Choose thy LOVE.Love thy choice   作:ぴぽ

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第19話

「…という訳で付き合うことになったわ。迷惑はかけないようにするわ。だから…。」

「千聖サン!そんなに畏まらないで下さい!めでたい事です!」

「そうですよ!だからそんな申し訳ない顔をしないで下さい。」

千聖が光の家に泊まった翌日、Pastel*Palettesの練習前に千聖から「話がある」と言い、光と付き合う事になったという説明をメンバー全員にした。ちなみにだが、マネージャーにも言ったが、あまりいい顔をしなかった。

「…ありがとう。」

「千聖ちゃん、何でそんな顔をしているの?別に、ウチは恋愛禁止って訳じゃないんだからいーじゃん!」

「日菜ちゃん?そういう問題じゃないのよ?もし、バレてしまったらそれなりに大変になるわ。私だけじゃなくて皆もね。でも、私は光君が大好きだから…。ワガママを言ってごめんなさい。」

千聖は頭を下げた。麻弥とイヴはそんな千聖の姿を見て、慌てて「顔を上げて下さい。」と言った。

「だからそんなに気にしなくても大丈夫だって!バレても良いじゃん!寧ろ、バレた方が気にせずデートとか出来るじゃん!」

日菜は「あはは!」と笑いながら言った。回りにいたスタッフは「それだけは勘弁」といった表情をしていた。

「あ、あのー。ち、千聖ちゃん?」

「何かしら彩ちゃん?」

「わ、私はいつまで正座をしてたら良いの…かな?」

足をモジモジとさせ、涙を目に溜めながら彩は言った。彩はこの間の羽沢珈琲店で言った余計な事の説教の真っ最中であった。

「あら?彩ちゃん。まだ終わってないわよ?」

「…光君に言ってやる。」

「何かしら。彩ちゃん?まだお説教、されたいかしら?」

「な、ナンデモナイヨ?」

千聖がニコッと微笑みながら言うと、彩は背筋をピンと伸ばして言った。日菜は爆笑し、麻弥とイヴは苦笑いをしていた。

「と、ところで、千聖さんは光さんのどこが、良くて好きになったんですか?」

話題を変える為に、麻弥が言った。

「えー!?麻弥ちゃん、分からないの?」

「ひ、日菜さん、分かるんですか!?」

「私、あのライブの後の1回しか光君を見てないけど、すぐに分かったよ~。」

相変わらず「あはは!」と笑いながら言う日菜に回りは驚いていた。

「日菜ちゃん?教えてくれるかしら。」

「え~?千聖ちゃんも気付いてないの?千聖ちゃんって彩ちゃんの事大好きだよね?だから光君の事も好きになったんでしょ?光君と彩ちゃんってソックリじゃん!るんってするよ!」

「に、似てる…かな?」

日菜の発言に彩は首を傾げた。

「…確かに、似ているわ。表情がコロコロ変わるとことか。でも、光君は彩ちゃんと違ってちゃんとしているわよ?」

「千聖ちゃん酷いよ~。」

彩はますます目に涙を溜め、決壊寸前だった。

「あ、彩ちゃん。ち、違うのよ。そ、そんなつもりで言った訳じゃないわ。」

「あははー!彩ちゃん面白い!」

お腹を抱えて笑う日菜に千聖はため息をついていた。

 

─────────────────────

「…という訳で付き合う事になりました。」

「良かったじゃない。」

千聖がPastel*Palettesのメンバーに説明をしているほぼ同時刻。光も茜に報告をしていた。ちなみに、茜の目の前には「古文」の参考書が広げられていた。

「ありがとう。あーちゃんのお陰だよ。」

「私は何もしてないよ。…あーちゃん言うな。」

「いやいや。本当にあーちゃんには助けて貰ったよ。…あっ。そこ違うよ?」

「え?また?はぁ。」

茜は消しゴムを取り、間違った箇所を消していった。

「で?これからどうするの?」

「これから?」

「だって、光君は彼女が出来た訳じゃん?私が光君の部屋に出入りするのはマズくない?」

茜は苦笑いしながらも、どことなく寂しい雰囲気を出していた。

「…別に良いよ。」

「なんでよ?」

「あーちゃんは特別だよ。確かに、女の子だけど、僕にとっては大切な友人の1人であることには間違いないよ。だから、これまでと変わらず、気を遣わないで欲しい。逆に、あーちゃんも彼氏が出来ても、僕を遠ざけないで欲しいかな?やっぱり、寂しいし…。って、言ってる事、変かな?」

