エクラ「異世界召喚されたwww」   作:ソウキ

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 白いマントを汚し、傷だらけになりながらも必死にミネルバと戦っているアルフォンスであるが、息はかなり上がっていて、疲れが見える。

 

 張り詰めた糸を連想させる緊張感が漂う戦場、武器を撃ち合う二人の戦士。

 

 その間に全力で割って入ろうと走り出した俺。即退場、するかもしれない。それでも前に出ずには居られなかった。

 夢の中の癖に恐怖心が一丁前にあって足が震えてやがる。

 武器を構えたアルフォンスとミネルバ、二人の前に俺は立ちはだかった。大きく振り上げられたオートクレールの刃が陽光を浴びてギロチンの刃を思い出させる様な光を放った。

「あなた、何をっ!?」

 突然、なんの力も持たない人間が割って入った事に動揺したミネルバが振り下ろした武器の軌道を無理に変える。

 その瞬間に俺と事前に打ち合わせたレイが魔道書から汲み上げた古代魔法をミネルバの愛竜の翼へと放つ。

 膨大な魔力の塊は予想通り飛竜の翼に直撃し、痛みに唸った飛竜が身体を捩らせ騎乗していたミネルバに大きな隙が出来る。

 間近で大きく鳴き叫んだ飛竜の声にと、神器オートクレールの迫力に自分から突撃したものの恐怖で膝から力が抜け、俺は思いっきり尻餅をつく。

 その横をアルフォンスが駆ける。

「小癪な真似を」

「そこだっ!!」

 すぐさま体勢を立て直し綱を引いたミネルバだったが、アルフォンスは構えられる体当たりする勢いのまま剣を強く打ち付け、オートクレールを叩き落とした。

 オートクレールは空を舞い、重たい音を立てて地面に落ちる。

「......」

 暫くアルフォンスの荒い呼吸の音だけが聞こえてきたが、やがてミネルバは小さく微笑んだ。

 

「見事、力は示された。私は契約から解放された。礼を言う。この地への侵略行為は終わりにしよう」

 

「よしっ」

「はぁー...」

 へたり込んだまま、安堵の息が出る。アルフォンスに俺の意図が伝わっていて良かった。

「しかし驚いた。戦略を見極める為に前線で武器をとる軍師も居るが、丸腰で戦闘に割って入られるとは」

「そ、それは...。ミネルバ王女なら戦う力の無い人間には攻撃して来ないんじゃないかと思ったから...」

 これが兄のミシェイルなどタイプよ将だったら今頃俺は真っ二つだっただろう。

「なんとか飛竜を足止めしたくて。いや、これもミネルバ王女の武人としての誇りを盾にした卑劣な不意打ちだと思うけど...」

「これが一騎討ちであれば納得が出来なかっただろうが戦場の中では不意打ちも仕方のない事。生きて勝たねば意味はない」

 よく敵将を囲ってちくちく経験値稼ぎをしたり勝てそうにない相手の持ち物盗んだり色々やった。その事を思い出す。

 武器を未装備にして守備が高いキャラで肉壁とか作ってたけど、あれ相当悪い事していたな。未だに足が笑っている。

 英雄達の中でもわりとあるあるな事なのだろうか。赦されて良かった。

 

「将である私が倒された今、パオラ達も時期に解放される事だろう...。今は自由の身だが侵略された紋章の意外にも戻っても、再契約をされかれない。だったら其方達と契約したいと思うのだが、どうだ?」

 

「それは有り難い!!やったな、アルフォンス」

「...うん。戦力が増える事はとても助かるよ。ありがとう、ミネルバ王女」

 ミネルバの提案にアルフォンスも承諾してくれた。

「えーっと、だったらペガサスナイトの子達を迎えに行ってあげて欲しい。シャロン達もどうなっているか気になるし、一度合流しよう。単独行動は危険だから、そこにいるレイと一緒に行って欲しい」

 自分の仕事は終わり。とばかりの顔をしていたレイにも声をかける。アルフォンスがミネルバに一撃をくらわせれたのに彼もひと役買っているので後でお礼をしなければ。

 ブンブン手を振っていたら気付いてくれたので、ミネルバと一緒に去って行った。

 

 

「これならは自分の身を危険に晒すような事は絶対にしないでほしい」

 二人きりになった途端にアルフォンス平坦な口調で注意をする。

 素直に怒られる覚悟をしていたが、とても冷静な忠告だった。

「はい」

「僕はもう失う事はしたくないんだ」

 そう言うアルフォンスの瞳は遠く、青い空の向こうを見つめている。

 その言い回しに、声音に確かな後悔の色を感じた。追求する気になれないほど、深い悲しみも。

「さて、いつまでそこで座っているつもりだろい?まだ帝国の兵達は退却した訳じゃない」

「あー、腰が抜けてしまって」

「...なんだそれ、君は僕が思っていたよりもずっと無茶苦茶な人だったみたいだ」

 笑いながら、俺に手を差し伸べてた。俺も恥ずかしさに引き笑いをしながらその手を取ろうと、

 瞬間、目の前で白い光が弾けた。

 それが何かと思う前に全身に痛みが走り、芝生生い茂る地に転がる。

 未だに身体を鈍い痛みを感じて、立ち上がる事も出来ず意識が半分暗闇に染まり、目の前の景色が眩んだ。

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