Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
~千聖と茜の日常~
「でね、その時の光くんがとっても可愛かったの!」
「…話、終わりましたか?」
千聖と茜は約束通り、お茶をしに来ていた。月日が経つのは早く、光と千聖が付き合ってから数ヶ月が経っており、光と茜は無事に高校生になっていた。お茶をしに来たのは良いが、会ってから1時間、茜はずっと千聖の惚気話を聞いていた。
「ちーちゃん?光が好きなのは分かってます。でも、いくら何でも話が長過ぎです!」
「あら?まだ半分もいってないわよ?」
「嘘でしょ?」
はぁ~と茜は額に手を当てて、ため息をついた。
「えぇ。嘘よ。」
いたずらが成功して喜ぶ子供のように「ふふっ。」と千聖が笑うと、茜は唖然とした表情で千聖を見ていた。
「私、帰る…。」
「ごめんなさい。あーちゃんも光くんと一緒で見てたらいたずらしたくなっちゃうのよ。…だからカバンから手を離して頂戴?」
千聖は本当に帰ろうとする茜を見て、慌てていった。
「はぁ。ちーちゃん?次やったら本当に帰りますからね?」
茜は千聖を睨みながら言う。これには流石の千聖も「悪かったわ。」と謝罪した。
「まぁ、話は変わりますけど、今やっているドラマ見てますよ?かなり面白いです。」
「ありがとうね。」
現在、千聖は個人の活動で、ドラマに出演していた。そのドラマがなかなかの高視聴率を出しており、昼のワイドショーでも、特集を組まれたりしていた。
「忙しそうですけど、光には会えているんですか?」
「最近はあまり会えてないわね。だから会える日を楽しみにしているわ。」
「…私と会う時間があるのに?」
茜は怪訝な顔をしながら言った。その表情を見て、千聖は「ふふっ。」と笑った。
「光くんは、リサちゃんと洋服を買いに行ってるわよ?私と付き合う前に約束してたみたいだから。」
リサはちゃんと千聖に許可を貰っており「バッチリ格好よくしてくるから☆」と言うリサに光を貸したのであった。
「へ?い、良いんですか!?光が他の女性とで、デートしても!?」
「リサちゃんはコーディネートが得意だから光くんがますます格好よくなるから楽しみにしているわ。それに、私と付き合う前に約束してた事でしょ?だったらしょうがないわ。」
千聖は紅茶に口をつけた。
「こ、これが大人の余裕ってやつ…なのかな?」
「あら?あんまり歳は変わらないでしょ?それより、茜ちゃんはどうなの?彼氏出来たんでしょ?」
千聖が聞くと、茜は困ったような表情をした。
「そうですけど…。その、なんと言うか…。付き合うって言うのが分からなくて…。も、もちろん、好きなんですが…。」
「始めはそうじゃないのかしら?私も相当、悩んだわよ?」
千聖は懐かしむように遠くを見て言った。
「…その内…分かるようになりますかね…?」
「えぇ。私だって、未だに分からないわよ?ただ、光くんと居ると、とても楽しいの。それで充分よ。あーちゃんは楽しくないのかしら?」
「い、いえ。楽しい…ですよ?」
「だったらそれで良いわよ。楽しかったら大丈夫よ。つまらない男ならふったらいいのよ。」
千聖がニヤッと笑って言うと、茜は苦笑いをした。そして心の中で「(光…頑張れ。)」と呟いた。
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~海は広いな大きいな~
眩しい日差し。キラキラ光る砂浜。透き通るほど綺麗な海。言わなくても分かるだろうが、千聖と光は海水浴に来ていた。ウキウキした表情を見せる千聖とは対照的に、光は現実について行けないような、なんとも言えない表情を浮かべていた。それもそのはず、光は黒い服の女性達に拉致され、リムジンに連れ込まれたのだった。
「光くん!凄いわね!海、とっても綺麗ね!」
「え?そ、そうですね。えっと、千聖さん?」
「…さん?」
「い、いや。千聖?経緯を説明して欲しいかな?」
相変わらず、ヘビに睨まれた蛙になってしまう光だった。
「私が、光くんと海水浴にデートしたいってこころちゃん、ハロハピのボーカルの子なのだけど、その子に相談したらプライベートビーチを貸してくれたのよ。」
「…プライベートビーチ?ちょっと待って!あのリムジンと良い、ここまで来る時に使った飛行機も?…どれだけお金持ちなの?」