光が言い終わると、茜は目を見開いていた。しかし、すぐに表情を戻すと

「本当に変なの。…でも、ありがとう。」

と言った。

「いえいえ。あっ。また違うよ?」

「う、嘘…。あーもう!嫌!」

茜は持っていたシャーペンを机の上に投げた。ちょっと休憩と言わんばかりに、「う~ん。」と伸びをした。

「ところで、光君も大変だね。」

「何が?」

「ちーちゃん、芸能人じゃん?やっぱり付き合うとなると大変じゃない?」

「まぁ、そこはね。しょうがないじゃん?」

肩を竦めながら光は言った。

「まぁ。光が良いなら良いよ。」

「え?」

「何よ?」

「今、呼び捨て?」

「何?い、いけないの?光君はちーちゃんが呼んでるから止めたのよ。だから、あーちゃんって呼ばないでよね?」

顔を赤くし、茜はプイッと顔を背けた。

「…まぁ、暫くは慣れないだろうけど…。了解。あっ。あーちゃんは無理かな?慣れちゃってるから。」

「はぁ~。分かったわよ。」

「はい!じゃあ、古文の続きをやろうか。」

光がペンを持ち、参考書を指した。

「…はぁい。よろしくお願いします…。」

茜もシャーペンを握ると、問題を解き始めた。しかし、すぐに詰まってしまい、頭を抱えてしまった。

 

─────────────────────

「そう。あーちゃんに報告したの?」

「千聖さんもPastel*Palettesに報告したのですね。」

Pastel*Palettesの練習後、千聖は光の家に来ていた。現在、2人は光の家のリビングにて、のんびりと紅茶を飲んでいた。

「千聖ちゃん?今日も泊まるの?」

「いえ。流石に家に帰らないと。」

千聖が言うと、光はホッとしたような、残念なような不思議な気持ちになっていた。

「光?なんて表情をしているのよ?」

「へ?普通にしてるけど…。」

「ふふっ。光君は表情に出過ぎなのよ?すぐ分かるわ。まだ、私といるのに緊張するのよね?」

「は、はい…。で、でも、離れたくもないです…。」

光が苦笑いすると、千聖は嬉しそうに微笑んだ。

「またすぐに会えるわよ?今は、スケジュールも落ち着いてるから。…じゃあ、帰るわね?」

千聖はそう言うと立ち上がった。

「お邪魔しました。ありがとうございました。」

千聖は光の母親にお礼を言った。

「良いのよ。またいつでもいらっしゃい。」

「千聖さん、気をつけて下さいね?」

「はい。光君、ありがとう。またね。」

千聖は微笑むと、会釈をし、帰って行った。

「光。良かったわね。あんな良い子と付き合えるなんて。お母さんも嬉しいわ!」

「か、母さん!?全く…。」

「光!?お客さんだよ?」

光が自分の母親に呆れてると、店舗の方から光の父親が出てきて言った。

「え?誰?」

「知らない大人だぞ?」

「へ?ま、まぁ、とりあえず、行くね。」 

光が言うと、店舗の方に向かって行った。その間も「誰だろ?」と疑問に思いながら向かうのであった。

「すみません。お待たせしました。」

「わざわざすみません。橘光君ですか?」

「…はい。えっと。」

光は自分の脳をフル回転させたが、目の前に立つ人物に覚えがなかった。挨拶をした人物を光は観察した。身長は170センチくらいで、スーツを着た男性だった。年齢は20代半ばくらいであろうか。観察しても、見覚えがなかった光は警戒心を強めた。

「そんな睨まないで下さいよ~。」

そんな光を落ち着かせるように笑顔で言った。

「…どちら様ですか?」

笑顔を向けられても警戒心を弱めない光。その笑顔には不思議と相手を安心させるようなものは感じられなかった。

「はぁ~。笑顔をむけて、丁寧に対応したのにその態度かよ。」

「だから、あなたは誰ですか?」

なかなか質問に答えない男に光は苛立ちを覚えていた。

「…俺はマネージャーだよ。白鷺千聖のマネージャーだよ。迷惑な白鷺千聖のファンの橘光君。」

ニヤッと笑いながら言った。

「は?…そのマネージャーが何の用ですか?」

「はぁ~。君とはあまり仲良く出来そうにないから単刀直入に言うね。千聖と別れてくれ。千聖から報告があってね。付き合ってるんだろ?」

またニヤッと笑いながら千聖のマネージャーと名乗る男が言った。しかし、表情はニヤニヤとしているが、態度はでかく、イライラとしているようだった。

「付き合ってますが、何故、貴方にそんな事言われないといけないのですか?」

光も、更にイライラしながら言った。本当なら一暴れしたいくらいだったが、場所が店舗だった為、一生懸命、押さえていた。

「…ガキがいい気になってんじゃねぇぞ?もし、芸能記者にバレたら、千聖は終わりだぞ?それに、Pastel*Palettesだって。」

「千聖さんは大丈夫だと言ってましたが?」

「うるせーな。とにかく、別れろ。良いか?」

「黙れ。そして失せろ。」

光が更に睨む。

「なんだ?殴りかかりそうな雰囲気だが?殴りたいなら殴れよ?」

「…この野郎っ!」

光は叫ぶと1歩踏み出した。しかし、1歩踏み出した所で、光の身体は宙に浮いた。

「このバカ息子!?お客様になんてことをしてるんだ!」

「と、父さん!?は、は、離してよ!」

光は先程の怒りは何処へやら、恥ずかしそうに叫んでいた。光が殴りかかろうとしていたのを発見した光の父親は光を抱きかかえていた。つまりは、光を高い高いしていた。そして、そのまま光を脇に抱えてた。

