機械いじりとドラムと恋愛   作:JOKER1011

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第5章 千聖からの教授編
第8話


羽沢珈琲店

 

千聖「それで?無事二日後にデートの約束を取り付けたのね?」

 

麻弥「はい!ジブンやってやったッス!」

 

千聖「進歩ね。後は思いを伝える。これだけと言いたいところだけど、私が教えるのは立ち振る舞いよ。」

 

麻弥「振る舞い。」

 

麻弥はゴクッと唾を飲み込む。千聖が真剣な顔をしたからだ。

 

千聖「それで?昨日私が言った当日着ていく予定の服の写真はあるかしら?」

 

麻弥「これッス!」

 

バンッと効果音がなるくらいの感じでスマホを見せる。

 

千聖「‥‥‥‥」

 

麻弥(フヘヘ。千聖さん固まってるッス!これはジブンが昨日趣味の機械いじりもせずに一日中考えに考え抜いたコーデ!)

 

しかし千聖が固まっていたのは決して意外だったからではない。

 

千聖(嘘‥でしょ?これ着ていくつもりなの?前の3人のお陰で私の仕事はほとんどないと思ってたけど、正直これはないわ。だって‥)

 

千聖「だってタートルネックにジーンズじゃない!」

 

麻弥「うぇ!?ち、千聖さん?」

 

千聖「は!?心の声が出てしまったようね。それで?本当にこれで行くつもり?」

 

麻弥「え?ダメですか?」

 

千聖「ダメに決まってるじゃない。今から行くわよ。」

 

千聖はグイッと麻弥の腕を掴み立ち上がらせる。

 

麻弥「ど、どこへっスか?」

 

そして麻弥が連れてこられた場所は‥‥ショッピングモールだった。

 

千聖「着いてきて。」

 

それだけ言うとずんずん入っていき、脇目も振らず店に入っていった。

 

麻弥「千聖さん!ジブンこんな店入った事ないっス!緊張するっス!」

 

千聖「麻弥ちゃんは多分センスがないのか、ただ服を持っていないのかだと思うの。だから今から買うわよ!」

 

麻弥「えええええ!!!」

 

そこからは大変だったっス。

 

ジブンがずっと試着室に入ってて千聖さんが、どんどん服を持ってきて着替えて、その都度見せる。

 

麻弥「どうスか?」

 

千聖「ううん。やっぱり彩ちゃん風のコーデは似合わないわね。次これ!」

 

 

持ってきた服に着替えて出たっス。

 

服は上が白いワンピースにネイビーのカーディガン、お洒落な麦わら帽子と夏らしいコーデっス!

 

麻弥「どうでしょうか?ジブンに‥」

 

 

千聖「いいじゃない!買いましょう!あ!ちょっと待って!」パシャ

 

千聖「よし、決まりね。買ってくるから早く脱いで!」

 

急かされるように脱いで試着室を出たっス。

 

いつの間にか戻ってきていた千聖さんに購入した服が入った紙袋を渡されて連れてきてもらった次の店は靴屋っス。

 

千聖さん曰く「せっかくのデートなんだからスニーカーじゃダメよ!ヒール履きなさい。」だそうです。

 

いつもはヒールなんてジブン履かないっスから、パスパレに入ってから初めて履いたんスから。

 

へ〜ヒールってお洒落なものばかりっスね。あ!これ可愛い。

 

千聖「すいません。これ試着で。」

 

ジブンが見ていたヒールが指名されたっス。

 

麻弥「え!?千聖さん!こ、これはジブンが見てただけで、欲しいなんて‥」

 

千聖「いえ、さっき買った服とこのヒールはとても似合うわ。イヴちゃんのお墨付きよ!」

 

そう言ってLINEのトークを見せてきたっス。

 

そこには先程の服を着ているジブンの写真が送られててイヴさんから何色が合うか送られてたっス。

 

し、仕事が早いっス‥

 

千聖「ところでサイズは?」

 

麻弥「へ?」

 

千聖「靴のサイズは?」

 

麻弥「23.5です。」

 

トントン拍子でヒールを購入し、千聖さんはカードを出したっス。って!ゴールド‥

 

麻弥「いやいや、悪いっス!」

 

千聖「別に構わないわよ。これくらい。そうね、じゃあこうしましょう。少し早い誕生日プレゼントってことで。」

 

麻弥「ううっ‥ありがどうございます!」

 

千聖「ほら、泣かないの。次はカフェ行くわよ。」

 

ショッピングモール内のカフェで千聖さんが何か鞄をゴソゴソやったと思ったら付箋だらけのクリアファイルを出してきたっス。

 

千聖「はい、ここにこの辺りでスタッフさんとか友達とかに聞いてきたデートスポットが書かれてるから選んで。」

 

麻弥「うわ‥こんなにたくさん‥選べないっスよ〜!」

 

千聖「ここはあれよ。日菜ちゃんみたいにるんってくるのを探すのよ。」

 

麻弥「そんなこと言われても‥」

 

そう言いながらもペラペラとページをめくったっス。

 

ええと‥お寺に‥遊園地に‥ホテル‥いやいや段階飛ばしすぎっス!!それに‥刑場跡!?誰スか。こんなの勧めた人‥

 

千聖「ふふ、やっぱり麻弥ちゃんも女の子なのね。」

 

麻弥「うぇ!?千聖さんジブンの事なんだと思ってたんスか!?」

 

千聖「ふふ、私がいつも見ている麻弥ちゃんは機械いじりしてる麻弥ちゃんだもの。今の麻弥ちゃんは年相応に恋に煌めいている女の子よ。」

 

麻弥「もう!からかわないで欲しいっス!」

 

もう、千聖さんったら‥あ!これは!

 

麻弥「自然公園‥」

 

千聖「あら、湊川自然公園ね。センスいいわ。」

 

麻弥(流れる滝から出てるマイナスイオン、色とりどりの花に、豊かな木々、)

 

千聖「ホームページによると今は初秋だから紅葉が綺麗らしいわよ。ほら!」

 

そう言ってスマホを見せてきたっス。本当です!紅葉が綺麗っス!

 

ここを明後日ジブンと拓弥さんが‥フヘヘ

 

千聖「麻弥ちゃん‥楽しみなのは顔見たら分かるけど、せめてよだれはやめてちょうだい。」

 

「へ!?あ!みっともないっス。」

 

ハンカチ出してよだれを拭いてっと‥よし!

 

「それじゃあ、明後日がデートなんだから、いいわね?今日からちゃんとコンディショナーも使って洗ってね?あとメイクもちゃんとしていくのよ?」

 

 

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