【再建中】気まぐれビルダーのコメディ風、~剣神の記憶を添えて~   作:シイナ リオ

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初めての住民

 やっとたどり着いた荒廃したメルキド。

キメラと戦った後にもスライムを狩り、『あおい油』を搾ったり『きのこ』や『モモガキ』『ふといえだ』など様々な素材を集めた。

 

“記憶”ではゴーレムが守っていたのを思い出す。

……なぜか町に来た旅人にも攻撃する奴だった。

 

 それはともかく、町の中央にある光を放つ窪みに『希望のはた』を刺そう。

階段を上り、窪みへ差し込んだ。

 

 ……その時だった。

温かな光が周囲に溢れだし、一定範囲だけど重い空気の無い地帯が生まれる。

 

 ――光に導かれ、人間たちが集まってくる筈です――

 

 物跡らしき土塊を壊して整地したり、

 

 「なぁルビス様、新しい技を思いついたんだよ」

 ――あぁ、ビルド、とうとう技まで思いつくとは……所でどんな技ですか?――

 「下に向かって掘る時、範囲4マスを一斉に掘れるんだ。 だから4マスをどんどん掘り進めれば一気に下に行けるんだ!!」

 ――おおビルドよ、そのような技を身に着けるとは、これで土集めが楽になりますね……所でビルド、あなたはどうやって上がるのですか?

うふふ、私がうっかりものでしたが、ビルドもうっかり者ですね――

 

 「旗の周囲を建物にして、周囲に階段を作るんです」

 ――そんな……ビルドもうっかり者仲間だと思ってたのに!!――

 

 そんな色々作業をしてると、誰かがやってきた。

どうやら俺と同じくらいの女の子だ。

 

 「この旗、いったいなんだろう……」

 「君は?」

 「私はピリン。 この場所なんだか不思議だね。

とっても明るくて、すっごくあったかい……」

 ピリンと名乗る女の子はボロボロの服を着ていた。

俺も同じボロボロの服だけど。

 

 「ああ、この旗を建てたらこの周囲一帯が変わったんだ」

 「え? この旗、あなたが建てたの? あなたは誰なの?あなた、いったい何処から来たの?」

 「分からない、直ぐ側に墓だったし……何にも覚えてないんだ、自分の名前も」

 名前すら憶えていない……かなりヤバイ状況だ。

 

 「え?記憶が無いの?」

 「ああ、ただ精霊ルビスって名乗る人の声に導かれて、ここに旗を立てろって言われたんだ」

 「頭の中で声がするなんて、何だか物凄く怪しい感じだけど……」

 「それは俺も思う。 そしてルビスも怪しい」

 ――失礼ですよ!!――

 「うゎ!?」

 「!? ど、どうしたの?」

 「失礼だって怒られた」

 ピリンは「そ……そう」とちょっと引き気味だった。

それもそうだろう、俺は彼女からしたら一人で勝手に驚いたりする怪しい奴だ。

 

 「……でも、この場所、あったかくて気持ちが良いし、私、ここに住んでみようかな……?」

 「じゃあさっき俺が建てた土の家で暮らすと良いよ。 俺一人で住むには多すぎるし。」

 「凄い!! ここってみんな、あなたが建てたの!? 頭の中で精霊の声がするとか、少しおかしい感じの人だとは思ってたけど「酷ぇ……」こんな風に町を作れるって、あなたは不思議な力を持ってるんだね!!

あれ? 怪我してる……どうしよう……私、お花しか持ってない……」

 彼女そういって彼女が持っているのは『白い花びら』。

 

 「3枚もあれば『きずぐすり』が造れるから大丈夫。 ありがとう」

 「作る? 作るってなぁに?」

 ――私の言葉を覚えていますか? この世界は物を作る力を失った人々……

人々に物作りを伝えるのもあなたの役割なのです――

 

 

 「なら見てて、石の作業台で、さっき倒したスライムから搾った『あおい油』と、拾った『ふとい枝』を組み合わせて……『たいまつ』ができる。 これが物作りだ」

 「うわぁ、凄い!! これが物作りっていうんだね!! ありがとう。 わたし、少しだけ分かった気がするよ!『ふとい枝』だったよね、わたし、集めてみる!!

 ところで名前は思い出せた?」

 「いや、まったくだよ……建物を建築《ビルド》したり、│物作り《クリエート》できるのもみんなルビス様から貰った能力《ちから》だし……」

 ――そうですね、あなたにはまだ名前が無かったですね……実は私もあなたの名前を知らないのです――

 ルビス様も知らないのか……

 

 「……そうだ、あなた、ビルドってどうかしら? これと言って特別な名前じゃないけど……」

 「ビルド……いいね、しっくりくる。 ありがとうピリン。 俺はこれからビルドだ!!」

 「凄いねビルド、どちらかと言うとぼんやりした感じの顔なのに……でも人は顔じゃないっていうしね!!」

 「サラッとディスられたんだけど……。

それはともかく、住むにはまだまだ足りないな……そうだ、たいまつを置いて、後は寝床を作る……草を編んで、『わらのベッド』なんてどうだ?」

 作業台で作り出して見せる。

 

