艦娘王~最強決闘者への道~   作:トレタビル

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「私が三人目ね。よろしくね」
「本日付で配属されたトレタビルだ。妹ともどもよろしく頼む」
「了解よ。私たち姉妹の活躍見ておきなさい」

確実に素質はあるな。報告書通りだな。用意したこのデッキが合うといいが…


第3話 誇り高き橙の長女

 あの一件から二日ほど経過した。鎮守府ではいつもと同じ日常が繰り広げられている。今日は二日ぶりにあそこで決闘が行われる、前日までに予約が必要なため提督は対戦者同士の確認は終わっている。今日は吹雪と岸波が戦う予定である。岸波は31駆のメンバーの一人でもありその中で頼れる姉長波に猛特訓させてもらい実力をつけていた、そのため新参者にも関わらず1年続けている人と同じレベルまで上がっていた。長波が朝執務室に来た時に起きたら早々に意気込みを言われたと言っていた。内容は単純で「長姉、沖姉、あさちん頑張るよ」だったらしい。提督は何もなければ行けばいいといういつもの考えで始まりまで待つことにした。開始時間が1230であり、第一部隊と第二部隊の交代時間が1400である。遠征や通常の出撃の報告は本日の秘書艦の武蔵に頼んでいる。その当人は1000から地下の第二執務室にいる。第二執務室は世界地図がリアルタイムで更新されており、各地の天気、温度、湿度、情勢などを机の液晶画面に見ることができる、また深海棲艦の出撃情報も入ってくるそのため常に提督たちによって開発されたロボットのみつめる君を利用して観察している。今日はまだ重大な事件は起きていない。提督は新設する部隊に適切な艦娘の決定のためその資料を見ていた。勝率、使用デッキ、他艦娘との関わり方、戦歴等を一人一人のデータに目を通しながら適当かどうかを判断していく適当か不適当か、戦力バランスはどうか、様々なプランを考えながら何人もの艦娘のデータを見て軽巡阿武隈の内容を見ている時であった。突然手元のタブレットが緊急を告げる音を出し始めた。提督は資料を置き、目の前のパネルを見る、場所は北方海域キスカ島沖北に300海里、周辺を哨戒していたパラムシルの艦娘によって報告されたものであった。場所はわかっている、執務室に走り込み大淀に陽炎型を執務室に召集をかけた。ものの二分で陽炎型は集合した、その後現状の説明がなされた。確認されたのはル級四隻、第四駆逐隊の四人を投入し周辺警戒に第十五駆逐隊を投入予定であった。しかし長女の陽炎が口を開いてこう言った。

「私が一人でやる」

 その一言は執務室にいた全員を驚かせる内容であった。相手は戦艦クラスのデッキが4まして鎮守府最強クラスの陽炎型一人で立ち向かうレベルではない、誰もがそれを理解している。しかし陽炎の妹達も提督も冷静であった、提督はこの一言で返した。

「お前がやって来い」

「了解したわ。陽炎の実力見ておきなさい」

数秒のことであった。陽炎が一人で戦う、誰一人として反対しない、信頼という絆があるからかもしれない。

 飛行場では整備の妖精さんが高速移動艇・六式大艇の整備を完了させていた。現場へは迅速に行かなければならない。提督が操縦席へ、陽炎はその横に座る。六式大艇は970㎞/hの超快速偵察機をコンセプトとして製造された。しかし、深海棲艦との戦いが激化する中大本営が不必要機体の製造の縮小があり、コストの高さとともにわずか15機しかない機体である。特にここに配備されているものは一号機である、一部の改良が施され各海域での艦娘の展開、回収に役立っている。後ろには4駆の4人が緊急時バックアップと機体の防衛隊として搭乗した。

