【再建中】気まぐれビルダーのコメディ風、~剣神の記憶を添えて~ 作:シイナ リオ
「ここがメルキド荒野なんだね」
「お、宝箱がある……これは玉?古い紙もある……」
『メルキドの荒野を旅するものよ。この宝箱に入っていた導きの玉は地面に置くとコンパスにその位置が示される不思議な玉だ。
道を失いかけた時や、もう一度訪れたい場所がある時、この玉をその地面に置けば目印となるだろう。
この記を目にする冒険者の成功を祈る』
ふむふむ、これはガンダルからの贈り物か、この玉を設置すれば目印になるのか……
ってあれ? ピリン、その油は?」
ピリンが持っていたのはスライムから採れる青い油ではなく、オレンジ色の油……赤い油とでも言っとこう。
「そこのスライベスから採れたの」
指さす先に居たのはオレンジ色のスライム。 スライムベスって言うのか。
スライムベスを狩って油を搾ったり、こちらを見れば襲いかかってくるしりょうの騎士を倒したり……。
「あの紫の毛皮を着た魔物……あれがおおきづちかな?」
と近付けば【ニンゲンだー】【ブッ殺せぇ!!】と滅茶苦茶凶暴で話が通じなかったり……。
「おおきづち(魔物)見つけても、全然話が通じないのばかりだね……」
「みたいだな……ん? あの土の塊はなんだ?」
近くにスライム型というか……おおきづち(魔物)型にも見える。
「……退屈だぜ」
声?
声の方向には大きな土の塊のような……家(?)があった。
「看板……『おおきづちの里 あんないじょ』?」
「おお!お前はニンゲンじゃないか!」
どうやら話が通じそうな奴だ。
「ねぇ、案内所なんだよね?ちょっと聞いていいかな?」
「ん?良いぞ、俺は昔からニンゲンが嫌いじゃない。 で、何のようだ?」
「ああ、おおきづちの作り方を知りたいんだが……」
「なにぃいいい!? お、おおきづちの作り方が知りたい……だとっ!?」
そんなに重大な秘密だったのか……? まさか、彼らの武器にして、種族の名であるそれは_
「おおおお前は、ななななんてエッチな質問をする奴なんだ!!」
「へ?」
「はぁ!? いやいや、そう言った意味じゃねぇから!! お前が持ってるその木槌の事だよ、木ぃ槌ぃ!!」
「……ん? ああ、なんだ。 おおきづちって俺達が持ってるこれの事か。
これの作り方ならこの先に住んでる長老が知ってるはずだぜ。
長老の家は屋根に『かがり火』があるから、その炎を目印に探してみろよな。
あ、おおきづちの中でも赤い毛皮の奴ら……ブラウニーは強力だから気を付けろよ」
全く、なんて勘違いされたんだ……
「ねぇビルド……おおきづちは何を勘違いしたの?」
「ピリン、まだお前には知らなくていい事もあるよ……ましては他種族の配合なんて話は特に……」
「?」
ピリンの純粋な目が染みる。
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おおきづちの亜種……ブラウニーとの戦闘中、ピリンとは離れ離れになるわ、崖から落ちてしまった。
……ん?
「おお、君はニンゲンだね? 僕は長老と同じでニンゲンのことは大好きなのさ。
だけど……君もこんな所に落ちちゃうなんて大変だったね……」
良かった、好戦的じゃないおおきづちのようだ。
「ああ、結構痛いしな……お、あんなところに宝箱……っと、命の木の実か」
「わぁ、早い!! 君、得意なのかい? その木の実はプレゼントするよ」
「まぁ、得意だな」
「今度は落ちないように気を付けてね」
「ああ、所で長老の場所はどこだ? 炎が目印とは聞いたが、見つからなくて」
「あっちの方にあるよ」
「ありがとさん」
そう話しているとピリンが「さっきの梯子、いっぱい集めて来たよー」といくつか投げてくれる。
橋を登っていくのもありだな。
「でもピリン、その梯子、何処で手に入れたんだ?」
「ふふふ、私も『作る事』ができるようになったの!!」
☆:::::::::::::::☆ピリンの回想☆:::::::::::::::☆
大きなブラウニーという魔物との戦闘でビルドと離れ離れになっちゃった。
そんな中、長老の家じゃないけど他のおおきづちのお家を見つけたの。
『おおニンゲン、よくここが分かったな。
オレたちはおおきづちの兵隊なんだが、訳あってここに隠れている……』
『どうして?』
『実はな、外にいるがいこつどもがオレたちの事を虐めるんだ。
最近竜王様の配下になった癖に生意気だって……』
『頼む! オレたちがここにいることはがいこつや長老には黙っててくれ!』
『ニンゲン、どうしてここに入って来たんだ?
