原初の大妖ルーミアの旅   作:小鳥

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古代編Ⅲ

「カミムスビーそれとってー」

 

「はいはい、みかんですよ」

 

今私達は人間が生み出した文明の利器に囲まれながら寛いでいる。

 

季節は冬なので、暖房にこたつ、テレビといった具合だ。

 

「おや、これは少し人間が不利ですね」

 

テレビに映っているのはなんと人妖大戦。

 

私やカミムスビの使い魔や式神を通しての中継映像だ。

 

式神や使い魔の数だけチャンネルは存在する、つまり映し漏れは無いって訳!

 

「参謀が紫だからねぇー、ツクヨミには辛いものがあるんじゃない?」

 

「しかし、このままでは決着がつきそうにないですね」

 

「まさか、人間が逃げの一手を取るとはねー」

 

私は分かっていたけど‥‥‥それは言わないし言えない。

 

いや、月行き片道ロケットが作られる前に全滅させる気だったのだけどね。

 

「どうする、景品?私はもう作ったのだけど、闇の剣」

 

「私も作りました、この場で交換しますか?」

 

「ええ、楽しみにしていたのよ、あなたの剣」

 

「ふふ、私もですよ」

 

そういって私達はお互いに空間転移術式を発動させて剣を取りだす。

 

私の手には光を無限に吸収する闇の暴剣が、彼女の手には無限に光を発光する光の暴剣が、それぞれに握られていた。

 

握手する様に剣を交換しあい、闇に光、光に闇が渡った。

 

「ふふ、素晴らしい出来栄えですよ、流石‥‥‥ですね」

 

「当たり前でしょ、あなたの光も私を消滅させる程輝いているわ」

 

お互いの子を讃えあい、祝福を挙げる。

 

「今、此処に荒闇大妖神は光に誓う、汝が子を我が手より離さんことを!!!」

 

「‥‥‥何をキョトンとした目で見ているのよ、誓いを立てただけじゃない」

 

「ふふ、此処に神産巣日神は闇に誓う、汝が子を我が手より離さんことを!!!」

 

これでお互いの誓いは成立したわ、もうアメノミナカヌシでもこの誓いを引き裂くことは出来ない。

 

永久に私の旅に付き合うのよ、覚悟しなさい、“荒光の大神”

 

「ふふ、誓いのおかげで私達の間にも回路が出来た様ですよ」

 

「初めから分かっていたのでしょう?」

 

「ふふ、秘密ですよ。‥‥‥此処に荒暴の誓いは成立した、もう何者にも私達の誓いを引き裂く事はできませんよ」

 

「!」

 

「ふふふ、先程のお返しです」

 

なんとも、まぁ‥‥‥嬉しいサプライズね、荒暴の誓い、か。

 

確かに、私達に共通するのは濁流の様な最強の暴力よね、中々良いセンスをしてるじゃない。

 

「やられた、わね、随分と嬉しい敗北だけれど」

 

私達の誓いは未来永劫と続いてゆくでしょう。

 

己を縛る縄が出来た癖に如何してこんなに嬉しいのでしょうね?

 

 

 

 

 

 

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