【再建中】気まぐれビルダーのコメディ風、~剣神の記憶を添えて~   作:シイナ リオ

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ゴーレム戦でまる1話使おうとしたら間に合いそうになかったです……。

まことに勝手ながらゴーレム戦のみ、後日投稿(未定)での投稿します。


戦後、さらばメルキド

 「ただいま、みんな!!」

 「「「お帰り、ビルド!!」」」

 

 破壊された町の素材を集めは村人総勢でやることになった。

 

 「まず『大倉庫』を設置してくれ、流石に不便だからな。

それで『収納箱』を川川の字に並べるんだ。

 素材、ブロック、植物など、部屋家具、外装家具、内装家具、その他、

と、並んで入ればわかりやすいだろう?

 ああ、ピリンとチェリコは『ごはんどころ』を作って、料理を作ってくれるか?

結構な作業になるから、時間がかかるだろ?」

 「わかった」「頑張ってね!!」

 ピリンの創作料理でなければ大丈夫だ。 ……創作料理じゃなければ……。

 チェリコならピリンの創作料理を止めてくれると信じてる。

 

 その他に『まほうの玉』や『トゲわな』など戦闘用の武器、

『設計図』『みちびきの玉』『なつかしの堅琴』『旅の扉』『作業台』を箱詰めする。

 

 「部屋家具用は、たいまつとか『明かり』『扉』や『ベッド』と言ったものを入れるんだ」

 「ビルド、『土』が多いんだが……」

 「ああ、『土』は専用で箱を詰めていってくれ。 土ブロックはかなり多いし、よく使う。

『しきわらセット』とかリフォーム系で別の素材に変換もできるからな。

 それと『白い岩』と『黒い岩』もかなり多くなるからこれも白と黒の岩の専用で。

他のブロックはブロック専用の箱で雑多に入れといてくれ」

 「うむ、わかった」

 

 「ビルド、素材の箱がいっぱいになったんだが?」

 「それなら植物素材と魔物素材は別に作ってくれるか?」

 「了解」

 

 「なぁビルド、『丸石』『小石』『きりかぶ作業台』はどうするんだ?」

 「それらは植物の所に入れておいてくれ」

 「ああ、わかった」

 時折、魔物の邪魔は入ったが、それほど時間をかけずに分別は終わらせる。

 

 

 そして、青空の下で勝利の朝食を食べながら俺たちは会話する。

 町にあるテーブルを全部使い、女性陣二人に作ってもらった料理を楽しむ。

 【ストーンマン】から手に入れた『ラウンドテーブル』も……だ、ゴーレム岩が欲しい時に出てきて困ったが、こうして使う時が来るとは。

 

 そう考えているとロッシが話しかけてきた。

 

 「……やめておけって言ったのによ。

見てみろ、地下まで殆どなくなっちまった。

せっかくの部屋も、防壁も、何にも無くなっちまったじゃねぇか!!」

 「いやぁ、まさか『解体ゴーレム会社』のおおきづち社員が頑張っちゃって……なんてな」

 「ふふふ……ははは……ははははは。

これからまた新しく町を作るのが楽しみだな!

苦労かけたな。 ……ありがとよ、ビルド」

 そう俺らが話す中、スラタンとゆきのへのおっさんが会話しているのに気付く。

 

 「あのゴーレムがこの町の守り神だったんだよね?

じつはね、ぼくには聞こえたんだ。 消えちゃう前のゴーレムの言葉が。

 『みんなでなかよくくらしてほしい』って、それだけが自分の願いだって言ってたよ。

あのゴーレムもほんとは僕たちと一緒に暮らしたかったのかもね」

 そんなスラタンの言葉にゆきのへのおっさんは、

 

 「ゴーレムの最後か……アイツはワシらにとっては脅威だったが、思えば悲しい存在なのかもしれねぇな。

だってそうだろ? アイツはアイツなりにただ、メルキドを守ろうとしただけなんだ……。

 ……まぁ、けど心配すんな! 伝え聞く話じゃ、アイツも人の手が作り出した物、

きっといつかまた、みんなの手でこの町の守り神を復活させられる日も来るさ!!」

 そういってゆきのへのおっさんはスラタンを潰さない程度に撫でている。

 

 そんな様子を見ていたら、ピリンがケッパーに戦い方を教えてもらっているの見かけた。

 帰ってきた時のことを思い出す。

 

 『お帰りビルド!! それと、ごめんね……。

物を作るのも魔物を倒すのも、みんなビルドに任せっきりで……。

わたしもっと強くなるよ!ビルドと一緒に物を作って、魔物と戦えるように!』

 と、だからピリンはケッパーに教えて貰っているんだ。

 

 

 こんな人々の笑顔を見ている中、ロロンドが来た。

 「ビルド、よくぞよくぞゴーレムを倒してくれた!