実は俺は長老にニンゲンを見たら強力してやれって言われたんだ。
お前、『はしご』って興味あるか? 作り方を教えてやろう』
☆:::::::::::::::☆回想終了☆:::::::::::::::☆
「って訳で私もビルドみたいに物を作れるようになったの、これでビルドのお手伝いがもっとできるね!!」
「ありがとう。 ん? あれが村長の家かな?」
話していると多分、村長の家に辿り着く。
「でか……」
「ふぉお、これはめずらしい。 お主は人の子か。 滅びを待つ哀れな人間よ、ワシに用か?」
そこに居たのはドデカイおおきづちだった。
「……ぁ、ああ。 おおきづち(木槌)の作り方を知りたいんだ」
「ふぉぉお、おおきづち(魔物)の作り方を知りたいと!?
まずはの、いきが良くてピチピチとしたおおきづちのを腹這いにして_「ストォオオオップ!」ふぉ?」
「違う、そうじゃない!! その木の槌!! 木の槌だから!! “配合”の過程なんて聞いてないから!!」
「ふぉおお! おぬしが知りたいのは道具のほうのおおきづちか!
……おおきづちは我らが秘宝、そう簡単には教える事はできぬよ」
「なん……だと……」
どうする……俺は、ここで終わってしまうのか……。
俺は思わず膝を着いた……2階もおおきづちの作り方を間違われた挙句、教えて貰えないだなんて……。
「……ふぉぉお……何もそこまで分かりやすく落ち込まずとも……そうじゃ、そこの天井を埋めてくれればやろう。
藁床で埋めてもらえるかの? 周囲に生える『ツタ』を加工してできる『ひも』と『』で作れる筈じゃ」
「お、それでいいのか?」
「うむ、そうしたら教えて_「できたし、修復もしたぞ」早いのう!?
いとも簡単にやってのけるとは……まさかおぬしは伝説のビルダーなのか?」
「ああ、知ってるのか?」
「……うむ。 だがそのような事はどうでもよい事。
おぬしの事もワシは見なかった事にしよう。
人間は力を失い今や滅びを待つ存在、かたや我々はその数を増やす一方じゃ。
ワシはな……人間と我々の今の在り方が必ずしも正しいとは思えぬのじゃ。
人間が多すぎるのも確かに困る。 しかしこのままでは世界の調和という物が……」
「zzz……」
「ビルド、ビルド……」
「ん……ぁ……?」
「お主今、完全に眠っておったな……?」
「小難しい話は苦手で……」
「まぁ良い……おおきづちを上手く使ってビルダーとしての物作りに励むが良いぞ」
そんな訳で『ふとい枝』3本からおおきづち(木槌)を作り出し、周囲の岩を石材にしたり、銅の鉱脈から『銅』や『石炭』を採掘したりする。
採掘してるうちに『炉と金床』を作る事を思いつく。 これがあれば金属の精製とかできるんじゃないかな?
