【再建中】気まぐれビルダーのコメディ風、~剣神の記憶を添えて~ 作:シイナ リオ
「これは……最近現れたピラミッドなる建物じゃねぇか」
「凄く大きいけど、いったいこれは何なの?」
ピリンと合流した俺達はピラミッドに来た。
ちなみにピリンは猫……ゲレゲレに乗っている。
「【おおきづち】たちが作らされたんだってさ、ちょっと気になってな」
「ふむ……なんでも死者をまつり、魔物の王を神とあがめるための場所らしいぞ。
中にはお宝でも眠ってるって話だが、手を出さないほうが_「お宝!? 探すぞ!!」話を聞いてくれ……」
「冒険、楽しそうだね!!」
ピリンもよく分かっている。
レンガで出来た巨大な建物は迷路のようだった。
「あ、ここ土の壁がある」
「本当だ!! なにか隠してるのかな?」
「真っすぐ行かないのかお前は……」
この迷宮探索を楽しむ俺達にゆきのへのおっさんは呆れているが、仕方ないだろう?
「お、ツタがある!! なんだ何もない……」
「ねぇビルド、一つ土の壁があるよ!!」
「ナイスだピリン!! またツタがあるな」
「ねぇビルド、今度は何かあったよ!!」
ピリンが見つけたツタの向こうにあった宝箱には金属製のブーツが入っていた。
「ブーツ?」
「それはメルキドブーツじゃないか!? 勇者の伝説には刻まれていないが、それは別の伝説で伝わる靴じゃないか!! それを履けばどんな高い所から落ちても無傷だ」
「凄い!! 建築に丁度いいね!!」
それからも
「このピラミッド中の『カベかけ松明』を貰っていくんだ!!」
「町の灯りはまだまだ足りないもんね」
「どんだけ手に入れるつもりだお前さん達……」
と、ゆきのへのおっさんに呆れられたり。
「ビルド、今度は『暖炉』を見つけたよ」
「こんな所に暖炉だと?」
ドラゴンがソファーを落とした事もあり、細かいことは気にしないほうがいいと思うぞ?
そんなこんなで寄り道をしながらごっそりと宝物を手に入れて、一番奥深くまでたどり着く。
「なんだあれ?」
ピラミッドの最奥には、祈りを捧げる人間たちがいた。
「おお、りゅうおう様ぁ……」
「あんたらも祈りを捧げな」
石像に祈りを捧げる人々……りゅうおう“様”?
「こんなに沢山の人が居るよ_「駄目だ」」
どこか嬉しそうなピリンをゆきのへのおっさんが止めた。
「あいつら……どこか違和感を感じる」
「違和感?」
そう言われると確かにこの場所に居る人々は変な感じがした。
試しに周囲の灯りを全て取り外してみるが、穴の開いた天井の光のみになっても彼らは全然動じない。
「ねぇ……ビルド、この人達おかしいよ……」
……その時だった。
「ん? 暗くなった?」
「いやまて、天井を見ろ!!」
ピラミッドの頂上は大きな穴が開いている。
だが、その大きな穴を人型の巨大な何かが塞いでいた。
そこから何かが降ってくる!!
