【再建中】気まぐれビルダーのコメディ風、~剣神の記憶を添えて~   作:シイナ リオ

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襲撃

 「……改めてお帰り、ビルド……(ビルドが寝取られてた……)」

 「お、おう……」

 「町作りの仲間を見つけてくれたんだね。 ……凄く胡散臭そうだけど……」

 そう言ってロロンドを見ると……一人で「うぉおおおおーーーー!!!」と興奮しながらメルキド録を撫でまわしている。

あれは声かけたくはないな……。

 

 「ま、まぁ頼りになるんじゃないか?」

 「そ、そうだね!! おヒゲだって生えてるし、頼りになりそうだよ!!」

 「まぁ、戦闘ぐらいは何とかなるんじゃないか?」

 今まであった事を話す。

 

 「凄ぉい!! ビルド、ドラゴン倒したの!?」

 「ああ、殆どドラゴンの視覚から攻撃してたけどな……」

 「だが最後は『秘儀ドラゴン斬り』とやらで決めたではないか!! あれは凄かったぞ、どわっはっはっは!!」

 (……ロロンドのおっさんが飛び出して行かなければドラゴンにも会う事なんてなかったんだけどな……)

 

 「しかしビルドよ、物を作る力と言い……お主はまさかメルキド録に書かれた創造の力を持つ伝説の存在……ビルダーなのか?」

 「ビルダー?」

 「うむ。 光が失われ、世界が闇に閉ざされてから人々は年々も何年も待ち続けていたのだ。

いつの日か、大地の精霊ルビスによって世界を再建するビルダーが遣わされるだろうと!!

……いやいや、こんなとぼけた顔の者をそう簡単に信じるわけにはいかん」

 「埋めてやろうかテメェ……」

 ロロンドの周囲に土を積み上げる。

 

 「埋めるでない……!! ……まぁ道具を作ったり、これほどの町の発展、信じてみよう。

してビルドよ……吾輩がおぬしとともに成し遂げたいことは二つある。

一つは強固な城壁に守られた嘗ての大都市メルキドの華麗なる復活!!

そしてもう一つはメルキドの町がなぜ、滅びたかその原因を探る事だ」

 「この町じゃ、まだ駄目なのか?」

 「うむ……土の壁ではな……」

 確かにちょっと攻撃すれば壊れてしまう。

 

 「嘗てのメルキドは堅い城壁に囲まれていただけでなく、巨大なゴーレムが町の守り神として存在していた筈……。

そんな鉄壁の守りを誇った町がいったいなぜ滅びたのか……。

吾輩はメルキドの末裔として、その事実をどうしても知りたいのだ!

我らの進む道はメルキド録とお主の力が導いてくれるであろう。

それではビルドよ、改めてよろしくな!! ふっふっふっふっふっふ……わーっはっはっは!!」

 

 そんな訳でロロンドのおっさんが仲間に加わった。

ロロンドのおっさんに言われるままツボや新しい建物を作っていると、何か嫌な気配がする。

 

 「……むむむ……ビルドも気付いたか?」

 「ああ。 ピリン、部屋に隠れていてくれ」

 「う、うん」

 「竜王軍……だな?」

 ――おお、よく気付きましたねビルド、あなたの言う通り竜王軍が迫っています――

 

 「『こんぼう』や『きずぐすり』を作ってる、いつでも大丈夫だ」

 ――大丈夫そうですね――

 

 現れたのは4体のがいこつ。

ドラゴンに比べれば大した強さは無いが、数は危険だ。

 

 「来るぞ!!」

 「ああ!!」

 【ケッケッケ】

 【人間どもガ、集まッテやがるゼ】

 戦いが始まる……

 

 が……

 

 その時、奴らはこの街が大きく掘った窪みにできている事をよく考えてなかったのか、

落下してダメージを受けている。

 

 【ギャッ!?】

 【痛”ぇ!!】

 【うぎャ!?】

 【ぐェ!?】

 

 「ばかじゃねぇのこいつら……」

 

 【うるセェ!! やっちまえお前ラー!!】

 襲いかかるがいこつども。

 ロロンドのおっさんが1体を相手し、俺は2体を……しまった、あと一匹が!!

