原初の大妖ルーミアの旅   作:小鳥

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飛翔龍Ⅱ

「消し飛べ!『極星』」

 

蒼白い恒星が闇を照らし、吹き荒れる熱風が少女の体を焼き融かす。

 

「あぁ、流石に超強烈ね、でもまだまだ私の方が上よ!お返しだぁ!」

 

どす黒い結界が光を押し返し、周囲の熱を全て一点に、すなわち龍の元に返す。

 

「反熱結界・・・いや、反情報結界の方が正確かな」

 

「当たりよ!私に放出系は通じないと思いなさい」

 

「確かに、普通の攻撃では情報の一切を反射する結界を突破する事は不可能だな」

 

「諦める?」

 

「龍の最大の長所は全ての術、全ての力、全ての属性を自在に操れるところだ」

 

迫り来る熱波に手突き出す

 

「そして俺は世界外壁の術式にも触れた、だから使えるのさ」

 

黒い液体がうねりを挙げて溢れだす

 

「全ての原点、全ての起原、全ての力」

 

赤い熱波が黒に消されてゆく

 

「混沌の極み、カオス」

 

黒い濁流が黒い結界とぶつかり、何事も無かったかのように結界を呑み込み、少女の元へと押し寄せる

 

「液体系の攻撃は避けにくいのよね」

 

黒の隙間を縫うように飛び回り、弾幕を張る

 

青と白で構成された二重弾幕は分裂しながら勢いを増し、黒を押し流してゆく

 

「造化秘術・『世界創造』、造化秘術・『世界創造』、造化秘術・『世界創造』、造化秘術・『天地開闢』」

 

押し流されたカオスを三重の世界で囲み、天地開闢に巻き込み分解してゆく

 

「世界が壊れかねない攻撃は自重しなさい!」

 

息を切らした少女の両腕は世界創造のエネルギーに変換され、一時的に消え失せてしまっている。

 

刃物で切られたかのような切り口からは深紅の血が勢いよく噴出し、彼女の金の髪を赤く濡らす。

 

少女はそれを見、煩わしそうに身をよじり、魔法を行使する。

 

高速回転する銀の魔法円に彼女の血は全て吸い寄せられ、銀に潜ると同時に龍の鱗を削り溶かし落とす。、

 

龍神の能力を持ってしても知覚することすら困難な高速弾幕攻撃。

 

それはタカミムスビが開発した、物質を瞬間に亜光速まで加速させる加速系最高峰の補助魔法にて射出された血液に高度な認識阻害とテレポートを組み合わせた、単純だが非常に回避が困難な組み合わせの魔法弾幕だ。

 

「こんなに可愛い美少女の血液を全身に浴びれるなんて貴方は幸せ者ね」

 

両手をニギニギと握り開き、感触を確かめたのち、少女は片手で世界を裂き、そこからひと振りの魔法剣をとりだす。

 

少女の背丈の半分程の小振りな剣は少女の魔力に反応し、仕組まれた魔法陣を起動させる。

 

「この剣は魔法剣、効果はベクトルのランダム拡散」

 

「つまり、君の腕力で振られた魔法剣を受け止めれば結界や刀剣は爆散し、被弾すればいかに巨大な生物や星でも、それこそ素粒子まで分解されたのち、宇宙の隅々に散っていくと・・・?」

 

「そういう・・・ことよっ!」

 

銀の輪に飛び込み、龍神に迫る少女。

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