 「一緒に寝れるね」

 「っ!?」

 ――おおビルドよ、甘酸っぱいですね。 それはさて置き、まさか自分で思いつくとは……

あなたには物を作るだけでなく、何かをひらめく才能もあるようですね。

素晴らしい力です、この力はこれからの町作りにも役立つことでしょう――

 「ねぇビルド、大丈夫? ひょっとしてまた精霊の声がしたの? 目が虚ろで半開きだったから……」

 一歩下がって変な物を見るような顔のピリン。

 

 「な、俺って、そんな事になっていたのか!?」

 「う、うん……ほら、しゃんとして!!ぼーっとしてたら直ぐに時間がたっちゃうよ!!」

 「あ、ああ。 夜までに素材を集めないといけないしな……素材を拾ったり、モンスターを倒したり……」

 「うん、これから一緒に暮らすんだものね。

……ねぇビルド、この世界に昔……何があったのか、わたしはよく知らないけど悪い人たちがこの世界から光を奪ったせいで、今生きている人たちはみんな自分が生きていくのが精一杯なんだ……。

 誰かを助けようともしないし、協力して一緒に生きて行こうともしないの……。

わたしね、そんなこの世界がすっごくつまらないって思うの!!

だからビルド、町をもっと発展させて、みんなで暮らせたら楽しいと思わない?」

 「ああ、」

 「ビルドがいれば夢がそんな夢が叶えられそうなの!! ねぇ、わたしも一緒にここの町を作るの、手伝っていい?」

 「もちろんだよ」

 そんなこんなで俺達二人は共に暮らすことになった。

 

 

 

 俺はピリンに戦いを教えたり……

 

 「殆どの敵は正面からしか攻撃できない、だから相手の背後に廻り込んで殴りかるんだ!!」

 「わかった!!」

 俺がスライムを引き付けて背後をピリンに攻撃させる。

あまり強くないスライムはピリンの初めての戦いに丁度いい。

 

 「スライムと戦う時は素手で殴る方が効率が良いんだ。

スライムが弱いからだけじゃなくて、素手のが連続で攻撃できるから」

 

 

 ともに飯を食ったり……

 

 “きゅ~こよこよ”……そんな音と共にピリンが話しかけてきた。

 

 「ふぃ~……疲れたね。 ねぇビルド、お腹減らない……?」

 「ん? お腹減ったのか?」

 「そそそ、そんなことないもん!! ちょっとお腹が鳴っただけだもん!!」

 「ああ、さっき一杯木の実を手に入れたんだ。 一緒に食べようか」

 山のようにあるモモガキ。 50個ぐらいだろうか……ちょっと取り過ぎた。

 

 「あ、『モモガキの実』!! こんなに一杯!! 甘くてとってもおいしいんだよ。

わたし、お腹ペコペコだったから……「やっぱりお腹減って……_」頂きます」

 恥ずかしそうに呟いてたのに茶々を入れたらちょっと拗ねてしまった。

 

 町に繋がる川をひいたり……

 

 時に新しい物を思いついたり……

 

 「ビルド、こんなに素材一杯ごちゃごちゃしてるの……大丈夫?」

 山のように積みあがった素材……確かに良くない。

 

そんな訳で収納箱を作る。

因みに5種に分けて使っている。

 

 「道具」きずぐすり

 「魔物素材」あおい油や羽、モンスターの卵

 「植物素材」ふとい枝や白い花びらなど

 「食料」モモガキ

 「建築資材」土

 「家具」わらのベッドや収納箱の予備

 

 

 

 ピリンもまた、町の発展の為の事を考えたり……

 

 「ビルド、わたしこの町をもっと発展させる為に設計図を書いてみたの!! 石の作業台をもっと使いやすくできるようにね!!」

 とすると、あの広場に立ててみるか。 そして扉が必要、草を使って『わらの扉』を作ってみよう。

無論、このぐらいなら5分もかからず作れる。

 

 「うわぁ凄い!! わたしの設計図通りのをこんなに早く作ってくれたんだ!!

 ビルドが作ってくれたこの部屋で、私も何か作ってみるね」

 

 

 

 ピリンと出会い、3日ほど経ってからの事だった。

 

 「人が来ない!!」

 俺は街を……ルビス様の加護が及ぶ範囲を窪み状になるよう街を作ったり、

遠くから引いてきた川の上を歩ける橋を作ったり、色んな事をしてきた。

 だが、流石に3日間ずっとやってきても誰も来ないのは辛い。

 

 「確かに……せっかくビルドが沢山作ってくれても、誰も人が居ないと寂しいね」

 「飯もモモガキだけだしな……」

 「うーん……実はねビルド。 私、ここに来るときに怪しげな人を見たの。

少し様子がおかしい人だったから声をかけずにここまで来ちゃったんだけど……」

 「ヤバイ奴じゃないかな……? だけど一緒に町を作ろうって誘ったら町の仲間にはなってくれるかな?」

 「うん、確かにちょっとヤバイ人かも……その人は岩山を超えたあたりに居たよ」

 だが流石に何もしないのは辛いな。

 

 「よし、行ってみようと思う」

 「うん、頑張ってね!! お弁当のモモガキと、新しい人を見つけた時のお弁当用のモモガキ、もしも夜になったら夕飯用のモモガキと、朝食用のモモガキと……」

 見事にモモガキだけだった。

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