Choose thy LOVE.Love thy choice 作:ぴぽ
買い物が終わり、4人はショッピングモール内にあるカフェで休憩していた。光を除く3人、千聖、彩、花音はガールズトークに花を咲かせていた。
「(いつまで話すんだろ?)」
着せ替え人形如く、何十着と着替えた光は内心ぐったりしていたが、そんな姿を出すのは失礼と考え、ニコニコと笑顔を浮かべていた。
「ところで、光君?疲れてないかしら?」
話が一段落し、千聖が光に聞いた。
「ふぇ?」
図星だった光は思わず、焦ってしまった。
「図星…だったかしら?」
「…何で分かったんですか?」
「え!?ひ、光君疲れてたの?」
「ふ、ふぇぇ~。き、気付かなくてごめんね。」
「だ、大丈夫です!え、えっと、試着をあれだけの回数をしたことなくて…。」
年上の女性の謝罪に焦って、光もわたわたしながら言った。
「確かに、少し、やり過ぎたかもね。でも、お陰で、良い服に出会えたじゃない?」
千聖はチラッと光の横に置いてある紙袋に目をやった。
「はい!本当に感謝してます!ところで…。」
光は千聖の横にも置いてある紙袋に目をやった。光が持っている紙袋と同じロゴが入っていた。
「あぁ。これ?はい。どうぞ?」
「ふぇ?」
千聖は紙袋を光に手渡した。
「さっき、似合ってたからプレゼントよ?私達、楽しくなっちゃって光君に迷惑かけちゃったから。」
「め、迷惑だなんて!…でも、ありがとうございます。開けていいですか?」
光は千聖が頷くのを確認し、紙袋を開けた。
「あっ。これ…。」
光が紙袋からハットを取り出した。千聖が彩と花音に声をかけに行った時に光がお試しで被っていた物だった。
「喜んで貰えたかしら?」
「もちろんです!またこのハットにあった服を買わなくちゃですね。」
光はニコニコしながらハットを被った。
「やっぱり似合ってるわよ?」
「ありがとうございます。」
「本当に、似合ってるね!千聖ちゃん、やっぱりセンスあるなぁ。彩ちゃんもそう思うよね?…彩ちゃん?」
光と千聖のやり取りをニコニコしながら聞いていた花音は感想を述べると、彩にも同意を求めた。しかし、彩から返事は無く、見ると驚愕の表情を浮かべていた。
「あ、彩ちゃん?」
「ち、千聖ちゃん?えっと…。あれ?」
「彩ちゃん?言いたい事があるならハッキリ言っても良いのよ?」
混乱している彩に千聖が言った。
「ううん!な、な、何でもないの!うん!何でもない!」
わたわたしながら叫ぶ彩に千聖はため息をつき、花音は苦笑いした。そして、状況が分かってない光は困惑するばかりだった。
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千聖達とのショッピングから3日経っていた。光は今でも夢だったのではないかと感じていたが、壁に飾られたハットを見て「あぁ。現実なんだ。」と思っていた。そして、スマホの連絡先を開くと、ショッピングに行った3人の連絡先が入っていた。
「やっぱり…信じられない…。狸か狐に化かされてないかなぁ…。」
光はボソッと呟いた。ちなみにだが、光は3人にショッピングから帰ってからお礼のLINE以外、恐れ多くて連絡出来ていない。
「光!ちょっと手伝ってくれ!」
「すぐ行く!」
店舗の方から店長である光の父に救援の申請をされ、光はすぐに向かった。
「すまんな。ちょっと、出掛けないと行けなくなったから、店番頼む。今、1人しかいないから。」
「分かったよ。気をつけてね。」
光の父はエプロンは外すと、すぐに出て行った。
「お疲れ様です。」
光はエプロンを着ながら、店舗に顔を出した。
「お疲れ~☆」
光の店のバイトの店員であり、Roseliaのベース担当の今井リサが笑顔で光に言った。
「今日は今井さんでしたか。」
「そうだよ!ありがとうね。お客さん少ないから1人で大丈夫って言ったんだけど…。」
「いやいや。何かあったら大変ですから。…って、お客さん少ない所かいないじゃないですか。」
光は苦笑いしながら言った。ちなみにだが、光の家のコンビニがいつもお客がいないように感じるが、これでも、朝は出勤前の会社員や登校途中の学生が、夕は帰宅前にといった感じでそれなりに忙しい時間もある。
「そうなんだよね~。私、出勤して1時間経つけど、お客さん、1人も来てないんだよね~。…でも、手伝ってくれてありがとう。今度、クッキー焼いてきてあげる!」
