Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
クリスマスが終わると街は一気にお正月ムードに変化する。そして、街全体がソワソワした雰囲気に包まれていた。そんな中、千聖は羽沢珈琲店にいた。大好きな紅茶を飲みながら次のドラマの台本を読んでいる最中だった。千聖は1人で喫茶店でゆっくりしているのではなく、待ち人をしていたのであった。
「千聖ちゃーん!お待たせ!お、遅れてごめんね!」
千聖の待ち人である人物がピンクの髪を靡かせながら店内に入って来た。
「大丈夫よ。彩ちゃん、今日はどうしたのかしら?」
千聖は台本を閉じるとニコリと微笑んだ。彩は遅れてしまった事に対して、手を合わせてた。
「う、うん。その前に、私も注文するね?…え~と、どれにしようかなぁ~?」
メニューを開き、あーでもない、こーでもないと悩みだした。
「…彩ちゃん?悩むのも良いけど、食べ過ぎないようにね?なにで悩んでいるの?」
「え?うん。ショートケーキにしようか、チョコレートケーキにしようか…。あぁ~。どっちも美味しそうだよ~…。」
彩は頭を抱え、眉を八の字にした。
「分かったわ。2つ頼みましょう。私が半分食べるわ。」
「え!?良いの!?千聖ちゃんありがとう!」
千聖が案を出すと、彩は「パァ~」と明るく、満面の笑みを浮かべながら言った。その様子はまるで、太陽が羽沢珈琲店に登ったようだった。
「ふふっ。」
「千聖ちゃん?」
「何でもないわ。注文しましょ?」
千聖が軽く手を挙げ、やってきたつぐみに注文をした。
「ところで、彩ちゃん。私に用事があるのよね?何かしら?」
先程と同じ質問を千聖は言った。
「う、うん。え、えっとね…。わ、私ね!ち、千聖ちゃんの事が心配で…。」
「心配?…パスパレなら辞めないわよ?まだ心配しているの?」
千聖は眉間に皺を寄せ言った。
「ち、違うよ!それはもう大丈夫…。大丈夫なんだよね?」
「はぁ~。大丈夫って言ってるじゃない。光君と付き合うことになっても、パスパレを疎かにしないし、迷惑はかけないわ。」
未だに心配そうな表情の彩に千聖はため息交じりにいった。
「分かったよ。まぁ、千聖ちゃんだし、いらない心配だよね…。…私に散々注意してたのに…。」
「何か言ったかしら?」
「う、ううん!な、何でもないよ~。そ、それで、千聖ちゃんを呼びだした理由はね。もう1つ心配な事があって…。」
「何かしら?」
「千聖ちゃん、光君に厳しくしてない?私に言ってるみたいに、夜は早く寝なきゃダメとか、健康の為に野菜を取らなきゃダメとか…。」
「彩ちゃん?」
彩は下を向き、指を折りながら喋っていた。そして、千聖に声をかけられ、彩が千聖の顔を見る。そして、彩は思わず「ひっ。」と言ってしまった。千聖は満面の笑みを浮かべていた。しかし、千聖の後ろにはドス黒いオーラが出ていた。
「お説教が必要みたいね?ねぇ、彩ちゃん?」
「ち、ちちち、千聖ちゃん!お、お、お、落ち着いて!ほ、ほら!け、ケーキが来たから、た、食べよ?」
「私は落ち着いているわよ?彩ちゃん。…はぁ~。光君にそんな事言わないじゃない。芸能人じゃないのよ?でも、風邪を引きやすいらしいから体調は気をつけて欲しいわね。」
千聖は一気に喋ると、紅茶に口をつけた。
「そ、そうだよね…。あ、あはは~。で、でも
!千聖ちゃん!私にアイドルは恋愛はタブーとか散々言ってたのに!」
「…その件に関しては謝るわ。でも、私は見つからないように上手くするわ。はぁ~。でも、その前に、光君から返事貰わないと…。」
千聖は額に手を当てた。
「だ、大丈夫だって!千聖ちゃんならきっとOK貰えるよ!」
「そうだと良いのだけど…。」
千聖が苦笑いしながら言うと、千聖のスマホから「ピコン」と通知が鳴った。千聖がスマホを操作し、確認する。
「あら?モカちゃんからLINEだわ。珍しいわね。」
千聖は呟き、内容を確認する。すると千聖の目が段々と、見開いていった。
「ち、千聖ちゃん?どうしたの?」
「彩ちゃん!帰るわ!とりあえず、支払い頼んでも良いかしら?次、会った時に必ず返すから!」
「それは良いけど…。どうしたの?」
「次、会った時に話すわ!」
千聖はそう言うと、ガタッと立ち上がり、出口に向かった。彩はビックリしながら千聖の行動を見ていた。すると、千聖は突然、ピタッと動きを止めた。
「千聖ちゃん?どうしたの?忘れ物?」
「彩ちゃん?お説教の続きも次、会った時にね?」
