Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
花咲川女子学園では終業式を終えていた。明日から冬休みと言うことで、生徒達はさっさと帰宅していった。しかし、2年の教室では3人の生徒が真剣な表情で会話をしていた。
「…と…言う…事でした。」
燐子は話し終えると、「ふう」と息をついた。
「燐子ちゃんありがとう。」
「ありがとうね。私が千聖ちゃんのこと、何か変って思ったのはそういう事だったんだね。」
燐子が話していた内容はこの間、図書室で千聖と話した事で、それを花音と彩に話していたのである。いや、報告をしたと言う方が正しいかもしれないが…。
「で、でも…。し、白鷺さんは…まだ…悩んでいる…みたいでした…。アイドルと…恋…。り、両立出来るのかって…。」
燐子は眉を下げながら言った。
「そうだよね…。千聖ちゃん、私にいつも口酸っぱく言ってたからなぁ…。アイドルはスキャンダルを起こしたら終わりって…。千聖ちゃん、パスパレ辞めちゃうのかな…。」
彩は目に涙を溜めながら言った。
「あ、彩ちゃん!落ち着いて!ま、まだ光君と付き合うって決まった訳じゃないんだし。」
「でも、千聖ちゃんには幸せになって欲しいよ~!私どうすれば良いの~!」
「ま、丸山さん…お、落ち着いて下さい…。」
とうとう「グスッ」と泣き出してしまった彩を燐子と花音で慰めていた。
「し、白鷺さんは…パスパレを…辞めないと思います。」
「燐子ちゃん~。なんで分かるの~。」
「え?なら、千聖ちゃんは光君を諦めて、仕事を優先させるの!?」
「それも嫌だよ~。」
「い、いえ。…白鷺さんなら…両立…出来そうだなぁと…思いまして…。」
焦る彩と花音に対して、燐子は静に言った。
「…確かに、千聖ちゃんなら両立しそうだね。」
花音は千聖を思い浮かべながら言った。
「そう…なのかな…。わ、私はどちらかに絞りそうな気がしてならないよ~。」
彩も千聖を思い浮かべた。しかし、彩の思い浮かべた千聖は、彩に叱咤しているところだった。
「こればっかりは…白鷺さん…次第ですよ。」
「そうだよね。どちらにせよ、千聖ちゃんに幸せになって欲しいなぁ。」
「ねぇ!千聖ちゃんが、ちゃんと、仕事と恋を両立出来たら、私にも出来るかな!?」
涙を拭き取りながら彩は燐子と花音に言った。しかし、2人から返答はなく、苦笑いをしているだけだった。
「ち、ちょっと!2人とも!何か言ってよ!」
「燐子ちゃん?この後暇かな?カフェでお茶しようよ。」
「えぇ…。良いですよ。」
「2人とも酷いよ~。」
3人しかしない教室だったが、不思議と活気があり、明るい雰囲気を纏ってはいるのであった。
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千聖はスマホを持ち、固まっていた。終業式後、ドラマの仕事に向かった千聖だったが、予想以上に早く終わり、15時に家に帰ってきていた。
「これは…デートのお誘いかしら。」
千聖が見ている画面には光からのLINEが映っており、内容を要約すると「クリスマスって暇ですか?」という事だった。あまりにも長々とした文章が来たので、割愛する。
「デートの誘いよね。クリスマスは何も無かったわね。」
スケジュール帳を確認し、千聖は文章を打ち始めた。
「えっと、暇よ。デートのお誘いかしら?っと。」
文章を打ち終え、送信するとすぐに既読がついた。
「ふふっ。返信が来るのをずっと待っていたのかしら?…そうだわ。」
千聖は立ち上がり、さっきまで着ていたコートに再び袖を通すのであった。その頃、光は
「良かったぁ~。断られるかと思った…。」
と、千聖が言った通り、ずっと返信を待っていたのであった。
「えっと。返信しなきゃ。千聖さんは何時から暇ですか?イルミネーション見に行きませんか?よし。送信!」
光はゆっくりと文章を打つと、再び、スマホを自分の目の前に置き、既読が点くのを待っていた。しかし、今度は待てど暮らせど既読は付かなかった。
「おかしいなぁ?…仕事中だったのかな?」
光は呟くと、文庫本を手に取り、読もうとした。
「光ー!お客さんよ!」
すると、下の階から母親の声が聞こえた。
「お客さん?誰かな?はーい!今、降りるよ!」
光も叫び、立ち上がった。そして、ドアを開けようとしたが、先にドアが開いてしまった。
「光君。こんにちは。」
そこには、微笑みながら千聖が立っていた。