「え?今井さんのクッキー?やった!」
光は小さくガッツポーズをした。
「あはは~☆そんなに喜んでくれたら嬉しいよ。そう言えば、光、最近何かあった?」
「え?別に何も…。どうしました?」
「お父さんが心配してたよ?最近、上の空な時が多いって。」
滅茶苦茶、思い当たる節があった光は「あぁ~…。」と呟いた。
「お姉さんに話してみなさい!バッチリ解決しちゃうよ!」
胸に握りこぶしをドンと当ててリサは言った。ちなみに、ウィンク付きである。光はよく、コミュニケーション力抜群のリサに相談に乗って貰っていた。いや、そのコミュニケーション力で光の悩みを引き出しているという方が正しい。
「えっと…。何から話して良いのかな?」
「え~と、確か、先週、一緒に働いた時は普通だったから、土日に何かあったとお姉さんは見た!」
「…ご名答です。」
正解だった事にリサは得意げな表情を浮かべた。そして、光は千聖達とショッピングモールに行った話をリサにした。話終えてリサを光は見ると、何故か不満げな表情をしていた。
「どうして私じゃないの!?」
「へ?今井さん?」
「はぁ~…。光のコーディネートしたかった…。」
「…あぁ。そうゆう事ですか…。」
「次は絶対私にコーディネートさせてね!いい?分かった?」
「わ、分かりました。」
リサは光の返事に満足そうにニコッと笑った。
「で、話を戻すね?千聖と買い物が出来て良かったじゃん!しかも、連絡先まで交換して!いやぁ~悩み事で上の空になってるのかと思ったけど、まさか、本当に浮ついてて、上の空になってるなんて!」
光の背中をバシバシと叩きながらリサは言った。
「い、今井さん!い、痛いです!でも、なんか嬉しすぎて、今でも夢みたいだなぁって…。」
「うんうん!光は千聖のファンだったもんね!そりゃそうなるよ☆」
リサは自分の事のように喜んでいた。
「そうそう!あと、これ上げる!良かったら来て?いや、光は絶対に来るかな?」
「チケット?Roseliaの…ですか?」
「そうだよ!主催ライブってやつだよ。ここだけの話…。」
リサは光に近づくと耳元でボソボソと話した。
「行きます!」
それを聞いた瞬間、光は即答した。
「そうゆうと思った☆」
あはは!と2人は笑った。話に夢中になり、知らない間に入ったお客は「(賑やかな店だなぁ。)」と思っていた。
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「キーンコーンカーンコーン」と軽快なチャイムが響いた。チャイムが鳴った瞬間、教室内には安堵の空気が流れた。
「あれ?千聖先輩。こんにちは。」
「あら。こんにちは。たえちゃん。」
「学食って珍しいですね。」
「そうね。たまには良いかなって思ってね。たえちゃんも学食、珍しいんじゃない?」
千聖はいつも中庭でPoppin`Partyの5人で食べている姿を思い出していた。
「今日はお弁当忘れちゃって。ご一緒しても良いですか?」
たえは表情変えないまま言った。
「もちろん…よ。」
千聖が言い終わる前にたえは千聖の前に座っていた。
「たえちゃんは、ハンバーグなのね?」
「はい!大好物なので!千聖さんはパスタですね。」
「そうね。美味しいわよ?」
「そう言えば、パスタで思い出したんですけど、恋したいって話はどうなりました?」
脈略のないたえの話に千聖は苦笑いをした。
「ど、どうしたらそうなるのかしら?」
「私も分かりません。」
「(相変わらず…読めない…わね。)」
千聖は心の中で呟いた。
「それで、どうなったんですか?私、気になって、夜も8時間しか寝れないんです。」
「…充分だと思うけど…。」
「どうなったんですか?」
「たえちゃん、分かったわ!分かったから!…とは言っても何も変わりないわよ?それに前に言ったけど、恋って何だろうとは思ったけど、恋がしたいわけじゃないわよ。」
さらに、「たえちゃんの勘違いよ?」と付け足したが、たえは「う~ん。」と考えこんだ。
「たえちゃん?何か納得しないところがあるのかしら?」
「はい。この前、ショッピングモールで一緒に買い物したのは誰ですか?男の子ですよね?あの子。」
相変わらず、表情を変えずにたえは言った。
「…見てたの?」
「はい。」
「…あの子はお友達よ?たまたま仲良くなっただけよ?あの日もたまたまショッピングに行く事になっただけよ。」
千聖は「はぁ~。」とため息をついた。