これでこの町は救われた! ビルドよ……ありがとう、ありがとうっ!!

……むむ!? おぬしが持っておるその『さびたメダル』はなんだ?」

 「これか? ちょっと磨いてみよう……なんていうか、『いにしえのメダル』って感じだな」

 

 --おお、ビルドよ。 聞こえていますか?--

 

 「!? ルビス?」

 俺は天を見上げて聞く。

 俺の様子に周りのみんなもザワザワとし始めた。

 

 「ビルドよ……どうしたのだ」

 「あ、ああ……俺にビルダーとしての力をくれた大地の精霊ルビスから話しかけられて。

俺以外は誰にも聞こえ_」

 「……もしかして、女の人の声? ビルド、私も薄っすらだけど今、聞こえたよ」

 --はい……流石にこの面々でビルドだけが聞こえると、ビルドがおかしくなったように見えるので、

ピリン、あなたの身体を借りますよ--

 返答は聞かないのか……

 ※精霊ルビスが女の子に無断で降臨するのは、よくある事であるがビルドには知らない話である※

 

 

 「--私は大地の精霊ルビス、ビルドを遣わしたものです--」

 体も声もピリンであるが、雰囲気は神秘的なそれだ。

 町のみんなも真剣なそれに代わる。

 

 「ルビス様の声、ぼくも聞こえてたよ?」

 「スラタンにも聞こえるって、意外とルビス様のお告げってそんなにありがたみ無いんじゃ……」

 --「今はちゃんと話を聞いてください。 お仕置きです、ギガデイン!!」--

 その瞬間、頭上から俺に向かって雷撃が放たれた。

 

 「あばばばばば!?」

 --まったく、そのスライムは特別です。 魔物世界の“勇者”の素質がある程度ですが--

 「スラタンが勇者? いや、それよりもギガデインは竜王軍に使ってくれよ!?

あんた力、封じられてるんじゃ無かったのか?」

 --ギャグ補正です、今まではその補正すら封じられていましたから--

 ギャグすら封じていたか……。

 シリアスとギャグ、闇と光のようだ。

 

 「--さて、よくぞやりましたビルドよ。

悲しみ嘆き、人を敵としたゴーレムが倒れた事で私の通信ができるようになりました。

さぁビルド、『いにしえのメダル』を『希望の旗』の上で掲げるのです--」

 

 

 いにしえのメダルが空に浮かびあがり、ルビスの雷が落ちた、暗黒の雲が晴れて光が降り注ぐ……。

 メルキドの大地に光は戻った。

 

 「--ビルドよ、よくやりました。

これでこの地は竜王の悪しき力から解放され、人々は自らの力で発展していくことでしょう。

しかし……忘れてはなりません……

この世界にはあなたの助けを待つ人が数多くいることを……--」

 「空に……光が!!

こんなにも……広く……青く……美しくっ!」

 「--さぁ、宴の続きをするといいでしょう。 時が来たら、お伝えします--

……すごい……すごいよビルド!! 空って、こんなにキレイなんだね!!」

 ルビスが抜けたピリンは目を輝かせて空を見上げる。

 

 その後、光の復活を祝い、そして俺の活躍を称える宴が開かれた。

この破壊されて、部屋も防壁も何にも無くなったメルキドで、ごちそうも豪華とは言えないけど、

楽しそうなみんなの笑い声はいつまでも途絶えることがなかった。

 

 ……そして、夜が明ける。

 

 

 

 「わーっはっはっは!! 目が覚めたようだな、ビルドよ。

ロッシがあんなにひょうきんな奴だとは思わなかった。

今回のピリンの創作料理で吾輩はもう駄目だと思ったがな!」

 昨日は楽しかった、最後にピリンの創作料理でロロンドがぶっ倒れるのもいい思い出だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寄り道デート

 

 宴会の次の日、俺とピリンはチェリコに言われて、二人で素材集めをすることになった。

 ついでに旅のお供でスラタンも連れていくことになった。

 

 「ビルド、ピリン、あなた達二人で素材を集めに行ってくれないかしら?

