原初の大妖ルーミアの旅   作:小鳥

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飛翔龍Ⅳ

幻想的な弾丸が少女の体に突き刺さる。

 

闇神の少女の能力をもってしても発現点を特定出来ない未知の弾丸は同じような軌道を描き少女に殺到する。

 

「ああっ鬱陶しいわね!」

 

ハエのように飛び続ける弾丸に苛立ちを覚えた少女は周囲の精霊もろとも全てを吹き飛ばそうと魔力を解放する。

 

圧倒的な魔力圧は物理も幻想も全て巻き込んで彼方へ押しやる、少女はその腹積もりで魔力を解き放ったのだが―――

 

「『五行精霊術・圧縮』」

 

何者かの声に触発され、少女の周りに転がる全ての弾丸が少女に向かって収縮し、弾丸同士が混ざり合う。

 

火、水、土、金、木の五行をそれぞれに含んだ弾丸はお互いに打ち消しあう力が働き、一度は反発しあうが、圧縮の術式により再度収縮し、お互いに混ざり合う。

 

完全な同等量の属性色は完全な制御の下、中央属性へと変化を遂げる。

 

「龍の力があれば中心属性、極めて不安定な属性を完璧に制御し、術式に組み込むことが出来る」

 

少女を取り囲む極めて白い発光体はうねりを上げて少女に襲い掛かる。

 

「『神鉄結界』」

 

神気溢れる鉄で出来た格子状の結界が白い発光体の進行を持ち前の神力で防ぎ止める。

 

「『神廃神退』」

 

極小星を受け止めきれるとカミムスビが豪語する神鉄も神気を失えばただの鉄と成り果てる。

 

「神力を消し飛ばす術式が存在するなんて知らなかったわ!」

 

「神力の解明には8000兆年も使ったよ、解明さえしてしまえば弱点術式を組むのは簡単だがね」

 

白い発光体の猛攻を持ち前の戦闘センスで避け続けながら思念を飛ばす。

 

「天上界に術式が知られれば即禁術ね!貴方、暗殺されかねない程ヤバい研究いくつしたのよ」

 

「前は只の海神だったから時を加速しての研究すら危なかっただろうね」

 

改めて龍となった己の身分に浮かされながら龍神は同意の念を飛ばす。

 

「さて、そろそろおしゃべりは終わりだ。僕が中央属性の球を圧縮するだけで君の体は跡形もなく消し飛ぶ」

 

「この状況、君がどう覆すのか・・・」

 

「僕はとても興味がある」

 

「ご期待にお答えしてッ!」

 

少女の掌に魔力の塊と言えるほどの絶大な魔力が浮かび上がる。

 

「魔剣アラヤミ!なんてね」

 

球だった魔力の塊が剣状へと変わり少女の手に収まる。

 

掌大の剣は振り抜く際に巨大化し、いとも簡単に中央属性を飛散させる。

 

「ふむ、圧倒的密度の力を塞ぎとめるのは属性の力だけでは無理みたいだね」

 

「なら、これはどうかな?」

 

龍王の号令の下、精霊が無数に集まり、その光で天から地まで塞ぐ巨大な壁が築かれる。

 

「『五行精霊術・解放』」

 

精霊が内包する自然の力を全て吐き出させ、その微々たる力で大魔法を組む。

 

「この数、この規模の大魔法弾幕、当然回避は不可能、これはどう対処するのかな」

 

「こういう場合はね」

 

少女はそこで打ち切り、

 

「『ありとあらゆる干渉を跳ね返す程度の能力』」

 

無敵になれる能力を起動させる。

 

能力を行使する為の力と理性が残っている限り、能力と同ランク以下の全ての干渉を跳ね返す。

 

「そんな能力まで保持しているのか・・・!」

 

龍神の顔は驚きと喜色に満ち溢れ、更なる術を組み上げ始める。

 

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