「へ?ち、千聖さん?こ、こんにちは。あれ?」
「ふふ。驚いてるわね。」
「そ、そりゃそうですよ。今日って来る事になってました?それとも、何か用事ですか?」
光は目を丸くしながら言うと、千聖は少しだけムッとした表情を浮かべた。
「ドラマの撮影が早く終わったから遊びに来たのよ。用事がなきゃ、遊びに来たらダメかしら?」
「そ、そ、そういう訳では無くて…。」
「ふふ。分かっているわ。冗談よ。入っても良いかしら?」
「あっ!ど、どうぞ!」
光は千聖を招き入れた。そして、光は千聖が部屋に入ったのを確認すると、ドアを閉めた。
「光君。会いたかったわ。充電させてね。」
千聖はそう言うと、光の背中にもたれかかった。
「は、はい。ぼ、ぼぼぼ、僕で良ければ!」
未だに慣れない光に千聖はふふっと微笑んだ。
「そ、そうだ。ち、千聖さん?LINEはみ、見ましたか?」
「見たわよ。既読が付かないように読んだわ。イルミネーションだけど…。本当は一緒に行きたいのだけれども、人混みはちょっと…。」
千聖が困った様に言う。
「ご、ごめんなさい!そ、そうですよね!気が回らなくてごめんなさい。」
「ううん。私の方こそごめんなさい。普通の女子高生だったらデート出来きたのに…。」
「き、気にしないで下さい…。えっと、クリスマスは大丈夫なんですか?」
「ええ。一日中OFFよ。」
「分かりました。では、何しますか?」
光が言うと、千聖は光の背中から離れ、前に回ると、そのまま、光をベットに腰掛けさせた。
「その話は後にしましょ?」
「ち、千聖…しゃん?」
千聖は、光の膝の上に座り、手を光の肩に回した。2人は今、向かいあって座っている状態だった。かなりの至近距離だった為、光は顔を真っ赤にし、口をパクパクとさせた。
「ふふっ。可愛いわね。」
「ち、ち、ち、千聖さん!?こ、こ、これは…は、恥ずかし過ぎます!」
光は千聖から離れようと試みてみるも、がっちりと千聖に抱き締められている為、出来なかった。
「光君?嫌かしら?」
「い、嫌じゃないですけど、は、は、恥ずかしいです!ち、千聖さん!いい加減にしないと襲っちゃいますよ?ぼ、僕も一応、男なんですから!」
「あら?良いわよ?」
「え?本当ですか?…じゃなくて!」
「ふふ。やっぱり光君は可愛いわ。」
千聖は光の膝から降りた。光が「(何だ。冗談か…。)」と思っていると横に座った千聖は「あら?本気よ?」と微笑みながら言った。またも、心を読まれ、振り回される光は顔を真っ赤にして、「(もう嫌…。)」と思いながら、顔を手で覆った。
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千聖が光を襲わんとしている最中、光の部屋の下の店舗ではリサとモカがバイトをしていた。
「リサさ~ん。さっきから上を気にしているみたいですけど~。どうしましたかぁ~。」
相変わらず、間延びした独特な口調で言った。
「モカは気にならないの?千聖が光に会いに来たんだよ?」
「モカちゃんは別に~。若いお2人さんが楽しんでいるのならそれで~いいで~す~!」
モカはおちゃらけながら言った。本日もお客の入りはイマイチで現在もお客はいない。
「私は心配だよ…。一応、光のお姉さんのつもりでいるから。」
「リサさん、そんな風に思ってたんですかぁ~?モカちゃんビックリ~。」
「も、モカは思ってないの!?」
「う~ん。モカちゃんは、たっくんの事は~…恋人にしたいなぁ~って思ってますよ?」
「へ!?モカ!?」
リサは驚き、バッとモカの顔を見た。するとモカはニヤニヤと笑っていた。
「ふっふっふ~。リサさん、騙された~。」
「ち、ちょっとモカ!?」
リサは顔を赤くしながら叫んだ。
「まぁ…でも~、たっくんも、千聖さんも、幸せになって欲しい~ですね~。」
「ま、まぁ、それは私もだけど…。光は優しいから、ね。」
「そ~いえば、リサさん、たっくんが千聖さんの返事を断る~って言った時に、すご~く反対してましたよね~。あれ、なんでですか~?」
モカが思い出したように言う。
「だって、絶対に千聖の事好きじゃん!?なのに、返事を断ろうって、絶対後悔するよ!」
「…この間、話んですけど~…」
「あっ!いらっしゃいませ!」
モカが言いかけると、お客が丁度、入ってきた。
「あれ?えっと、光の幼馴染みの…」
「は、はい!あ、茜です!い、今井さん!この間は、ありがとうございました!そして、騒いですみませんでした!」