あとスラタンにできる事ないから、二人に着いていきなさい」

 「よろしくね、素材を拾うぐらいなら僕でもできるよ!!」

 (スラタン、あの二人の様子を事細かく、あとで私に教えるのよ? デートの邪魔はしちゃ駄目だからね?)

 (わかったよチェリコ、ぼく二人の様子を覚えるよ!!)

 なんかゴソゴソ話してはいたが、そんなわけで俺たちはまず『青いとびら』で素材集めを始める。

 

 「そういえばあの場所でケッパーと出会ったんだ。 あ、前に見落とした洞窟がある……」

 そこで『世界地図』を手に入れたり、

 前に出会った墓守のおおきづちに出会ったり。

 

 「ドムドーラのブラウニーに、『墓』の作り方を教わったぞ」

 「わぁ、ありがとうビルド!」

 「ねぇ、どうしてあなたはお墓を守ってるの?」

 俺が墓を作って、建てているとピリンが問う。

 

 「ぼくはね、ずーっと、ずーっと昔、お腹がすいて死にそうになっていたところを、

ニンゲンの助けてもらったことがあってね」

 「ぼくとおんなじだね」

 スラタンが共感して相づちを打つ。

 

 「それからぼくは少しでもニンゲンに恩返しがしたくって、

死んじゃったニンゲンのために、お墓を作ってあげるって決めたんだ!

 ニンゲンは沢山死んじゃったから、いつお墓を建て終わるかわからないけど……

おおきづちの寿命はニンゲンより長いからね。 きっといつかやり遂げてみせるよ!!

ありがとうビルド! ぼくはまたニンゲンの事が好きになったよ!」

 そして別れを告げ、進んでいく。

 

 すると……

 

 「ん? 庭か?」

 「おお! ニンゲンさん、どうです? ワタシが作ったこの庭園は!

長老から聞いています。 あなたが物作りの力を持つビルダーだと。

きっとあなたならこんな庭園、すぐに造ることができますよ!

良いですか? 庭園を作るには『草花スコップ』を使えばいいんです。

草花スコップなら普段は素材になる草花もそのまま手に入れることができますよ!

それを地面に置いて、柵で囲えばこんな庭園をすぐに造れちゃうってわけです。

もちろん、もしあなたがスコップを作れたらの話ですけどね」

 

 「おお!ニンゲン!オイラはくやしい!悔しいぞ!

実はな、オイラととなりのアイツは里の造園家を目指して競っているんだが、どうやらアイツのほうが才能があるらしくてな。

長老のお題をすぐに作り上げちまったんだ!

なぁなぁニンゲン、なんとかオイラに庭園作りを手伝ってくれないか?

アイツのやり方にはきっとなにか秘密があるはずだ!!

アイツから造園の秘密を聞き出して、アイツと同じ庭園をここに作り上げてくれ!」

 

 「おお、アイツと同じ庭園を作ってくれたのか! ありがとう!助かったぜ!

これで長老のお題は完成だ!オイラも晴れて里の造園家になれるぜ!」

 「おいおい、お前が作ったもんじゃないだろ」

 「そうだよ! そんなのズルじゃない!!」

 「悪いことしちゃダメだよ!!」

 「ううううるさいなあ! そそそそんな固い事いうなよな!!

そうだ! 昔ニンゲンが使っていたコイツをやるから長老には黙っててくれ!」

 ベンチを押し付けるように俺に渡す。 賄賂かコイツ……

 

 「……本当にそれでいいのか? あの【おおきづち】にはあの【おおきづち】の味があって、お前はそれを真似るだけでいいのか?」

 「そうだよ!! きっと、あなたにはあなただけの良さがある筈だよ?」

 「う……そう、だよな……すまねぇ。 オイラ、一から造園の勉強するよ。

もし満足のいく造園ができたら、お前たちが真っ先に見て、勉強を言ってくれ」

 「ああ約束する」「うん」「がんばってね」

 「2世紀後ぐらいにな!!」

 「「それ人間の寿命超えてる……」」

 「ぼく、スライムだから生きてるかな……?」

 そんな話をしていると、隣のおおきづちが来る。

 

 「ははは、見てましたよ、ビルダーさん。

すばらしいです、ご自分の手で庭園を作り上げたんですね!