「それはあまり考えない方が良いわよ?あっ。あそこだわ。」
千聖が指を差した先にはパラソルが設置されていた。
「至れり尽くせり…だね。」
「そうね。でも、今は私と楽しみましょ?…久々に2人っきりなんだから。」
千聖は光の手を取ると、指を絡ませながら言った。
「そ、そうですね!いっぱい遊びましょう!えっと、何しますか?」
「なにを言ってるのかしら?海なんだから泳ぎましょう?」
「でも、水着ないですよ?」
「はい。水着。」
千聖は持っていたカバンから男物の水着を取り出した。紛れもなく光の水着であった。
「あれ?僕の水着?なんで千聖が?」
「さっき、黒服の人に渡されたのよ?なんで持っていたかは知らないわ。」
千聖がそう言うと、光は何故か、これ以上聞いてはならない気がして、困惑しながらも無理矢理納得した。
「では、着替えましょ?私、海って久々なのよ。」
千聖はテンションが高いのかニコニコしていた。そして、自分の服を持つと、一気に脱いだ。その光景に、光は思わず目を瞑った。
「ち、千聖!だ、誰もいないからって!」
「何をしているの?」
慌てる光に対し、千聖は淡々と言った。恐る恐る光が目を開けると、水着を着た千聖が立っていた。白を基調としたビキニだった。
「あ、あれ?着て来てたのですか?」
「そうよ。それに光くん?私の裸、何回も見てるでしょ?今更恥ずかしがらなくても。」
未だに慣れない光に千聖は言った。
「そ、そんな事言われても…。水着、似合ってますよ。」
「ありがとう。光くんも早く着替えて欲しいわ。」
「わ、分かりました。海は逃げないので落ち着いて下さい。」
光はそう言うと、辺りをキョロキョロと見た。しかし、隠れて着替えれるところは何処にもなかったのであった。
「何をしているの?ここで着替えたら良いじゃない。」
「こ、ここで?は、恥ずかしいです。…み、見ないで下さいねっ!」
顔を赤くし、本当に恥ずかしがる光に「(私の彼氏って、誰よりも女の子っぽいわね。)」と千聖は思っていた。
「…お待たせ…しました。」
着替え終わっても顔の赤みが消えない光。そんな光を見て、千聖は微笑んだ。
「光くん?照れてるところ悪いんだけど、これ塗ってくれないかしら?」
千聖の手には日焼け止めが握られていた。
「えっと…。分かりました。」
光は日焼け止めを受け取ると、ビニールシートの上にうつ伏せになった千聖背中に塗っていった。
「…着替えを見られるのは恥ずかしがるのに、これは平気なのかしら?」
「へ?だって、日焼け止めを塗るだけですよね?」
キョトンとした表情で答える光に千聖は「(恥ずかしがるポイントが分からないわね。)」と思っていた。そんな事とはつい知らず、光は別のことを考えていた。
「(確か…テレビでは…だったよね。千聖さんは芸能人なんだし、ちゃんと日焼け止めを塗らないとダメだよね?)」
光はそう考えを纏めると、千聖のビキニの紐をスルスルっと解いていた。突然の出来事に千聖は「ひ、光くん!?」と驚いていた。
「そ、そんなに驚いてどうしましたか?えっと、マズかったですか?確か、ビキニの紐の下もしっかり塗らないと、日焼けの跡が残るからダメなんですよね?」
光の言っている事は間違ってはいない。しかし、まさかそんなことをしてくると思っていなかった千聖は「(本人に全く悪気が無いから怒れないわね。)」と少しだけ顔を赤くして言った。
「え、えぇ。そうね。でも、水着の紐を解くときは一声欲しかったわね。驚いたわ。」
「すみませんでした。」
「良いのよ。ありがとう。塗り終わったかしら?」
「はい。」
千聖は光の返事を聞いて起き上がり、水着を整えた。
「今日はいっぱい遊びましょうね。」
笑顔で千聖が言うと、光はクラッとした。真夏の太陽にも負けない千聖の眩しい笑顔に、光は再び、顔を真っ赤にするのであった。
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~Pastel*Palettesの乱(笑)~
「ねぇねぇ。光君!千聖ちゃんのどこにるんってきたの!?」
「る、るん?」
光は千聖の家でPastel*Palettesのメンバーに尋問を受けていた。何故、こうなったかと言うと、千聖からのLINEで“今すぐ家に来て”と届き、慌てて来てみると、そこにはPastel*Palettesが全員集合していたのだった。ちなみに、LINEを送ったのは千聖ではなく、こっそり千聖のスマホから日菜が送ったものだった。なので、光が家に着いた時、千聖も驚いていた。あまり見れない、千聖のキョトンとした表情に、日菜は大爆笑をしていた。