リサの姿を見つけた茜はガバッと頭を下げた。
「だ、大丈夫だって!頭を上げてよ!」
リサが慌てて言うと、茜は顔をあげた。
「君が~たっくんと幼馴染みの~?」
「へ?た、たっくん?」
「あぁ~。光の事だよ。橘だからたっくん。」
リサが解説を入れると、茜は「あぁ~。」と納得した様子だった。
「はい。光君と幼馴染みの中野茜です。」
「モカちゃんはモカちゃんだよ~。」
「モカ!それ、分からないよ。自己紹介になってないよ!」
「さーせん。」
「あはは!分かりますよ。光君に聞いてます。青葉さんですよね?」
「そぉ~です。」
おちゃらけて言うモカに茜はふふっと笑った。
「茜って呼んでいいかな?」
「は、はい!大丈夫です。」
「茜は買い物に来たの?」
「あ、いえ。光君に会いに…。あのライブの後、ちょっと喧嘩しちゃって、言い過ぎたなぁって…。」
「あぁ~。あの、千聖さんとは僕は釣り合わないってやつ~?」
「え?モカ?何それ!?私聞いてないんだけど!」
「あいつ。すぐ、人に話すんだから…。」
リサは驚き、茜はため息をついた。そして、茜は、あのライブの後の事を話した。ちなみにだが、確認為に言うがリサとモカはバイト中である。一応、確認の為に…。
「茜も光の事、好きだったんだね。…大丈夫?」
「はい…。大丈夫ですよ。光君を見てたら千聖さんには適わないなぁって思っちゃって。あいつ、まだ釣り合わないから告白を断るとか言ってましたか?」
「悩んでるのは変わらないかなぁ~。でも~。少しは前向きに~、なったと思うよ~。後は二人次第かなぁ。」
モカが言うと、茜は「そうですか…。」と呟いた。
「ねぇ、茜は本当に光を諦めて平気なの?」
リサは眉を下げながら言った。
「はい。やっぱり、好きな人には幸せになって欲しいので…。あいつを1番、幸せに出来るのはきっと、白鷺さんなので。」
茜が苦笑いしながら言う。
「そっか…。茜は強いね。」
「そんな事ないですよ。光君は部屋にいますか?」
「あぁ~…。いる~…けど…。」
「今は…。」
「どうしましたか?行ったらマズいですか?」
ハッキリしないリサとモカを茜は不思議そうに見た。
「今ね。千聖が来てるんだよ。」
「そうなんです?なら、丁度良かった。白鷺さんにも失礼な事を言ったので謝らないとなんで…。では、失礼します。」
茜はペコリとお辞儀をすると、部屋に上がって行った。
「行っちゃいましたね~。」
「…大丈夫…だよね?」
「何がですか~?」
「い、いや。光と千聖…。あんな事とか、してない…よね。」
リサが頬を赤らめ、ボソボソ言うと、モカはニヤリと笑って
「リサさん~?あんな事ってなんですか~?モカちゃん分からないなぁ~?なんですか~?」
と言った。
「もう!モカ!」
リサの叫び声が再び、コンビニ内に響いた。もう1度言うが、2人はバイト中である。店長である光の父親は騒がしい2人に頭を抱えていた。
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「ち、千聖さん、こ、こうですか?」
「あっ。とっても気持ちいいわ。光君上手ね。」
2階に上がった茜は光の部屋の前で固まっていた。中から聞こえてくるやりとりを聞いて、顔を真っ赤にした。
「(何してるのよ!まだ付き合ってないでしょ!いやいや!付き合っててもダメだよ!)」
「光君。変わるわ。ほら、力抜いて?」
「え?いや、申し訳ないですよ。」
「気にしないで…。ほら?気持ちいい?茜ちゃんともこう言う事したこと、あるのかしら?」
「あった…かな?」
「ちょっと待った!私はそんな事…して…ない…。」
光と千聖がとんでもない会話を始めた為、茜は勢いよく、光の部屋に入った。しかし、茜が入ると、想像していた事は何も起きてなく、ただ、千聖が光の肩を揉んで貰っている所だった。
「あ、あーちゃん?ど、どうしたの?」
「え、あっ…。もぉー!ややこしい会話しないでよ!」
茜は顔を真っ赤にして叫んだ。焦る光に対して、千聖は「ふふっ」と笑っていた。
「茜ちゃん?何を想像したのかしら?」
千聖が言うと、光は数日前のライブに行った日を思い出し、ため息をついたのであった。
りみりん誕生日おめでとう!
寒いのか暖かいのか分からない日が続きますね。
僕が描く千聖は大胆過ぎかなぁとか色々考えってしまう今日、この頃。
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