「(ある意味、芸能記者に見つかった方が楽だったかもしれないわ。)」
とも思っていた。
「本当ですか?千聖先輩、とても楽しそうでしたよ?」
「…そうかしら?」
「はい。とっても。正直、あんなに楽しそうな千聖先輩、初めて見ました。」
たえの発言に「(私、普段、どんな顔してるのかしら?)」と千聖は思った。
「千聖先輩!私、応援してますね!」
「ま、待ってたえちゃん!違うわ?光君は友達よ?向こうもそう思ってるわ?」
珍しく千聖は焦って言った。
「そうなんですか?」
「えぇ。きっとそうよ。」
「そうですか。千聖先輩、残念でしたね。大丈夫です!次があります!」
「…なんで、私がフラれたみたいになっているのかしら。」
「なんででしょうか?」
たえとの会話に疲れた千聖は額に手を当てて、ため息をついた。
「あっ。もうこんな時間だ。次、体育なんで、私、教室に戻りますね。」
「えぇ。分かったわ。…あっ!たえちゃん、この事はあまり他で話さないでね。」
「分かりました。千聖先輩がフラれたなんて絶対に言いません。」
「…言いたい事は沢山あるけど、いいわ。よろしくね。」
「はい!ウサギの尻尾パン、楽しみにしてますね!」
いつか、千聖がたえに賄賂で送ったパンの事を再び言われ、千聖は何回目か分からないため息を盛大についた。
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リサからRoseliaのライブのチケットをもらった数日後、今日も光はバイトの手伝いに精を出していた。
「たっくん、頑張るね~。」
商品を棚に補充していた光は後ろから声をかけられてそちらを向いた。
「青葉さん。こんにちは。あれ?今日、バイトでしたっけ?」
「ふっふっふ。たっくんがモカちゃんに会いたくなる頃だと思って会いに来たのだ~。」
「…本当はどうされたんですか?」
「ただの買い物だよ~。」
モカがバイトを始めた当初はモカの冗談に焦っていた光だが、何ヵ月もたった今ではこうして流せるようになった。
「そうそう。たっくん~?今、暇~?」
「暇に見えますか?」
「リサさんに聞いたんだけど、千聖さんとデートしたんだよね~?」
光の発言を無視してモカはニヤニヤしながら言った。
「デートじゃないですよ?」
「でも、2人で、出掛けたんだよね~?デートじゃん?」
「うっ…。で、でもそんなんじゃないです!」
光は焦りながら言った。ちなみに、店内なので2人は小声で話している。
「でもでも、千聖さんの事、好きなんでしょ?」
「好きですけど、それはあくまでも、ファンって話ですよ?」
「あれ?私、そのつもりで言ったんだけど~?女性として好きなんか言ってないじゃん?たっくんは何を意識したのかなぁ?」
モカが更にニヤニヤする。まさかのイジりに光は顔を真っ赤にした。
「ちょっとモカ~?あんまり光を虐めたらダメだよ?」
「さ~せん。」
様子を見に来たリサがモカに向かって言った。光はリサの登場にホッとしていた。
「でも、光?ちなみになんだけど、千聖の事、女性として好きじゃないの?」
「い、今井さんまで?」
光は「(さっき、ホッとしたのを返して!)」と思っていた。
「そんなんじゃないですよ。確かに、ちょっと仲良くなれて嬉しいけど、あくまで、あくまで僕はファンとして大好きなだけです!た、確かに千聖さんは魅力的で、美人で、優しいですけど!」
始めは小声で喋っていた光だったが、段々と興奮してしまい、声が大きくなってしまった。
「(これだけ言えば。)」と思いながら光はモカとリサの顔を見たが、2人はニヤニヤしていた。
「いや~。リサさん?」
「何?モカ?」
「たっくんって意外に大胆ですよね~?」
「そうだね☆」
2人の会話の意味が分からない光は目を丸くしていた。
「たっくん?後ろを見て?」
「後ろですか?」
光が振り返ると、そこには会話の張本人の千聖がいた。
「光君。そんなに褒めて貰って嬉しいわ。ありがとう。これからも応援してね。」
千聖が笑顔で、しかも光の手を取り、握手までして言った。そんな状態に光は混乱し、言葉を失ってしまった。
読んで頂き、ありがとうございます。
感想&評価もよろしくお願いします。
アニメバンドリ2期最高です。
毎週、木曜日まで長く感じてます。
千聖さんとおたえの絡みは大好きです!
小説を始めた時に書きたいとずっと思っていたので、嬉しいです!
めっちゃ自己満足です笑