R18を書こうと思ったけど、想像したらエグかったので、無理でした。
その代わり、最初だけちょっとギャグ調。
捏造設定で、時臣さんが、虫嫌いです。
ギチギチ、ガサゴソ、カサカサ、ミーミー、ピーピー……。
聞く人によっては、ゾワゾワってなりそうな音と共に、変な甲高い鳴き声が聞こえる薄暗い地下の蔵。
ここは、間桐臓現が生産して飼育していた、間桐の魔術に欠かせない蟲達がいる場所だ。まあ、蟲蔵というやつだ。
蟲の海と言って良いほど埋め尽くされた部分を見渡せる段差の上は、開けており、そこでは……。
「どうした、時臣?」
「……勘弁してください。」
雁夜に向かって綺麗に土下座している時臣と、その隣で座り込んで腰を抜かしている葵がいた。
この後すぐに葵から聞いた話だが、なんと時臣、虫の類が嫌いだったらしい。特に芋虫系。
「ハーーハッハッハッハッ! 残念だったな時臣! 間桐の魔術の施術で使われるのは、お前のでぇ嫌いな芋虫系ばっかなんだよ! しかも見ろ、このデカさ!!」
「キャーーーーーーーー!!」
雁夜が一匹持ってきて、ビチビチと暴れるそれを土下座している時臣の横顔に押しつけると、男の甲高い悲鳴を時臣があげて、ズザザザっと、蔵の端の方に逃げていった。
「だが安心しろ! 魔術的な施術はしない!(※というかできない。調整役の臓現が死んでるため) かじられて、舐め回されて、穴という穴に入り込まれて蠢かれる程度の苦しみで済ませてやるから!!」
「いやあああああああああああああああああ!!」
葵の悲鳴ではない。時臣の悲鳴だ。
「やめて、お願い、許して、雁夜くん…。」
「ダメ。」
許しを請う葵を、ばっさりと桜が切り捨てた。
「さ、さくらぁ…。お願い…、私達を許して…!」
ついに何度目かの泣きに入る葵。
「ダメ。」
しかしそれをばっさりと桜はまた切り捨てた。
「ただし! 期間は限定する! 桜ちゃんが、この間桐の家に来て、蟲蔵に放り込まれてから、俺がこの家に戻ってくるまでの間だ!!」
「年単位…。」
腕組みしてそう告げる雁夜と、同じく腕組みして桜がトドメを刺す。
ついに時臣と葵が滝のように泣き出す。
「とりあえず、まずは! 1時間程度頑張ってみようぜ! 死にそうだったらすぐに引っ張り上げるからよぉ!! 修行無しで俺だって一年は耐えれたんだから、きっとだいじょうぶだ!!」」
「いやあああああああああああああああ!!」
「やめてえええええええええええええ!!」
「ダメ。」
ドンッと、桜が二人を蹴って突き落とした。
「わぁお。」
蔵の出入り口から見てたツツジは、おっかないとばかり口を手で押さえていた。
久しぶりの人間が放り込まれてきて、ざわめく蟲の音と、二人の悲鳴のBGM。
その後、1時間が経過するまで上に上がり、お茶をしたのだが、雁夜は、笑いながら泣いてるし、桜は鉄仮面のように無表情だしで……。
「復讐って、空しいねぇ…。」
自分も人のこと言えないけど…っと、ツツジは呟いたのだった。
たぶん……、養子に出されてから一年くらいは経ってるのかな?
それぐらいは、頑張ってもらうという期間限定の罰です。
桜ちゃんが、もはや桜様(?)。
初恋の人を間桐の魔術に染めたくなかったから身を引いたのに、結局桜のために初恋の人の葵を間桐の蟲の中に放り込むことになったので、雁夜は一時的に気がおかしくなって泣き笑いしています。
桜は、過去にやられたことを思い出してしまい、感情喪失状態に一時的に戻ってしまう。
復讐って……、きっと必要なら必要だけど、やる方もやられる方もダメージデカいよね。きっと……。