雄英高校サポート科 発目兄妹の日常   作:オティンティン大明神

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発目明ちゃん病的自分本位可愛いヤッター


始まりの日常

雄英高校、そこはヒーロー科に於いては倍率300倍を越す名門中の名門の学校。そして、その雄英は複数の学科によって形成されている。

 

花形であるヒーロー科。

ヒーロー科に落ちた者が行く場所と揶揄される普通科。

将来、ヒーロー事務所に務める達が挙って集う経営科。

そして四つ目、雄英高校がヒーロー科と同等レベルに力を入れて日々の教育に勤しんでいる学科、未来のヒーロー達の力になる為に日々を勤しむ者達の集まり。

 

それこそが雄英高校が誇るサポート科であり、そこに新たに入学してきた兄妹こそがこの物語の主役である。

 

「兄さん兄さん!新作のベイビーの話なんですが! 取り敢えず最終手段としての自爆機能と変形合体機能を取り付けましょう! いや、それよりもミサイルを山ほど詰め込んでいざって時にフルバースト出来るのも良いですね! 両手からは私のベイビーでもあるヴィラン捕獲装置を取り付けてバックパックと足に自由飛行が可能になるベイビーを取り付けましょう! 良いですね良いですね! 盛りがってきましたね! さぁ図をとっとと引いて創りましょう! そうしましょう! 」

 

サポート科が使う実験室に一人の少女の声が木霊する。その声を聞き、他の生徒達はまたやってるよと言わんばかりに呆れるような視線を向けた。街で見れば思わず振り返りたくなるような整った顔付きと女性として満点と言える肢体、そして快活で通りの良い声。場所が場所なら様々な人から声を掛けられるだろう。

まぁ。そんな彼女の駄目な部分を見た目だけで判断するならば、惜しむらくは彼女が油まみれである点としかも何日も風呂に入っていない為、垢で身体が汚れ切っている点、そして最後に、他者から見れば兄と呼ぶ者に対して溢れんばかりの愛情表現をぶつけている点だ。

第三者がこんな姿を見れば思わずドン引きしてしまう、どんなに見目が良くともやってる事がこれなら意味が無い。

 

そんな彼女の名は発目明、この雄英高校サポート科に推薦入学で入った才能溢れる少女。そしてそんな発目に背中から抱きつかれながらも、それを無視して一心不乱にパソコンを操作する少年。彼もまた少女と同じように整った顔立ちをしており、場所が場所なら異性に呼び止められても仕方がないレベルだ。しかしそんな少女と同じように彼も全身油まみれ、しかも肌は垢で汚れ切っている。顔立ちも殆ど似ており、他者から見て彼等が兄妹であるという事が即座に理解出来る。それほどなまでに彼等は良く似ていた。

強いて彼等の違いを言うならば、性別故の体付き、それくらいだ。

 

「……このままではエネルギー不足で動くことすらままならん。いっそエンジンを増設するか? うーむ……俺の個性を使って半ば無理矢理増設する事は可能だが、それでは俺以外が作れない。将来的にこの権利を売るとなると他者でも作り上げられる事が絶対条件……いやまて逆転の発想で考えよう。逆に考えてエネルギーが不足しない程度のスペックで……いや、それは作って楽しくない。ならこことここを合わせて……これを組み合わせたら……これでもダメか。いっそ先生に見て貰って知恵を借りるか? いやそしたら共同開発になるから利権が面倒くさくなる。取り敢えずはシミュレーターで理論値で動かせばどうなるのかを仮想上で試して見るのが良いな。良し、善は急げ。試してみるか」

 

そう一人呟きながら後ろから抱き着いてくる少女を無視してひたすらに少年はパソコンを操作し続ける、そんな少年の名前は発目京。後ろの存在を無視してひたすらにパソコンを操作し続ける少年が一体何をしているのかが気になり。少女、発目明は背中越しにパソコンを覗き見た。そしてその画面を眺め何度か頷く。

 

「む……何やってるんですか!凄く興味があります! ふむふむ……成程成程、ならここの数値とここの数値を入れ替えて見ればどうでしょうか! 」

 

そう言い背中越しにパソコンの操作を無理矢理奪い、勝手に操作し始める。そこで少女、明の存在に気づいたのか、少年、京の悲鳴が実験室に木霊した。

 

「うん。これで良し……ってアーッ! 馬鹿!やめろ明! お前それを弄るな馬鹿! 仮想上だからとは言えそんな数値でやればどうなるかなんて目に見えて……」

 

その瞬間、PCが異音を放ちながら煙を上げ始める。それを見て明は何秒間か不思議そうに首を傾げ、快活な声を実験室に響かせた。

 

「む……? 処理落ちですか。仕方ありません! さぁ兄さん! 私と一緒にベイビーの制作に移りましょう! 」

 

「ノォォォッ! 絶対消えたぞこれデータ全滅したわ畜生!あぁ煙が! 煙が出やがった! PCちゃゃぁん! 頼む!頑張ってくれ!今までのデータが消えるゥゥゥッ! 」

 

背中越しに兄に要求する妹、そして煙をあげるPCを見て悲痛な悲鳴をあげる兄。その光景を見なかったフリをして自分の作業に勤しむ生徒達、作業室は一部混沌に包まれていた。