千聖が振り向きながら言うと、立ち去ってしまった。
「お、お説教…。終わって無かったんだ…。」
彩は「はぁ~。」とため息を付いたが、目の前にある2つのケーキを見て目を輝かせるのであった。
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「あっ。そこ、違うよ?」
「え!?嘘…。」
参考書を指を差しながら光は言った。
「あぁ!もう!古文なんて大っ嫌い!なんで、昔の言葉なんか習わなきゃいけないの!?」
「まぁまぁ。あーちゃん。落ち着いて。あーちゃん頭良いのに、なんで古文だけ出来ないんだろうね?」
読んで貰って分かったと思うが、2人は光の部屋にて、勉強中である。1時間くらい前に茜が「古文を教えなさい!」と言いながら、いきなりやって来たのであった。
「私が聞きたいよ!てか、あーちゃんって呼ぶなって何回言えば良いの!?バカなの?」
光に古文が出来ない八つ当たりを茜は始めた。しかし、いつもは「何っ!?」と言い返す光だが、今日は違った。
「そのバカに古文を教えられているのは誰かな?あーちゃん?」
光がニコッと笑いながら言った。
「むぅ…。く、悔しいけど言い返せない…。光君のくせに…。」
茜は持っていたペンを握りしめて言った。ちなみにだが、茜は学校でも、10位以内に入るくらいの秀才だ。…古文を除いては…。一方、光は得意科目と苦手科目の差が激しく、得意な国語は95点以上は確実なのだか、苦手な数学はテスト返却時に、「橘!お前今回凄いぞ!30点もあるぞ!」「先生!マジっすか!」と会話が起きるくらいである。
「あはは~。まぁ、あーちゃんに勝てる部分があって良かったよ。さて、続きやろ?まだ半分も終わってないよ?」
「おーい。たっくーん!」
話はそこそこにと、光が問題集を持ってたペンで指しながら言うと、1階からモカの声が響いた。
「…なんだろ?ちょっと行ってくるね?」
「うん。何かあったんじゃない?早く行きなさいよ。」
茜が手をヒラヒラと振りながら言うと、光は急いで、下に降りて行ったのだった。
「…たっくんか…。私も光君の呼び方変えようかなぁ…。」
部屋に残された茜はそう考えていた。光がいなければ古文の勉強など進むはずがないので、スマホを取り出して、暇を潰すのであった。
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光が急いで下に降り、更に店舗の方に顔を出した。呼ばれるくらいだからさぞかし忙しいのであろうと予想していた光はエプロンを手に取っていた。しかし、いざ、レジまで行くと、お客はいつも通り(?)誰もおらず、モカだけがレジにポツンと立っていた。
「青葉さん?」
「おぉ~。たっくんではないかぁ~。ど~したの?」
「どうしたのって、青葉さんが呼んだんじゃないですか!?」
光がモカに近づきながら言うと、モカは「冗談だよ~。」とニヤニヤ笑いながら言った。
「それで、どうしたんですか?」
「ふっふっふ~。今日は~、見ての通り~、暇なんだよね~。」
「えぇ?あっ、はい。それで?」
「だから~。モカちゃんは~、普段、お世話になっている~、店長に恩返しをしようと、考えていたのだ~。」
「…?…はい?」
「それで~。店長が~、1番喜ぶのって~、たっくんが幸せになることじゃん~?」
遠回しに言うモカに、光はだんだんイライラしていた。
「えっと…。結論を言って貰えません?」
「たっくん、イライラしないでよ~。だから、たっくんが、幸せに~、なるのって、千聖さんといる時じゃん?だから、呼んだから~。」
「…ん?千聖さん、来るんですか?えっと、忙しくて来れないんじゃないですか?」
「来るんじゃな~い?LINEしたから~。あっ。送った内容は~、これね~?」
モカはスマホを操作し、画面を光に見せた。
“千聖さん。こんにちは。モカちゃんで~す。
今~、たっくんが、女性を部屋に連れ込んでますよ~。”
スマホに表示してある、文章を読んだ光は青ざめていた。
「…何やっちゃってるんですか!?青葉さん!茜が勉強を教えて欲しくて来ただけじゃないですか!」
「モカちゃんは嘘は言ってないよ~?」
ニヤニヤと笑うモカに光は絶句した。
「そんなとこで、固まってる暇はないんじゃない~?千聖さん、必ず来るよ~?ほら~。言ってる側から~。」
モカが入り口を見ると、千聖が自動ドアから入店しているところだった。ピンポーンと軽快なチャイムが鳴るが、光には自分の心臓に直接響くような思いだった。