 航空管制の妖精は提督に許可を出す。高速の偵察機は爆音を響かせながら鎮守府の滑走路を離れ北へ向かっていった。

「行ってしまったなー」

黒潮がぼそりとつぶやく。

「問題ないですよ黒潮さん、陽炎姉さんですからね」

親潮は黒潮が心配にならないようにそう返した。

「どうやろな相手は戦艦が4、こっちはただの駆逐艦1やでまあ目に見えてるな」

「どうでしょうかね黒潮、私にはあの目は陽炎の本気が見えました」

「不知火そういってもな知ってるやろ、陽炎のデッキやったらどう頑張ってもエースじゃ倒されへんよ」

「黒潮、陽炎には私たちが見ていないカードがありますそれを使えば変わるかもしれません」

「そうわ言ってもな陽炎のエースは素材によって攻撃力が変わるんや」

不知火と黒潮はそういって口論を続けた。そこへ親潮が口を挟んだ。

「陽炎姉さんなら素材を増やせるカードはある。それにそれをまとめる力も」

「なんかうちらみたいやな。そんなカードはあったかな?」

「まあそれなら食堂の中継で見ますか?どうせ私たちは今非番なわけですから。そしてさすがですね15駆指揮艦親潮」

「不知火姉さんからそう言ってもらえてありがたいです。行きましょう黒潮さん」

「そやなー、行こかー。16駆、17駆、秋雲はどうするんやー」

「黒潮、もう彼女たちは行きましたが」

「早ないか?」

談笑のうち三人は食堂に着いた。

 同じころ大艇はキスカ周辺へたどり着いていた。

「早いわね」

陽炎は操縦している提督に言った。

「偏西風を有効活用して移動しただけさ少しは燃費にも優しいからな。そろそろだぞ」

「了解、姉の本気妹達に見せてあげる」

「まあ自由にしろ、ただし本気の出しすぎで負けるなよ」

「そんなことはしないわ」

「お前の癖だ。注意くらいはしておかないとな」

「そう、まあありがとう」

「着くぞ、着水体制を取れ」

そういうと横の陽炎、後ろの4駆はすぐに姿勢を取り六式大艇は北方の海に着水した。陽炎が最初に出撃準備を行う。

「ディスク異常なし、艤装問題なし、デッキ確認よし」

「了解、出撃を許可」

「陽炎出撃しまーす」

そう言って陽炎は敵がいると推定される場所に向かっていった。4駆と提督はそれを見送った。続いて嵐と萩風が周辺の哨戒へ向かう準備を整えた。

「ディスクよし、艤装よし、デッキよし、緊急用回路よし」

「同じく萩風準備完了です」

「了解、哨戒活動を開始」

「嵐巻き起こしてやるぜ」「萩風出撃します」

舞風と野分は二人を見送った。二人の目的はこの機体(六式大艇)の護衛。確認はほぼ必要なかった。デッキと艤装、ディスクを軽く確認して二人は近場に待機した。提督は自身のディスクに見えるはずの陽炎のデュエルを見ようとしていた。

同じく鎮守府にいるほかの陽炎型姉妹も見ていた。

 

陽炎はただ指定された航路を走るだけだ、確認された位置に徐々に近づいている。ただそれとともに重々しい空気を感じる。常に最前線で戦い続ける陽炎型だからこそ感じているのかもしれない。だがその重さは自身の装備で証明される。

「ル級4、報告通りだわ。見つけた戦いたい敵」

敵も陽炎に気が付いたのかすぐさま向かってきた。陽炎はそれに応じるかのようにディスクを構えた。敵も対抗する相手が分かったらしく二番艦が一歩前に出てきた。ただ陽炎はそれが満足ではないかのように手で他の戦艦も挑発した。四隻一斉に陽炎を相手にしようとする。逆にそれが陽炎の仕掛けた勝利の方程式のきっかけとも知らずに…

 

何事もないかのように自然な流れでデュエルは始まった。だが次の瞬間であった。提督のディスクからはノイズしか見えなくなった、同じく黒潮たちが見ているテレビも。

「これは電波障害やな…」

「今までこのようなことはなかったはずですがいったいこれは」

「新タイプのル級もしくは陽炎の仕業かそれは陽炎のみが知ってることでしょうか」

「陽炎がこんなことするかな?提督が常に見てるのはいつものことや、それを妨害することなんかせーへんって」

同じころ現場周辺では他の通信を確認していた

「嵐、萩風応答しろ」

「なんだ司令?何も問題ないぞ」

「同じく萩風も問題ありません」

「そっちの方がありがたい、周辺にレーダーで探知できない地点はあるか?」

「陽炎の姉貴が行った方向が探知できない」

「そうか、陽炎が行った方向ね…」

「どうした司令、心あたりでもあるのか?」

「たぶんこの障害は陽炎がやったんだろうな、向こうが陽炎型の特殊レーダ-で探知不可能にする能力を持った奴は存在しないだからさ」

 

提督の予想は当たっていた、陽炎は自らレーダー探知妨害システムを起動して敵と決闘していた、敵に自らの戦術をばれないように…。彼女は最初は余裕をかましていたようであったが実際は劣勢であった。四体目のル級のターンが終了してLPはわずか200、手札は二枚、相手には攻撃力2500が四体もならびほぼ絶体絶命の状況であった。

「やるじゃない、だけどネームシップとしての誇りここでなくすわけないじゃない。私のターン、ドロー」

一瞬陽炎は悪魔のような微笑みを見せた後、手札の三枚を使用した、そして強烈な光が起こった…

「勝った…」

陽炎はそう言うと一人海面へ倒れかけた。

「ふう、間に合ってよかったぜ」

「司令、姉さんは無事でした」

間一髪のところで嵐と萩風が間に合った。

「あら、二人とも来てくれたの…」

「姉貴、まあ後でいいから」

「はい司令、敵の探知ありません、作戦完了しました」

 

その後、鎮守府へ帰還、もちろん陽炎は入渠が命令された。また無断でレーダー阻害などへの始末書処分が言い渡された。

「黒潮、今回は大外れですね」

「せやな~、まさかやると思ってなかったな~」

「黒潮さん、まあそういうこともありますよね」

ただの談笑も同じく繰り広げられる

 

それと同じころ吹雪は戦いに向かうところであった…

 

 




投稿遅くなりましたね…
19冬で遊んだりとしているといつの間にか伸びてました…

19冬の内容も少し入れれたらと思っています
陽炎のデッキですが秘密です
今後に影響を及ぼさないようにわざと隠しました

次回吹雪vs岸波

お楽しみに
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