に紛れて聞き捨てならない音が響き渡る。

 

それもそうだろう。辺りの空気を吹き飛ばしてしまう程のとんでもない勢いで振られ、そのままこれまたとんでもなく堅い光の障壁に叩きつけられる。

 

それが何千、何万と続けられていくのだ、いくら神鉄を練って作られた神剣と言えども中からポッキリと逝ってしまうのはある意味当然の事であった。

 

「チッ!!カミムスビの剣や私の剣が使えたらこんな面倒な事にはならないのに・・・!」

 

「得物が逝ったか・・・で、どうするのだい?」

 

飛び回っていた少女は宙に止まり、暫く折れた剣を茫然と眺めていた。

 

そして軽く笑うと剣を振り捨て、両拳を握り、再び前を睨む。

 

「拳が砕けても知らないよ?」

 

「知らないのかしら?私の拳・・・荒闇大妖神の拳は世界最強なのよ?良く覚えておきなさい!!!!!」

 

そう言うと少女は更に強力な勢いで光の障壁を殴りつける。

 

(これは・・・ひょっとして?)

 

その威力は数回殴りつけるだけで光の障壁を大きく凹ませ、更に数回殴りつけるだけで崩壊寸前まで追い込む程であった。

 

(間違いない、未だ誰も扱った事のない・・・否、見た事も聞いた事もない力が私の全身を駆け巡っている!)

 

「おかしい・・・どうして剣で殴られるより素手で殴られる方が損傷が激しいのだ????」

 

「言ったでしょう?我が拳は最強であると!」

 

目に見える速度で修復されていく光の障壁を前に勝利を確信した少女は笑う。

 

「アーハッハッハッ!!!こりゃあ骨が折れるわねッ」

 

拳を握り堅め、軽く振りかぶり光の障壁を軽く小突く少女。

 

それだけで光の障壁は砕け散り、キラキラと光り散らす破片の影に化け物を見る様な顔をした老人が隠された。

 

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