「お客様、息子が申し訳ありませんでした。」

「い、いや。ま、まぁ、橘光君?ちゃんと別れてね。じゃあ。」

「ま、待て!話は終わってねぇぞ!」

光は叫ぶが、マネージャーは無視をして立ち去ってしまった。

 

─────────────────────

男が帰ってすぐ、光は怒りの全てを父親にぶつけていた。自分の父親をずっと殴ったり、蹴ったりしていた。そして、それを15分続け、光は肩で息をしながら、リビングのソファーにドカッと座った。

「光、もう終わりか?ちょうど良いマッサージなのに。」

「父さんの…身体…どうなってるの…?僕が、本気で殴らないと…マッサージに…ならないの?」

息が上がっている為、光は途切れ途切れに言った。

「あっはっは!参ったか!…少しは落ち着いたか?」

「うん。…ありがとう。」

「おう。じゃあ、仕事に戻るから。」

光の父親が立ち上がり、店舗に戻った。そして、入れ違いにバイトを終えたリサが入ってきた。

「光?大丈夫?」

「あぁ。今井さん。お疲れさまです。大丈夫ですよ。」

「え~と…。光って、怒ったら結構恐いんだね?」

リサは目線を泳がせながら言った。

「…見苦しとこ見せてごめんなさい。」 

「ううん!大丈夫だよ!あれは、誰でも怒るよ。無理ないよ。」

「ですよね。あいつ何だったんだろ。感じ悪かったなぁ。千聖さんのマネージャー?ふざけるなって感じです。」

光は苦笑いしながら言った。

「でも、殴る前に店長が止めて良かったよ。殴ってたらどうなってたか…。」

「え?」

リサが心配そうに言うと、光はキョトンとした。

「光?もし、あのまま殴ってたら、どうなってたと思う?多分だけど、あの人なら警察沙汰にしそうじゃん?そうなったら…。」

「あっ。」

光は自分の過ちに気づき、悔しそうに下唇を噛んだ。そして、止めてくれた自分の父親に感謝するのであった。

「まぁ、結果オーライって言う事で☆ところで、光?千聖と付き合う事になったの!?」 

先程の雰囲気とは打って変わり、リサはニヤニヤしながら言った。

「…はい。お付き合いすることになりました。」

「きゃー!光!やるじゃん☆」

リサは嬉しそうに笑うと、光の背中をバンバンと叩いた。

「い、痛い!今井さん、や、止めてください!」

光が叫ぶと、リサは手を止め、「ゴメンねぇ~。」と悪びれる様子も無く言った。

「いたた…。あの、分かってるとは思いますが、内緒にしてて下さいね?バレたら大変なので。」

「もちろん!いやぁ~。光にも春が来たか~!まだ、外は真冬なのにねぇ~。でも、なかなかデートとか出来なくて大変そうだよね…。」

「まぁ、他の人にも言われましたけど、しょうが無いですよね。でも、初詣くらいは行きたい…かな?」

光は苦笑いしながら言った。

「そっか…。あっ!良いところあるよ?」

「え?」

「初詣でしょ?あまり人が来ない神社があるよ?夜に行けば、間違いなく人には出会わないよ?…知りたい?」

「は、はい!」

リサがウインクをしながら言うと光は目を見開いて言った。

「しょうがないなぁ~。特別に教えよう!…でも、その前に約束して。」

「は、はい。なんですか?」

「あの人、千聖のマネージャーだっけ?あの人は絶対にまた光の前に現れるはずだから、その時は絶対に殴らないこと。腹が立っても、冷静にいること。…約束して。光は私はもちろん、モカや他の店員も大事な仲間って思ってるから。いなくなるなんて嫌だよ。」

リサは光を真っ直ぐ見て言った。

「…分かりました。約束します。すみませんでした。」

「よし!なら場所を教えよう!ちゃんとお参りするんだよ?」

リサはそう言うと、カバンから紙とペンを取り出し地図を書くのであった。

「そうそう!約束で思い出したけど、冬休みのどこかでちょっと付き合ってよ。前にした約束果たして貰うから。」

「えっと、前にした約束?何かありましたっけ?」

「え!?忘れてるの!?光のコーディネートさせてくれるって話だったじゃん!」

リサが怒ったように言った。

「あれ。マジだったんだ。」

光はボソッと呟き、苦笑いをするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




光君の激怒シーンでした。
このシーンを書いてる時に光君が怒っても恐いのかな?って思いました。
身長が150センチくらいで、中性的な顔で…。
う~ん。微妙??

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