 

 【ぐへへ、お嬢ちゃン。 俺の飯にナ_】

 「いやぁあああ!!」

 ピリンは【正拳突き】を放った。

がいこつは砕け散り、骨の素材のみが残る。

 町へ落ちてきて弱っていたとは言え、仲間が幼気《いたいけ》な少女に殴られて倒され、がいこつ達は動揺して大きな隙ができる。

 俺とロロンドのおっさんはそこを追撃する事で勝利した。

 

 

 

 

 

 ――ビルドよ、よくぞ町を守り抜きました。 しかし竜王軍に目を付けられてしまったようですね――

 ――魔物たちは人間たちが団結し、嘗ての力を取り戻すことを恐れています――

 ――きっとこれからはこの町をつぶそうと魔物たちが定期的に襲ってくるようになるでしょう――

 ――なんとしてでも魔物たちからこの町を守り抜き、いつしかメルキドを支配する強大な魔物を倒すのです――

 

 「しかし俺にできるのか? 役割とか責務とか、よく分からないし。

物作りや戦いだって自分がやりたいからやってるだけだ。 誰かに命令されてだったらやりたくはない」

 主にロロンドのおっさんにこき使われるのは楽しくない。

 

 ――今はまだ、そうでしょう。 しかしあなたは人との出会いの中で気が付きます――

 ――その特別な力は果たすべき役割がある事を――

――……どうやらこの地での私の役割は終わりのようです――

――ここからは仲間たちと協力してあなたが望む街を作り、メルキドの町を復活させてください――

――新しい地で再び会える日を楽しみにしています――

――全ては精霊の導きのままに……――

 そう言ってルビス様の声が消え、何かが落ちて来た。

 

 「ん? 何だこれ……『青の石板』」

 ルビス様がくれたのは壊れた石板だった。

 

 「よくぞ魔物たちを撃退した、それでこそおぬしだ!! それでこそビルダーだ!!

しかし、魔物たちにこの町の存在が知られてしまったようだな……」

 「次は守りをもっと堅くしないとな……と、そう言えばルビス様から石板を手に入れたんだったな……」

 ロロンドのおっさんに見せてみる。

 

 「なに? 大地の精霊ルビス様から?

何だこれは……いやまて、メルキド録に確かこのページに似たものがある」

 そう言って物凄い勢いでパラパラとページを捲っていく。

 

 「……ほう、『旅のとびら』なるものは、自分が必要とする物がある場所に光の扉が開くらしい。

直せば起動できるかもしれん」

 足りない部分は『ツボ』と同じ材料を使えば大丈夫かな?

 

 「あ、ビルド。 あっちの壊れた橋の辺りにいっぱい素材集めたんだよ!! 付いてきて!!」

 

 そう言って連れられて向かう。

ピリンは先ほどの戦いでも見せたように素手での戦いがとても上手くなっていた。

襲いかかってくるスライムが攻撃できないように連続の拳……時たま現れるドラキーを正拳突きで撃退する。

 

 「どうかなビルド? 私、強くなったんだよ!!」

 「凄いよピリン。 正拳突きって事は武闘家の才能があったんだな」

 「ぶとう? 私ね、ビルドに着いて行きたいの。 ダメかな……?」

 ここまで強くなった彼女なら大丈夫だろう。

 

 「大丈夫、というか多分、俺が武器さえなければピリンのが強いよ。 よろしくピリン!!」

 「着いて行って良いの!? ありがとうビルド!!」

 

 そんな話をしていると、目当ての橋に辿り着く。

橋の先にはブロックが置けない魔法がかかっているらしい。

それはともかく、その近くに置かれたピリンの集めた素材の収納箱……。

大量だった。 青い油やふとい枝、いろんな素材が盛りだくさんになっている。

 

 「あれ? ビルド、誰か泳いでくるよ?」

 「ん? 本当だ(俺も泳げたらなぁ……)」

 陸地に着いた誰かは男だった。

 

 「遠くに見えた光を目指して泳いでみたら、こんな場所に町があるなんてな……」

 「あんたは……? 俺はビルド、こっちはピリン。 町にはロロンドっておっさんがいる」

 「俺はロッシ、お前ら、こんな所で何やってんだ?」

 「私達、町を作る為の素材を集めてたの」

 その時、ロッシは変な顔をした。

 

