楽しんで頂けたら幸いです。
DMMO-RPG <Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game> 仮想世界で現実にいるかのごとく遊べる体感型ゲーム。
いくつものタイトルが開発され、多くのゲーマー達を
そんな中、西暦二一二六年に日本のメーカーが送り出した一つのゲーム。
その名は
アバター、外装、職業、武器防具 etc... 自由度が異様なほど広いそのゲームは爆発的な人気を誇ることとなった。
、、、、、、、が、それも一昔前のことだ。
「今日がサービス終了の日ですし、お疲れなのは理解できますが、せっかくですから最後まで残っていかれませんか……」
自分以外誰もいなくなった円卓の間、そこにポツリと寂しげな声が響いた。
ユグドラシル全盛期。数多のプレイヤーギルドが乱立する中で第九位、しかもギルメン総数たった四一人でPC、NPC連合千五百人もの大侵攻を壊滅に追いやった伝説のギルド「アインズ・ウール・ゴウン」だったのだが、サービス最終日にログインしたメンバーは片手で数えるほどだ。
そして今、最後のメンバーがアウトし、残されたギルド長「モモンガ」のみが残されたのだった。
沈黙、葛藤の後、モモンガはギルド武器を手に納めると円卓の間から玉座の間へと途中眼に止まったNPCを引き連れ足を運ぶ。最後の時を迎えるために。
同じ頃、一人沼地を疾走しているプレイヤーがいた。
「挨拶周りしていたらこんな時間だよ……あの人たちインしてるかな。」
サービス最終日、忘れられた墳墓に向かって沼地をひたすら疾走するのは、まだ少女と呼べるであろう姿だった。
その体躯を青を基調とした白いフリル付のエプロンドレスで包み、長い金髪を後ろに流しながら前を見据え走り続けるのだった。
~玉座の間~
待っていた。ギルド長として挑戦を受け入れるために。
待っていた。ギルド長として仲間を歓迎するために。
「過去の遺物か……」
モモンガはかつての仲間たちが作成したNPC達、作りこまれた設定を目で追いながら楽しかった日々を思い出していた。
そんな中、つい最後に眺めていたNPC、アルベドの設定に手を加えてしまう。「モモンガを愛している。」と
恥ずかしさに悶絶しながらも眼を閉じる。サービス終了まであと僅か。
23:59:57、58、59
このままブラックアウトして現実に戻る。戻ったらすぐ寝なくちゃ。
0:00:00……1,2,3、
「……どういうことだ?」
サーバーダウンの延期? ログアウトもチャットも出来ない
「どういうことだ!」
つい大声で叫んでしまったモモンガの耳にありえない声が響く
「どうかなさいましたか? モモンガ様?」
それは喋るはずがないNPC、アルベドの声だった。
「? え? ここ……どこ?」
墳墓に辿り着けず時間切れかと諦めた瞬間、一瞬真っ暗になったかと思ったら次の瞬間には草原に立ち尽くしていた。何かしらの不具合かとGMコールもメッセージも試したが応答はない。
「風の感触も匂いも感じる……身体は……アバターのまま……」
自分の身体をペタペタと触ってみると、しっかりと感触はあるが、大事な何かを失ったことは間違いない。
「……賢者どころか女の子になっちゃいました?」
理由あってユグドラシル最終日、女性アバターでログインした彼はガックリと膝をつくのだった。
……両者の邂逅まであと少し……