 

「明! 一体何の用だ!俺の作業全力で邪魔しやがって! お前は自分の作業してた筈だろうが! なんで邪魔しやがる! 」

 

「少し気になったので弄りました! ごめんなさい! 」

 

眼前の存在が激昂する姿を見て、明は笑顔で自分本位な言葉を言い放つ。だが、そんな姿を見て被害者である兄はやけくそ気味に頷きながら叫んだ。

 

「畜生! いつもながら可愛い妹め! 今回だけは許してやる! 」

 

「ありがとうございます! それで兄さんは何を作ってたんですか? 」

 

「……台無しにしたお前が聞くなと言いたいが、まぁ良い。暴徒を取り押さえるマシンを作って、将来的にその権利を適当な会社に売りつけようかと思ってたんだが」

 

舌の根も乾かぬ内に先程作っていた物の詳細を問われ、少年は簡潔に説明をする。だが、その説明を途中まで聞いていた少女はそれを遮るように言葉を発した。

 

「まぁ……ぶっちゃけそんな事はどうでも良いんですけど。それよりも兄さん! さっき完成したコレなんですけど! 試運転は兄さんがしてみませんか! 」

 

「やだ……俺の妹、もしかして人の話を全く聞く気がない? 」

 

そうきっぱりと兄の言葉を切り捨て、明はリモコンのような機械を兄の顔にグリグリと当てる。

 

押し付けられたリモコンを持って嫌そうな顔をする兄の顔を見て、妹は笑い言葉を続ける。

 

「大丈夫です! 多分ですけど上手く動くと思います! 一息にボタンを押してください! さぁポチッと! 」

 

「まぁ……安全性は多分問題ないだろうし。別にいいけど」

 

そのままボタンを押す。その瞬間、実験室にバチバチと異音が鳴り響く。彼女が使っていたであろう場所に置かれてあった装置に取り付けられたPCがエラーを吐き出し、装置が煙を吹き出す。その光景を見ていた者達は、慌てふためきながら実験室から飛び出していく。そして少年は隣で不思議そうに頭を傾げる妹を抱え、叫びながら実験室から飛び出した。

 

「総員……退避ーッ! 」

 

「……あれ? 失敗しましたね? 」

 

実験室にいた者達が全員廊下へと飛び出し、最後に少年達が転がり込むように外に出て鉄製の扉を閉めた瞬間、爆音と共に鉄製の扉が衝撃でミシリと悲鳴をあげた。

 

その場で呆然と立ち尽くす生徒達。少しの間だが廊下が静寂に包まれ、その後。生徒達の視線が少年少女を貫いた。

 

「なぁ……あの爆発ってさぁ……」

 

「間違いない……俺見てたから分かるわ」

 

そんな声と共にじっと見詰められた哀れな被害者であり加害者は死期を悟った哀れな敗残兵の如く乾いた笑みを浮かべ、そして加害者はそんな視線を気にもせずに何時ものような快活な笑みで笑う。

 

「はは……いやぁ。うん、話をしよう? な? 」

 

「ちょっと失敗しましたね! それじゃあ次、頑張りましょう! 」

 

「明ァァッ!? お願い待ってプリーズ! お前のその言葉は火にガソリンぶっ掛けてるから! 」

 

視線に殺意が篭もり始める。その視線を感じ、兄は妹を姫抱きをするように抱え全力疾走で走り出した。

 

「……今日は帰りまーすッ! お疲れ様でしたーッ! 」

 

そう言い残し、全ての元凶達はドタドタと走り去る。被害者である生徒達は呆然とそれを眺めた後、鉄の扉を開き中の状況を確かめた。

 

爆発の影響で、全てが滅茶苦茶になった作業室。それを一通り見た彼等は工具を持つ。

 

「……ろせ」

 

ボソリと誰かが呟き、それに呼応するようにほかの者達も同じように呟き、最終的に全員が溢れんばかりの殺意を抑えず叫び声をあげた。

 

「「今日こそあの馬鹿兄妹を殺せェェェェッ! 」」

 

咆哮をあげ実験室から飛び出していく暴徒と化した生徒達。そして、後ろから聞こえる暴徒の声を聞き、少年は背中に冷や汗が流れるのを感じながらも走り続ける。

 

この物語はヒーローを目指す少年少女の英雄譚ではない。この物語は物を作る事に取り憑かれた兄妹と彼等によってワリを食う羽目になる被害者達の日常を描いた物語である。

 

「それで兄さん! 次のベイビーなんですがデザインはどうしますか!? いえ兄さんのデザインセンスが正直酷いのは百も承知なんですが一応合同で作るので意見を聞いておこうかと思いまして! 」

 

「……んな事は帰ってから幾らでも話してやるから後にしろこの馬鹿! 」

 

 

雄英高校サポート科 発目兄妹の日常、これより開幕。




よく分かんない設定
オリ主君 発目京
発目明の双子の兄妹であり、基本的に自分本位なヤベー奴だが妹のほうがヤベー奴なのでマトモに見える割合が高い。妹大好きマンなので発目明に基本ベタ甘

発目明
原作のヤベー奴

モブ
基本爆発オチに巻き込まれる哀れな存在
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