Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
潤とりみ。そして、光と千聖のが絡んでいく様子をご覧下さい。
多分、もう1話くらい続くはずです。
1話
春の陽気に誘われるように潤はうたた寝をしていた。時刻はお昼の1時。彼女であるりみのお手製のお弁当を食べた潤は満腹感に満ちあふれていた。
「一宮君?お客さんだよ。」
隣の席の女子がそんな潤の睡眠を妨害するように声をかけてきた。
「…んぁ?…ありがとう。」
体を起こし、目を擦りながらお礼を言うと、教室の入り口を見た。しかし、そこには、潤を訪ねてきた人物は見当たず、変わりに、女子が数人入り口の前で固まっていた。
「…あれ?」
潤はボソッと呟くと、辺りをキョロキョロと見渡した。すると「た、た、助けて…。」と、固まっていた女子の奧の方から微かに、男子の声が潤に届いた。
「ん?誰かいるのかな?」
潤は声がした方に、ゆっくりと歩を進めた。だんだん、近づいて行くと、潤はやっと状況を理解していた。
「ねぇねぇ!君。名前は?」
「可愛い~!一年生かな?」
「え、えっと…。あの…。」
潤を訪ねて来たお客さんは、すっかり女子達に囲まれてしまっていた。それもそのはず、中性的な顔立ちに、囲んでいる女子よりも小さな体格。つまりは女子が好みそうな男子が潤のお客さんであった。
「ちょっとごめんね。君がお客さん?」
「え!?一宮君の知り合いなの?」
潤が声をかけると、目をハートにした女子が必死に潤に聞いた。ちなみにだが、この女子達は潤のお客さんに一目惚れをしている訳ではない。女子の多くはこういった可愛い物を見るとこういった反応をする方が多いように感じる。
「いや。そういう訳では無いけど…。えっと。どちら様ですか?」
潤は見下ろしながら、お客さんを見た。男の潤から見ても「可愛い」と思ってしまった。
「え、えっと…。僕は橘光と言います。えっと…。き、聞いてませんか?」
緊張しているのか、オドオドしながら光は言った。
「橘…。あぁ!思い出した!聞いてるよ。」
潤は少しだけ「う~ん。」と考え、思い出すと、手を「ポン!」と叩いた。
「一宮君、やっぱり知ってるじゃん!」
潤の反応を見て、光を取り囲んでいた女子が叫んだ。
「いや…。正確に言うと知らないんだけど…。光って呼んで良いかな?」
「は、はい。」
「ここで、話は出来そうにないから、ちょっと移動しようか。」
潤は光の腕を掴むと、引っ張り、歩き出した。
「あっ!可愛い子が!…一宮君!後で詳しく教えてよー!」
潤と光の背中に、女子達の声が刺さるが、無視をしながら2人は歩いた。
「ここなら大丈夫かな?」
辺りをキョロキョロと見ながら潤は呟いた。
「あ、あの。すみません。め、迷惑でしたよね?」
困った表情を浮かべる光に潤はニコッと笑いながら、そんな事はないと首を振った。
「白鷺さんから聞いてるよ。白鷺さんの彼氏って本当?」
「は、はい。本当です。」
「本当なんだ!いやぁ~。初めて聞いた時はビックリしたよ。」
「で、ですよね。僕も未だに千聖の彼氏なんだってビックリする事があります。自分の部屋に入ったら、大ファンの白鷺千聖さんがいるって…。」
照れながら話す光に潤は微笑ましく感じていた。
「そっか。まぁ。分からない事があったら何でも聞いて?」
「は、はい。ありがとうございます。えっと、早速なんですが…。良いですか?」
「え?うん。どうぞ?」
まさか、直ぐに質問が来ると思っていなかった潤は、戸惑いながら答えた。
「千聖から聞いたのですが、潤さんも彼女がいらっしゃるのですよね?…ポピパのベースの方と聞いてるのですが…。」
「白鷺さん、そんな事まで話してるの?」
「は、はい。一宮さんの話を聞いた時に教えてくれました。…それでなんですが、どこか良い、デートスポットは知りませんか?」
必死な表情で、光は潤に聞いていた。無意識なのか、だんだんと潤に迫っていた。
「光?お、落ち着いて。」
どーどーとジェスチャーを入れながら潤が言うと、我に返った光は恥ずかしそうな表情で下を向いてしまった。
「えっと…。なんか焦っているように感じかな?」
「す、すみません。僕は、女性とお付き合いするのが初めてで、いつも千聖に彼氏っぽい事をする事ができてないので…。悩んでます。」