「な、なんだあれは!?」
ゆきのへのおっさんが驚愕する。
目の前にいるのは巨大なストーンマン。
同じく初めて見ただろうゲレゲレは毛を逆立てて「シャー!!」と威嚇をするが、
ストーンマンはそんな事を動じず、前回同様殺気を立ててこちらへ来る。
……が、それだけじゃなかった。
「人間!! よくも『火をふく石像』を!!」
祈りを捧げていた人々が全員、魔物へと姿を変えた。
「「「!?」」」
よく見れば、ちゃんとした服装の者達は『まどうし』へ、ボロの服を着た者達は『がいこつ』へと姿を変えている。
「まさかこいつら、竜王に魂まで売りやがったのか!?」
「追いかけてくる……!!」
早速ピリンとゲレゲレが攻撃する……が
「駄目!! この人達、どらドラゴン程じゃないけど強いよ!! っきゃ!!」
「にゃぁ!?」
数が多すぎる……
「そうだ、トゲわな!!」
ピリンとゲレゲレを追いかけるがいこつ共はトゲわなを喰らってあっけなく倒される。
「『まどうし』が火の玉撃ってきたぞ!!」
「うおっ」
トゲわなを踏まずに生き残っていたまどうしたちに思わず落ちていた『火をふく石像』を壁にする。
「「「ぎゃああああ!!」」」
「なるほど、こういった使い方もあるか!!」
燃え上がる炎がまどうしを焼き、倒す。
だが巨大なストーンマン相手には歯が立たないようで、壁にしていた石像も破壊された。
「っく、ここは一先ず退散しよう!!」
「そうだね……私のばくれつけんでも、ストーンマン相手には難しいよ……」
どうやらピリンのばくれつけんでも無理らしい。
ゲレゲレも下手すりゃ爪が砕けるだろう。
破壊された石像も回収し、俺達は急いでピラミッドを出た。
息も絶え絶え、
「まさか人間が魔に落ちるとはな……いや、一部の人間は服装とかからずっと昔から魔に落ち、生きてたのかもしれん」
「どういうこと?」
「ワシのように古着とはいえこういった服を持てるだけでも裕福なのだ。
普通の人間ならボロの布を着るしかない」
確かに、ロロンドのおっさんと、ゆきのへのおっさんを除き、みんながみんなボロい服を着ていた。
なのに、このピラミッドに居た元人間たちの中でまどうしになった奴らは身綺麗だったな。
「そろそろ『キメラのつばさ』を使うか」
「持っておったのか……」
「だってさ、わざわざこれで帰るよりも帰り道も採取してった方がいいだろう?」
「ちょっと怖かったけど楽しかったしね」
俺たちは『キメラの翼』を使い、町へ帰るのだった。
「しかし、ここが嘗て城塞都市メルキドがあった場所か……」
「最初は完全に跡地って感じだったけどな」
「ほう……やはり巨大なゴーレムに滅ぼされたというのは本当だったのか……」
「ゴーレムはメルキドの守り神って聞いたけど?」
「メルキドが滅びたのは何百年も前だ、実際のところ、何があったのかワシは知らん。
だがな、メルキドの生き残りが語り継ぐ話だそうだ……」
「おお、帰ったかビルド!! ピリンもよく無事だった。
そして貴方が伝説の鍛冶屋の子孫だな?」
「ただいま、みんな!!」
それからみんなで飯を食う時に色々話した。
新しい料理を食べ、今回の旅の話をツマミにして。
そういえば『パン』はケッパーと旅した時に小麦を手に入れたが、料理用たき火じゃ作れなかったんだ。
更にこれを飾りように『パンとカゴ』を作れば、新しい部屋が作れるかもしれない。
ピリンのちゃんと食える料理で『豆乳』が作れるようになったのも良い。
『豆乳』栄養価も高いし、食事時の牛乳感覚で飲める。
そうだ、『きのこ豆乳スープ』なんかもできそうだ。
「そうだロロンドのおっさん『火をふく石像』っての手に入れたんだ」
「おお!! それがあれば『はがねの守り』が作れるぞ!!」
「しっかし大丈夫なのか? ロッシや、ゆきのへのおっさんが言ってたんだが、
町を発展させれば、ゴーレムによって町が滅ぼされるとか言ってたが……」
「ぬわっはっは! 心配するな。 おぬしの物作りの力と、吾輩の頭脳、そしてメルキド録録があれば、
メルキドを復活させ、魔物の親玉を倒すことも夢ではあるまい。
吾輩に全て任せておけ! わーっはっはっぐわーっはっは! ごほ、げほっ!」
それから数分後、敵が攻めてきたりしたが……まぁ大した事は無かった。
何せ強力な武器や石像などのトラップによる防御により殆ど安全に戦えるのだから。