「千聖さ~ん。いらっしゃ~い。」
「モカちゃん、こんにちは。さて光君?どういうことかしら?」
ニコニコと千聖は笑って言った。しかし、目は一切笑っておらず、光の背筋はゾッとしていた。
「(や、ヤバい。ヤバすぎる…。今までで、1番恐い…。ん?待てよ?元々は青葉さんが勝手に僕が女性を連れ込んでいると送っただけ…。これ、僕は何も悪くないよね?)」
そう光は考えると、肩の力がフッと抜けるようだった。
「千聖さん、忙しいところごめんなさい。実は、あのLINE、青葉さんが勝手に送っただけで、家に来ているのはあーちゃん何ですよ?」
光はニコッと笑いながら言うも、千聖の表情は相変わらずだった。
「なるほど…。幼馴染みであるあーちゃんを連れ込んだのね?ふふっ。2人で何していたのかしら?」
「勉強ですよ?あーちゃんが1時間前くらいにいきなり来て、古文を教えて欲しいと。」
何もやましいことはないと言うように、光は胸を張って言った。
「…そう。光君、部屋に上がらせて貰うわね?」
千聖はそう言うと、光の返答を待たず、さっさと2階にある光の部屋に向かった。
「…青葉さん?」
「なぁに?たっくん?」
「今回の事は、Afterglowの方々にチクらせて貰いますので…。」
「りょーかい。」
光の脅しなど、モカには一切効かなかったが、千聖が先に入ってしまった為、急いで追いかけるのであった。
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「本当に勉強をしてたのね。」
「そうだって言ってるじゃないですか!こっちはいきなりちーちゃんが入ってきて、ビックリしたんですからね!」
千聖がノックも無しに、いきなり光の部屋に入ってきた時、茜は柄にもなく「キャー!」と叫び、持っていたスマホを落として、腰を抜かしていた。
「…ごめんなさい。」
「千聖さんは悪くないですよ。悪いのは…。」
「さーせん。」
光は、バイトがそろそろ終わるモカを呼んでいた。モカは謝罪するが、悪びれた様子は皆無がった。
「はぁ~。あっ…。もうこんな時間…。光君。ごめん。今から塾だから…。ちーちゃんもごめんなさい。」
「分かったよ。塾頑張ってね?」
「ち、ちーちゃんは止めてくれないかしら?…あーちゃん?今度、ゆっくりお茶しましょう?」
「あーちゃんって呼ぶのを止めたら、ちーちゃんと呼びません!…お茶は是非…。それでは。光君、また古文教えてね。」
茜はそう言うと、帰って行った。
「さて!青葉さん?」
「なぁに?」
「どうして、あんなLINEを千聖さんに送ったんですか?」
光はこっから本題と言わんばかりに、座り直した。
「千聖さん、良かったですね~。たっくん、千聖さんの事、大好きみたいですよ~。」
「…はい?」
「モカちゃん!?もっと詳しく教えて貰えるかしら?」
千聖も、座り直し、前屈みになりながら言った。
「えっと~。たっくんの幼馴染みが来たらあのLINEを送るって、決めてて~、たっくんにあのLINEを見せた時に~、どんな反応をするかを確かめようと思いまして~。」
「…どんな反応だったの?」
「めっちゃ慌ててましたよ~?もう、青ざめてて~。間違いなく、あれは~、千聖さんに嫌われたら~、どうしよ~。みたいな顔をしてましたよ~。」
モカがニヤニヤしながら光を見て言う。
「本当かしら?光君?」
更には、千聖も光に詰め寄った。
「そ、そんな顔…。してません。」
「してたよ~。たっくん分かりやすいから間違いないよ~。」
ふっふっふ~と、笑いながらモカが言った。
「光君、聞かせてくれるかしら…。光君の本当の気持ち…。どう思っているの?」
「え、えっと…。」
「2人とも~?モカちゃん、邪魔みたいだから~、帰るね~?あっ。たっくん、お礼はパンね~。」
「モカちゃん、今度、私が買っていくわ。」
「あざーす。」
モカは立ち上がると、さっさと帰って行った。
「さて、光君…。聞かせて…。これでも、一応、不安なのよ?」
「わ、分かりました…。」
光はそう言うと「ふぅ~。」と深呼吸した。そして、静に口を開いたのであった。
いよいよ終わりが近づいてきました。
前の小説も終わりが近づくと寂しくなりました。
ちなみにですが、次回作も考え中です!
意外なヒロインの予定なのでお楽しみに笑
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