三人が秘密機関ドレスを滅ぼし、間桐邸に帰ってきた頃。
ギルガメッシュは、無意識にツツジが苦手という話。
秘密機関ドレスが、闇の世界で人知れず滅ぼされて一週間後くらい……。
間桐邸に帰ってきた三人は、ゆっくりと戦いとは無縁の日々を過ごしていたが……。
「あれ? 成金金ぴかサーヴァントだ。」
「っ…。」
「人の顔見て、なにその反応?」
「失礼なサーヴァント。」
ライダースーツ姿で歩いていた、アーチャーことギルガメッシュを、買い物中だったツツジと桜が見つけて話しかけたら、ギルガメッシュは、心底気分を害されたと美しい顔を歪めた。
「我は…、もはや人に使われるマレビトではないわ。」
「でも英霊は、英霊でしょ? 実体化したって。」
「…知っているのか?」
「あの日…、あなたが実体を持ったのを匂いで感じた。綺礼って人も復活したのもね。」
「…ふん。」
「ねえ、なんで目を合せないの?」
「我の目を欲するなど、片腹痛いわ。」
「私のこと嫌いでしょ。」
「ああ、そうだ…。コラ! 何を言わせるか!」
カッと怒ったギルガメッシュが、とうとう顔をツツジに向けた。
「安心して。私も、あなたのこと嫌いだから。」
「貴様、我に向かって堂々と言ってくれるな?」
ギッと、ギルガメッシュがツツジを睨む。普通なら獅子も怯えすくむほどの睨みだが、ツツジは平然としている。むしろギルガメッシュの反応を楽しんでいるようだ。その態度に、ギルガメッシュは、ますます不機嫌になる。
そしてとうとう王の財宝を背後から展開した。
「わぁお。気に入らないとすぐそれだね。それって、後で知ったけど王の財宝なんでしょ? ずいぶん散財するんだね? 大盤振る舞い?」
「その口…、今すぐ閉じろ! でなければ、その腹立たしい笑みを浮かべている顔をズタズタに引き裂いてくれるわ!」
「やだよぉ。」
「死ね!」
「やめろ。ギルガメッシュ。」
王の財宝を発射寸前のところで、ギルガメッシュは、後ろから綺礼に殴られた。
「綺礼! 貴様、止めるな!」
「事後処理のことを考えろ。ここは町中だ。こうして、おまえが王の財宝を展開したことに関する記憶を消して廻るだけで手間なのだぞ?」
「じゃあね~、自称王様。」
「自称ではない!! 殺す!!」
「やめろ。気持ちは分かるが。」
ギャーギャーと騒ぐギルガメッシュをなだめる綺礼を残して、ツツジは、買い物袋をもって桜と一緒に間桐邸に帰って行ったのだった。
「ふむ…。あのゲテモノの娘…、神話の王をここまで怒らせるとは、中々面白い。まさに天敵か……。」
ぷんすか怒りながら教会に帰っていくギルガメッシュの後ろをついて行く綺礼は、ふむっと顎に手を当ててそんなことを呟いたのだった。
ツツジ相手に空回りして、ぷんすか怒るギルガメッシュが書きたかっただけです。
受肉したギルガメッシュ相手だと、攻撃を避けるだけで周りが大惨事でしょうね。
実は、ツツジが刻印蟲を食って魔力を取り入れ、雁夜とは違う意味で即席魔術師になって一時的にサーヴァント相手にダメージを与えられるようなるというチートを考えましたが、ここではまだその方法を実行していません。