そんな訳で再び長老の家の上にある石の作業台を借り、『炉と金床』を作って置こうと……
その瞬間、不思議な力で弾かれた。
「あれ? なんで置けないんだ?」
「この建物から1段しか積めないみたいだね?」
「ふぉっふぉっふぉ、それ以上置くことができなくなってるようじゃな」
長老が来た。
「置けない?」
「うむ、竜王様によって海が随分と高くなってしまった為に分からなくなっているが、この大地はただでさえ高いのじゃ。
だからその高さの物を置こうとすると世界そのものの不思議な力で弾かれてしまうのじゃよ」
「ちょっと窮屈な世界だな……(俺、泳げないし)」
「おっと、ビルドに言い忘れておった、ワシ等おおきづちの里には宝物庫がある。
その宝物庫に我らおおきづちの宝である設計図があるのだ。
ビルダーならばそれを使えるであろう」
「そんなに大切な物、いいの?」
ピリンが不安そうに聞く。
「うむ、物作り好きな者達はみんな他の土地へ送られてしまったのでな……。
目印に『井戸』が乗った、入り口の無いおおきづちの家がそれじゃ。 では元気での」
「何から何までありがとう長老さん」
「ありがとう!!」
こうして俺達はおおきづちの宝物庫へと向かっていった。
先ほどと同じように土で作られた、おおきづちの家らしき物がある。
上には井戸が乗っており、これが長老が言っていた宝物庫だろう。
「入り口は無いな……いや、これはもしかして……」
土の壁を掘ってみると、中には看板と宝箱。
看板には『おおきづちの里 ほうもつこ』と書かれていた。
宝箱の中には一枚の設計図が書いてある。
「『おおきづちの台所』……持ってる素材で作れそうだな。
石材で『石のテーブル』や『石のいす』も思いついたし」
「私、料理してみたい!!」
「ああ、ピリンに任せるよ」
「土と青い油と、コウモリの翼を_「まずは俺が居るところでやってね」ぇー」
食べ物とは言えないナニカができそうだ……。
「次はどうするの?」
「ああ、実はな……ロロンドのおっさんに教えて貰った道具を作ろうと思うんだ。
それは『大倉庫』、収納箱の何倍も入る優れた道具。 毛皮やツボは揃っているけど、木材を調達しないとな」
それから大倉庫を手に入れ、大量に素材を手に入れる事で俺達は荒野を探索した。
墓地
「これは……墓地か?」
「おお!ニンゲン! 君が最近この辺りをうろうろしてるって噂のビルドだね!?
実はぼく、このメルキドで死んじゃった人間たちにお墓を建ててあげたいんだ。
でも、お墓の立て方はよく知らないし、この墓地も荒れ放題になっちゃって……
そこでねビルド!お墓の立て方を知っているブラウニーに話を聞いて、この場所にお墓を建ててみてくれないかな?
きっと一度見せて貰えば、僕もお墓を建てられるようになれると思うんだ!
お墓づくりを知っているブラウニーはドムドーラって場所の奥地にいるよ」
「ドムドーラ……聞いたこと無いな……」
一瞬砂漠が思い浮かんだ、死の砂漠って呼ばれてる名も無き砂漠地帯……二つの記憶が交わるが、一体どういう事だ?
「そこは凄く遠いし、お墓作りも大変だからもしも気が向いたらで良いからね!!
それまではここのを貸してあげるよ」
「いいのか?」
「ぼくはここで待ってるから、お墓が作れるようになったら新しいのを建ててあげればいいんだよ」
俺は分かったと良い、6つ石の墓を貰った。
いずれ来た時、9つにして返してあげよう。
色んな所で銅や石炭を掘っていると、洞窟を見つけた。
「明かりがある……?」
進んで行くと……死体があった。
近くには『カベかけ松明』がメラメラと燃えている。 どうやらこれの明かりだったようだ。
「これは……ん? 本?」
古ぼけた本を見つけた。
「えっと『ああ、なんて素晴らしいんだ!! 洞穴の奥は銅や石炭にあふれている! ひのきのぼうやこん棒では固くてとても壊せるものではないが、強い武器で上手く壊して素材にすれば、色々な物作りに使う事ができる!銅や石炭は人間が今よりもっと発展していくための鍵になるだろう!』ってある」
「とっても古いし、随分と昔に書かれたみたいだね」
遺体を埋葬し、周囲の鉱石を全て採掘した後に『本』と『カベかけ松明』も欠かさず回収する。
その後も時折、俺に敵意剥き出しのおおきづちや、近い種のブラウニーを倒して毛皮を手に入れる。
装備も『どうのつるぎ』『かわのよろい』『かわのたて』と揃い、ピリンも『かわのよろい』を装備している。
彼女はどうやら『かわのたて』や剣は装備できないらしい。
「ねぇビルド、あそこに人影があるよ?」
「人影? もしかしてロッシが言ってた奴かな?」