きっとあなたなら、長老の出した造園家になるためのお題もこなせるでしょう!」

 「ん? ここがその造園じゃないのか?」

 「はっはっは! 御冗談でしょ! こんな簡単な庭園が長老のお題だなんて!」

 (……あのおおきづち、本当に200年ぐらいかかりそうだね)

 こっそりピリンが耳打ちする……同意しかない。

 

 「よかったら長老のお題である『おおきづち庭園』の設計図を差し上げます」

 「ありがとう」

 「これ、新しいメルキドの町に作ってみたらどうかな?」

 「いいかもね、じゃあ帰ったら庭園を作ろっか」

 

 

 「って訳で、いっぱい素材を集めてきたんだよ!!」

 町へ帰り、ピリンが楽しそうに話す。

 

 「ドラゴンと言えばピリンが攫われた時の事を思い出しますね」

 「ああ、俺が救助された後だったな」

 そうだ、ゆきのへのおっさんを救助した後、ピリンが攫われたんだったな。

 

 そんな話をしながら、俺たちは『おおきづちの庭園』を造っている。

 

 「なぁビルドよ、噂に聞いた話じゃこの世界にはノウギョウってものがあったらしい」

 「ああ、農業ってのは自分たちで種を植えて、自分たちで収穫するんだ」

 「ほう、なんだか心がおどるな。

ワシもそろそろ鍛冶屋を引退して、いっそノウギョウで作物を育ててみてぇが……

物作りが失われちまった世界だ。

 今じゃノウギョウもできはしねぇんだろうな……」

 

 『土』で囲いを作って、『ブナ原木』を4つ

『ぬの草』を4本、『いやし草のしげみ』を2本、『ももいろの花』を2本、

『きいろの花』を2本『しろい花』を6本、

 最後に『フェンス』と『かがり火』をつけて出来上がりだな。

 「よし、完成だ!!」

 

 「ほう、これが庭園か……これに水辺と木があればもっといい感じになるんじゃないか?」

 「なるほど、木か……せっかくだし、もっと大きくしてみるか」

 「それと“あの”おおきづちがくれたベンチも置いてみたら?」

 「ああ、賄賂か。 よし、こんな感じだな」

 改造も終わった。

 そこにロロンドのおっさんがやってくる。

 

 「む、ビルドよ……まさかそれは『メルキドガーデン』ではないか……!?」

 「メルキドガーデン?」

 その言葉を聞いた時、なんだかしっくり来た。

 そういえばこれができたとき、体の傷が治りやすくなった気がする……これ、部屋の効果だろうか?

 

 「かつてメルキドに存在したという庭園の事だ。 それにしてもこれは素晴らしく美しい」

 「お、そっちもだいぶ復興も終わったみたいだな」

 俺は町の様子を見てロロンドにいう、

 

 「うん、町が前よりもずっと良くなったね!!」

 「そういえば俺が目覚めた地下で『黒よう岩』ってかなり硬いブロックが、『まほうの玉』で取れたんだ。

オルハリコンと同じく、『まほうの玉』じゃないと採取できなかったんだ」

 「なんと!! これでメルキドを更なる姿へと変えられる。

これからも、もっと発展させていくぞビルド、ピリン」

 「おう。 なぁ、ピリン!! ……ピリン……?」

 「……え? ビルド、ルビス様が……」

 突然、ピリンの表情が変わる。

 

 「--おお、ビルドよ。 次の目的地が決まりました--」

 「……!! 精霊ルビス?」

 「--はい、町の西にある古びた祠へ向かいなさい--」

 「ふむ……まさか!! ビルドよ、吾輩と初めて出会った所の近くにあった祠の事ではないか?」

 「……あ!! おっさんが埋められてたあの近く!!」

 「--そこは次の町へ繋がる『旅の扉』です。 一度行けばもう、こちらへ戻ってくることはできません--」

 

 その日、別れの食事会が始まった。

 

 「と、いうわけで俺は次なる町へ向かわなきゃいけないんだ」

 前回の宴とは違い、みんな表情が暗かった。

 

 「ビルドは伝説のビルダー、世界を復興させる者……

だが、メルキドのさらなる発展のために、なんとかここにとどまってもらうわけには行かぬのか?