「なるほどね。ちなみにだけど、どんなデートがしたいのかな?」
「どんなデート…ですか?…う~ん。…人がいない所なら…。ですかね?」
光は腕を組みながら考え、悩みながら答えた。
「人がいない…?あぁ。なるほど。千聖さん、見つかったら大変だもんね。」
「そうなんです。なので、デートは基本、どちらかの家なので…。」
本当に悩んでいるのか、光の眉は八の字になりっぱなしであった。
「無理に何処かに行かなくても良いんじゃない?」
潤はそう言うと、光はビックリした表情で潤を見ていた。
「え?」
「光は白鷺さんと普段、どっちかの家にいて退屈?」
「そ、そんな訳では…。でも…ち、千聖がなんて思っているか心配で…。」
「大丈夫。多分、白鷺さんも楽しんでいるから。このまま付き合ってたら、いつかどっかにお出かけ出来るよ。だから気長に待ってたら大丈夫。」
潤がニコッと笑いながら言った。
「あ、ありがとうございます!流石、先輩です!でも、千聖が楽しんでいるってなんで分かるのですか?」
「あぁ。それは、光の事を聞いた時に白鷺さんが見たことないくらい楽しそうに話していたからだよ。」
潤はニヤリと笑いながら言った。
「た、楽しそう…ですか?」
「うん。目をキラキラさせて、それはもう、嬉しそうに!」
潤はそう言うと、光の頬が真っ赤に染まっていくのが分かった。
「て、照れる…なぁ。」
光はボソッと呟くと、外を眺めた。そんな光の姿を見て、潤は自分がりみと付き合ったばかりの頃を思い出すのであった。
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「あら?」
「あっ!千聖先輩!こんにちは。」
潤と光が会っていたほぼ同時刻、花咲女子学園の自動販売機の前でりみと千聖もバッタリ会っていた。2人とも手には財布が握られていた。
「千聖先輩も飲み物を買いに来たんですか?」
「そうよ。りみちゃん、1人?」
千聖はそう言うと、りみの後ろを見た。いつも、Poppin`Partyの面々と一緒にいるイメージがあったからだ。
「ひ、1人ですよ?みんな用事があるみたいで…。」
「そうなの。ねぇ、りみちゃん。ちょっとお話ししない?」
千聖はそう言うと、りみは「へ?」と言い、まさかのお誘いに固まってしまった。
りみと千聖は空いていたベンチに腰掛けていた。
「すみません。カフェオレ、ありがとうございます。」
「良いのよ。私から誘ったのだから。」
申し訳なさそうに言うりみに、千聖は微笑みながら言った。
「そう言えば、りみちゃんとゆっくり喋ったこと無かったわね。」
「は、はい!な、なので、ちょっとドキドキしいます。」
緊張した面持ちのりみに千聖はまた「フフッ」と笑った。
「ち、千聖先輩。お、お話しって…。な、何を話したら…。」
「りみちゃん。落ち着いて?実は、聞きたい事があったのよ。…潤君とはどう?順調?」
「じ、潤くんですか?は、はい!楽しく過ごせてますよ!」
潤の話題になった瞬間、先ほどの緊張した表情から変わり、満面の笑みを浮かべていた。
「そう。良かったわ。」
「あの…。千聖先輩も彼氏が出来たって聞いたのですが、本当ですか?」
りみはカフェオレにストローを刺しながら言った。その姿をみた千聖も、同じようにストローを刺した。
「えぇ。本当よ。光くんって言うのよ。」
「どんな方ですか?」
「小さくて、可愛くて、優しい子よ。今年、高校生になったばかりよ。」
「へ?と、年下なんですか!」
りみは千聖が今まで見たこと無い程、目を見開き、驚いた表情を浮かべていた。
「そうよ。年下よ。意外だったかしら?」
「い、いえ。でも、年下と…ってイメージはありませんでした。」
「そうね。みんなそう言うのよね…。日菜ちゃんいわく、私の彼氏は彩ちゃんに似てるらしいわよ?」
「彩先輩…に?えっと…。」
りみは彩の姿を思い浮かべたが、イメージは沸いてこなかった。
「まぁ、会ったら分かるわ。今度、りみちゃんにも紹介させてね?光くん、潤君と同じ高校だから。今日、多分、挨拶に行ってるはずだわ。」
「そうなんですね。」
「ところでりみちゃん…。潤君とは何処まで進んだのかしら?」
「…へ?え?…い、い、い、言わなきゃダメ…。ですよね?」