「ジブンも気になります。光さんは千聖さんのファンだったんですよね?」
「や、大和さんまで…。えっと、確かにファンですよ。今でもPastel*Palettesのファンっていうのには変わりないですよ。」
「もぅ!光君!そんな事を聞いてないよ!千聖ちゃんの何処が好きなの?」
なかなか質問にはぐらかすように答える光に、彩が言った。
「何処って…。何処かな?」
光が苦笑いしながら言った。
「え?分からないの?」
「は、はい。気付いたらファンだったのが1人の女性として好きに変わっていたので…。あっ。でも、一緒にいると安心しますよ?」
バカ正直に光が答える。光がハッと気付くと、千聖以外のメンバーがニヤニヤしながら光を見ていた。
「あー。暑いなぁー。」
「ですね。日菜さん。こっちが恥ずかしくなるっスね。」
「これが光サンと千聖サンが信頼している訳ですね!ブシドーです!」
「あははっ!千聖ちゃんも顔真っ赤にしてる!」
それからも、千聖以外のメンバーから質問が続き、それにバカ正直に光が答え、千聖のライフを削っていくというやりとりが続いていた。
「そう言えば。日菜さん。以前に、光さんと彩さんが似てるって話しましたよね?」
「あー。したねー。だってそっくりじゃん!特に慌てるところとかさ!千聖ちゃん、だから光君の事好きになったんでしょ?」
日菜がそう言うと、光も彩も「(似てるかな?)」と首を傾げた。
「そんな事ないわ。…確かに、似ているけど…。」
「…似てるかな?」
千聖が苦笑いしながら言うと、光は聞き返した。
「えぇ。似ているわよ。でも、だから好きになった訳じゃないわ。」
「きっと、彩サンと光サンの祖先は一緒なんですね!だから似ているんです!」
「イヴさん?それは無いんじゃないですか?」
「あはは!彩ちゃんの祖先が武士だったら、「やーやー!我こそは…。」って名乗りを上げるところで噛むんだろうな!」
「彩サンの祖先は武士だったんですか!?」
「し、知らないよ~。」
再び、わちゃわちゃした雰囲気になった千聖の部屋で、光は隣に座る千聖にコソッと声をかけた。
「結局、僕の何処が好きなんですか?」
「あら?以前に言ったじゃない。」
「…あれですか。あれ、マジだったんですね。」
「私はいつだって本気よ?」
ニコッと笑う千聖に光は「(よく言うよ。)」と思っていた。
「ねぇ。光君?」
「何ですか?丸山さん?」
「千聖ちゃんに怒られてない?大丈夫?」
「彩ちゃんどういう事かしら?」
ドス黒いオーラを纏いながら、質問をする彩に千聖は言った。
「まぁまぁ。千聖?落ち着いて。丸山さん?千聖は優しいですよ?怒られた事はありますが、それは僕が悪かったので、怒られて当然です。」
「おぉ!光君、彩ちゃんより大人っ!」
「ち、ちょっと!日菜ちゃん!?どういう事!?」
「そうね。」
「ち、千聖ちゃんまで!」
彩が叫ぶと「あはは!」と笑いが起きた。
「い、いーもん!こ、今度、千聖ちゃんに怒れたらひ、光君に言ってやるんだから!」
「別に良いわよ?私は間違った事言ってないから。」
ニコッと微笑みながら千聖が言うと、光は苦笑いをした。
「Pastel*Palettesって、いつもこんな感じなんですか?」
「そーだよ!るんって来るよね!?」
「る、るん?」
日菜の言う、「るんっ」の意味は光には分からなかったが、楽しい雰囲気にほっこりするのであった。
「そう言えば、光さん、さりげなく千聖さんを呼び捨てにしてましたね?」
麻弥が言うと、周りも「そういえば!」と言い出し、再び、光と千聖に対して尋問が始まるのであった。
番外編でした。
正直、番外編を書くつもりはありませんでしたが、リクエストを頂いたので書きました。
リクエストをしてくれた方々、ありがとうございます!
ちなみに、番外編の2つ目の海の話は「キズナカナタ」さんのリクエストです。
キズナカナタさんもハーメルンで小説を書いています。面白いので是非、読んで下さい!
評価&感想も、お待ちしています!
キズナカナタさん
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