征服王の性格とか、言葉遣いもちゃんと把握できません。
間違ってたら教えてください。
2018/12/12
※征服王の言葉遣いの違いをご指摘して頂いたので、修正しました。
雁夜は、この場の、自分が置かれた状況に困惑していた。
「粗茶ですが、どうぞ。」
「お菓子もどうぞ。」
「おお、すまんのう。」
目の前には、ライダークラスこと、征服王イスカンダル。序盤の聖杯戦争で、聞いていた真名だ。
ツツジと桜が、お茶とお菓子を持ってもてなしている。
「まあ、そう構えるな。バーサーカーのマスター。」
「えっと……その…。」
「緊張するなって言っても無理そうだな。」
ガハハハっと笑いあぐらをかいているライダーに、緊張でカッチンコチンになっている雁夜は、正座で汗をかいている。
完全に油断していた時に突然のライダーの訪問……。
これについてなぜ言ってこなかったとツツジに詰め寄ったものの、ツツジは、敵意特有の嫌な“匂い”がしなかったのだと答えただけだった。
しかもあろうことか家に上げてしまった。
家に上がった瞬間、敵意を出したらどうする気なんだと思ったし、止めようとはしたが、ライダーの豪快さというか、そういう雰囲気に飲まれてしまいズルズルと行ってこの状況だ。
何をしに来たんだと言いたいが、言葉が出ない。
「征服王にしてイスカンダルたる余が何をしに来たんだと言いたげだな?」
「うっ…。」
「ちょっとばかり気になった。」
「はっ?」
「ようするに気まぐれよ。だからそう硬くなるな。」
「は、はあ…。」
「まあ、無理なモノは無理か。しかしお前とてこの聖杯戦争に参加する身。たかがサーヴァントを前にしてそのような有様でどうするのだ?」
「っ…。」
「……余は、近頃マスター共の間で噂になっているお前自身について、気になったのだ。分かるな?」
「それは…。」
つまりライダーは、バオーの力を振るう時の変異について聞きに来たのだ。
雁夜は、思わず部屋の隅で控えているツツジに目線を送った。
寄生虫バオーのことを話すべきか、否かを問うために。
ツツジは、プルプルと首を横に振った。
「……それは秘密…です。」
「だろうな。お前自身もよく分かっとらん。そうだな?」
「うぐ…。」
雁夜は、寄生虫バオーのことをすべて知っているわけではないし、まだ寄生されて数日しか経っていないので自力でコントロールすらもできていないのだ。どうやら初めから尋ねてきたものの、答えは見透かされていたらしい。
「そこな、小僧に見える娘の方が知っておるようだが、口を開く気はなさそうだから今は置いておこう。」
ライダーは、寄生虫バオーについてツツジの方が詳しいことも見抜いていた。
「バーサーカーマスターたるおまえに問う。この聖杯戦争にいかなる願いを?」
「それは……、俺は…。」
最初は、桜を間桐家から解放するために聖杯を持ち帰ると臓現に約束したことだ。そしてそのついでに時臣を殺そうとした。
だが今は……。
返答に困っている雁夜の姿に、ライダーは、フンッと鼻息を吐いた。
「理性もなき英霊に、理由無きマスターか…。なあ、お前…、なぜ生きている?」
「えっ?」
「人間とは良くも悪くも欲深いもの。余とて単なる威勢で征服王などと名乗ってはいない。だが、お前はどうだ? 理由も無く、なぜ、あらゆる願い叶える聖杯を手にせんと参加しているのだ?」
「それは、……それは…。」
「遠坂時臣を引っ張り出すためだよ。」
言葉に詰まっていた雁夜の代わりに、ツツジが答えた。
「娘、お前には聞いていないぞ。」
「そういうわけにはいかない。なぜなら、遠坂時臣…、ここにいる桜ちゃんって女の子のお父さんに、どうして間桐の家に桜ちゃんを養子に出したのか。その理由を聞くことと、桜ちゃんが受けた痛みを教えるため。そのために、私達は雁夜さんに戦って欲しいって頼んだの。だから私が答える。」
「……報復か。」
「そういうことです。」
ツツジがキッパリと言うと、ライダーは、腕組みをし、フーンっとつまらなさそうにした。