……いや、今のは忘れてくれ。 これは吾輩の単なるわがままだな」

 ロロンドのおっさん……

そういえばおっさんはメルキド録を読み解いて、この町を作ってきたよな。

 

 「……それも仕方がないことだ」

 ロッシ……

最初は町を否定してたのに、いつしか町が好きになってったな。

 

 「ビルド、回転斬りは次もきっと役に立つ筈です!!」

 ケッパー……

一緒にシェルターへ向かって、すごい冒険したよな。

 

 「次来た時はとっておきの情報をもってきますよ!!」

 ショーター……

お前の情報はとっても役に立ったよ。

 

 「そういえばワシには弟子がいる。

もしかしたらそいつに会えるかもしれんぞ。 その時は任せた」

 ゆきのへのおっさん……

あんたの武器はすごく助かった、ピリンを助けに行くとき、着いてってくれて助かったよ。

 

 「ここはもう、あんたがいなくても大丈夫。 安心して出発しなさい」

 チェリコ……

みんなを陰ながらサポートしてくれてたな。

 

 「ビルド……助けてくれて、それで仲間にしてくれてありがとう」

 スラタン……

魔物の中でも人間と仲良くしたいっていい奴。

 

 「ビルド……私……私ね、ビルドと一緒にいて、すっごく楽しかったよ!!

ビルドとご飯食べて、ビルドと一緒に物作りして、ビルドと一緒に……」

 「ピリン……ありがとう。 ……大好きだよ」

 そして、俺は町から出る。

装備は何一つ、持って行かない……いや、持っていけない。

ルビスによると竜王の力で何も持ち運べないようにされているらしい。

 

 目指すは古い祠。

 

 そこは相変わらず変わらない、ボロボロの祠。

 

 --その光は次なる地へとあなたを運ぶ光のとびらです。

この地で得た力も、学んだことも、新しく目覚める地では通用しないでしょう。

もし、ひとたびその光の扉をくぐれば、あなたは全てを失うことになるのです。

しかしビルドよ……それでもこの世界の闇を払いたいと願うなら、光の渦に飛び込むのです。

全ては精霊の導きのままに……--

 

 「もちろん行くよ」

 「ビルド!!」

 ロロンドのおっさんが急いでこちらへ来た。

 

 「おっさん……」

 「ビルドよ……やはり行ってしまうのだな……だが、もう少し待ってくれ。

ピリン!!」

 その声をかけると同時に、物陰からピリンが現れる。 腕にはスラタンを抱いてだ。

 

 「私、もっとビルドと一緒にいたい!! ビルドと離れたくないの!!」

 「ぼくもついていく!! だって、ビルド一人じゃ心配だよ!!」

 「ピリン、スラタン……」

 「ぼく、新しい技を覚えたんだ!! 『スラストライク』って技なんだ!!」

 そういってスラタンは近くの土ブロックを破壊する。

 

 「私もビルドみたいに作ったりできるように、戦えるようになったの!!

だから、私たちを一緒に連れてって!! お願い……」

 「二人とも……」

 --二人を、連れていきますか?--

 

 「……わかった、一緒に行こう!!」

 「「ビルド……!!」」

 ピリンは俺の胸元に抱き着き、スラタンが頭の上に乗る。

 

 「よかったよかった。

ビルドよ、この世界にはビルダーであるおぬしの助けを待つものが多くいる。

さらばだビルド! また会おうぞ!

ぶわーっはっはっはっ……うっうっうっ……」

 そんなロロンドのおっさんの泣き顔を最後に、

俺たちは光に包まれてこのメルキドから消えるのだった。




物凄く強引な気もするけど……

今回、メルキド編のみでも、どんな形であろうと完結させるという事に重点を置いて書いてみた物の、他の作者さんがどれだけ大変な思いをしているかも身に沁みました。

 文章力の無さ
 迫られる時間
 物語の展開
 二次小説だからこそどれだけ原作から離していくか……

 どれほど大変な物かを自分で書いてみてこそ難しい物だととても実感できました。

 ご閲覧ありがとうございました。

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