 「……へっ!! 随分とくだらねぇことしてんだな。 人間が協力して暮らすだなんて」

 「くだらねぇだって!?」

 「この世界じゃ、自分が生きるのが精一杯なのさ。

他人の事なんか構っちゃいられねぇはずだ」

 「そんなのつまらないよ。 だから私達はみんなで楽しく暮らせる町を作ってるの!!」

 「……とは言え、歩きすぎて疲れまちまった。

少しの間、俺もその町とやらに居させてもらうとするぜ。 ……まぁ、長居する気はねぇが……よろしくな」

 そういって町へ歩いて行った。

 

 「ねぇビルド……あの人、口では嫌そうにしてるけど本当は寂しいんじゃないかな?」

 「そう?」

 「多分、何かあったんだと思う。 きっとそうだよ」

 あんな風な言い方されて複雑な気分だけど

、まぁそれはさて置きロッシが仲間に加わった。

 

 

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 暗い闇の中に光が見える。 これは……夢か。

 

 『……え? なんですって? 王様の話を忘れた?

お願いしますよ……大事なことなんですから……では私から失礼して、うおっほん。

 その昔、伝説の勇者ロトは神から『ひかりのたま』をさずかり、この世界を覆っていた魔物たちを封じ込めたと伝えられています。

 しかし、いずこともなく現れた悪の化身、竜王がその玉を闇に閉ざしてしまったのです。

このままでは世界は闇に飲み込まれ、やがて滅んでしまうでしょう。

 竜王を倒し、『ひかりのたま』を取り戻す、それがあなたの使命なのです!!

国中の人々があなたに希望を託しています。

どうか竜王を倒し、この世界を救ってください!!』

 何を言ってるんだ? まぁ、伝わってるだけだろう。

 魔物も人も、心を通わせれば……。

 

 《一緒に居ると、楽しいモジャ!!》

 一緒に……いると……。

 

 遠い記憶の、断片……。

 矛盾する二つの記憶……どちらが俺の記憶なのか、それとも両方とも俺の記憶じゃないのかよくわからない……。

 

 「るど……ビルド!!」

 「ん……ピリン……」

 「泣いてるの?」

 「あれ……なんで、涙が……何でもない、何でもないよ。 そうだ、今日は旅のとびらで別の所に行くんだったな」

 

 

 旅のとびら専用の部屋を作っていた場所に既にロロンドのおっさんとロッシは待っていた。

 

 「じゃあ直すか」

 そもそもツボと同じ素材……土と青い油で直るかは心配だが、ビルダーの力を使ってみると、

思ったよりもすんなりと『青い石板』は『旅のとびら・青』へと修復された。

 

 「おお、なんという神秘的な輝きなのだ!!」

 「一宿一飯の礼だ、この先は俺が下見してくる」

 興奮するロロンドのおっさんはさて置き、ロッシはそう言って旅の扉を通って行った。

 

 「うむ、準備は良いかビルド? 新たな土地とこの拠点を行き来できるようになった。

新しい地には新しい素材があり、新しい素材があれば新しい物も作れる。

とびらの光は今、お主が求める物を得られる場所に繋がるという」

 「俺が求めている物……? とりあえず固い岩やブロックを壊せるものかな?」

 「それは『おおきづち』だろうな」

 そういって先ほど向かったロッシ。

 

 「もう帰って来たのか?」

 「ああ、どうやら『メルキド荒野』に繋がってる。 俺が昨日まで泳いで渡って来た場所だ……」

 「それは……運が無かったね……」

 ピリンが気の毒そうに呟いた

確かにそこで待ってたら泳がずにこっちに来れたかもしれないしな……。

 

 「うむ、おぬしには旅のとびらの先で『おおきづち』の作り方を調べてきて欲しいのだ。

その『おおきづち』なら硬い木や岩を砕いて素材にできるだろう。」

 「『おおきづち』の作り方はその名の通り、魔物の『おおきづち』に聞いた方が良いだろうな」

 「おおきづち? おおきづちがおおきづちもっておおきづちが……?」

 わけわからん……

 

 「知らないのか? 紫の毛皮を着て、木の槌をもった魔物だ。

俺が居たメルキド荒野にはその魔物の『おおきづち』の里がある。

……そういえばあそこに人が居たのを見たな……気になれば行けばいい」

 「そうか、ありがとう。 さぁ、行こうかピリン」

 「うん」

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