まさかの質問だったのか、りみは顔を真っ赤にした。そんなりみを見て、千聖は心の中で「可愛い」と思っていた。
「聞きたいわ?無理かしら?」
「え、えっと…。じ、実はキスくらいで。それも、付き合った時に1回だけ…。」
モジモジしながら答えたりみ。しかし、千聖は驚いた表情を浮かべた。
「りみちゃんと潤君って付き合ってどれくらいだったかしら。」
「夏が来たら1年…です。」
「…潤くん、よく平気ね。」
千聖は潤に関心したように言った。
「わ、私が恥ずかしがっているのがいけないんです…。でも…。どうしても恥ずかしくて…。これじゃぁ、ダメって分かってはいるんですけど…。」
「ダメかしら?私は良いと思うわよ?潤君、りみちゃんを大事にしたいんじゃない?」
千聖はりみを落ち着かせるように優しく言う。「そうでしょうか。」と呟くりみに千聖は更に「大丈夫。」と言った。その言葉にりみの表情は少しだけ明るくなっていた。
「ち、千聖先輩はどうですか?ど、どどど何処まで進みました…か?」
りみはさっきのお返しとばかりに千聖に聞いた。しかし、千聖はりみと違って恥ずかしがる様子を一切出さずに、「最後までよ。」と言った。
「さ、さ、さ、最後!?」
「えぇ。我慢出来なくなって、襲ったわ。」
千聖がそう言うと、りみは「へ?」と呟き、顔を赤くして、口をパクパクとさせた。
「りみちゃん?どうしたのかしら?」
「え?い、いえ。ち、千聖先輩って…。だ、大胆なんですね。」
「だって大好きだもの。我慢なんか出来ないわ。」
「は、恥ずかしくないんですか?」
「恥ずかしかったわよ?でも、それ以上に光くんの肌に触れたいって方が勝ったわね。」
千聖はその時の事を思い出しているのか、満足そうな表情を浮かべた。そんな千聖の姿を見て、りみも心の中で「頑張らないと。」と思うのであった。
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「ちゃんと話せたのね?」
「はい!千聖のお陰です。」
光と千聖は、光の部屋で談笑していた。
「私も、りみちゃんといっぱいお話し出来たのよ。たまたまだけど。」
「りみちゃん?あっ。潤先輩の彼女の?」
「そうよ。今度、光くんに会わせるって約束したからそのつもりでね?」
千聖はそう言うと、紅茶に口をつけた。
「わ、分かりました。…緊張、するなぁ…。」
光はそう言うと、千聖に近づき、後ろからギュッと抱き締めた。
「どうしたの?」
「抱き締めるのに理由がいるの?」
「ふふっ。拗ねないで?嬉しいわ。付き合ってすぐの頃は考えられなかったわ。光くんから抱き締めて貰えるなんて。」
千聖はそのまま光に体を預け、幸せそうに目を瞑るのであった。
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「へ?なんで、りみが光の事知ってるの?」
「千聖先輩から聞いたんだよ。」
一方、その頃、潤とりみも潤の家で過ごしていた。千聖は紅茶を飲んでいたが、りみはチョココロネに齧り付いていた。
「なるほど。」
「ねぇ、光君ってどんな子だった?」
「あぁ。男の僕から見ても可愛い子だったよ。」
「へ?そ、そんなに?」
世間一般的に男性が男性の事を可愛いと言うことは稀であるように感じる。それを言わせた光君の容姿をりみは気になるのであった。
「まぁ、モテるだろうね。キャーキャー言われてたよ。」
潤はその光景を思い出すと苦笑いを浮かべた。
「白鷺さんとはどんか話をしたの?」
「へ?い、い、いいい色々…だよ?」
りみは持っていたチョココロネを落としそうになるくらい慌てていた。
「ん?そんな慌ててどうしたの?」
「な、な、な、なんでもない!」
顔を真っ赤にしながら慌てるりみに潤は頭の中に「?」を沢山浮かべた。
「そ、そう言えばね。今度、千聖さんが光君に会わせてくれるらしいの。潤くんも一緒に行こうね?」
りみはそう呟くと、潤は「もちろん。」と呟いた。光は話の終わりに彼女である千聖を抱き締めていたが、潤はそのまま座ったままであった。プラトニックな潤とりみにはハードルが高い行動なのであった。
いかがでしたか?
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