「あんたに……、征服王たるあんたには、つまらない理由だろう…。だが……、俺達には俺達なりに戦う理由なんだ。」
ツツジの言葉のおかげで緊張がほぐれた雁夜がようやくまともに喋った。
「時臣に報復したら、俺は……この聖杯戦争を降りるつもりだ。」
「自ら、目の前の宝を捨てるということか?」
「そうだ。俺にとって聖杯なんて、単なる理由付けに過ぎない。……取り合いは、あんた達が勝手にやってくれ。」
「ほー。」
「何度も言うが、征服王たるあんたにはつまらない理由であることは承知している。だが…、それ以上でもそれ以下でもないんだ。」
「では、そこな小娘の負った傷を治すという願いすらも捨てるということか?」
「……!!」
思い至らなかった聖杯戦争に参加する理由を出され、雁夜は驚愕し目を見開いた。ライダーは一目で桜が何かしらの虐待によって酷く傷ついていると見抜いたのだ。
ライダーは、大げさにヤレヤレと肩をすくめた。
「その程度のことも考えつかんとは、器が知れるわ。」
「くっ……。」
「……いいの。」
悔しさに歯がみする雁夜。すると黙って座っていた桜が言った。
「桜は、このままでいい。」
「桜ちゃん…。でも…。」
「おじさんが死んじゃうかもしれないなら、このままでいい…。」
「桜ちゃん!」
「いいのか、小娘? その身に受けた痛みも屈辱も、その幼き心身に抱えて生きる気か?」
「私は、いい。それよりも、おじさんがいなくなるほうが、怖い……。」
桜がそう言うと、ライダーは、大笑いした。
「これは参った。その小ささで悟るか、小娘。清き身を取り戻すより、そこな器の小さき男を選ぶか!」
「はい。それと、おじさんのことを悪く言わないで。」
「参った、参った。少々虐めたことは詫びる。すまんかったな、バーサーカーのマスター。」
「あ…、いえ…。」
「いや~、参ったな。では、こうしよう。」
するとライダーが改まったように言い出した。
「余は、お前達のすることには邪魔立てはせん。これでどうだ?」
「はいぃ?」
「つまり、私達の報復を邪魔しないってことですね。」
困惑する雁夜の代わりにツツジが言った。
「そうだ。帰ったら、うちの小僧にもよーく言っておく。お前達は、お前達の戦いをしろ。余は、お前達とは戦はせん。」
「そ、それで…いいのか?」
「征服王たる余が誓ってやる。ただし、お前がもしも聖杯を求めると気を変えたならば……。」
「容赦はしない…か…。」
「その通りよ。あくまでもお前達の遠坂時臣とやらへの報復を止めんし、そのための戦いを傍観するが、それを違えるならば余は、余の理由によってお前達と戦をするだけのことよ。」
「分かった…。ありがとうございます…。」
「礼などいらん。礼を言うならば、気丈にもすべてを受け入れ生きると決めた、そこな小娘に言うのだな。」
「分かりました。…ありがとう。そして、ごめんね、桜ちゃん…。」
「謝らないで、雁夜おじさん。」
「では、余は帰るとしよう。」
「あ、お見送りを…。」
「いや、結構。そこそこ面白かったぞ。では、な。」
ライダーは、霊体化して、消えた。
ライダーが去った後、雁夜は、ヘナヘナと力尽きた。
「死ぬかと思った……。」
「よく頑張りました。」
「おじさん、お疲れ様。」
二人に労われ、雁夜は、起き上がったのだった。
こうして、ライダー……、征服王イスカンダルとの約束が交わされたのだった。
桜に免じてバーサーカー陣営との戦いを休戦することを約束した、征服王でした。
なぜ勝手に決めたとウェイバーが五月蠅そうですが、黙らすでしょう。
桜を間桐に行く前の状態に戻すという願いを理由にするというのも考えたけど、今の桜がそれを拒んだとという流れにしました。
若干ヤンデレ(?)かな? もう雁夜おじさんだけいればいいみたいな。
だけど、あの汚染された聖杯では、絶対に願いは叶わないからなぁ……。
ライダー(征服王イスカンダル)との関係はこんな感じなりました。いかがだったでしょうか?
2018/12/12
しっかし、難しいわ! Fate!